ジェニファー・ヒーリー: もし車が話せたら事故は避けられる
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0:01 - 0:03事実に向き合いましょう
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0:03 - 0:05運転は危険な行為です
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0:05 - 0:08私たちはそれについて
考えることを避けますが -
0:08 - 0:12事実 世界中の
車のダッシュボードには -
0:12 - 0:17宗教の偶像や 幸運のお守りが
飾られています -
0:17 - 0:21それでも これを真実とは
認めようとしないのです -
0:21 - 0:24自動車事故は アメリカの
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0:24 - 0:2916歳から19歳の人の間では
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0:29 - 0:31最大の死因であり
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0:31 - 0:35その事故のうち75%は
ドラッグやアルコールとも -
0:35 - 0:37関係がありません
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0:37 - 0:40では何が起きているのでしょう?
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0:40 - 0:44確かなことは言えませんが
私は初めての事故を憶えています -
0:44 - 0:48若い頃 高速道路を運転していると
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0:48 - 0:50前の車のブレーキランプが
光ったのが見えたので -
0:50 - 0:52こんなことを思いました
「減速するのね -
0:52 - 0:53じゃあ私も減速しなきゃ」
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0:53 - 0:55私はブレーキを踏みました
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0:55 - 0:57しかしその人はただ
減速していたわけではなく -
0:57 - 1:00停止 それも高速道路の上で
完全に停止したのです -
1:00 - 1:03時速約100km から 0km に
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1:03 - 1:05私はブレーキをベタ踏み
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1:05 - 1:08ABSが作動したのが分かりましたが
それでも車は走り続け -
1:08 - 1:10分かっていたことではありますが
止まり切れませんでした -
1:10 - 1:13エアバッグが作動し
車はめちゃめちゃ -
1:13 - 1:17ですが幸運にも
ケガ人はいませんでした -
1:17 - 1:21でも前の車が止まった理由は
私には見当もつきません -
1:21 - 1:25こんな状況は避けられたはずです
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1:25 - 1:29私が考えたのは 車がお互いに
しゃべりかけることができれば -
1:29 - 1:33もっと運転しやすくなるの
ではないかということです -
1:33 - 1:34少し考えて頂きたいのは
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1:34 - 1:37車の運転とは
どんなものかということです -
1:37 - 1:41車に乗り込み ドアを閉めると
ガラス内の窮屈な空間に密閉され -
1:41 - 1:44周りの世界は 直接には
認識できなくなります -
1:44 - 1:46その車体を
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1:46 - 1:48部分的にしか見えない道で
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1:48 - 1:50鉄の巨体をすり抜けながら
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1:50 - 1:55人間ではありえないスピードで
操らなければならないのです -
1:55 - 1:59いいですか? 信じられるのは
自分の両目だけなんです -
1:59 - 2:01そう それだけ
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2:01 - 2:03人間の目が本来
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2:03 - 2:06得意とはしないことを
強いられるのです -
2:06 - 2:08車線変更をするとき
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2:08 - 2:10まずどんなことをする
必要があるでしょうか? -
2:10 - 2:13道から目をそらす?
その通り -
2:13 - 2:16進行方向を見るのをやめて
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2:16 - 2:18死角を確認して
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2:18 - 2:21前を見ずに運転するんです
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2:21 - 2:24誰にとっても等しく
これが安全な運転方法とされています -
2:24 - 2:26なぜこんなことをするのでしょうか?
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2:26 - 2:29視線を向ける先を
選択する必要があるからです -
2:29 - 2:30もっと重要なことは?
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2:30 - 2:33通常 私たちは道路上で
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2:33 - 2:37注目するものを
選択するのは得意ですが -
2:37 - 2:41時として何かを見落としたり
物事に気付くのが遅れたり -
2:41 - 2:45間違った解釈を
してしまうこともあります -
2:45 - 2:47ドライバーは 事故を起こすと決まって
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2:47 - 2:49「気付かなかったんだ」
と言い訳します -
2:49 - 2:53それは信じましょう
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2:53 - 2:56全てに注意を払うのは
不可能ですから -
2:56 - 3:01しかし 今やその状況を
改善する技術が存在しています -
3:01 - 3:05将来的には 車がお互いに
データを交換することで -
3:05 - 3:093台の車が前方にいると
いうことだけでなく -
3:09 - 3:11後ろや左右にいる3台も
-
3:11 - 3:14同時に俯瞰することが
できるようになり -
3:14 - 3:17車の中の様子まで
わかるようになります -
3:17 - 3:19前方の車の速度も分かるようになり
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3:19 - 3:22巡航速度や 止まろうと
していることも分かります -
3:22 - 3:27停止しようとしていることを
事前に察知できるのです -
3:27 - 3:31アルゴリズムや予測モデルを
用いた計算により -
3:31 - 3:34未来を予測できるようにもなるでしょう
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3:34 - 3:36不可能だと思われることでしょう
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3:36 - 3:38どうやって未来を予測する?
