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ゲームの環境が伝える物語 | Game Maker's Toolkit

  • 0:04 - 0:09
    カットシーンの無い『Bioshock』を
    想像してみてくれ
  • 0:09 - 0:12
    アンドリュー・ライアンによる
    潜水球のプレゼンも削除する
  • 0:12 - 0:14
    アトラスのやかましい台詞も削除する
  • 0:14 - 0:17
    そして好奇心をそそる音声日記も
    削除する
  • 0:17 - 0:22
    プレイヤーはそれでもまだ、この作品の内容を
    理解してるだろうか?
  • 0:22 - 0:25
    まぁ、プレイヤーは
    かなり分かってると思う
  • 0:25 - 0:29
    何故なら、プレイヤーは
    周囲を見るだけでいいのだから
  • 0:29 - 0:34
    このゲームの舞台は
    海底にある巨大都市だ
  • 0:34 - 0:37
    1つは明らかに上流階級のために
    作られている
  • 0:37 - 0:41
    高級バー、集合住宅郡、劇場地区の存在から
    それが分かる
  • 0:41 - 0:45
    そこは高尚な哲学的理想の上に
    築かれている
  • 0:45 - 0:49
    しかし同時に
    荒廃と絶望の場所でもある
  • 0:49 - 0:51
    明らかに破綻した瞬間があった
  • 0:51 - 0:56
    暴力的な派閥に分かれた人もいれば
    正気を失った人もいる
  • 0:56 - 1:00
    そして全ての破滅は
    1959年の元日に起きたのだった
  • 1:01 - 1:03
    『Bioshock』という
    素晴らしい事例は―
  • 1:03 - 1:08
    ゲームの「環境」が、物語を伝えるための
    効果的な手法になれることを示している
  • 1:08 - 1:13
    プレイヤーが訪れる「空間や場所」に
    物語の要素を埋め込むことで―
  • 1:13 - 1:17
    従来の物語形式と同じくらい雄弁に
    物語を伝えることができるのだ
  • 1:17 - 1:22
    そして、それこそが今回の
    Game Maker's Toolkit のテーマだ
  • 1:22 - 1:28
    この動画では、環境を物語に利用する
    3つの方法に焦点を当てて―
  • 1:28 - 1:34
    場面設計がプレイヤーの理解、感情、一体感を
    どのように促進するのか話していく
  • 1:34 - 1:36
    まずは「理解」から始めよう
  • 1:37 - 1:42
    『Bioshock』の
    看板、遺体、落書きは
  • 1:42 - 1:45
    「環境型物語」の実例だ
  • 1:45 - 1:50
    これは舞台装飾を利用して、小さな、任意の
    自己完結型の一場面を作ることだ
  • 1:50 - 1:55
    例えば、血で書かれた警告や
    『Fallout 4』に登場する大量のガイコツは
  • 1:55 - 2:00
    誰かが死んでしまったことを面白く
    または物悲しく暗示するために―
  • 2:00 - 2:02
    開発者が意図的に用意しているのだ
  • 2:02 - 2:08
    僕の知るかぎりでは、元ディズニーランドの
    デザイナー Don Carson がこの用語を生み出した
  • 2:08 - 2:14
    彼は 2000年に、ゲーム開発者がテーマパークから
    学べることに関する影響力のある記事を書いた
  • 2:14 - 2:19
    この用語はその後、Harvey Smith と Matthias Worch の
    GDC 講演でさらに一般的になり
  • 2:19 - 2:21
    彼らはこの技法をこう表現した
  • 2:21 - 2:27
    「意味のある総体として解釈できる環境特性で
    プレイヤー空間を演出し―」
  • 2:27 - 2:30
    「ゲームの物語を促進すること」
  • 2:30 - 2:36
    環境型物語のクールなところは
    詳細をつなぎ合わせて全体的な話を作るために
  • 2:37 - 2:40
    ある程度の演繹的推論が
    必要になる点だ
