< Return to Video

ジョエル&イーサン・コーエン兄弟のショット/切り返しショット

  • 0:04 - 0:08
    こんにちはトニーです
    "Every Frame a Painting"をお送りします
  • 0:08 - 0:12
    もっとも基本的な映画文法はおそらくこれです
  • 0:12 - 0:13
    ショット
  • 0:14 - 0:15
    切り返しショット
  • 0:16 - 0:18
    ほとんど観るもの全て・・・
  • 0:22 - 0:24
    ほとんど観るもの全てに
    この技法があふれています
  • 0:24 - 0:28
    そして ほとんどの監督は 会話を手早く撮影するために
    この技法を使っています
  • 0:28 - 0:31
    役者を動かさず 複数のカメラで
    10テイクほど撮り
  • 0:32 - 0:33

    後からどのショットを使うか決めます
  • 0:34 - 0:37
    しかし「ショット/切り返しショット」は
    きちんとやったときにもっとも効果を発揮します
  • 0:38 - 0:41
    ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が
    その良い例でしょう なぜなら
  • 0:41 - 0:44
    "お前は・・・"
  • 0:45 - 0:47
    "カエルだった"
  • 0:48 - 0:54
    コーエン兄弟は会話シーンの達人で
    ショットをシンプルで正確にするためにそれを使うからです
  • 0:54 - 0:56
    "ご紹介できるものがありますか?"
  • 0:57 - 0:59
    そこで今日は「ショット/切り返しショット」について
    考え直してみます
  • 0:59 - 1:02
    コーエン兄弟のやり方から
    何を学べるでしょう?
  • 1:02 - 1:04
    "だけど 一つきかせてくれ"
  • 1:04 - 1:07
    "マヌケは こんなこと思いつくだろうか?"
  • 1:10 - 1:13
    コーエン兄弟について
    最初に気がつくことの一つは
  • 1:13 - 1:16
    会話を 会話の内側から撮ることです
  • 1:17 - 1:20
    つまり つねに二人の登場人物の間に
    カメラを置くのです
  • 1:20 - 1:22
    ですから 人物それぞれのショットを
    撮ることになります
  • 1:23 - 1:24
    "分かったか?"
  • 1:25 - 1:27
    いいかえると 多くのシングルショットを
    撮っているということです
  • 1:27 - 1:30
    "悪い きいてなかった"
  • 1:32 - 1:36
    ポール・グリーングラス監督などは
    カメラを人物の後ろに置きます
  • 1:36 - 1:39
    いつも望遠レンズで撮るので
    のぞき見ているような感覚になります
  • 1:39 - 1:41
    "何が起こったのか知りたいんです"
    "何が起こったかだって?"
  • 1:41 - 1:44
    "ジェイソン・ボーンが出たんだよ
    ファイルがあるだろう"
  • 1:44 - 1:46
    "さあ 茶番をやめろ"
  • 1:46 - 1:48
    コーエン兄弟とロジャー・ドーキンスは
    これをやりません
  • 1:49 - 1:52
    実際 かれらの映画は
    ほとんどワイドレンズで撮影されています
  • 1:52 - 1:55
    "私はレンズについてこだわりがあるんだ"
  • 1:55 - 1:58
    "私はここに座って 君と話してる
    そして君たちは 向こうの方から撮っている"
  • 1:58 - 2:02
    "肩越しで 多分シングルショットでね
    私はそういうことをほとんどやらない"
  • 2:02 - 2:04
    "なぜなら私はカメラが"
  • 2:04 - 2:07
    "近くに居たがってると思うからだ
    私はシングルショットを 内側のここから撮りたいね"
  • 2:07 - 2:11
    カメラを広角レンズに換えて
    より近くから撮ると
  • 2:11 - 2:12
    どう感じるかというと
  • 2:13 - 2:15
    "違うだろう? 存在感が出るんだ"
  • 2:15 - 2:17
