Justice: What's The Right Thing To Do? Episode 02: "PUTTING A PRICE TAG ON LIFE"
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0:24 - 0:27命の値段
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0:29 - 0:32前回 私たちは
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0:34 - 0:38船乗りの裁判について議論した
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0:39 - 0:43海で人を食べた事件だ
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0:45 - 0:49船長と航海士がしたことや
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0:49 - 0:53それに対する批判を念頭に置きつつ
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0:53 - 0:57ジェレミー・ベンサムの
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0:58 - 1:01功利主義の話に戻ろう
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1:01 - 1:04ベンサムは1748年イギリス生まれ
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1:04 - 1:0912才でオックスフォード大学に進学し
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1:09 - 1:1419才で弁護士資格を得たが働かず
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1:14 - 1:20法学と道徳哲学に人生を捧げた
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1:22 - 1:26ベンサムの功利主義は前回も触れたが
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1:27 - 1:31その中心となる考えは単純だった
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1:32 - 1:35道徳の最高原理とは
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1:35 - 1:38個人的にも政治的にも
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1:40 - 1:44幸福を最大化することである
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1:46 - 1:49苦痛が快楽を上回るように
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1:50 - 1:54一言で言えば 効用の最大化だ
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1:56 - 2:00ベンサムは次のように考えた
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2:00 - 2:05我々は皆 苦痛と快楽に支配されている
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2:05 - 2:08だからどんな道徳もそれを考慮すべきだ
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2:09 - 2:13その最も良い方法が最大化だ
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2:14 - 2:18これが最大多数の最大幸福の原理となる
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2:19 - 2:22何を最大化すべきなのか?
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2:22 - 2:25ベンサムは幸福だと言う
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2:25 - 2:28より正確には効用だと
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2:28 - 2:32効用の最大化は個人のためだけでなく
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2:32 - 2:36共同体や立法者のための原理でもある
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2:36 - 2:40共同体とは何か? とベンサムは問う
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2:41 - 2:44それは結局 個人の集まりだ
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2:45 - 2:48だから より良い政策を求めたり
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2:48 - 2:52法律を定めようとしたりするとき
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2:52 - 2:56市民や立法者はこう問わねばならない
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2:56 - 3:01その選択によるすべての利益から
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3:03 - 3:08すべての代償を差し引いたとき
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3:08 - 3:13幸福が苦痛を上回る度合いが
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3:13 - 3:17最大化できているだろうか?
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3:20 - 3:23これが効用の最大化だ
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3:23 - 3:27さて 今日は君たちが
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3:28 - 3:30これに賛成か反対かを聞きたい
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3:31 - 3:34ところでこの功利主義の論理は
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3:34 - 3:38費用便益分析という名で企業や
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3:39 - 3:43政府によってよく使われてきた
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3:43 - 3:47関連するものを数値で表すもので
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3:47 - 3:50たいていは効用をドルに換算し
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3:50 - 3:55様々な事業の費用と便益を数値化する
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3:56 - 3:59このあいだチェコ共和国で
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4:00 - 4:02タバコ消費税増税の提案がなされた
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4:03 - 4:04タバコ会社のモリスは
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4:05 - 4:10チェコで事業を展開しているのだが
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4:10 - 4:13彼らはチェコ共和国内における
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4:13 - 4:18喫煙についての費用便益分析を行った
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4:18 - 4:22その分析の結果わかったのは
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4:23 - 4:26政府は国民の喫煙によって
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4:27 - 4:29得をするということだった
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4:30 - 4:33どうして得をするのか?
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4:33 - 4:36チェコ政府の財政に
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4:36 - 4:39マイナス効果があるのは事実だ
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4:39 - 4:42喫煙による病気が増えて
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4:42 - 4:46医療費が増大するからだ
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4:47 - 4:50一方 プラス効果もあり
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4:50 - 4:54それらは帳簿の便益欄に載った
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4:55 - 4:59プラス効果として加えられたのは
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4:59 - 5:03大部分がタバコ販売による税収だ
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5:03 - 5:08早死にによる医療費の節約も加えられた
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5:09 - 5:13年金もそう長くは払わなくて済むし
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5:13 - 5:17高齢者用住宅費の節約にもなる
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5:19 - 5:22すべての費用と便益が考慮され
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5:24 - 5:27この会社の調査でわかったのは
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5:27 - 5:30チェコ政府の税収は
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5:31 - 5:361億4700万ドル増えるということだった
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5:36 - 5:41喫煙して国民が早く死んでくれれば
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5:41 - 5:46年金や医療費を払う必要がなくなるので
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5:46 - 5:51一人あたり1200ドル以上節約できる
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5:52 - 5:55これが費用便益分析である
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5:56 - 5:59君たちの中で功利主義を擁護する人でも
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6:00 - 6:03これはひどい調査だと思うかもしれない
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6:03 - 6:05モリスはメディアに叩かれ
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6:06 - 6:09この冷酷な計算について謝罪した
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6:10 - 6:14ところで ここには功利主義者が
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6:14 - 6:18容易に含めそうな事柄が見当たらない
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6:19 - 6:23肺ガンで死んだその人自身の価値だ
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6:25 - 6:28命の価値はどうなったのか?
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6:29 - 6:31費用便益分析の中には
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6:31 - 6:35命の価値を組み込んでいるものもある
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6:36 - 6:41最も有名なものはフォードピント事件だ
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6:41 - 6:441970年代のこの事件を知っている人は?