  • 2:40 - 2:43
    プレイヤーは調査や考古学の
    技能を駆使して―
  • 2:43 - 2:46
    関係性や、原因と結果
    過去の出来事を見極める
  • 2:46 - 2:52
    プレイヤーはただの受動的な傍観者ではなく
    物語る行為に積極的に参加するようになる
  • 2:53 - 2:56
    さらに、プレイヤーが銃撃戦だけに
    集中したい場合は―
  • 2:56 - 2:59
    物語に邪魔されることなく
    戦えるようになる
  • 2:59 - 3:03
    環境型物語の大部分は
    静的なオブジェクトに関するものだが
  • 3:03 - 3:06
    それ以外にも拡張できる
    例えば、盗み聞きした会話や
  • 3:06 - 3:10
    その場面で発生したアニメーションや
    そしてもちろん… 文章だ
  • 3:10 - 3:14
    本や、アイテムの説明欄
    解析結果、ノート、電子メールなどだ
  • 3:14 - 3:21
    一般的には、自分が来る前にその場所で
    かつて起きたことを説明するために使われるが
  • 3:21 - 3:26
    そこへ来てからの行動が、環境にどう影響したのかを
    強調するためにも使われる
  • 3:26 - 3:31
    例えば『Deus Ex: Mankind Divided』で
    店主を殺害した場合―
  • 3:31 - 3:37
    ゲームの後半で、その店は警察の事件現場になって
    永久に立ち入り禁止になる
  • 3:37 - 3:43
    また環境型物語は、ただの物語だけではなく
    遊び方の説明に利用できることも注目に値する
  • 3:43 - 3:47
    ノコギリの刃が真っ二つになった
    ゾンビに刺さっている光景は
  • 3:47 - 3:50
    ノコギリと重力銃で
    敵を倒せることを示唆している
  • 3:50 - 3:54
    フェンスで丸焦げになった敵は
    「触れたら危険」を警告している
  • 3:54 - 3:58
    地図や看板は、複雑な空間を
    移動するのに役立つ
  • 3:58 - 4:02
    小道具は、さり気ない方法でヒントを提示できる
    「注意:エレベーターから落ちるな」
  • 4:08 - 4:10
    だが本題はここからだ
  • 4:10 - 4:12
    環境型物語という用語は…
  • 4:12 - 4:16
    特にこの用語を、小さな挿話の描写という
    意味で使っている場合―
  • 4:16 - 4:22
    これは環境を利用して物語を暗示するという
    大きな構造の一部に過ぎない
  • 4:22 - 4:25
    それは高層設定のものだ
  • 4:25 - 4:28
    それからその下には、ゲーム内の
    個々の場所がある
  • 4:28 - 4:33
    つまり、農家の直売所、酒場
    医療機関、劇場地区などだ
  • 4:33 - 4:37
    さらに、これらの場所の中に
    個々の部屋がある
  • 4:37 - 4:43
    これが中層設定のもので、最も正確に言うならば
    ステージ設計のことだ
  • 4:43 - 4:49
    これは物語にも使用できる というのも
    建築、配置、素材、規模といった要素が―
  • 4:49 - 4:53
    その場所を使う人々について
    多くのことを教えてくれるからだ
  • 4:53 - 4:59
    例えば『Dishonored 2』の砂塵地区では
    Arkane の開発者が垂直性を活用することで
  • 4:59 - 5:04
    労働者階級が文字通り、権力者の
    下にいる(隷属している)ことを示している
  • 5:04 - 5:07
    『Prey』の宇宙基地 Talos I の
    華やかさは―
  • 5:07 - 5:14
    『Alien Isolation』の実用的なセヴァストポリ基地とは
    全く異なる物語を伝えている
  • 5:14 - 5:20
    またこれは遊びのヒントにもなる
    例えば『Thief』のバフォード卿の屋敷では
  • 5:20 - 5:23
    全ての金塊は、当然
    主人の寝室に置いてあるのだが
  • 5:23 - 5:27
    召使いの宿舎にある物は
    ほとんど価値がない
