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ジェニファー・ヒーリー: もし車が話せたら事故は避けられる

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    事実に向き合いましょう
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    運転は危険な行為です
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    私たちはそれについて
    考えることを避けますが
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    事実 世界中の
    車のダッシュボードには
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    宗教の偶像や 幸運のお守りが
    飾られています
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    それでも これを真実とは
    認めようとしないのです
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    自動車事故は アメリカの
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    16歳から19歳の人の間では
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    最大の死因であり
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    その事故のうち75%は
    ドラッグやアルコールとも
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    関係がありません
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    では何が起きているのでしょう?
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    確かなことは言えませんが
    私は初めての事故を憶えています
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    若い頃 高速道路を運転していると
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    前の車のブレーキランプが
    光ったのが見えたので
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    こんなことを思いました
    「減速するのね
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    じゃあ私も減速しなきゃ」
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    私はブレーキを踏みました
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    しかしその人はただ
    減速していたわけではなく
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    停止 それも高速道路の上で
    完全に停止したのです
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    時速約100km から 0km に
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    私はブレーキをベタ踏み
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    ABSが作動したのが分かりましたが
    それでも車は走り続け
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    分かっていたことではありますが
    止まり切れませんでした
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    エアバッグが作動し
    車はめちゃめちゃ
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    ですが幸運にも
    ケガ人はいませんでした
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    でも前の車が止まった理由は
    私には見当もつきません
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    こんな状況は避けられたはずです
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    私が考えたのは 車がお互いに
    しゃべりかけることができれば
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    もっと運転しやすくなるの
    ではないかということです
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    少し考えて頂きたいのは
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    車の運転とは
    どんなものかということです
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    車に乗り込み ドアを閉めると
    ガラス内の窮屈な空間に密閉され
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    周りの世界は 直接には
    認識できなくなります
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    その車体を
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    部分的にしか見えない道で
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    鉄の巨体をすり抜けながら
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    人間ではありえないスピードで
    操らなければならないのです
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    いいですか? 信じられるのは
    自分の両目だけなんです
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    そう それだけ
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    人間の目が本来
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    得意とはしないことを
    強いられるのです
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    車線変更をするとき
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    まずどんなことをする
    必要があるでしょうか?
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    道から目をそらす?
    その通り
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    進行方向を見るのをやめて
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    死角を確認して
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    前を見ずに運転するんです
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    誰にとっても等しく
    これが安全な運転方法とされています
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    なぜこんなことをするのでしょうか?
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    視線を向ける先を
    選択する必要があるからです
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    もっと重要なことは?
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    通常 私たちは道路上で
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    注目するものを
    選択するのは得意ですが
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    時として何かを見落としたり
    物事に気付くのが遅れたり
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    間違った解釈を
    してしまうこともあります
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    ドライバーは 事故を起こすと決まって
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    「気付かなかったんだ」
    と言い訳します
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    それは信じましょう
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    全てに注意を払うのは
    不可能ですから
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    しかし 今やその状況を
    改善する技術が存在しています
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    将来的には 車がお互いに
    データを交換することで
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    3台の車が前方にいると
    いうことだけでなく
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    後ろや左右にいる3台も
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    同時に俯瞰することが
    できるようになり
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    車の中の様子まで
    わかるようになります
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    前方の車の速度も分かるようになり
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    巡航速度や 止まろうと
    していることも分かります
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    停止しようとしていることを
    事前に察知できるのです
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    アルゴリズムや予測モデルを
    用いた計算により
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    未来を予測できるようにもなるでしょう
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    不可能だと思われることでしょう
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    どうやって未来を予測する?
    確かにとても困難ですが —
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    実際には違うんです
    車に関しては不可能ではないのです
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    車は3次元の物体であり
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    ある時点では 位置と速度は
    決まっています
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    また道路を走行するものであり
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    多くの場合 事前から知られる
    経路をとります
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    ある車が ほんの少し
    後にいる場所について
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    合理的な予測をすることは
    そんなに困難ではないのです
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    車に乗っているとき
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    バイクが時速135kmで
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    車線を横切りながら
    ブシューッとやって来たとしても —
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    こんな経験をされた方も
    多いかと思いますが —
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    「どこからともなく現れた」
    というわけではありません
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    その人は30分ぐらいは
    道路上にいたんです
  • 4:13 - 4:14
    (笑)
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    ここで言いたいのは 誰かが
    そのライダーを見たということ
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    10km 20km 30km手前でも
    誰かがその人を見たはずです
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    ある車がその人を見かけ
    地図上に記録すると
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    地図に現れ