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6:44 - 6:49ピントという車だ 知っているかな?
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6:51 - 6:55小型の車でとても人気があったが
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6:55 - 6:58一つ問題があった
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6:58 - 7:01燃料タンクが車の後方にあり
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7:01 - 7:05後ろから追突されると爆発した
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7:07 - 7:11何人もの人が死に 重傷を負った
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7:13 - 7:18被害者たちはフォード社を訴えた
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7:18 - 7:22そしてその裁判で
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7:22 - 7:27フォード社はその欠陥を認識しており
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7:27 - 7:31対策として保護装置をつけることに
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7:31 - 7:35それを実行する価値があるかどうか
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7:36 - 7:40費用便益分析していたことがわかった
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7:40 - 7:44その分析では費用について
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7:46 - 7:49車の安全性向上のために
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7:50 - 7:541台あたり11ドルかかるとして計算した
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7:55 - 8:00これが裁判で公開された費用便益分析だ
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8:02 - 8:051台あたり11ドル
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8:05 - 8:09車は1250万台あるので
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8:09 - 8:12安全性改善のための費用は
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8:13 - 8:16全部で1億3700万ドルになる
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8:17 - 8:19安全性向上によって得られる
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8:20 - 8:22便益の方の計算はこうなる
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8:23 - 8:26死者は180人で
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8:26 - 8:311人あたりの価値を20万ドルとした
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8:32 - 8:37負傷者も180人で 1人6万7000ドル
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8:37 - 8:41安全対策なしで壊れる車が2000台で
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8:42 - 8:471台あたりの修理代 700ドル
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8:48 - 8:50これらの便益を計算すると
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8:51 - 8:534950万ドルにしかならなかったので
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8:54 - 8:57会社は装置を取り付けないことにした
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8:57 - 9:01言うまでもないが 裁判でこの
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9:01 - 9:06費用便益分析の資料が公開されると
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9:09 - 9:13陪審員は驚愕し 巨額の支払いを命じた
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9:15 - 9:20これぞ功利主義的計算ではないだろうか
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9:20 - 9:25命の価値もちゃんと計算に入れている
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9:26 - 9:29さて この費用便益分析を
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9:30 - 9:34擁護したい人はいるだろうか?
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9:35 - 9:38擁護できる人は?
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9:38 - 9:44またはこれは功利主義ではないと思う人
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9:47 - 9:50この例もさっきの例と同様
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9:51 - 9:53間違いを犯しています
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9:53 - 9:57人の命に値段を付けたかもしれないけど
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9:57 - 10:01残される家族の苦しみは入れていません
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10:01 - 10:06それは20万ドル程度じゃないと思います
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10:06 - 10:09待って 君の名前は?
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10:10 - 10:1520万ドルでは額が低すぎると言うんだね
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10:15 - 10:18死ぬ人の価値だけで
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10:18 - 10:21家族を考慮していない
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10:21 - 10:26では適切な額はいくらだと思う?
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10:27 - 10:30数字で表せるものではないと思います
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10:30 - 10:34命の価値を数値化すべきではありません
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10:35 - 10:39数字が低すぎただけではなく
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10:40 - 10:43どんな数字を付けたとしても間違いだと
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10:44 - 10:47他の人に聞こうか
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10:49 - 10:52インフレを考慮すべき?
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10:59 - 11:02じゃあ今だといくらだ?
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11:02 - 11:05これは35年前の話だ
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11:07 - 11:11200万ドル? なるほど
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11:14 - 11:19ボイテクは適正価格を提示してくれた
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11:19 - 11:23それ自体間違いだとは思わないのかな?
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11:25 - 11:29あいにく そうですね
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11:29 - 11:32何らかの数字が必要だと思います
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11:33 - 11:36いくら付けるべきかはわかりませんが
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11:36 - 11:41命に値段を付けることは可能でしょう
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11:42 - 11:46ボイテクはジュリアとは違う意見だ
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11:46 - 11:51ジュリアは値段は付けられないと言うが
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11:51 - 11:56ボイテクは決断のためには必要だと言う
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11:59 - 12:02他の人はどうだろう?
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12:02 - 12:05費用便益分析を弁護できる人は?
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12:07 - 12:09良いものだと思う人
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12:10 - 12:14車会社が費用便益分析を行わなかったら
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12:15 - 12:18利益が出せなくなり 潰れてしまいます
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12:18 - 12:21そして大勢の人が車を使えなくなったら
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12:21 - 12:24仕事ができなくなり 死んでしまいます
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12:25 - 12:27なので費用便益分析をやらなかったら
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12:28 - 12:32より大きな善が犠牲になってしまいます
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12:37 - 12:42最近 運転中の携帯電話の使用について
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12:43 - 12:46禁止にすべきか議論が行われたのだが
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12:48 - 12:52調査によれば 毎年約2000人の人が
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12:53 - 12:56運転中の携帯電話の使用が原因で
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12:57 - 13:00事故死しているということだった
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13:00 - 13:03ただハーバードのリスク分析センターが
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13:04 - 13:07これの費用便益分析を行ってみたところ
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13:08 - 13:12携帯電話の使用でもたらされる便益は
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13:13 - 13:18失われる命の価値とほぼ同じだった
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13:19 - 13:21人々が時間を有効活用することで
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13:22 - 13:24大きな経済的利益が生まれるらしい
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13:24 - 13:28運転中でも仕事の取引ができるからね
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13:30 - 13:33この話は 人の命に値段を付けることが
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13:33 - 13:37間違いであることを示してないだろうか
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13:37 - 13:40もし大勢の人々が
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13:41 - 13:45携帯電話や関連のサービスを使い
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13:45 - 13:47効用を最大にしようとするなら
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13:47 - 13:52その犠牲は必要なものだと思います
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13:53 - 13:56君は完全な功利主義者だ?
