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告白したいことがある
-
僕は何度も『Total War』『Crusader Kings』
『Endless Space』などのゲームをプレイしようとしてきた
-
購入して、ダウンロードして
カレンダーに時間を用意した
-
それなのに、いつも同じことが起こる
-
チュートリアルが始まって 20 分くらい経つと
意識が朦朧としてくるのだ
-
目は虚ろになり
頭がボーッとする
-
こんなものよりもっと楽しいことが
あったんじゃないかと思い始める
-
納税の申告とか
ペンキが乾く様子の観察とかだ
-
そしてこれは残念だ
というのも―
-
最近のほとんどのチュートリアルは
実際かなり出来がいいからだ
-
世界観や物語に編み込まれ
-
退屈しないように
上手くペース配分され
-
さり気なく目立たないように
工夫された設計になっている
-
時折、目に見えないくらいだ
-
だが RTS、大戦略、都市開発ゲームといった
特定の形式では―
-
この動画では「複雑系ゲーム」と
呼ぶことにしよう
-
こうした複雑系ゲームでは
学習体験がかなり悲惨になる可能性がある
-
最悪の場合、こうした
チュートリアルのせいで―
-
プレイヤーが楽しい場面に到達することさえ
不可能になってしまうのだ
-
そこで僕は、この体験を改善する方法を
調べたいと思った
-
複雑系ゲームを教えやすく、学びやすくするために
他の様式からどんな技法を取り入れられるのか?
-
さて
-
僕はマーク・ブラウン
Game Maker's Toolkit へようこそ
-
あまり複雑ではないゲームを見てみると
最大の進化は―
-
ゲームを正式に始める前に、チュートリアルを
一気にやる必要がないことが認識されてきたことだと思う
-
代わりに、チュートリアルを分割して
ゲーム体験のあらゆる場面に散りばめることができる
-
この方法には多くの利点がある
-
大事なことは、『Plants vs Zombies』の開発者
George Fan によると―
-
プレイヤーの学習意欲は
投資したプレイ時間に応じて高まっていくという点だ
-
そのためゲームの冒頭でチュートリアルを
山ほど押し付けられると
-
大抵はプレイヤーの学習意欲を
超えてしまうのだ
-
これらの「授業」を先延ばしすることで、プレイヤーの
プレイ時間が伸びるまで待つことができる
-
もう 1つの利点は「ゲーム本編」を
即座にプレイできるので
-
退屈で教育っぽく感じるものを
やり続けずに済むことだ
-
実際、チュートリアルの各段階が
十分に小さい場合は
-
時として、チュートリアルが一切無くても
プレイヤーに教えることができる
-
例えば『Portal』では
序盤の全てのパズル部屋で―
-
わずかな情報からゲームの仕組みを
推測できるようになっている
-
だがプレイヤーにとっては
ただゲームを遊んでいるだけだ
-
3つ目の利点は
チュートリアルを遅らせることで
-
メッセージを「適切な場面で」伝えられることだ
-
例えば、工作チュートリアルを
初めて工作用テーブルに着いたときに表示できる
-
冒頭で教えた後、初めて工作するときまで
ずっと覚えてもらうことを期待しなくて済む
-
さて、複雑系ゲームは相変わらず
古い形式から抜け出せないでいる
-
つまりプレイヤーは時間を投資する前に
学習しなければならず
-
何時間も実際に遊ぶことなく、長々と
関係ないかもしれない事柄を学ぶことになる
-
でも何故こんなことが
起きるのかは理解できる
-
複雑性の低いゲームが
チュートリアルを先延ばしできる理由は
-
開発者が冒険の過程で、ゆっくりと
ゲームの仕組みを導入できるからだ
-
わずかな能力しかない
単純なキャラクターから始めて
-
それから新能力を見つけたり、新しい技を解放したり
新たな仲間が加わったりしながら―
-
少しずつ複雑さが増していく
-
だが複雑系ゲームでは
通常全てを有効にして始める必要がある
-
全てのシステムが相互作用しているので
最初から全てが稼働している必要があるのだ
-
…だろ?