  • 5:27 - 5:31
    真実味のある場所にすることで
    プレイヤーは現実世界の知識を利用して―
  • 5:31 - 5:33
    その空間に順応することができる
  • 5:33 - 5:38
    もちろん、暮らしが営まれている空間を
    制作する上で、大きな課題となるのが
  • 5:38 - 5:43
    論理的に存在するような場所の中に
    寝室、風呂、台所などの全てを置くことで
  • 5:44 - 5:46
    何百人もの住人の
    生活感をつくることだ
  • 5:46 - 5:50
    僕が『Hitman 2』の動画を作ったとき、これを
    IO Interactive の開発者に尋ねたところ
  • 5:50 - 5:54
    彼らは「信じられる」ステージに
    焦点を当てていると言った
  • 5:54 - 5:58
    つまりそのステージは、空間の仕組みについての
    基本的な期待に応えているのだが
  • 5:58 - 6:00
    完璧に理屈が通っている必要はないという
  • 6:00 - 6:06
    ピラミッドの最後には低層設定が必要だ
    これが世界全体を設定する
  • 6:06 - 6:11
    これは世界観を構築することであり
    開発者や物語制作者が―
  • 6:11 - 6:15
    派閥や、歴史上の転機や
    物語の主人公を設定するところだ
  • 6:15 - 6:19
    この構造の 3つの部分が
    全て協調して機能する必要があり
  • 6:19 - 6:23
    理想的には、アイデアは
    上下の階層にも影響するべきだ
  • 6:23 - 6:26
    ここではその実践例を紹介しよう
  • 6:26 - 6:31
    『Deus Ex: Mankind Divided』の
    低層設定は、近未来のプラハで―
  • 6:31 - 6:36
    改造人間たちが、普通の人々によって
    抑圧されている
  • 6:36 - 6:42
    これは中層設定で表現される 駅では
    自然人間と、改造人間の 2つの専用車両があり
  • 6:42 - 6:47
    スラム化した都市で、改造人間たちが
    悲惨な状態のまま隔離されている
  • 6:47 - 6:52
    そして高層設定の小さな物語では
    抑圧や人種差別のことも語られる
  • 6:52 - 6:57
    反改造の落書きや、首都から
    追い出されたという内容のメールなどだ
  • 6:57 - 7:03
    全ての階層が同じテーマを語っている
    低層設定における壮大で体系的な話から―
  • 7:03 - 7:08
    高層設定の個人的、具体的な話まで
    (高 = 庶民の分断、中 = プラハの分断、低 = 人類の分断)
  • 7:08 - 7:13
    もちろん、隠し要素やお笑いを入れても構わないが
    こういった物語の伝え方は―
  • 7:13 - 7:18
    全ての側面が、同じテーマの目標へ向かって
    進んでいるときに最高の効果を発揮するのだ
  • 7:18 - 7:21
    これは実践してみると
    かなり難しくなるだろう
  • 7:21 - 7:25
    多くの大作ゲームでは、各ステージは
    別々の人が担当しているからだ
  • 7:25 - 7:28
    そのため、チームが一丸となって―
  • 7:28 - 7:32
    作品の構想をゲーム全体で共有することが
    生死を分けるほど重要になる
  • 7:34 - 7:39
    開発者は、世界観の構築、ステージ設計
    環境型物語を用いて
  • 7:39 - 7:44
    世界とその住人について、具体的かつ
    実際的な情報を伝えることができる
  • 7:44 - 7:49
    しかしゲーム世界の設計は、想像力をかき立て
    感動させるためにも使われる
  • 7:49 - 7:55
    開発者は、規模、形状、色彩などを使って
    「特定の感情」を呼び起こすことができる
  • 7:55 - 8:02
    Naughty Dog のステージ制作者 Emilia Schatz が
    『アンチャーテッド 4』でこれをどうやったか語っている
  • 8:02 - 8:07
    「序盤に恐怖感を与え、最後に達成感を
    感じさせたい場合―」
  • 8:07 - 8:11