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13:59 - 14:02では もう一つ質問だ
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14:03 - 14:06ボイテクにも聞いたが この場合
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14:07 - 14:10命にいくらの値段を付けるべきかな?
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14:13 - 14:15そうですね 今すぐ思いつきで
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14:16 - 14:19数字を挙げたくはないですが…
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14:21 - 14:23じっくり考えたい?
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14:24 - 14:28だいたいでいい 死者は2300人いる
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14:28 - 14:31携帯電話の使用を禁止するか決めるには
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14:32 - 14:34金額を設定しなければならない
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14:36 - 14:39直感でいい いくらだ?
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14:40 - 14:44100万?200万? ボイテクは200万だ
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14:45 - 14:47じゃあ100万で
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14:50 - 14:53わかった いいだろう
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14:54 - 14:57最近ではこのような
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14:58 - 15:01費用便益分析を巡って論争が起きている
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15:01 - 15:06すべてのものに値段を付けるからだ
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15:07 - 15:10ここからは反対意見を考えていこう
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15:10 - 15:14費用便益分析は 功利主義の実践の
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15:15 - 15:20一つに過ぎないので それだけに限らず
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15:21 - 15:26理論全体に対する反論を考えていこう
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15:26 - 15:29正しい行いとは
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15:30 - 15:33法律の正しい基盤とは
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15:33 - 15:36効用の最大化である
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15:39 - 15:42この考えに反対の人はどれくらいだろう
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15:43 - 15:48法律や公益に関する功利主義的考えだ
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15:48 - 15:51賛成の人は?
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15:52 - 15:54反対より賛成の方が多いね
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15:55 - 15:57では反対意見から聞こう
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15:59 - 16:02何か良くない感じがします
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16:03 - 16:06少数派だから価値がなく
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16:06 - 16:11多数派だから価値があるとは限りません
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16:11 - 16:15最大多数の最大幸福の問題点は
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16:16 - 16:20少数派にとって公平でなかったり
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16:20 - 16:25発言権がなかったりするところです
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16:25 - 16:27興味深い
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16:27 - 16:31君は少数派への影響が心配なんだね
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16:35 - 16:39誰か心配症のアナに反論がある人は?
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16:41 - 16:44少数派が軽んじられてると言いましたが
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16:44 - 16:47多数派にいる個人の価値は
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16:47 - 16:50少数派にいる個人の価値と変わりません
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16:50 - 16:54ただ数が多いというだけです
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16:55 - 16:58何らかの決断をしなければならないなら
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16:58 - 17:02少数派の人には申し訳ないですが
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17:02 - 17:05より大きな幸福のためです
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17:08 - 17:11ヨンダには何て答える?
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17:11 - 17:14ヨンダは 人々の好みを足すだけであり
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17:14 - 17:17少数派の好みも考慮されていると言う
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17:17 - 17:20君が心配する例を挙げてくれるかな
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17:21 - 17:24功利主義が少数派を無視していると
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17:25 - 17:29君が心配に感じるのはどんなとき?
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17:30 - 17:34これまで出てきたすべての例がそうです
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17:36 - 17:39食べられてしまった少年にだって
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17:40 - 17:43生きる権利があったと思います
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17:43 - 17:48その事例で彼は少数派だったし
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17:49 - 17:53生き残る望みが低かったですが
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17:53 - 17:58だからといって 他の人の望みのために
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17:58 - 18:02彼が食べられていいことにはなりません
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18:03 - 18:08少数派の人にもある種の権利があり
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18:08 - 18:12それは効用のためであっても
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18:12 - 18:15差し出されるべきではない?
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18:18 - 18:21ではヨンダに聞こう
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18:21 - 18:24古代ローマでは
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18:24 - 18:29キリスト教徒をライオンと戦わせていた
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18:29 - 18:32ここで功利主義の計算をやってみよう
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18:32 - 18:35確かに ライオンと戦うキリスト教徒は
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18:35 - 18:38ひどく苦しむだろう
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18:38 - 18:42だがローマ人たちの興奮を考えると…
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18:50 - 18:53それは昔は
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18:54 - 18:57現代とは価値観が違うし
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18:58 - 19:01昔はそれで楽しかったんでしょうが
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19:01 - 19:06今のまともな現代人であれば
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19:07 - 19:10一人の苦しみならいいとか
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19:10 - 19:14そういうことは考えませんよ
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19:14 - 19:18でも 熱狂的なローマ人が大勢いれば
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19:19 - 19:22その幸福は 一握りのキリスト教徒の
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19:23 - 19:27耐え難い痛みより大きくなるはずだよ
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19:29 - 19:33功利主義に対する二つの反論が出た
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19:33 - 19:37一つは 功利主義が個人や少数派の
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19:37 - 19:42権利を尊重していない というもの
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19:42 - 19:44そしてもう一つは
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19:45 - 19:48人々の好みや価値は
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19:48 - 19:52合計できない というもの
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19:53 - 19:56すべての価値をお金で表すことは
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19:56 - 20:00できないのではないか
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20:00 - 20:051930年代
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20:06 - 20:08ある心理学者が
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20:09 - 20:13この2つ目の疑問に答えようとした
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20:13 - 20:18彼は功利主義の前提を証明しようとした
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20:18 - 20:21すべての価値は
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20:22 - 20:28一つの基準で表すことが可能であると
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20:28 - 20:32この調査は 生活保護を受けている
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20:32 - 20:36若い人たちを対象に行われた
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20:37 - 20:41彼らに不愉快な行為のリストを渡し
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20:41 - 20:45いくらもらえばそれをやるか
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20:45 - 20:49と聞いてまわったのである
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20:49 - 20:55例えば いくらもらえば前歯を一本抜くか
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20:57 - 21:03いくらもらえば片足の小指を切断するか
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21:04 - 21:0915センチのミミズを生きたまま食べる
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21:10 - 21:15カンザスの農場で残りの人生を送る
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21:19 - 21:23デブを橋から突き落とす
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21:24 - 21:29最も高かったものは何だろう?