-
Sid Meier と共に初期の『Civilization』を制作した
Bruce Shelley は―
-
「意思決定の逆ピラミッド」という言葉を
生み出した
-
『Civilization』を始めたとき
基本的には、最初のターンで 1つの意思決定をする
-
定住する都市はどこにするのか?
-
次のターンでも 1つの意思決定をする
何を建造するのか?
-
だが今度は 2つの意思決定が必要になる
-
新たなユニットをどうするのか?
自分の都市に何を建造するのか?
-
まもなく決定項目は膨張し始め
ゲームの終盤には―
-
数百のユニット、都市、敵、同盟国、資源を操りながら
1 ターンに何十もの決断を下すことになる
-
重要なのは『Civilization』を進めていく中で―
-
複雑性が「霧の地図に立つ 1人の入植者」から
「敵対し合う巨大帝国」へ有機的に成長していくことだ
-
複雑性がゆっくりと
上昇していくおかげで―
-
『Civ』は、プレイヤーがシステムを発見するたびに
それを少しずつ教えることができる
-
これの実例として、都市建設ゲームの傑作
『Frostpunk』がある
-
本作は 1つの労働から始まる
手作業での資源採掘だ
-
そこでゲームは採掘についての
手短なチュートリアルを表示する
-
その後、発熱機を起動すると…
発熱機のチュートリアルが出てくる
-
これはキャンペーン全体で継続され
主要な全システムに小型チュートリアルが出るのだが
-
プレイヤーは最後まで、自分の手で
実際にゲームをプレイする
-
もうひとつの方法は
ユーザーインターフェース(UI)だ
-
少なくとも僕の経験から言えば、複雑な UI は
初心者にとって最も圧倒される要素の 1つだ
-
しかしこうしたボタン、ゲージ、枠、パネルが
最初のターンでどれだけ必要なのだろうか?
-
そこで『Mini Metro』を見てみよう
-
最初は UI がほとんど存在しない
-
つまりプレイヤーが心配するのは
駅舎をつなげることだけでいい
-
プレイを始めた時にだけ
さらなる情報がゆっくりと表示されていく
-
路線の種類、時計、乗客カウンターなどだ
-
また『あつまれどうぶつの森』にも
同様の例がある
-
リング状の道具欄(おきにリング)は
時間の節約になる便利な UI だが
-
ゲーム開始時に、アイテム画面が
2種類あることを紹介するのは難しいだろう
-
だから代わりに、プレイヤーはお金を貯めて
「おきにリング」を買わなければならないので
-
UI の複雑性の観点から見れば、プレイヤー自身に
そのペース配分を決めさせているわけだ
-
これをやっている
複雑系ゲームもある
-
例えば『Total War: Troy』の UI は
プレイに応じて拡張されていく
-
でも僕は、開発者たちがこの手法を
もっと積極的に使うことを期待している
-
これはつまり、1 本のキャンペーンが
時間と共にさらに複雑化していくことで
-
実際に関係のある時が来るまで、開発者が
チュートリアルを保留できるということだ
-
しかし別の考え方もあるかもしれない
-
もし格闘ゲームを始めたいと思うなら…
-
確かに複雑な分野だが
この動画じゃ扱いきれない
-
いや、もし格ゲーの世界に挑んでみたいなら
最初の対戦で―
-
トリップガード
-
フレーム表
-
ハッピーバースデー
-
タートリング
-
ビバーキングや
-
レイジングストームコマンドとかの
用語を知る必要なんてないぞ
-
1つだけ僕が作ったニセ用語だ
-
格ゲーを始めてみる時は
ボタン連打以外の戦法も知っておく必要がある
-
そこで『Mortal Kombat 11』の開発者は
この点を考慮してチュートリアルを作った
-
プレイヤー層を
細かい区分に分類したのだ
-
エンジョイ勢、知ったかぶりの素人
博識の玄人、ネット対戦住人などに
-
それから、プレイヤーのレベルに合わせて
実際に知っておくべきことを考えて
-
それらを「基本」「上級」「戦略」という