    「私は環境を使って、プレイヤーに大きな
    圧力を与えるかもしれません」
  • 8:11 - 8:17
    「天井をかなり低くしたり、壁が迫ってきたりして
    窮屈感を与えます」
  • 8:17 - 8:21
    「そして最終的にステージの終わりに
    到達すると―」
  • 8:21 - 8:25
    「プレイヤーを広い場所へ連れ出して
    この巨大な展望を与えるのです」
  • 8:25 - 8:31
    洞窟の形状から『アンチャーテッド』の
    過去の出来事を理解することはできない
  • 8:31 - 8:33
    結局のところ
    これはただの洞窟だ
  • 8:33 - 8:36
    その代わりに
    感情を生み出してくれる
  • 8:36 - 8:39
    これによってプレイヤーは
    操作キャラの気持ちをより深く理解できる
  • 8:40 - 8:43
    その好例が『God of War』の最新作にある
  • 8:43 - 8:47
    アトレウス(息子)がどっかへ行って
    危ないかもしれないので―
  • 8:47 - 8:49
    クレイトスが
    慌て始める場面だ
  • 8:49 - 8:52
    ここでは開発者が
    環境を自在に扱って―
  • 8:52 - 8:55
    この緊張感をプレイヤーにも
    体感できるようにしている
  • 8:55 - 8:59
    つまり、空間は窮屈になり
    狭い通路が続いている
  • 8:59 - 9:02
    行き止まりだらけで
    引き返さざるを得なくなる
  • 9:02 - 9:05
    灰色の濃霧のせいで
    視界が悪くなっている
  • 9:05 - 9:09
    そして最後、岩の隙間で
    クレイトスは完全に遅れをとる
  • 9:09 - 9:15
    ここを通り抜けて初めて、空間が広がり
    霧が晴れ、色彩が戻ってきて
  • 9:15 - 9:19
    アトレウスが安全であることが分かり
    この謎の人物が―
  • 9:19 - 9:22
    息子を傷付けるために
    そこにいるわけじゃないことを知る
  • 9:23 - 9:24
    あるいは初代『Portal』の例だ
  • 9:24 - 9:28
    ゲームの前半は
    テストの実験室で行われるが
  • 9:28 - 9:34
    後半では、邪悪な AI から逃亡し
    裏側の整備エリアを駆け抜ける
  • 9:34 - 9:40
    物語におけるこの劇的な変化は
    環境のあらゆる側面によって強調されている
  • 9:40 - 9:43
    テスト部屋は、白く、無菌で
    細部が欠けている
  • 9:43 - 9:47
    整備エリアは暖色の
    オレンジ色に染まっていて
  • 9:47 - 9:49
    生活感や使用感が
    感じられる
  • 9:49 - 9:54
    2017年の講演で、Crystal Dynamics の
    アートデザイナーを務めた Brian Horton は―
  • 9:54 - 9:57
    『トゥームレイダー』復活作品の
    この部分について語っている
  • 9:57 - 10:03
    序盤、ララは低い位置にいて
    地形環境が上から圧迫している
  • 10:03 - 10:06
    全てが不吉な深緑色に
    染まっている
  • 10:06 - 10:10
    地形環境と同じ高さまで来ると
    色彩が明るくなり始める
  • 10:10 - 10:14
    そして塔を登っていくと
    ステージより高い場所へ到達し
  • 10:14 - 10:17
    ララは暖かいオレンジ色の
    日差しに包まれていく
  • 10:17 - 10:22
    絶望の場所から、希望の場所まで移動した
    彼女の生存の旅路は―
  • 10:22 - 10:24
    ステージ設計を通じて
    強調されているのだ
  • 10:25 - 10:28
    これを達成する
    実践的な手法として―
  • 10:28 - 10:32
    元 BioWare のステージ制作者
    Dave Feltham の GDC 講演を紹介したい
  • 10:32 - 10:36
    彼は『Mass Effect 3』のステージを制作する際の
    2つのツールについて語っている