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21:32 - 21:34カンザス?
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21:39 - 21:42カンザスだった
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21:44 - 21:47彼らは30万ドルもらわなければ
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21:48 - 21:51カンザスでは暮らさないそうだ
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21:57 - 22:01では 次に高かったのは?
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22:03 - 22:05デブじゃないよ
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22:05 - 22:09歯でもない 小指でもない
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22:11 - 22:12ミミズだ
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22:16 - 22:2010万ドル支払われなければ
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22:20 - 22:23ミミズは食べないらしい
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22:23 - 22:26では一番安かったのは何か
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22:28 - 22:30デブじゃない 歯だ
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22:31 - 22:34大恐慌の時代 人々はたった4500ドルで
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22:34 - 22:38喜んで歯を抜かせた
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22:40 - 22:43この調査結果から
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22:44 - 22:47心理学者はこう結論付けた
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22:48 - 22:50どんな満足であれ
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22:50 - 22:54それが一定量存在する限り 測定できる
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22:54 - 22:59犬や猫や鶏の生活は
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22:59 - 23:03食欲 願望 満足から成っているが
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23:04 - 23:07それは人間の場合も同じであり
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23:07 - 23:11欲求や願望が多少複雑なだけだ
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23:12 - 23:15この研究をどう捉えるべきだろう?
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23:15 - 23:19これは すべての価値は
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23:20 - 23:24一つの基準で測ることができるという
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23:25 - 23:27ベンサムの考えを裏付けるのだろうか
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23:28 - 23:32それともこのおかしな調査の結果
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23:33 - 23:37正反対のことが示されたのだろうか
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23:38 - 23:43命であれ カンザスであれ ミミズであれ
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23:43 - 23:48人が重んじ 大切にしているものは
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23:49 - 23:53一つの基準で表すことはできない と
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23:54 - 23:57もしできないのなら
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23:57 - 24:01功利主義の道徳理論はどうなるのか?
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24:02 - 24:05次回もこの問題を続けよう
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24:45 - 24:47前回
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24:48 - 24:52ベンサムの功利主義に対する
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24:53 - 24:58反対意見について考え始めた
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25:01 - 25:06議論では二つの反論が出た
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25:08 - 25:12一つ目の反論はこうだ
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25:12 - 25:14功利主義の
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25:14 - 25:19最大多数の最大幸福においては
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25:19 - 25:24個人の権利が無視されている
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25:25 - 25:28少し考えてみよう
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25:29 - 25:32拷問とテロリズムについて
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25:33 - 25:389月10日 テロの容疑者を逮捕したとする
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25:41 - 25:43君は確信している
-
25:44 - 25:47その容疑者が差し迫ったテロの
-
25:47 - 25:51決定的な情報を持っていると
-
25:52 - 25:55だが容疑者は容易にはしゃべらない
-
25:55 - 25:59情報を得るために 容疑者を
-
25:59 - 26:02拷問することは正しいか?
