リンゴから耳を作るマッドサイエンティスト
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0:01 - 0:03白状すべきことがあります
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0:03 - 0:05人々が捨てたがらくたを
あさるのが好きなんです -
0:06 - 0:08でも不気味なことを
しているのではありません -
0:08 - 0:10たいていは ただ
自分の作業場で利用できる -
0:10 - 0:12古い電子製品を探しているだけです
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0:12 - 0:16私はCD-ROMドライブのフェチで
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0:16 - 0:19どれにも異なるモーターが3つ付いており
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0:19 - 0:21動くものを作ることができます
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0:21 - 0:23スイッチもあるので
オン・オフだってできます -
0:23 - 0:25レーザーだって付いているので
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0:25 - 0:30カッコいいロボットを
凄いヤツに改造できます -
0:31 - 0:34私はごみ箱からの部品で
多くのものを作りました -
0:34 - 0:37中にはちょっと役立つものだってあります
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0:37 - 0:38聞いて下さい
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0:38 - 0:41私にとって ごみは
創造力を働かせ -
0:41 - 0:44自らを楽しませるモノを作る
遊び心を楽しむ機会を与えてくれます -
0:44 - 0:47大好きなので
これも自分の仕事の一部にしてしまいました -
0:47 - 0:50私は 大学で生物学の研究室を率いており
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0:50 - 0:54そこでは 我々は好奇心や探求心に
何よりも価値を見出しています -
0:54 - 0:56何か特定の問題に集中的に
取り組んでいるわけでも -
0:56 - 0:59特定の病気を解明しようと
しているわけでもありません -
0:59 - 1:02ただ 人が入ってきては
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1:02 - 1:05興味深い疑問を投げかけ
答えを見つける そんな場所です -
1:05 - 1:07ずいぶん前のことですが
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1:07 - 1:11必要とする装置を
私が見つけたがらくたから作れないか― -
1:11 - 1:13そんな課題を与えることが
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1:13 - 1:16創造力を育む素晴らしい方法だと
気づきました -
1:16 - 1:17何が起きたかと言えば
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1:17 - 1:20世界中から芸術家や科学者が
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1:20 - 1:22私の研究室に集まってきたのです
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1:22 - 1:25それは単に 我々が
独創的なアイデアを重視するだけでなく -
1:25 - 1:27科学的な厳密さで それらを試験し
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1:27 - 1:29検証しているからです
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1:30 - 1:34ある日 私は何かを作ろうと
がらくたを分解し始めました -
1:34 - 1:35その時 この考えがひらめいたのです
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1:35 - 1:39生物学をハードウエアと同じように
扱えないだろうか? -
1:39 - 1:41生物学的なシステムを分解して
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1:41 - 1:43パーツを組み合わせ
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1:43 - 1:46新しく創造的な方法で
再構成することはできないだろうか? -
1:46 - 1:48研究室ではこの作業に取り掛かりました
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1:48 - 1:50その成果をお見せしたいと思います
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1:52 - 1:54これは何の果物だと思いますか?
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1:55 - 1:56(聴衆)リンゴ!
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1:56 - 1:59(アンドリュー・ぺリング)
その通り リンゴです -
1:59 - 2:01さらに気づいて欲しいことがあります
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2:01 - 2:03これは普通のリンゴよりも赤みがあります
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2:04 - 2:07中でヒトの細胞を培養したからです
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2:07 - 2:11マッキントッシュ種の
穢れなきリンゴを手にして -
2:11 - 2:14リンゴの細胞とDNAを全て取り去り
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2:14 - 2:16ヒトの細胞を移植しました
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2:16 - 2:19リンゴの細胞を全て取り去ると
残ったのは― -
2:19 - 2:21このセルロースの
骨組みだけです -
2:21 - 2:24これが植物の形や触感を
作り出しています -
2:24 - 2:26小さな穴が見えますが
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2:26 - 2:29ここにあったものは全て
リンゴの細胞でした -
2:29 - 2:30次に
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2:30 - 2:34哺乳類の細胞を移植しました
青く見えているものです -
2:34 - 2:36何が起こるかと言うと
これが増殖し -
2:36 - 2:38骨組み(足場材料)を完全に満たします
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2:38 - 2:40このとおり不気味であると同時に
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2:41 - 2:45我々の生体組織がこのように組織化されたら
どうだろうと考えさせます -
2:45 - 2:47臨床試験前の研究で分かったことは
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2:47 - 2:50これらの骨組みを
体に移植することができ -
2:50 - 2:52体は細胞を送り込み
血液を供給するので -
2:52 - 2:55これらの細胞は
生き続けるということです -
2:55 - 2:58この段階に至り
人々は私に質問し始めました -
2:58 - 3:03「アンドリュー リンゴから体の一部分を
作ることは可能だろうか?」 -
3:04 - 3:06「そういうのが得意なラボなんです」と私
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3:06 - 3:07(笑)
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3:08 - 3:10私は妻と共にこれを思いつきました
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3:10 - 3:12彼女は楽器の制作技師です
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3:12 - 3:14木を削ることで
生計を立てています -
3:15 - 3:16そこで彼女に頼みました
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3:17 - 3:20「文字通り リンゴから
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3:20 - 3:22耳の形を作ってくれないか?」
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3:22 - 3:23作ってくれました
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3:23 - 3:26これを研究室に持ち込み
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3:26 - 3:28我々は準備を始めました
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3:29 - 3:30分かります 皆さんのお気持ち
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3:30 - 3:33(笑)
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3:33 - 3:35いい研究室でしょう?