3つのチュートリアルに分けた
-
重要なのは、この 3つの区分は、一気にまとめて
プレイできる作りにはなっていない点だ
-
むしろ、各項目の最後でチュートリアルから
退出する明確な作りになっている
-
その意図は、そのままゲームをプレイして―
-
学んだことを活かして
プレイヤーが楽しむことにある
-
次のレベルに進む準備ができたら
いつでも戻って、さらに学ぶことができる
-
するとただのボタン連打ゲーから
ビバーキングに変わって…
-
待て、今のは僕のニセ用語だった
-
とにかく
僕の要点はこうだ
-
大半の複雑系ゲームは、物語重視ゲームのように
たった 1 回だけ遊んで終わりではない
-
格ゲーのように、何度も何度も
プレイするように作られている
-
だからこの形式を採用できるかもしれないが
-
1 本のキャンペーン内にチュートリアルを
分散させる代わりに―
-
もっと巨視的に見て、キャンペーンを通しプレイする
「合間に」チュートリアルを置くことができる
-
これがどう機能するかを示す話がある
-
僕の初めての『Civ』は『Civilization V』だった
本作は好評だったが
-
一部のハードコアファンは、過去作にあった機能が
単純化・削除されたとして批判した
-
諜報活動や
宗教とかのことだ
-
しかし僕にはこっちの方が都合が良かった
システムが少ない方が断然覚えやすかったのだ
-
僕は比較的早く本作の楽しさに熱中できたし
実際にキャンペーンを数本プレイした
-
後々になってから Firaxis は最終的に
忘れられていた機能(とそれ以上のもの)を
-
「Gods & Kings」と「Brave New World」の
拡張パックで、再び導入した
-
僕は『Civ V』の基本を既に知っていたので
かなり簡単にこれを学習できた
-
単に新要素を把握するだけでよかったのだ
-
これらの拡張パックは実質的に、僕が述べてきた
複雑性の段階的な増加を生み出すために―
-
チュートリアルの合間に
キャンペーンを丸ごと置いたのだ
-
これは他のゲームでも同じことができる
ただ、必ずしも拡張パックを販売する必要はない
-
つまり、イージーモードを
同じゲーム内容の「アホ AI 版」にするのではなく
-
知っておくべきシステムが少ない
「原型版」にしても良いということだ
-
その後で、プレイヤーはより多くのシステムを
有効にして再プレイできる
-
そして「システム濃厚版」に到達するまで
遊び続けるのだ
-
これが簡単にできると
言っているわけではないし
-
最初からこの方法で
設計されている必要があるだろう
-
でも上手くやれば、プレイ時間の増加に応じて
教えるという点では、非常に効果的かもしれない
-
Okay
-
ゲームによっては、チュートリアルを複数のターンや
複数のキャンペーンに分散させても無意味かもしれない
-
もしかすると設計が
対応してないだけで―
-
実際にはゲームを体験する前に
詰め込み教育が必要かもしれない
-
ごもっともだ
-
それなら
もっと面白く、もっと楽しく―
-
もっと効果的に、基本システムを
教えられる方法はないだろうか?
-
ほぼ全てのアクションゲームの
チュートリアルでは
-
教わったアクションの実践を
求められる場面がある
-
例えば「6人を殴るまで先に進めない」とかだ
-
単純だが効果的な教え方だ
-
プレイヤーに手を動かして
実際にやってみてもらうからだ
-
これは「運動感覚学習」と
呼ばれている
-
身体的に課題をやることで
深い学習が生じるというものだ
-
ところで、複雑系ゲームは
これを実践しようとしている
-
こんな予習キャンペーンを
やった経験があるだろう
-
UI の一部に矢印が出てきて
案内されるのだ
-
「ここをクリックして」
-
「あそこをクリックして」
-
「これを選択して」
-
「それをドラッグして」と…
-
どうだ…ゲームに取り組んだ!
何かをやったんだ
-
アンタ頭良いなぁ?
-
しかし実際に効果があるのだろうか?