-
26:02 - 26:07それとも間違っているのか
-
26:07 - 26:12個人の権利を尊重する義務はあるか
-
26:14 - 26:17ある意味では これは最初の
-
26:17 - 26:21路面電車の話に通じる
-
26:23 - 26:28また費用便益分析の例では
-
26:29 - 26:33多くの人が良しとしなかった
-
26:33 - 26:38人の命に値段を付けることを
-
26:40 - 26:44これは二つ目の反論へとつながる
-
26:44 - 26:48すべての価値を一つの価値基準で
-
26:48 - 26:52表すことは可能なのかという問題だ
-
26:53 - 26:57すべての価値は同一の基準に置けるのか
-
26:57 - 27:00もう一つ別の例を挙げてみたい
-
27:01 - 27:03これは実際にあった話で
-
27:04 - 27:06私の個人的経験から来ている
-
27:07 - 27:11すべての価値を功利主義にあてはめても
-
27:12 - 27:16失うものはないのか 考えてみてほしい
-
27:19 - 27:22何年も前
-
27:22 - 27:25私が大学院生だった頃
-
27:25 - 27:29オックスフォード大学は共学ではなく
-
27:29 - 27:35女子大学では男性の宿泊を禁止していた
-
27:37 - 27:401970年当時そのルールは全く守られず
-
27:41 - 27:43みんな平気で破っていた
-
27:43 - 27:46と私は聞いた
-
27:51 - 27:5570年代後半 規則緩和の圧力が高まり
-
27:55 - 27:59女子のセント・アン・カレッジでは
-
27:59 - 28:03教職員の間で話し合いが持たれた
-
28:03 - 28:07年配の女性教職員たちは保守的で
-
28:07 - 28:12従来の規則を変えることに反対した
-
28:12 - 28:15しかし時代は変わっていた
-
28:16 - 28:19本当の理由を言うのが恥ずかしかったか
-
28:19 - 28:24彼女たちは功利主義の議論を持ち出した
-
28:25 - 28:30「男性が泊まると費用が増える」
-
28:31 - 28:33どうしてか
-
28:33 - 28:37「男はお湯を余計に使うし
-
28:39 - 28:43シーツの交換回数も増える」
-
28:47 - 28:51改革案は条件付きで大学に認められた
-
28:52 - 28:54各女性が泊められる男性は
-
28:55 - 28:57週に3人までとする
-
29:01 - 29:04同じ男かは問われなかった
-
29:05 - 29:09条件はもう一つあった
-
29:09 - 29:14宿泊客は大学に50ペンス支払うこと
-
29:15 - 29:20翌日 全国紙の見出しにこう書かれた
-
29:20 - 29:24"セント・アンの女子は一晩50ペンス"
-
29:29 - 29:32この話が示しているのは
-
29:33 - 29:37すべてを功利主義で説明するのは
-
29:37 - 29:41とても難しいということだ
-
29:42 - 29:46これらの例が描き出しているのは
-
29:46 - 29:49功利主義に対する二つ目の反論だ
-
29:49 - 29:52少なくともこの反論には
-
29:52 - 29:56次のような疑問が含まれている
-
29:56 - 30:00功利主義は すべての価値を
-
30:00 - 30:04例えばお金などに置き換えて
-
30:04 - 30:07同一基準で比較できると前提しているが
-
30:08 - 30:11それは正しいのだろうか
-
30:12 - 30:15価値や好みの集計が懸念される
-
30:15 - 30:18もう一つの理由がある
-
30:19 - 30:22なぜ人々の好みを
-
30:23 - 30:26すべて集計しなければならないのか
-
30:27 - 30:32良い好みか悪い好みかに関わらず
-
30:32 - 30:35区別するべきではないか
-
30:35 - 30:40高級な喜びと低級な喜びを
-
30:41 - 30:46人の好みに優劣を付けない態度には
-
30:46 - 30:50ある程度の魅力がある
-
30:50 - 30:54判断が不要で 平等主義的だからだ
-
30:55 - 31:00ベンサムは言う すべてを集計すべきだ
-
31:01 - 31:04人々の望みが何であるか
-
31:04 - 31:08何が人々の幸せであるかに関わらず
-
31:08 - 31:12ベンサムにとって重要なのは
-
31:13 - 31:17快楽や苦痛の強度と持続性だ
-
31:18 - 31:21高級な喜びや崇高な美徳とは
-
31:21 - 31:23ベンサムにとっては ただ単に
-
31:24 - 31:28より強く長い快楽を生みだすものだった
-
31:29 - 31:32このことを表した彼の有名な言葉がある
-
31:32 - 31:35喜びの量が同じであるなら
-
31:35 - 31:39プッシュピンは詩と同じくらい良い
-
31:39 - 31:43プッシュピンとは子どもの遊びだが
-
31:43 - 31:47それは詩と同じくらい良いと言う
-
31:48 - 31:53ここにはこんな主張が込められている
-
31:54 - 31:58どんな喜びが崇高で価値があるかなど
-
31:59 - 32:03誰にも決める権利はない
-
32:04 - 32:07判断を拒むこの姿勢は魅力的だ
-
32:07 - 32:10モーツァルトが好きな人もいれば
-
32:10 - 32:13初音ミクが好きな人もいる
-
32:13 - 32:17好みは人それぞれだ
-
32:17 - 32:19ベンサムならこう言うだろう
-
32:19 - 32:23誰かの喜びが他の人のより高級であると
-
32:24 - 32:28誰が言うことができるだろうか と
-
32:30 - 32:34だがそれは正しいのか?
-
32:35 - 32:39優劣を付けなくていいのか?
-
32:40 - 32:44私たちは捨てていいのだろうか?