  • 10:37 - 10:40
    感情図表と、強度図表だ
  • 10:40 - 10:44
    問題のステージは
    惑星トゥチャンカが舞台設定で
  • 10:44 - 10:47
    ジェノファージの治療法を
    提供するという内容だ
  • 10:47 - 10:50
    クローガン族を不妊化させた
    ウイルス兵器のことだ
  • 10:50 - 10:55
    このステージでは、窪地に着陸し
    シュラウドタワーに向かって運転し
  • 10:55 - 11:01
    護送車隊が爆発した後、地下遺跡に潜入して
    都市を出て、最初のリーパーを倒し
  • 11:01 - 11:04
    そして… いや、これ以上は
    ネタバレになるから止めておこう
  • 11:05 - 11:08
    そこで開発者たちはステージを
    いくつかの場面に分けた
  • 11:08 - 11:12
    それから、各場面で
    表現すべきテーマを決めた
  • 11:12 - 11:16
    そして、その場面でプレイヤーが
    感じるべき感情を決定した
  • 11:16 - 11:21
    最後に、環境設計を使って
    それらの感情を呼び起こした
  • 11:21 - 11:27
    例えば護送車隊が壊滅する前、プレイヤーは
    リーパーの討伐に希望や自信を感じるべきだ
  • 11:27 - 11:31
    そこで、護送車の軍団を見せて
    強くなった気分にさせたり
  • 11:31 - 11:35
    クローガン族が楽しそうにくつろいで
    無頓着なことを提案したりする
  • 11:35 - 11:38
    車隊が爆発した後は
    混乱を感じるべきだ
  • 11:38 - 11:42
    そこで、火災や爆発
    壊滅した護送車隊を見せる
  • 11:42 - 11:45
    地下遺跡では、神秘性を感じるべきだ
  • 11:45 - 11:49
    そこで、古代クローガン族の
    生活を表現した彫像や壁画を見せる
  • 11:49 - 11:51
    その後、地上の都市が
    誇らしげに登場する
  • 11:51 - 11:57
    ジェノファージ感染前のクローガン帝国の発展に
    畏敬の念を抱かせる
  • 11:57 - 12:01
    そしてクローガン族を裏切るつもりであれば
    罪悪感を感じさせる
  • 12:01 - 12:06
    暗い地下遺跡から開放的な都市への対比が
    この場面を強調しているのだ
  • 12:06 - 12:12
    感情を必然的に伝えるために、適切な
    環境的手法を見つけるのはキツイだろうが―
  • 12:12 - 12:14
    他のゲームの事例を
    紹介しよう
  • 12:14 - 12:17
    『Half Life 2』では、抑圧感を
    生み出すために―
  • 12:17 - 12:22
    窮屈な廊下、高層ビル、刑務所
    監視カメラなどを用意している
  • 12:22 - 12:26
    『P.T.』では、恐怖感を生み出すために
    同じ角を何度も曲がるように求められるが―
  • 12:26 - 12:29
    向こう側に何があるのか
    絶対に分からない
  • 12:29 - 12:35
    ただしこうした環境を選ぶときは
    ゲーム仕様との相性に注意してほしい
  • 12:35 - 12:40
    例えばホラーゲームでは、暗闇は明らかに
    恐怖をかき立てることを意図している
  • 12:40 - 12:45
    だがステルスゲームの暗闇は、実際には
    力強さと安全性を感じさせるかもしれない
  • 12:45 - 12:50
    環境の詳細を選んだ後
    BioWare は強度図表を使う
  • 12:50 - 12:54
    基本的に、開発者には
    希望する強度があり
  • 12:54 - 12:58
    物語のための穏やかな瞬間と
    戦闘のための激しい瞬間を望んでいる
  • 12:58 - 13:04
    しかし各エリアの強度の感じ方は
    試遊した人の意見と比較する必要がある
  • 13:04 - 13:07
    強度がズレていたら
    変更しなければならない
  • 13:07 - 13:10
    例えば、地下遺跡には当初
    敵がいたのだが