    "カメラと人を向き合わせるのが正しいね"
  • 2:18 - 2:21
    "心理的な まったく別の効果が出るんだ"
  • 2:22 - 2:24
    でも 心理的な効果とはなんでしょう?
  • 2:24 - 2:27
    望遠レンズが のぞき込むき込むような感覚なら
    広角レンズでは どんな感じになるでしょう?
  • 2:27 - 2:30
    "ちゃんとみろ!何かがひどく間違ってるぞ!"
  • 2:30 - 2:32
    "サンタナの『Abraxas』なんて欲しくない!"
  • 2:32 - 2:35
    "ひどいトラブルに巻き込まれてるんだよ!"
  • 2:37 - 2:39
    二つの感覚があると思います
  • 2:39 - 2:41
    不安のようなものと
  • 2:43 - 2:45
    楽しさのようなもの
  • 2:45 - 2:46
    シーンにあっていますね
  • 2:47 - 2:49
    なぜなら コーエン兄弟は登場人物を
    孤立させたがるからです
  • 2:49 - 2:53
    どうしようもない状況に
    登場人物を追い込みます
  • 2:53 - 2:55
    そしてレンズはここに置く理由は・・・
  • 2:55 - 2:58
    "約束しただろう?約束は約束だ"
  • 2:58 - 3:01
    "ジェリー 約束は約束だってのは
    ブレーナードの可哀想な3つの死体にいうんだな"
  • 3:02 - 3:03
    一緒にハメられたように感じるでしょう
  • 3:04 - 3:05
    ワイドレンズの別の効果は視覚的なものです
  • 3:05 - 3:09
    コーエン兄弟はほとんどのショットを
    27mmか32mmのレンズで撮っています
  • 3:09 - 3:13
    コーエン兄弟の映画では カメラが寄っていき
    役者の顔の一部を強調することがよくあります
  • 3:13 - 3:16
    "フランク・ラッフォ 私の義理の兄弟だが
    彼は第一理髪師だった"
  • 3:16 - 3:18
    "そして よく喋る男だった"
  • 3:18 - 3:21
    ワイドレンズは顔を強調するためだけに
    使われるわけではありません
  • 3:21 - 3:25
    ワイドレンズは カメラの動きを強調します
    この ドリーで寄ってクローズアップのように
  • 3:26 - 3:27
    "動きの感覚なんだ"
  • 3:27 - 3:30
    "手をこんなふうに カメラの遠く近くにと動かすと"
  • 3:30 - 3:32
    "ワイドレンズだと より強調されるんだ"
  • 3:33 - 3:36
    "人物のほうが移動していてもね こんなふうに"
  • 3:36 - 3:39
    "おそらく そうはならないだろうな"
  • 3:39 - 3:42
    "活き活きと、鮮明な感じを与えるんだ"
  • 3:43 - 3:46
    "ふざけてんのか? 今家族が出来たんだぜ!"
  • 3:47 - 3:49
    シングルショットの効果の3つめは
  • 3:50 - 3:52
    環境的なものです
  • 3:52 - 3:54
    このショットはいいバランスです
  • 3:54 - 3:57
    キャラクターと周囲のものとの
    バランスが良いですね
  • 3:57 - 4:00
    "容疑者がブレーナードの人間だとしたら
    びっくりね"
  • 4:00 - 4:01
    "そうだな"
  • 4:01 - 4:04
    そして脇役がどんな人物か
    すぐ理解できます
  • 4:05 - 4:09
    服と仕事場だけでも
    この女性のことがよくわかるでしょう?
  • 4:09 - 4:13
    "なにもお教えできません"
  • 4:15 - 4:17
    でもコーエン兄弟の本当の特色は
  • 4:17 - 4:19
    編集のリズムです
  • 4:19 - 4:20
    "株価を落とすんだ"
  • 4:20 - 4:23
    "50%を買えるところまでな"
    "51%だ"
  • 4:23 - 4:24
    "中二階ぬきでだ"
  • 4:24 - 4:26
    "いける!"
    "こりゃいけるな!"
  • 4:26 - 4:29
    "上手くいくぞ!"
    "もう上手くいってるのさ"
  • 4:29 - 4:32