-
僕には全然分からない
-
傑作スマホ用パズル『Threes』を制作した
Asher Vollmer はこうした矢印について―
-
「ゲームに関して言えば、先に進みました」
-
「でも自分の脳に関して言えば、私は何も学んでいません」
と述べた
-
盲目的に指示に従うことは
効果的な学習方法ではないという問題もある
-
そこで Asher は、チュートリアルを
一連の小さく単純なパズルに変えて
-
プレイヤーが理解できるようにした
-
例えばここでは、カベ(外枠)を使って
タイル位置を整理する方法を説明する
-
彼はこう指示することもできた
「左へ 2回スワイプして」
-
「次は上へ 2回スワイプして」
-
しかし彼はそうしなかった 実際の表示は
「カベに押しつけて並びをずらそう」
-
次の表示は
「カベを使って 1 と 2 を重ねよう」
-
これは非常に単純な作業だが
プレイヤーが実際に脳を働かせて
-
ゲーム本編で必要な思考を
始めるためには十分だ
-
幸いにも、一部の複雑系ゲームは
これを本当に上手くやっている
-
Frontier の『Planet Zoo』にある
最初のチュートリアルを見てみると―
-
ゲームは動物の順応度を改善する手順を
説明するところから始まる
-
ナンシー「ああ、かわいそう」
-
「気付いたでしょうけど、トラが少し
イライラしているみたい」
-
「それは飼育エリアの "地形" が
あまり好みじゃないのが原因ね」
-
これは手取り足取り、分かりやすい
-
しかしその後、園内にいる全ての動物の
全体的な順応度を改善するように求められる
-
「そうね、これで動物を満足させる方法は
だいぶ理解できたはずよ」
-
「それじゃあ、園内にいる他の動物
すべてをチェックして―」
-
「飼育エリアに問題があれば
解決してきてちょうだい」
-
そしてすぐに
自由に作業できる
-
この時点では指導がほぼ無いので
学んだことを実践して
-
知識の空白を埋めるために
頭ををひねらなければならない
-
「そうだ!」
-
「あなたが動物たちの世話をしている間
私は紅茶を飲みに行ってくるわね!」
-
これは本当に効果的で
チュートリアル全体を通して実施される
-
特定の問題を抱えた動物園へ派遣され
その中の 1つの解決法を教えられ
-
残りは自分の手で解決するように
求められる
-
『Offworld Trading Company』もその好例だ
チュートリアルの各段階で―
-
目的のリストが与えられ
自分の手でそれを解決しなければならない
-
単に「ここをクリック」の矢印を削除して
プレイヤー自身に正しい選択肢を探させるだけで―
-
プレイヤーは十分に熱中できる
-
最初から、実際に
ゲームを遊んでいるように感じる
-
しかし僕はこれが
完璧な解決策だとは思わない
-
それは「手応え」が理由だ
-
運動感覚的な学習では、プレイヤーは手応えで
上手くいったかミスったかを確認している
-
アクションゲームでミスると
すぐにそれが分かる
-
だが戦略ゲームでは
経済のバランスが正しくないのに―
-
何時間もそれに気付かないかもしれない
-
複雑系ゲームでは通常、手応えの循環が
非常にゆっくりしているので
-
実践的な体験から学習するのが
難しいのだ
-
ゲーム全体を通じて、決断や戦略が
どう展開していくのかを理解するためには―
-
キャンペーンを丸々 1 本
通しプレイする必要があるかもしれない
-
そのため、何時間もかかるゲームよりも―
-
短いキャンペーンを繰り返して遊べるゲームの方が
簡単に学習できるのだ
-
だが、いくつかの解決策が
考えられる
-
『Civilization』のクイックモードは
キャンペーンを劇的に高速化するので