  • 13:10 - 13:17
    懐中電灯でモンスターと戦うのは極めて厳しく
    意図した感情からは遠いことが分かったので
  • 13:17 - 13:21
    強度の水準を一致させるために
    モンスターは削除された
  • 13:21 - 13:25
    また、味方の爆撃機のカットシーンを
    リーパーに向かう途中に追加したのだが
  • 13:25 - 13:29
    これは勝てるかもしれないという希望を
    少しだけ与えるためだった
  • 13:29 - 13:35
    BioWare の最終的な目標は、典型的な三幕構成に
    合致するミッションを制作することだった
  • 13:35 - 13:41
    問題を解決するために動き、絶望の瞬間を経て
    最後は勝利へ向かって登っていく
  • 13:41 - 13:46
    この三幕構成は、2D アクション『Celeste』で
    見事に活用されている
  • 13:46 - 13:50
    実際の登山の形状が
    図表に反映されているのだ
  • 13:50 - 13:55
    ステージを進むごとに、山を登りながら
    小さな挫折や後退に直面するが
  • 13:55 - 13:57
    最終的にはひたすら上へ
    進んでいく
  • 13:57 - 14:03
    これはステージ「もうひとりの自分」まで続く
    ここで山の麓まで真っ逆さまに落ちてしまう
  • 14:03 - 14:07
    物語のドン底は
    環境のドン底でもあるのだ
  • 14:09 - 14:13
    だが環境を本当に活用して
    物語を伝えるゲームがあるとすれば―
  • 14:13 - 14:18
    それは『風ノ旅ビト』だ
    登っている場面で、強さや進む感覚を呼び起こし
  • 14:18 - 14:23
    落下する場面で
    喪失感や絶望感を生み出している
  • 14:23 - 14:29
    そして thatgamecompany(開発会社)が色彩を活用して
    様々な感覚を表現している点は注目だ
  • 14:29 - 14:34
    オレンジ色が砂漠の穏やかな神秘を表し
    深緑が不気味な地下墓地を表現する
  • 14:34 - 14:39
    白色が刺すような寒さを
    鮮明な青が再生の瞬間を表現する
  • 14:39 - 14:43
    このゲームには何かを感じさせるための
    言葉は必要ない
  • 14:43 - 14:45
    環境が全てを
    物語っているからだ
  • 14:47 - 14:52
    最後に、環境がプレイヤーの「一体感」に
    与える影響について触れたいと思う
  • 14:52 - 14:56
    ビデオゲームでは一般的に
    登場人物の立場になりきって―
  • 14:56 - 14:58
    その人物のように行動することが
    求められる
  • 14:58 - 15:02
    プレイヤーは
    常に手がかりを探している
  • 15:02 - 15:08
    自分はどんな人物になるのか、どんな行動が期待され
    許され、罰せられるのか知りたいのだ
  • 15:08 - 15:14
    当然この困難な作業は、利用できる仕様や
    システムが選択に反応する方法や―
  • 15:14 - 15:18
    販売戦略と様式基準からなる
    プレイヤーの先入観によって行われている
  • 15:18 - 15:22
    だが環境も大きな役割を
    果たしている
  • 15:22 - 15:26
    例えば初代『Bioshock』では
    人を殺したり―
  • 15:26 - 15:29
    レジや金庫から盗んだりするのは
    簡単だった
  • 15:29 - 15:35
    一方『Bioshock Infinite』でこれをやると
    かなり居心地が悪いことが分かった
  • 15:35 - 15:39
    その大部分は『Bioshock』のラプチャーが
    廃墟化していることが要因だ
  • 15:39 - 15:43
    周りにいるのは狂気の
    血に飢えたスプライサーだけだ
  • 15:43 - 15:48
    こいつらの頭蓋骨を殴って、ポケットに入るかぎり
    全てを略奪するのは理にかなっている
  • 15:48 - 15:54
    一方『Infinite』のコロンビアでは、到着した時