確かにとても困難ですが — -
3:38 - 3:42実際には違うんです
車に関しては不可能ではないのです -
3:42 - 3:45車は3次元の物体であり
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3:45 - 3:47ある時点では 位置と速度は
決まっています -
3:47 - 3:49また道路を走行するものであり
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3:49 - 3:51多くの場合 事前から知られる
経路をとります -
3:51 - 3:55ある車が ほんの少し
後にいる場所について -
3:55 - 3:58合理的な予測をすることは
そんなに困難ではないのです -
3:58 - 4:00車に乗っているとき
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4:00 - 4:02バイクが時速135kmで
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4:02 - 4:04車線を横切りながら
ブシューッとやって来たとしても — -
4:04 - 4:07こんな経験をされた方も
多いかと思いますが — -
4:07 - 4:09「どこからともなく現れた」
というわけではありません -
4:09 - 4:13その人は30分ぐらいは
道路上にいたんです -
4:13 - 4:14(笑)
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4:14 - 4:18ここで言いたいのは 誰かが
そのライダーを見たということ -
4:18 - 4:2110km 20km 30km手前でも
誰かがその人を見たはずです -
4:21 - 4:23ある車がその人を見かけ
地図上に記録すると -
4:23 - 4:25地図に現れ
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4:25 - 4:27位置 速度や
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4:27 - 4:30時速135kmで走行を続けるという
推定などが得られます -
4:30 - 4:32これは事前に察知可能です
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4:32 - 4:34理由は他の車が
こう耳打ちするからです -
4:34 - 4:36「ところで5分後
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4:36 - 4:39バイクに注意」というように
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4:39 - 4:42車の行動について
合理的な予測ができるのです -
4:42 - 4:43車はニュートン力学に従う物体です
これは非常に都合の良いことです -
4:43 - 4:46車はニュートン力学に従う物体です
これは非常に都合の良いことです -
4:46 - 4:49どのようにして
実現するのでしょうか? -
4:49 - 4:51まず手始めに GPSを使って
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4:51 - 4:54位置情報を共有するというような
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4:54 - 4:56シンプルなことから始めましょう
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4:56 - 4:58私の車にGPSとカメラが
搭載されていれば -
4:58 - 5:01どこを どの位の速度で
走行しているのか -
5:01 - 5:02非常に高い精度で分かります
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5:02 - 5:04コンピュータ・ビジョンを用いれば
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5:04 - 5:07周囲の車の位置や 進行方向
のようなものも割り出せます -
5:07 - 5:08他の車についても同様で
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5:08 - 5:10自分の現在地については正確に
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5:10 - 5:12他の車の位置については
大雑把に分かります -
5:12 - 5:16では2台の車がそのデータを
共有したらどうなるでしょうか? -
5:16 - 5:18車がお互いに会話できたら?