-
これを練習ツールとして
再利用できるだろう
-
もう 1つの解決策は、チュートリアルに
助言役(顧問)キャラを登場させることだ
-
自分のアホ行為が将来に悪影響を及ぼすような場合に
警告をしてくれる存在だ
-
『Offworld』では、アルミを 10 ドル以下で売ったことで
僕は怒られてしまった
-
そして株式市場の仕組みを学んだ
-
良い点は、この2つの解決策は戦略ゲームの
チュートリアルが直面する別の問題にも役立つことだ
-
それはつまり、プレイヤーに「どうやるのか」を
教えるのはかなり簡単だが―
-
「何故それをやるのか」を説明するのは
とても難しいという問題だ
-
『Civilization』で何かを建造するために
どのボタンを押せばいいかは説明できるが
-
何を建造するか、いつ建造するか、建てた後で
どこへ置くべきかを簡単に説明する方法は無いのだ
-
そこでさっきのように
手応えの循環を高速化することで
-
プレイヤーは選択の結果を
自分で確認できるようになる
-
また顧問キャラが
助言や警告を伝えることができる
-
経済担当相「今のところ労働者は足りていると思います」
-
「都市で何か別のものを建設した方が
いいかもしれません」
-
ゲームができることで、もう 1つ
学習しやすくする方法がある
-
既に慣れ親しんでいる要素を
活用することだ
-
つまり、トゲは痛いとか
氷は滑るとか
-
コインは買い物に使えるとか
カギで錠前を開けるとか
-
骸骨は危険を意味するとかだ
-
『Plants vs Zombies』で
鉄バケツをかぶったゾンビは―
-
プラスチック製コーンのゾンビより
耐久性が高いなんて説明しなくてもいい
-
素材の性質は
日常生活で分かってる
-
既に知っていることに頼れば
ゲームは直感的にプレイ可能になり
-
多くの場合、チュートリアルを
一切必要としない
-
さて、複雑系ゲームの世界でこれを行う
ひとつの方法は―
-
根拠や歴史があるテーマを
使うやり方だ
-
『Civilization』は間違いなく
これを上手く利用している作品だ
-
プレイヤーは歴史の知識をもってきて
物事がどう作用するのか推測できる
-
……大抵の場合は
-
しかし複雑系ゲームにとって
現実世界からの着想として最適なのは―
-
僕たちが毎日見る
ユーザーインターフェース(UI)だろう
-
例えば『Reigns』が、出会系アプリ Tinder にある
左右スワイプの操作を真似たような感じだ
-
また『Disco Elysium』の会話表示は
Twitter の影響によるものだ
-
それじゃ『Planet Zoo』に戻って
これの実践例を見てみよう
-
ここでは、動物の順応度を
僕だけで改善することになった
-
やるべき作業がどうやって分かったのか?
-
まぁ、僕はここをクリックすれば
順応度を並び替えられることを知っていた
-
大抵のウェブサイトには
同様のリスト機能があるからだ
-
これをクリックすれば動物が見つかるのも分かっていた
Google Map のアイコンと同じだからだ
-
赤は悪いこと、緑は良いことを示すので
どこが問題なのか簡単に分かった
-
漏斗アイコンは Google Sheet などにあるので
アイテム数を絞るやり方も分かった
-
とはいえ、動物が求めるものについては―
-
現実世界にいる生き物の知識だけでも
推測できたかもしれない
-
逆に、これで大きく失敗した事例もある
-
『Total War: Troy』の試遊では、ターン終了ボタンを
見つけるのに苦労したプレイヤーがいた
-
あるプレイヤーは最初のターンに 40 分を費やしたが
どう進めばいいのか見当がつかなかった
-
犯人は?