    ほとんどの人が
    リズムは会話から生まれると思っていますが
  • 4:32 - 4:35
    実はリズムは非言語的なものです
  • 4:43 - 4:46
    リズムを感じるためには
    うまくいってないときのリズムをみることも必要です
  • 4:46 - 4:48
    これはコーエン兄弟監督作ではなく 脚本作品です
  • 4:48 - 4:52
    二つのカメラがとらえた
    会話が気まずく止まるところに 注目してください
  • 4:52 - 4:54
    "俺が決めたんじゃないぜ"
  • 4:54 - 4:56
    "興味深いですな"
  • 4:56 - 5:00
    "しかしトーナメントの
    噂があるんじゃないですか?"
  • 5:00 - 5:02
    ただ "ハズした" 感じになります
  • 5:02 - 5:05
    コーエン兄弟が監督した
    この「間」をみてください
  • 5:06 - 5:07
    "タバコは?"
  • 5:11 - 5:12
    "そうか"
  • 5:12 - 5:15
    多くのシーンにあるこのリズムは
  • 5:15 - 5:20
    他の監督にはないもので
    コーエン兄弟がみつけた非言語的な「間」です
  • 5:24 - 5:27
    そしてこれを組み合わせると
    どうなるでしょう?
  • 5:27 - 5:29
    独特のトーンを生み出します
  • 5:29 - 5:32
    あるときは コーエン兄弟は登場人物を笑います
  • 5:36 - 5:39
    広角レンズで顔を強調して
  • 5:39 - 5:41
    ユーモラスな感じを出します
  • 5:47 - 5:51
    また別のあるときは
    コーエンは登場人物を強調します
  • 5:51 - 5:54
    フレームを広くとるので
    全体の状況がみえます
  • 5:54 - 5:57
    また彼らは
    カメラを登場人物のすぐそば置きます
  • 5:58 - 5:59
    "死にそうだ"
  • 6:01 - 6:04
    "なんとかしてくれ 助けてくれ!"
  • 6:04 - 6:07
    古くからこう言われます
    「悲劇はクローズアップ」
  • 6:07 - 6:09
    「喜劇はロングショット」
  • 6:12 - 6:14
    しかしコーエン兄弟はきまりごとを
    まぜこぜにします
  • 6:14 - 6:18
    近くからのシングルショットに
    悲劇と喜劇を混在させています
  • 6:18 - 6:20
    "マイクが恋しい"
  • 6:20 - 6:22
    魅力的ですね
  • 6:22 - 6:26
    会話シーンは
    たんなる会話の録画ではありません
  • 6:26 - 6:29
    会話シーンでは非言語的な
    ふるまいも描かれます
  • 6:29 - 6:31
    "それが君にあてはまらないとは
    思わない"
  • 6:31 - 6:33
    "ああそうだな こんな話があるよ"
  • 6:33 - 6:36
    "そこだよ!
    我々はみな物語をもってる"
  • 6:37 - 6:38
    カメラをここに置き
  • 6:38 - 6:41
    広角レンズを使うことで
    登場人物の固有のリズムを追っています
  • 6:41 - 6:45
    コーエン兄弟は 映画文法の基本ツールの
    面白い使い方をみつけました
  • 6:45 - 6:46
    ショットと
  • 6:48 - 6:50
    切り返しショットの
Title:
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟のショット/切り返しショット
Description:

どのように会話を撮っていますか?普通は役者の立ち位置を決め、カメラを配置し、「ショット切り返しショット」使っているでしょう。しかし、どこにカメラを置いていますか?どのレンズを使っていますか?どのように切り返していますか?今日ジョエル&イーサン・コーエン兄がどのようにそれを決めているか、そしてコーエン版「ショット/切り返しショット」がどう独特のフィーリングを創り出しているかを考えます

more » « less
Video Language:
English
Duration:
07:05

Japanese subtitles

Revisions