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3:35 - 3:37(笑)
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3:37 - 3:38これを使って細胞を育てると
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3:39 - 3:40こうなりました
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3:42 - 3:46さて 私の研究室では
耳を作る事業はしていません -
3:48 - 3:51人工耳を作ろうと何十年も
研究してきた人たちがいますが -
3:51 - 3:53問題点は―
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3:53 - 3:57市販の足場材料はとても高価で
しかも問題を抱えています -
3:57 - 4:00特許のあるものや
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4:00 - 4:02動物、死体から作られているからです
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4:07 - 4:10我々はリンゴを使いました
しかもただ同然です -
4:11 - 4:13本当に優れている点は
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4:13 - 4:15これを作るのが簡単なことです
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4:15 - 4:18必要な装置は
がらくたから作ることが出来て -
4:18 - 4:22主要な工程で必要なのは
石鹸と水だけです -
4:23 - 4:27全ての手順を オープンソースとして
ネットで公開しました -
4:27 - 4:30次に 目的を特化した会社を立ち上げ
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4:30 - 4:32流しと半田ごてさえあれば
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4:32 - 4:35誰でも自宅で作ることができる
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4:35 - 4:36キットを開発しています
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4:36 - 4:40こんなことが出来たら―
いつの日か -
4:40 - 4:45キッチンで作った材料で
我々の体を修復、再生、拡張が出来たなら -
4:46 - 4:48素晴らしいことでしょう
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4:49 - 4:51キッチンと言えば
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4:51 - 4:53ここにアスパラガスがあります
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4:53 - 4:56美味しくて これを食べると
おしっこが変に匂います -
4:56 - 4:57(笑)
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4:57 - 5:00キッチンにいて
気づいたことがあります -
5:00 - 5:03アスパラガスの茎を
覗いてみると -
5:03 - 5:06このような微小な管が見えます
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5:06 - 5:07これを研究室で撮影すると
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5:07 - 5:10セルロースがこれらの構造を
作り出している様子が分かります -
5:11 - 5:13これは2つのことを思い起こさせます
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5:14 - 5:16血管 それに―
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5:16 - 5:19神経と脊椎の構造や組織のことです
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5:20 - 5:21ここで疑問が湧きます
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5:22 - 5:26軸索やニューロンをこの管内で
成長させることができるだろうか? -
5:26 - 5:28なぜなら それが出来るのならば
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5:28 - 5:32アスパラガスを使って
切断された神経の端と端を -
5:32 - 5:35新たに接続することが
可能になるかもしれないからです -
5:36 - 5:37脊髄だって可能かもしれません
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5:38 - 5:39でも誤解しないでください
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5:39 - 5:41これは非常にハードルが高く
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5:41 - 5:43大変な困難を伴います
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5:43 - 5:46我々以外にも
このことを研究している人たちがいます -
5:46 - 5:49でもアスパラガスを使っているのは
我々だけですね -
5:49 - 5:52(笑)
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5:52 - 5:55今では とても望みのある
初期的なデータを手にしました -
5:55 - 5:57生体組織工学の研究者や
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5:57 - 5:58神経外科と手を組んで
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5:58 - 6:00何ができるか
見出そうとしています -
6:01 - 6:03いいですか
お見せした全ての作品 -
6:03 - 6:07このステージの私の周りにある
私が作成した全てのもの それに― -
6:07 - 6:09私の研究室が関与している
その他の全てのプロジェクトは -
6:09 - 6:13どれも皆さんが捨てたごみから
私が遊び心で作ったものばかりです -
6:13 - 6:19遊び心 これこそ
私の科学的実践の本質です -
6:19 - 6:23こうやって私は独創性、創造性を磨き
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6:23 - 6:26リンゴからヒトの耳を作ってみようと
決めました -
6:26 - 6:31今度 皆さんが何か
古くなって― -
6:31 - 6:36壊れて 機能しなくなった
がらくたみたいな部品を見つけたら -
6:36 - 6:37私のことを思い出してください
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6:38 - 6:39私がそれを欲しいからです
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6:39 - 6:41(笑)
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6:41 - 6:45真面目に言っています
何とかして私に連絡をとってください -
6:45 - 6:47そして何が出来るか試してみましょう
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6:47 - 6:48有難うございました
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6:48 - 6:52(拍手)
- Title:
- リンゴから耳を作るマッドサイエンティスト
- Speaker:
- アンドリュー・ペリング
- Description:
-
TEDフェローのアンドリュー・ぺリングはバイオハッカーです。機器ではなくて自然の物をハッキングします。彼のお気に入りの材料はとってもシンプルなものです(そして、しばしば彼はそれをごみ箱から見つけ出します)。リンゴを形作っているセルロースを骨組みとして、本物そっくりの人間の耳を「育て」ます。この先駆的な方法は、将来、体の一部分を安全かつ安価に修復するのに使われるかもしれません。彼はさらに大胆なアイデアを紹介します―「いつの日かキッチンで作った材料で我々の体を修復、再生、拡張させることが出来る日が来たら本当に素晴らしいだろう」と彼は語ります。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 07:05
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Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for This mad scientist makes ears out of apples | |
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for This mad scientist makes ears out of apples | |
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Eriko Tsukamoto accepted Japanese subtitles for This mad scientist makes ears out of apples | |
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Eriko Tsukamoto edited Japanese subtitles for This mad scientist makes ears out of apples | |
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Eriko Tsukamoto edited Japanese subtitles for This mad scientist makes ears out of apples | |
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Tomoyuki Suzuki edited Japanese subtitles for This mad scientist makes ears out of apples |