Satoshi Kon - Editing Space & Time
-
0:08 - 0:11「Every Frame a Painting」の
トニーです -
0:11 - 0:14今日は過去20年で
最も偉大な人物の話です -
0:14 - 0:16日本の映像制作者
今敏(こん さとし)です -
0:16 - 0:19彼の作品は知らなくとも
これらのイメージは見たことがあるでしょう -
0:19 - 0:23アロノフスキーやノーランに
影響を与えた人物なのです -
0:23 - 0:27アニメ好きな人はみな
彼のファンと言えるでしょう -
0:27 - 0:30彼は10年で長編映画4本
TVアニメ1本を制作 -
0:30 - 0:35いずれも首尾一貫して
現代人の生の多重性を扱っています -
0:35 - 0:36公と私
-
0:36 - 0:38画面の中と外
-
0:38 - 0:39覚醒と夢
-
0:40 - 0:44いずれの作品にも
現実と空想の境界のぼやけが見られます -
0:49 - 0:52今日は今敏監督の
編集技法にだけ注目しましょう -
0:52 - 0:54私も編集者として
いろいろなカットを試しています -
0:55 - 0:57特に実写ではできないことを
考えています -
0:57 - 0:59今敏監督の手法は魅惑的です
-
0:59 - 1:03よく使われるのはまず
似たシーンをつないだ転換 -
1:11 - 1:15エドガー・ライトが
ビジュアル・コメディで用いています -
1:16 - 1:18「シンプソンズ」もそうですね
-
1:19 - 1:21バスター・キートンでも
よく現れます -
1:21 - 1:22今監督の手法は微妙に違います
-
1:22 - 1:27彼の原点は
劇場版「スローターハウス5」にあります -
1:27 - 1:30あなたがタイムトリップをすれば分かるのよ
-
1:30 - 1:35ディックやギリアムなど
SFの伝統でもあります -
1:40 - 1:43今監督はこの手法を
さらに突き詰めました -
1:43 - 1:46「スローターハウス5」には
3タイプの場面転換があります -
1:46 - 1:48似たような見た目のマッチ
-
1:51 - 1:53まったく同じ場所でのマッチ
-
1:56 - 1:592つの時間軸から
似た構図を取り出すマッチ -
2:03 - 2:05今監督はこれらすべてを用いており
-
2:05 - 2:07さらには巻き戻したり
-
2:07 - 2:09ラインをクロスさせたり
-
2:09 - 2:11TVからズームアウトしたり
-
2:11 - 2:13空白フレームを入れて
転換させたり -
2:13 - 2:15レンズの前に何かを横切らせたり
-
2:15 - 2:17これはなんて呼べばいいか分かりませんが……
-
2:20 - 2:22この転換の回数はすごいものがあります
-
2:23 - 2:25「パプリカ」のオープニングでは
4分で5つの夢を通り過ぎます -
2:25 - 2:28そしてそれら全てがマッチカットで
転換していきます -
2:32 - 2:34第6シーンは
マッチカットには見えませんが -
2:34 - 2:36似た構図のシーンどうしでつないでいます
-
2:38 - 2:43ちなみに「インセプション」では
最初の15分で4つの夢をつないでいます -
2:43 - 2:45マッチカットの数?
1個だけです -
2:45 - 2:48最も強力な寄生虫は?
