ゼノンの二分法のパラドクスとは? ― コルム・ケレハー
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0:15 - 0:17こちらはエレア派のゼノンです
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0:17 - 0:18古代ギリシャの哲学者で
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0:18 - 0:21多くのパラドクスを生み出したことで
知られています -
0:21 - 0:23一見 論理的なように思えても
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0:23 - 0:26導かれる結論が非合理的であるか
矛盾するものです -
0:26 - 0:272千年以上もの間
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0:27 - 0:30ゼノンの難解な命題は
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0:30 - 0:31数学者や哲学者が
無限の性質についての -
0:31 - 0:34理解を深めるのに役立ってきました
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0:34 - 0:36ゼノンの立てた問いの
最も有名なもののひとつは -
0:36 - 0:38二分法のパラドクスです
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0:38 - 0:42古代ギリシャ語で
「2つに分けるパラドクス」の意味です -
0:42 - 0:43これは次のようなものです
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0:43 - 0:46一日中 座って
思索にふけっていたので -
0:46 - 0:49ゼノンは家から公園へ
散歩に行くことにしました -
0:49 - 0:50新鮮な空気でのおかげで
頭がすっきりし -
0:50 - 0:52思考に役立つからです
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0:52 - 0:53公園にたどりつくには
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0:53 - 0:55まずは公園まで半分の所まで
行かねばなりません -
0:55 - 0:57この部分の移動には
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0:57 - 0:58有限の時間がかかります
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0:58 - 1:00半分の地点に着いたら
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1:00 - 1:03残りの距離の半分を
進まねばなりません -
1:03 - 1:06これにも 有限の時間がかかります
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1:06 - 1:08そこまで行ったら
残りのさらに半分の距離を -
1:08 - 1:10歩かねばなりません
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1:10 - 1:12これにも有限の時間がかかります
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1:12 - 1:16これが何度も繰り返し起こります
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1:16 - 1:18これは永遠に繰り返されるのが
お分かりですね -
1:18 - 1:20残りの距離をどんどん
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1:20 - 1:22小さく分割していくと
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1:22 - 1:25どの部分を移動するにも
有限の時間がかかります -
1:25 - 1:28では 公園に着くまでには
どれ位の時間がかかるでしょう? -
1:28 - 1:30それを知るためには
それぞれの区間にかかる時間を -
1:30 - 1:32すべて足す必要があります
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1:32 - 1:37問題は 有限の大きさの部分が
無限に存在するということです -
1:37 - 1:40では 全体でかかる時間は
無限になるのでしょうか? -
1:40 - 1:43とはいえ この議論は
まったく大雑把なものです -
1:43 - 1:45ある一点から
別の一点までの移動には -
1:45 - 1:47無限の時間がかかると言っているのです
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1:47 - 1:51つまり あらゆる運動は
不可能だということです -
1:51 - 1:53この結論は明らかに
理屈に合いませんが -
1:53 - 1:55この論理のどこに
欠陥があるのでしょう? -
1:55 - 1:56このパラドクスを解明するには
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1:56 - 1:59このお話を数学の問いに
変換するといいでしょう -
1:59 - 2:02仮に ゼノンの家が公園から
1マイル離れており -
2:02 - 2:04ゼノンは時速1マイルで歩くとしましょう
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2:04 - 2:07常識的に考えれば
移動にかかる時間は -
2:07 - 2:081時間のはずです
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2:08 - 2:11しかし ゼノンの視点から考えて
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2:11 - 2:13移動距離を分割してみましょう
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2:13 - 2:16最初の半分の距離に
かかる時間は30分 -
2:16 - 2:18次の部分は15分
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2:18 - 2:20その次の部分は7.5分
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2:20 - 2:21といった具合です
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2:21 - 2:22これらの時間をすべて足すと
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2:22 - 2:24このような式になるはずです
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2:24 - 2:26ゼノンはこう言うかもしれません
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2:26 - 2:28「さて 式の右辺には
無限の数の -
2:28 - 2:30数字が続き
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2:30 - 2:32それぞれの数字は有限であるから
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2:32 - 2:35その総和は無限なはずだろう?」と
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2:35 - 2:37これがゼノンの議論における問題です
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2:37 - 2:39数学者がのちに
発見したところによると -
2:39 - 2:43有限の数を無限に足し続けて
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2:43 - 2:45有限の数を導くことは可能なのです
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2:45 - 2:46どうしてでしょう?
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2:46 - 2:47次のように考えてみてください
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2:47 - 2:50面積が1平方メートルの
四角形を考えてみましょう -
2:50 - 2:53この四角形を半分に分割して
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2:53 - 2:55半分をさらに半分にと
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2:55 - 2:56続けていきます
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2:56 - 2:57これを続ける一方で
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2:57 - 3:00各部分の総面積を
見失わないようにしましょう -
3:00 - 3:02最初の分割では
2つになり -
3:02 - 3:04それぞれが半分の面積です
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3:04 - 3:07次の分割では
半分をさらに半分にし -
3:07 - 3:08これが続いていきます
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3:08 - 3:10でも 何回四角形を
分割したとしても -
3:10 - 3:15総和はやはり
すべての部分の総和です -
3:15 - 3:17どうして このように
四角形を切ることにしたのか -
3:17 - 3:19もう おわかりですね
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3:19 - 3:21ゼノンの移動時間と同じような
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3:21 - 3:23無数の四角形が得られるからです
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3:23 - 3:26青い四角形が増えるにつれて
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3:26 - 3:27数学用語で言うなれば
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3:27 - 3:31分割の回数である n が
無限大に近づくにつれて -
3:31 - 3:33四角形全体が青色になっていきます
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3:33 - 3:35ですが 四角形の面積は
ちょうど1ですから -
3:35 - 3:39この無限の総和は1であるはずです
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3:39 - 3:40ゼノンに話を戻しましょう
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3:40 - 3:42もう パラドクスの解明方法が
わかりましたね -
3:42 - 3:46無限に続く数の総和が
有限の数であるだけでなく -
3:46 - 3:48その有限の数というのは
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3:48 - 3:50常識的な答えと同じなのです
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3:50 - 3:53ゼノンの移動には1時間かかるのです
- Title:
- ゼノンの二分法のパラドクスとは? ― コルム・ケレハー
- Speaker:
- Colm Kelleher
- Description:
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ある一点から別の一点へと移動することは果たして可能なのでしょうか? 古代ギリシャの哲学者であるエレア派のゼノンは、あらゆる運動は不可能であるという、説得力のある議論を展開しました。でも、その論理の欠陥はどこにあるのでしょう? コルム・ケレハーが、ゼノンの二分法のパラドクスを解決する方法を教えてくれます。
講師:コルム・ケレハー、アニメーション:Buzzco Associates, inc.
*このビデオの教材:http://ed.ted.com/lessons/what-is-zeno-s-dichotomy-paradox-colm-kelleher - Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:12
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