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    位置 速度や
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    時速135kmで走行を続けるという
    推定などが得られます
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    これは事前に察知可能です
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    理由は他の車が
    こう耳打ちするからです
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    「ところで5分後
  • 4:36 - 4:39
    バイクに注意」というように
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    車の行動について
    合理的な予測ができるのです
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    車はニュートン力学に従う物体です
    これは非常に都合の良いことです
  • 4:43 - 4:46
    車はニュートン力学に従う物体です
    これは非常に都合の良いことです
  • 4:46 - 4:49
    どのようにして
    実現するのでしょうか?
  • 4:49 - 4:51
    まず手始めに GPSを使って
  • 4:51 - 4:54
    位置情報を共有するというような
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    シンプルなことから始めましょう
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    私の車にGPSとカメラが
    搭載されていれば
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    どこを どの位の速度で
    走行しているのか
  • 5:01 - 5:02
    非常に高い精度で分かります
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    コンピュータ・ビジョンを用いれば
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    周囲の車の位置や 進行方向
    のようなものも割り出せます
  • 5:07 - 5:08
    他の車についても同様で
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    自分の現在地については正確に
  • 5:10 - 5:12
    他の車の位置については
    大雑把に分かります
  • 5:12 - 5:16
    では2台の車がそのデータを
    共有したらどうなるでしょうか?
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    車がお互いに会話できたら?
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    それは簡単なことで
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    両者の予測モデルが
    改善されます
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    みんな得をするのです
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    ボブ・ワン教授のチームは
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    車の共有するのが
    GPSデータのみで
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    交通量が少なくても 曖昧な推定を
    結合させるとどうなるか
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    コンピュータで
    シミュレーションを行いました
  • 5:36 - 5:39
    さらには この研究を
    シミュレーションの枠から出し
  • 5:39 - 5:42
    現在 実際に車に搭載されている
    センサーを取り付けた
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    ロボットを用いて
    実験を行いました
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    使用したのは
    ステレオカメラ GPS
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    そして補助システムとして一般的な
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    2次元レーザー距離計です
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    また それとは別に
    短距離無線装置を取り付け
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    ロボット間の情報伝達を
    可能にしました
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    ロボット同士が近付くと
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    お互いの位置を正確に追跡し
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    衝突を避けることができます
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    現在もさらなる改良を
    続けていますが
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    いくつかの問題に突き当たりました
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    その1つは 情報量を
    増やし過ぎると
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    データを処理し切れなくなることです
    そこで優先度を決める必要が出てきますが
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    それこそ予測モデルが
    役に立つ場面です
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    ロボット自動車が予測された軌跡を
    なぞっているだけなら
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    そんな情報は捨てても構いません
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    優先すべきは 予測とは異なる
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    道を進んでいる車です
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    そのようなものこそ問題となりますが
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    軌跡を新たに予測することができます
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    道を外れたことだけでなく
    その外れ具合も分かるのです
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    さらに 退くよう警告する必要があるのは
    どのドライバーかも分かります
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    どうやって全員に警告するのが
    ベストでしょうか?
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    どうすれば車は「どいた方が良い」と
    耳打ちできるでしょうか?
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    次の2つの要素に依存します
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    1つは車の能力
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    もう1つはドライバーの能力です
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    性能の良い車に乗っていても
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    電話していたり 何かをしていたら
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    おそらく緊急時には
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    咄嗟に反応できません
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    そこで私たちは
    別系統の研究を立ち上げ
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    ドライバーの状態の
    モデル化を試みています
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    現在では 3台のカメラを用いて
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    ドライバーが前を向いているのか
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    横や下を向いているのか
    電話しているのか
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    コーヒーを飲んでいるのか
    検出できるようになりました
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    事故を予測することができ
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    全員が安全な経路を計算することで
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    誰が どの車が
    最も道を空けるのに
  • 7:25 - 7:28
    最適な位置にいるのか
    予測できるのです
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    本質的には これらの技術は
    既に存在しています
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    目下のところ 最大の問題は
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    データを共有する意思です
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    確かに 自分の車に見張られ
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    自分のことを 他車に話され
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    陰口の中を進んで行くというのは
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    あまり気乗りのしない
    考えだとは思います
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    しかしプライバシーを侵害しないような
    方法で行うことも可能だと信じています
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    さっき話したように
    車を外から見ても
  • 7:58 - 8:00
    乗っている人のことは
    分かりませんし
  • 8:00 - 8:01
    それはナンバープレートに
    ついても同じことです
  • 8:01 - 8:03
    それはナンバープレートに
    ついても同じことです
  • 8:03 - 8:07
    車が裏でしゃべってしまうかも
    しれませんけどね
  • 8:07 - 8:10
    (笑)
  • 8:10 - 8:13
    このアイデアは素晴らしい
    ものだと思っています
  • 8:13 - 8:15
    ちょっと考えてみてください
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    後ろにいる注意力散漫な10代の人に
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    あなたがブレーキをかけて
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    完全停止しようとしていることを
    知らせたくは無いのですか?
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    データをすすんで共有することで
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    みんなにとっての最善策を取れるのです
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    車に陰口をたたかせましょう
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    それが道路を
    とても安全にするのですから
  • 8:36 - 8:38
    ありがとうございました
  • 8:38 - 8:43
    (拍手)
Title:
ジェニファー・ヒーリー: もし車が話せたら事故は避けられる
Speaker:
Jennifer Healey
Description:

車を運転するときは、ガラスに囲まれた密閉空間に乗り込みドアにロックをかけ、自分の目を頼りにして — 前後の数台しか見ることはできないにも関わらず — アクセルを踏み込みます 。しかし車同士が位置や速度の情報を共有し、予測モデルを用いて道路上の全員にとって最も安全な経路を計算できたらどうでしょうか?ジェニファー・ヒーリーは事故の無い世界を想像します。(TED@Intelで収録)

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
09:00

Japanese subtitles

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