-
32:45 - 32:48ある種の喜びは
-
32:48 - 32:52他のより崇高であるという考えを
-
32:53 - 32:56古代ローマの例を思い出してほしい
-
32:56 - 32:59キリスト教徒の権利の侵害が
-
32:59 - 33:02問題であるように思われたが
-
33:04 - 33:07別の反論も考えることができる
-
33:07 - 33:12ローマ人が享受していた下劣な喜びも
-
33:13 - 33:18高級な喜びと一緒にしていいのか
-
33:20 - 33:24全体の幸福について考えるとき
-
33:24 - 33:29その喜びも評価するべきなのか
-
33:33 - 33:37これがベンサムに向けられた反論だ
-
33:38 - 33:42この反論に答えようとした
-
33:42 - 33:45一人の人物がいた
-
33:45 - 33:49哲学者のジョン・スチュアート・ミルだ
-
33:50 - 33:54ここからは 功利主義に対する反論に
-
33:54 - 33:58ミルが説得力のある回答をしているか
-
33:58 - 34:02検討することにしよう
-
34:04 - 34:08ミルは1806年生まれ
-
34:08 - 34:13父親のジェームズはベンサムの弟子で
-
34:14 - 34:20息子のミルに模範的な教育を受けさせた
-
34:20 - 34:23ミルは神童だった
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34:23 - 34:273才でギリシャ語を理解し
-
34:27 - 34:3110才でローマ法の歴史について書いた
-
34:33 - 34:38そして20才で神経衰弱に陥った
-
34:39 - 34:425年間鬱状態であったが
-
34:43 - 34:4625才の時 彼を救いだすことになる
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34:46 - 34:49ハリエットという女性に出会う
-
34:49 - 34:52後に二人は結婚し
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34:52 - 34:55彼女の影響の下
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34:56 - 35:01ミルは功利主義を人間的にしようとした
-
35:01 - 35:05ミルは功利主義の計算法が
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35:05 - 35:10人道的問題を考慮に入れて拡張し
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35:11 - 35:16修正できるか確かめようとした
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35:17 - 35:20個人の権利の尊重や
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35:20 - 35:24喜びの質の区別の導入だ
-
35:26 - 35:301859年 ミルは「自由論」を書き
-
35:30 - 35:33個人や少数派の権利を
-
35:33 - 35:36守ることの重要性を説いた
-
35:36 - 35:39そして晩年の1861年
-
35:40 - 35:44この講義で読む「功利主義論」を書いた
-
35:45 - 35:50効用は道徳性の唯一の基準だ と彼は言う
-
35:50 - 35:53つまりベンサムを支持しているのだ
-
35:54 - 35:56はっきりとこう述べている
-
35:56 - 36:01望ましいことを示せる唯一の証拠は
-
36:01 - 36:05実際に人が望むということである
-
36:05 - 36:10私たちに実在する経験的願望こそ
-
36:10 - 36:14道徳的判断の唯一の根拠である
-
36:15 - 36:19しかし 第二章の8ページでは
-
36:19 - 36:23功利主義者が高級な喜びと低級な喜びを
-
36:23 - 36:27区別することは可能であると論じている
-
36:28 - 36:31ミルを読んできたよね
-
36:32 - 36:36彼はどうやって区別するんだろう?
-
36:36 - 36:42功利主義者はどうやって劣った喜びから
-
36:42 - 36:46質の高い喜びを区別するのか
-
36:48 - 36:54両方を経験した人が選ぶ方が高級なもの
-
36:55 - 36:58その通りだ 君の名前は?
-
36:59 - 37:04ジョンの通りにミルはこう言っている
-
37:05 - 37:08人々の好みを除外することはできない
-
37:09 - 37:13功利主義の前提を崩すことになるからだ
-
37:13 - 37:17高級な喜びと低級な喜びを区別する
-
37:17 - 37:20ただ一つの方法は
-
37:20 - 37:23両方を経験した人が
-
37:24 - 37:27好むかどうかである
-
37:27 - 37:30そして第二章では
-
37:31 - 37:35ミルはこのように書いている
-
37:37 - 37:42二つの喜びのうち両方を経験した者が
-
37:42 - 37:45全員 またはほぼ全員
-
37:45 - 37:48道徳的義務感と関係なく
-
37:49 - 37:52迷わず選ぶものがあれば
-
37:53 - 37:57それがより好ましい喜びである
-
37:57 - 37:59君たちに聞こう
-
37:59 - 38:03この議論は成功しているだろうか?
-
38:03 - 38:06成功していると思う人は?
-
38:06 - 38:11これで喜びの質を区別できると思う人
-
38:11 - 38:14成功していないと思う人は?
-
38:18 - 38:20理由を聞きたいが
-
38:20 - 38:23その前にミルの主張を
-
38:23 - 38:26確かめるために
-
38:26 - 38:29一つ実験をしてみよう
-
38:31 - 38:34これから君たちに
-
38:35 - 38:383つの短い
-
38:39 - 38:43人気番組の映像を見てもらう
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38:44 - 38:47一つ目はハムレットの独白
-
38:48 - 38:50そのあとに別の2つの
-
38:52 - 38:54何かが続く
-
38:55 - 38:57では始めよう
-
38:57 - 39:00男って最高だよ
-
39:01 - 39:04頭が良いし
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39:04 - 39:06力も強い
-
39:06 - 39:10筋肉質の美しい身体
-
39:11 - 39:14神は最初に男を創ったわけだ
-
39:15 - 39:18これほど素晴らしい生き物はない
-
39:18 - 39:23それに比べて女は… 最悪のゴミだ
-
39:24 - 39:27男でよかった…
-
39:41 - 39:45恐怖が現実になったら…
-
39:45 - 39:47噛んでる!
-
39:47 - 39:516人の挑戦者が死闘を繰り広げる
-
39:52 - 39:56過酷な試練が彼らを追い詰めていく
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39:58 - 40:02生き残れるのはただ一人
-
40:03 - 40:06フィア・ファクター
-
40:16 - 40:18よぉ兄弟 ぶっ飛んでる?
-
40:18 - 40:20誰だ君は 話掛けないでくれ
-
40:21 - 40:26まあまあ それより上物のヤクあるぜぇ
-
40:26 - 40:31こんな貧乏人には買えないわよ
-
40:34 - 40:37ちょっと うちの親がいるじゃない
-
40:37 - 40:40ハニー 僕たちの親だろう?
-
40:55 - 40:59どれが好きか聞くまでもないようだ
-
41:00 - 41:03シンプソンズが一番好きだという人は?
-
41:05 - 41:08シェイクスピアは?
-
41:10 - 41:14フィア・ファクターがよかった人は?
-
41:15 - 41:17本当?