    社会の半分はまだ機能していて
  • 15:54 - 15:57
    営業中の店や
    罪のない市民がいる
  • 15:57 - 16:01
    だから暴力や強盗は、こうした環境では
    あまり意味がない
  • 16:02 - 16:06
    現実的な世界観に話を戻すと
    『Hitman』の開発者はこの手法を使って
  • 16:06 - 16:10
    世界がプレイヤーの存在にどう反応するのかを
    さり気なく説明している
  • 16:10 - 16:14
    気軽に散策できるエリアが
    明確に分かる理由は―
  • 16:14 - 16:18
    プレイヤーが現実世界の社会規範を
    理解しているからなのだ
  • 16:18 - 16:22
    これは IO の開発者 Mette Andersen の
    GDC 講演の言葉だ
  • 16:22 - 16:27
    「これらの空間を設計するとき、私たちは
    行動のルールを設計し―」
  • 16:27 - 16:32
    「 "この空間で自分はどうあるべきか?" という
    プレイヤーの自覚を活用するものを設計します」
  • 16:32 - 16:36
    Mette は世界を分割する
    「公共の空間」は序盤から利用可能で―
  • 16:36 - 16:38
    どんな服装でも探索できる
  • 16:38 - 16:43
    「私有の空間」では、侵入するための工夫や
    隠れるための衣装が必要だ
  • 16:43 - 16:50
    彼女はこれをさらに細分化する
    曖昧から厳格まで、社会規範を分けるのだ
  • 16:50 - 16:55
    『Hitman』最高のステージは Matte によると
    こうしたエリアの種類が豊富に混在しているらしい
  • 16:56 - 17:02
    だからビデオゲームの環境は、物語の媒体として
    驚くほど効果的なものになり得るのだ
  • 17:02 - 17:05
    プレイヤーが到着する前に起こった
    出来事について伝えたり
  • 17:05 - 17:08
    そこで暮らす人々について
    手がかりを与えたり
  • 17:08 - 17:10
    構造を通じて
    感情を喚起したり
  • 17:10 - 17:13
    あるいはプレイヤーの一体感のために
    文脈を用意したり
  • 17:13 - 17:16
    こうした空間は
    多くを物語ることができるのだ
  • 17:16 - 17:21
    以下のコメント欄で、環境を使った物語の
    お気に入りの例を教えてほしい
  • 17:24 - 17:25
    (字幕翻訳:Nekofloor)
  • 17:25 - 17:27
    やぁ、ご視聴ありがとう
  • 17:27 - 17:32
    気付いたかもしれないが
    これは以前の動画の再投稿版だ
  • 17:32 - 17:39
    残念ながら、以前のやつは動画内で挙げた
    一部の事例が原因で年齢に不適切だと判断されたため
  • 17:39 - 17:44
    視聴前に大きな恐ろしい警告が
    表示されてしまった
  • 17:44 - 17:48
    最終的には、できるだけ大勢が
    自分のチャンネルを視聴できるようにしたいので
  • 17:49 - 17:53
    今後は一般的な視聴者に適した動画内容に
    するように努力していくつもりだ
  • 17:53 - 17:58
    僕はそれでも人を撃つことを話題にするつもりだ
    だって…ほら、これはビデオゲームの動画だからね
  • 17:58 - 18:06
    しかしそれでも、今後は暴力やその他の厄介なものに
    引っかからないように注意していく
  • 18:06 - 18:10
    もし元の動画が不快な気分にさせたなら
    僕は謝罪する
Title:
ゲームの環境が伝える物語 | Game Maker's Toolkit
Description:

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Video Language:
English
Duration:
18:11

Japanese subtitles

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