-
2:49 - 2:53このようなカットは非凡ではありますが
これを常用している人はいないでしょう -
2:53 - 2:55「ハズシ」の効果で使われることが
多いのではないでしょうか -
2:55 - 2:58最も有名な例はこれらですね
-
3:01 - 3:03これもそうですね
素晴らしかった -
3:04 - 3:09今監督の作品では夢・記憶・悪夢・映画・人生が
相互に影響しあいます -
3:09 - 3:11これらの違う世界を
マッチカットでつないでいきます -
3:12 - 3:14時にはこうして場面転換を密接させ
-
3:14 - 3:18あるシーンを認識すると
即次のシーンに移っていきます -
3:22 - 3:24これらの場面転換は
まさに驚くべきですね -
3:24 - 3:27まばたきをすると
あるシーンを見逃してしまうかもしれません -
3:37 - 3:40これらを別にしても
今監督の編集は異才を放っています -
3:40 - 3:44省略を多用するのも特徴です
-
3:46 - 3:48例えばこのキャラは鍵を見ていて
-
3:48 - 3:52鍵を手に取りそうなのですが
それは写さず次のシーンに移ります -
3:52 - 3:54その後他のシーンで……
-
3:57 - 4:00男が窓から飛び出して
フェードアウトします -
4:00 - 4:03そして意味不明なシーンにつながり
夢であることが分かります -
4:03 - 4:06そのまま後ろに下がって
先のカットの結果が出ます -
4:09 - 4:12殺人シーンでもビルドアップして
カットアウェイします -
4:13 - 4:15血みどろの結果を見せるのも
ためらいません -
4:18 - 4:21人物の死を描く方法が
特にいいですね -
4:21 - 4:24ここでは老人が死に
風車が止まります -
4:25 - 4:27しかし実は死んでおらず
風車も回り出します -
4:27 - 4:32そしてシーンの最後
風車が止まっているので彼の死が描かれます -
4:33 - 4:35ズームアウトからシーンを始める手法も
よく使われています -
4:35 - 4:38観客はまず 何が起こっているのかを
理解しなければいけません -
4:39 - 4:41このような状況全体を見せる
構図もよく使いますが -
4:41 - 4:44じつはこれが人物の視点だったりします
-
4:44 - 4:47観客は気づかれないうちに
登場人物の世界に入り込んでいるのです -
4:47 - 4:52あるイメージを見せて想像させた後
実はまったく違うものを写していることを見せたり -
4:52 - 4:55こうして観客の時間・空間の感覚が
主観的なものになっていくのです -
4:57 - 5:00また実写では不可能な編集も行います
-
5:01 - 5:03彼はインタビューで「実写はやらない」と
言っていました -
5:03 - 5:061カットが短すぎるからです
-
5:06 - 5:07例えば……
-
5:10 - 5:12このバッグのショットは
わずか6フレームです -
5:12 - 5:14比較してみましょう
-
5:16 - 5:17これが10フレームです
-
5:17 - 5:19ノートをポケットに入れる仕草は……
-
5:19 - 5:2010フレームです
-
5:20 - 5:22実写では……
-
5:24 - 5:2549フレームです
-
5:26 - 5:31今監督はまた 場面の情報量を減らし
読み取りやすくしています -
5:31 - 5:35ウェス・アンダーソンのような
製作者も同じようなことをしています -
5:35 - 5:39視覚的インプットを減らして
読むのを速くするのです -
5:41 - 5:44もちろんこれよりも
ずっと速くカットすることはできます -
5:44 - 5:46しかしこれではサブリミナルになります
-
5:46 - 5:481フレームのカットも出るでしょう
-
5:48 - 5:50これらはもちろんチープな
エフェクトではありません -
5:50 - 5:58人は個人として そして集団として
時間、空間、現実、空想を感じると今監督はいいます -
5:58 - 6:01彼のスタイルは
これをイメージと音で表現するものです -
6:01 - 6:06この10年間の彼のスタイルを
実写で実現することはできるのでしょうか -
6:06 - 6:11イメージからイメージ シーンからシーンへの
変化を再現できるでしょうか -
6:11 - 6:16彼はマッドハウスとともにこの旅を歩みました
-
6:16 - 6:19彼の代表作として
最後の作品を推したいと思います -
6:19 - 6:221分で人々の朝を描いている
-
6:22 - 6:24「オハヨウ」
-
7:22 - 7:24さようなら 今敏
- Title:
- Satoshi Kon - Editing Space & Time
- Description:
-
Four years after his passing, we still haven't quite caught up to Satoshi Kon, one of the great visionaries of modern film. In just four features and one TV series, he developed a unique style of editing that distorted and warped space and time. Join me in honoring the greatest Japanese animator not named Miyazaki.
For educational purposes only.
You can support the channel at http://patreon.com/everyframeapainting
And you can follow me at http://twitter.com/tonyszhouFor further reading/viewing, I highly recommend:
Andrew Osmond's book "Satoshi Kon: The Illusionist" (my major source) http://amzn.com/1933330740
Kristin Thompson's essay on match cuts & graphic matches http://bit.ly/1x960Em
And this tumblr with an excellent name http://fuckyeahsatoshikon.tumblr.com/ - Video Language:
- English
- Duration:
- 07:37
![]() |
maikos1 edited Japanese subtitles for Satoshi Kon - Editing Space & Time | |
![]() |
dailynewsagency edited Japanese subtitles for Satoshi Kon - Editing Space & Time |