-
41:21 - 41:24大多数の人が シェイクスピアより
-
41:24 - 41:29シンプソンズの方が好きなようだ
-
41:29 - 41:33では 少し質問を変えてみよう
-
41:33 - 41:38どれが最も高級な経験だっただろうか
-
41:39 - 41:42シェイクスピアだという人は?
-
41:47 - 41:51フィア・ファクターだという人
-
41:54 - 41:57いやそんなわけない ほんとに?
-
42:01 - 42:02理由をどうぞ
-
42:02 - 42:04一番面白かったから
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42:05 - 42:08どれが崇高な経験だったか聞いてるんだ
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42:08 - 42:10面白かったのは知ってるよ
-
42:11 - 42:14面白いってだけで価値があるんだよ
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42:15 - 42:20他の奴が何と言おうが関係ないね
-
42:20 - 42:24君は純粋なベンサム派に属するわけだ
-
42:24 - 42:28人々の好みを集計するのはいいが
-
42:29 - 42:33その優劣を判断するのはおかしいと
-
42:33 - 42:36君の職業は? NEET? OK
-
42:37 - 42:40では好みとは別に シンプソンズが
-
42:40 - 42:44実際に高級な経験だったと思う人は?
-
42:47 - 42:51シェイクスピアの方が高級だと思う人は
-
42:52 - 42:56それはなぜかな? できれば誰か
-
42:56 - 43:01シェイクスピアが最も高級だと思うが
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43:02 - 43:05シンプソンズが好きという人に聞きたい
-
43:08 - 43:13シンプソンズは観ているだけで楽しめる
-
43:13 - 43:18だが洗脳により人々はシェイクスピアを
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43:18 - 43:23良いと思うようになっているのだ
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43:26 - 43:30シェイクスピアは良いと言われたから
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43:31 - 43:33皆それを受け入れているのかな
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43:34 - 43:36シェイクスピアが良いと言うのは単に
-
43:37 - 43:40社会や教師にそう教えられたからだと?
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43:40 - 43:43実際に良いからではない?
-
43:44 - 43:48無知な人々はすぐに騙される
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43:48 - 43:52レンブラントの絵は評価されているが
-
43:52 - 43:56大抵がわかったふりをしているだけだ
-
43:57 - 44:00つまりある程度までは
-
44:01 - 44:04文化からの圧力があると言うんだね
-
44:05 - 44:08私たちはどれが良い作品か教わる
-
44:08 - 44:09他に
-
44:15 - 44:19僕はシンプソンズが一番楽しめました
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44:19 - 44:22でももし残りの人生を
-
44:23 - 44:26三つのうちどれかを観て過ごすとすれば
-
44:27 - 44:30アニメとか 娯楽番組は
-
44:30 - 44:33選ぶことはないですね
-
44:33 - 44:37男の良さについて深く考えることで
-
44:37 - 44:40人生が有意義になり それが
-
44:41 - 44:44より多くの喜びになると思うからです
-
44:49 - 44:53残りの人生をカンザスで過ごすとして
-
44:53 - 44:57シェイクスピアかシンプソンズのDVD
-
44:58 - 45:01どちらかしか持っていけないとしたら
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45:02 - 45:05君はシェイクスピアを選ぶんだね?
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45:06 - 45:09ミルは高級な喜びと低級な喜びを
-
45:09 - 45:12両方経験した人はみんな
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45:12 - 45:15高級な喜びの方を選ぶと言ったが
-
45:16 - 45:20それは今ここで証明されただろうか
-
45:21 - 45:23関係ない話していいですか?
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45:24 - 45:27去年 生物学の講義を受けたんですが
-
45:27 - 45:31ネズミの脳を直接刺激して
-
45:31 - 45:35強烈な快楽を与えるようにすると
-
45:35 - 45:38寝食を忘れて 死ぬそうです
-
45:39 - 45:41それくらい気持ちいいらしいです
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45:42 - 45:47でも長期的で高級な喜びと比べると
-
45:47 - 45:52それは次元の低い喜びだと思います
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45:52 - 45:55僕は一瞬超気持ちいいのも好きですが
-
45:58 - 46:00みんなもそうだろ
-
46:00 - 46:06長い目で見れば ほとんどの人も
-
46:06 - 46:11束の間の快楽に溺れるネズミであるより
-
46:11 - 46:15高級な喜びを得る人間でありたいのでは
-
46:15 - 46:18質問に答えて言うと
-
46:18 - 46:21おそらくですが
-
46:21 - 46:26ミルの理論通り
-
46:26 - 46:31多くの人はどちらかと言われれば
-
46:31 - 46:35高級な喜びの方を選ぶと思います
-
46:36 - 46:40つまりミルは正しかったと?
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46:41 - 46:43ジョーに反対の人はいないかな
-
46:44 - 46:46今回の実験によって
-
46:46 - 46:50ミルの理論が反証されたと思う人
-
46:50 - 46:53功利主義の枠組みでは
-
46:53 - 46:58喜びの質は区別できないと考える人は?