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5:18 - 5:20それは簡単なことで
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5:20 - 5:23両者の予測モデルが
改善されます -
5:23 - 5:25みんな得をするのです
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5:25 - 5:27ボブ・ワン教授のチームは
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5:27 - 5:30車の共有するのが
GPSデータのみで -
5:30 - 5:33交通量が少なくても 曖昧な推定を
結合させるとどうなるか -
5:33 - 5:36コンピュータで
シミュレーションを行いました -
5:36 - 5:39さらには この研究を
シミュレーションの枠から出し -
5:39 - 5:42現在 実際に車に搭載されている
センサーを取り付けた -
5:42 - 5:45ロボットを用いて
実験を行いました -
5:45 - 5:47使用したのは
ステレオカメラ GPS -
5:47 - 5:49そして補助システムとして一般的な
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5:49 - 5:512次元レーザー距離計です
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5:51 - 5:55また それとは別に
短距離無線装置を取り付け -
5:55 - 5:57ロボット間の情報伝達を
可能にしました -
5:57 - 5:59ロボット同士が近付くと
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5:59 - 6:02お互いの位置を正確に追跡し
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6:02 - 6:04衝突を避けることができます
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6:04 - 6:08現在もさらなる改良を
続けていますが -
6:08 - 6:09いくつかの問題に突き当たりました
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6:09 - 6:11その1つは 情報量を
増やし過ぎると -
6:11 - 6:15データを処理し切れなくなることです
そこで優先度を決める必要が出てきますが -
6:15 - 6:18それこそ予測モデルが
役に立つ場面です -
6:18 - 6:22ロボット自動車が予測された軌跡を
なぞっているだけなら -
6:22 - 6:24そんな情報は捨てても構いません
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6:24 - 6:25優先すべきは 予測とは異なる
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6:25 - 6:27道を進んでいる車です
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6:27 - 6:29そのようなものこそ問題となりますが
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6:29 - 6:32軌跡を新たに予測することができます
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6:32 - 6:35道を外れたことだけでなく
その外れ具合も分かるのです -
6:35 - 6:39さらに 退くよう警告する必要があるのは
どのドライバーかも分かります -
6:39 - 6:41どうやって全員に警告するのが
ベストでしょうか? -
6:41 - 6:45どうすれば車は「どいた方が良い」と
耳打ちできるでしょうか? -
6:45 - 6:46次の2つの要素に依存します
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6:46 - 6:481つは車の能力
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6:48 - 6:51もう1つはドライバーの能力です
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6:51 - 6:53性能の良い車に乗っていても
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6:53 - 6:56電話していたり 何かをしていたら
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6:56 - 6:58おそらく緊急時には
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6:58 - 7:01咄嗟に反応できません
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7:01 - 7:02そこで私たちは
別系統の研究を立ち上げ -
7:02 - 7:05ドライバーの状態の
モデル化を試みています -
7:05 - 7:07現在では 3台のカメラを用いて
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7:07 - 7:10ドライバーが前を向いているのか
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7:10 - 7:12横や下を向いているのか
電話しているのか -
7:12 - 7:15コーヒーを飲んでいるのか
検出できるようになりました -
7:15 - 7:18事故を予測することができ
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7:18 - 7:21全員が安全な経路を計算することで
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7:21 - 7:25誰が どの車が
最も道を空けるのに -
7:25 - 7:28最適な位置にいるのか
予測できるのです -
7:28 - 7:32本質的には これらの技術は
既に存在しています -
7:32 - 7:35目下のところ 最大の問題は
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7:35 - 7:38データを共有する意思です
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7:38 - 7:41確かに 自分の車に見張られ
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7:41 - 7:43自分のことを 他車に話され
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7:43 - 7:47陰口の中を進んで行くというのは
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7:47 - 7:50あまり気乗りのしない
考えだとは思います -
7:50 - 7:54しかしプライバシーを侵害しないような
方法で行うことも可能だと信じています -
7:54 - 7:58さっき話したように
車を外から見ても -
7:58 - 8:00乗っている人のことは
分かりませんし -
8:00 - 8:01それはナンバープレートに
ついても同じことです -
8:01 - 8:03それはナンバープレートに
ついても同じことです -
8:03 - 8:07車が裏でしゃべってしまうかも
しれませんけどね -
8:07 - 8:10(笑)
-
8:10 - 8:13このアイデアは素晴らしい
ものだと思っています -
8:13 - 8:15ちょっと考えてみてください
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8:15 - 8:19後ろにいる注意力散漫な10代の人に
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8:19 - 8:21あなたがブレーキをかけて
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8:21 - 8:24完全停止しようとしていることを
知らせたくは無いのですか? -
8:24 - 8:27データをすすんで共有することで
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8:27 - 8:30みんなにとっての最善策を取れるのです
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8:30 - 8:33車に陰口をたたかせましょう
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8:33 - 8:36それが道路を
とても安全にするのですから -
8:36 - 8:38ありがとうございました
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8:38 - 8:43(拍手)
- Title:
- ジェニファー・ヒーリー: もし車が話せたら事故は避けられる
- Speaker:
- Jennifer Healey
- Description:
-
車を運転するときは、ガラスに囲まれた密閉空間に乗り込みドアにロックをかけ、自分の目を頼りにして — 前後の数台しか見ることはできないにも関わらず — アクセルを踏み込みます 。しかし車同士が位置や速度の情報を共有し、予測モデルを用いて道路上の全員にとって最も安全な経路を計算できたらどうでしょうか?ジェニファー・ヒーリーは事故の無い世界を想像します。(TED@Intelで収録)
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 09:00
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