-
このボタンだ
砂時計でターン終了を表現している
-
ところで、何年も戦略ゲーをやってきた人なら
砂時計から「ターン終了」を連想するかもしれないが
-
大抵の人が思い浮かべるのは
「読み込み中」だと思う
-
Windows の旧バージョンにある
カーソルとかのことだ
-
ちなみに、この読み込みアイコンは
「Throbbers」と呼ばれている
-
これを伝えることになって本当に申し分ない
(訳註 ギンギンに勃起した陰茎という隠語)
-
とにかく、開発者は発売前に
矢印アイコンに変更した
-
ここから 2つの教訓が得られると思う
-
1. 他のゲームのプレイ経験を前提にしないこと
-
2. 作ったチュートリアルを試してみることだ
-
何回も、何回も
-
では最後に、いくつかの手法を紹介しよう
-
「語らず示せ」という慣用句は誰でも知っているが
これはチュートリアル設計にも当てはまる
-
膨大な量の文章を読むのは困難だが
-
画像や動画なら、同じ情報を
半分の時間で伝えることができる
-
例えば『Into the Breach』には
武器の予見表示がある
-
デザイナーの Justin Ma が言うには―
-
「 "マスにダメージを与え、隣接マスを押す" と
100 回書き込むこともできますが」
-
「小さなアニメで動く様子を見せる方が
1000 倍も効率的なのです」
-
もちろん複雑系ゲームのチュートリアルには
ほとんどの場合、文章が必要だ
-
だが開発者は、単語を減らし
言葉に一貫性をもたせ、業界用語を避けるべきだ
-
それと、単にこれは
個人的な好みかもしれないが―
-
無意味なフレーバーテキスト(雰囲気だけの文章)が
声優によって朗読されているのに
-
実際に重要なことは語られないまま
というのが本当に好きではない
-
ホメロス「北西へ進軍し、コリントスの地を目指せ」
-
「いまでもまだ、コリントス人は
そなたの終焉を企んでおる」
-
もう 1つの手法は、プレイヤーが詰んだとき用に
情報の見つけ方を用意することだ
-
例えばツール情報や
ツール情報内のツール情報
-
用語の百科事典や、チュートリアルの特定箇所を
巻き戻したりやり直す機能だ
-
結局のところ、詰んだときの唯一の解決策が
Google というのは避けたいだろう
-
さらに、必要なときに情報が用意されているので
開発者は自信をもって―
-
プレイヤーに自力で
解決させることができるはずだ
-
そして最後に、人は様々な方法で
学習することを覚えておくと良いだろう
-
この動画に登場したアイデアに
偏ったものがあることは否定しない
-
僕は個人的に、体で覚える系
見て覚える系の人間なのだ
-
それに僕の集中力は
6 歳の子供並みだ
-
だから複数の手段を用意するのは
良いことだ
-
例えば『Offworld』には 2つの学習方法がある
-
段階を追って説明する台本チュートリアルと
試行錯誤を通じて学べる練習課題だ
-
一方『Total War』は、異なるチュートリアルを
いつも用意していて
-
初心者用や、単に新要素を把握したいだけの
復帰プレイヤー用チュートリアルがある
-
前回の GMTK で扱った
ユーザーインターフェースと同様に
-
チュートリアルは過小評価され
完成間際まで放置されることがある
-
しかし再度申し上げるが、作品の成功には
チュートリアルが非常に重要なので、無視してはダメなのだ
-
この動画のために、僕は Paradox や
Creative Assembly などの開発者に話を訊いたが
-
誰もが同じことを言っていた
新規プレイヤーに遊び方を教えることは―
-
作品のファン層を拡大させ、無意味な衰退を避ける
唯一の方法であると
-
この動画で、僕はチュートリアルを改善する方法を
いくつか挙げてきた
-
1 本のキャンペーン内、または複数のキャンペーン間で
チュートリアルを分割する方法を見つけること
-
プレイヤーがシステムを体験し、座学ではなく
実践によって学ぶ方法を見つけること
-
直感的で親しみやすく
歓迎される方法を見つけること
-
ありがたいことに
この分野は前進しており
-
思いやりのあるチュートリアルと
直感的な UI が実装されている
-
しかし、やるべきことは
またたくさんある
-
『Crusader Kings』のチュートリアルを
寝ずに終了できるようになるまでの道のりは―
-
まだまだ遠いのだ
-
ご視聴ありがとう
-
この動画が気に入って
感謝の気持ちを表したいのであれば
-
この YouTube 広告を見てもらいたい
-
その後、オススメの
独立系ゲームを紹介しよう
-
(字幕翻訳:Nekofloor)
-
今回のオススメは『Narita Boy』だ
奇抜でレトロな感じのアクションゲームで
-
ドット絵の美しさは
素晴らしい
-
戦闘に重点を置いた小さなメトロイドヴァニアで
『Guacamelee』を彷彿とさせる
-
奇妙で難解な筋書きは『Sword & Sworcery』を
連想させる
-
ゲームに問題が無いわけではない
ジャンプはふわっとしてるし、面構造は単純だが
-
全てが魅力的で、僕は完全に夢中になった
-
『Nartia Boy』は Xbox Game Pass を含め
全てのストアに対応している