-
47:05 - 47:08人はより良いものを選ぶと言っても
-
47:08 - 47:11そこに客観的な定義はありません
-
47:11 - 47:15アニメを評価する社会もあるでしょうし
-
47:16 - 47:18シンプソンズは楽しめますが
-
47:18 - 47:21シェイクスピアは難解です
-
47:21 - 47:26高級な喜びを理解するには教育が必要だ
-
47:27 - 47:29ミルもそう指摘している
-
47:29 - 47:34高級な喜びは前提に教育がある
-
47:35 - 47:37その点は争っていない
-
47:37 - 47:41しかし 一度教育を受ければ
-
47:43 - 47:48人は喜びの質の違いがわかるだけでなく
-
47:48 - 47:54実際に高級な方を好むようになると言う
-
47:56 - 47:59ミルの有名な一節がある
-
47:59 - 48:01満足した豚であるより
-
48:02 - 48:05不満足な人間である方がよい
-
48:05 - 48:07満足した愚者であるより
-
48:08 - 48:10不満足なソクラテスである方がよい
-
48:11 - 48:15愚者が異を唱えたとしても それは
-
48:15 - 48:20愚者が自分の側しか知らないからである
-
48:20 - 48:24ここからも高級な喜びと低級な喜びを
-
48:24 - 48:28区別しようという姿勢が伺える
-
48:28 - 48:33美術館に行くか 家でカウチポテトするか
-
48:34 - 48:39時に私たちは後者の誘惑に負ける
-
48:40 - 48:44それはミルも承知している
-
48:44 - 48:49しかしそうやってダラダラしている時も
-
48:49 - 48:51私たちは知っている
-
48:52 - 48:55美術館でレンブラントを鑑賞する方が
-
48:55 - 48:59より高級な喜びが得られるということを
-
48:59 - 49:02どちらも経験しているからだ
-
49:03 - 49:06そしてレンブラントの鑑賞が高級なのは
-
49:06 - 49:10人間の高度な能力に関わっているからだ
-
49:11 - 49:14個人の権利にまつわる反論に
-
49:14 - 49:17ミルはどう答えたか
-
49:19 - 49:23ここで彼は同じような論拠を使っている
-
49:25 - 49:27「功利主義論」第5章
-
49:28 - 49:31私は効用に基づかない架空の基準を持つ
-
49:32 - 49:36どんな見せかけの理論にも異議を唱える
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49:39 - 49:43私は効用に基づいた正義こそが
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49:44 - 49:48比類なき神聖さと拘束力をもった
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49:48 - 49:54すべての道徳性の主たる部分だと考える
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49:54 - 49:57正義はより重要であり
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49:57 - 50:01功利主義に基づくことによって
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50:01 - 50:04個人の権利は尊重されると言うのだ
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50:04 - 50:08正義とは 道徳的要請の名称であり
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50:09 - 50:14集合的に 社会的効用は何よりも大きい
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50:14 - 50:17そしてそれゆえ正義は
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50:18 - 50:22他の何より 最高の義務なのである
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50:23 - 50:26つまり正義は神聖で特別なものであり
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50:26 - 50:30他の何とも替えることはできないのだ
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50:30 - 50:34そしてその理由は 究極的には
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50:35 - 50:39功利主義に基づいたものであり
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50:39 - 50:43私たちが考えてみるべきなのは
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50:43 - 50:47人類の長期的な利益と進歩である
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50:47 - 50:50私たちが正義を行い 権利を尊重すれば
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50:51 - 50:55長期的に見れば 社会全体が向上する
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50:55 - 50:58この考えに説得力はあるか?
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50:58 - 51:01それとも彼は権利について考えるうちに
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51:01 - 51:06功利主義から外れてしまったのだろうか
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51:07 - 51:12質の高い喜びや
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51:12 - 51:18神聖で特別な個人の権利を考えるうちに
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51:18 - 51:21この問いにはまだ答えられない
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51:21 - 51:28権利や正義の問題に答えるためには
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51:28 - 51:33功利主義ではない別の方法によって
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51:33 - 51:36権利とは何かを説明し
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51:36 - 51:40それが成立しているか見る必要がある
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51:40 - 51:42ところでベンサムは
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51:43 - 51:45道徳と法哲学の考え方として
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51:46 - 51:49功利主義を生みだした
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51:49 - 51:53彼は1832年 85歳で亡くなったが
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51:53 - 51:57ロンドンに行けば彼に会うことができる
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51:58 - 52:01彼は遺言を残していた
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52:01 - 52:07遺体を保存し 大学に飾ってほしいと
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52:07 - 52:10今彼はガラスケースの中で
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52:11 - 52:14自分の服を着て座っている
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52:15 - 52:18生前 彼はある問いに
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52:18 - 52:21自身の哲学でもって答えた
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52:22 - 52:26死者はどうしたら社会の役に立てるか?
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52:26 - 52:28彼はこう答えた
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52:29 - 52:32遺体を提供することで解剖学に役立つ
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52:33 - 52:36しかし偉大な思想家の場合は
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52:37 - 52:40未来の思想家を刺激するために
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52:40 - 52:44遺体を保存しておく方が良い
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52:44 - 52:49剥製になったベンサムを見るかい?
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52:50 - 52:51これだ
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52:53 - 52:56よく見るとわかるが
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52:58 - 53:02頭部は防腐処理に失敗したので
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53:02 - 53:06ろうで作ったもので代用している
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53:06 - 53:09そして下の方を見てみると
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53:10 - 53:14皿の上に本物の頭が置いてある
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53:16 - 53:19これだ
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53:21 - 53:24この話の教訓は何だろう?
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53:29 - 53:32大学では遺体を会議の席に着かせ
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53:32 - 53:34議事録にこう書いているそうだ
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53:35 - 53:37"出席すれども投票せず"
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53:40 - 53:42これぞ哲学者だ
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53:42 - 53:44生きてるときも死んでからも
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53:45 - 53:49自分の哲学に忠実だった
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53:49 - 53:52次回は権利について続けよう