ローリー・サントス: 猿の経済界にも見られる不合理性
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0:02 - 0:04ヒトに関する2つの事柄を
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0:04 - 0:06まずお話したいと思います
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0:06 - 0:09一つめの事柄は当たり前のように聞こえるかもしれませんが
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0:09 - 0:11我々ホモサピエンスは
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0:11 - 0:13実に頭の良い種です
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0:13 - 0:15その頭の良さは
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0:15 - 0:17馬鹿げているほどで
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0:17 - 0:20他の種がしていないことを
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0:20 - 0:22こなしています
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0:22 - 0:24これは周知の事実ですが
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0:24 - 0:27虚栄心の強い種でもあるため
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0:27 - 0:30自分たちの賢さを示すのが好きなのです
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0:30 - 0:32シェークスピアから
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0:32 - 0:34スティーブン・コルベアまで
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0:34 - 0:36賢者を見れば
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0:36 - 0:38人間とは理性と才能に恵まれ
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0:38 - 0:40どんな生き物よりも
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0:40 - 0:43知的であることがわかります
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0:43 - 0:45でも私が強調したいのは
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0:45 - 0:47二つめの事柄です
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0:47 - 0:49人間ほど賢い生き物はいないのに
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0:49 - 0:52決断力に関しては
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0:52 - 0:55驚くほど愚かな決断を
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0:55 - 0:58してしまうことがある点です
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0:58 - 1:00ニヤニヤしている方
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1:00 - 1:02具体的な名前は出しませんので
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1:02 - 1:04ご心配なく
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1:04 - 1:06でも過去2年間に
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1:06 - 1:09先例のない愚かな出来事がありました
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1:09 - 1:12資源採取のために人間がつくった道具が
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1:12 - 1:14悲惨な結果を招いたのも
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1:14 - 1:16見てきました
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1:16 - 1:18我々がつくった金融市場は
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1:18 - 1:21確実であったはずなのに
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1:21 - 1:23崩壊してしまいました
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1:23 - 1:25でも この二つの例は
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1:25 - 1:28もっとも情けない間違いを
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1:28 - 1:30浮き彫りにはしていません
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1:30 - 1:33間違いを犯す原因は 少しばかりの困った問題があったり
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1:33 - 1:35もの笑いのタネになる決断を
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1:35 - 1:38してしまうからだと解釈したいところですが
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1:38 - 1:41社会科学者の研究でわかったのは
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1:41 - 1:44ほとんどの人は ある状況に置かれると
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1:44 - 1:47ある種の決まった間違いをするのです
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1:47 - 1:49間違いに意外性はなく
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1:49 - 1:51人は間違いを繰り返します
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1:51 - 1:53警告があっても動じません
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1:53 - 1:55否定的な意見を言われると
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1:55 - 1:58次に同じ状況に直面するときに
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1:58 - 2:00同じ間違いをする傾向があります
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2:00 - 2:02人間の本質を研究している私には
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2:02 - 2:04この点が謎なのです
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2:04 - 2:06一番興味があるのは
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2:06 - 2:09これだけ賢い種である人間が
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2:09 - 2:11このような間違いを
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2:11 - 2:13常にし続けるのか ということです
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2:13 - 2:16賢いはずの人間が なぜ解決策を見つけられないのでしょう?
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2:16 - 2:19何が引き金になるのだろうと思いを巡らしていたら
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2:19 - 2:22原因になり得る事柄が いくつか浮かびました
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2:22 - 2:25一つめは 我々の責任ではないという見解です
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2:25 - 2:27人間は賢いので
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2:27 - 2:29非常に複雑な環境を
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2:29 - 2:31つくり出すことができます
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2:31 - 2:34時に複雑すぎて自ら作ったものを
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2:34 - 2:36理解できないことすらあります
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2:36 - 2:38入り組んだ金融市場をつくり
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2:38 - 2:41返済しきれない住宅ローンを組んだりします
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2:41 - 2:44もちろん 対応できない状況に置かれれば
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2:44 - 2:46ある意味 我々が
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2:46 - 2:48物事を悪化させるのもわかります
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2:48 - 2:50もしそうならば
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2:50 - 2:52解決策は至って簡単
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2:52 - 2:54扱いきれない技術や
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2:54 - 2:56悪影響を及ぼす環境を
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2:56 - 2:58見つけたら取り払い
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2:58 - 3:00より良いものをデザインすれば
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3:00 - 3:02人間は期待通りに
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3:02 - 3:04立派な種になるはずです
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3:04 - 3:07でも混乱状態にあるのは環境ではなく
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3:07 - 3:10いい加減につくられた人間なのでは?
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3:10 - 3:13社会科学者が人間の間違いを
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3:13 - 3:15見つけ出す方法を見ていて
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3:15 - 3:18私はそう思いました
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3:18 - 3:21人間は同じ間違いを
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3:21 - 3:24何度も繰り返す傾向があるため
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3:24 - 3:26人間のつくりを
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3:26 - 3:28疑ってしまうほどです
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3:28 - 3:31もし問題が人間自体にあるのなら
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3:31 - 3:33どう対処すればいいのか
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3:33 - 3:35わからないことが問題です
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3:35 - 3:38間違いをしがちだという事実を受け入れて
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3:38 - 3:40問題を避けられるデザインが必要かもしれません
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3:40 - 3:43私が学生と共に究明したかったのは
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3:43 - 3:46可能性1と可能性2の違いを見出すことです
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3:46 - 3:48必要としていたのは
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3:48 - 3:50賢くて 決断力があるけれど
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3:50 - 3:52人間を狂わせる材料に
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3:52 - 3:54手の届かない生き物
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3:54 - 3:56テクノロジーや文化や言葉を
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3:56 - 3:58有しない生き物です
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3:58 - 4:00こうして決定した
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4:00 - 4:03研究の協力者はオマキザルです
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4:03 - 4:05新世界ザルとも呼ばれるのは
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4:05 - 4:07約3500万年前に
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4:07 - 4:09ヒトから分岐したからです
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4:09 - 4:11「ひい」を500万回つけた
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4:11 - 4:13我々のひいおばあちゃんと
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4:13 - 4:15彼らのひいおばあちゃんが
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4:15 - 4:17同一人物であったと
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4:17 - 4:19言えるわけです
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4:19 - 4:22この猿と人間は非常に離れていながらも
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4:22 - 4:24親戚にあたります
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4:24 - 4:26ホリーは人間のような
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4:26 - 4:29技術を持ち合わせていません
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4:29 - 4:32賢くて可愛い霊長類ですが
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4:32 - 4:34人間を狂わせる要素を持ち合わせていないので
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4:34 - 4:36この実験には完璧です
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4:36 - 4:39ホリーを人間と同じ境遇に置いたら
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4:39 - 4:41人間と同じ間違いをしたり
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4:41 - 4:43間違いから学ぶのか―
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4:43 - 4:45実験してみることにしました
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4:45 - 4:47数年前 このアイデアを思いつき
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4:47 - 4:49ホリーは この問題を
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4:49 - 4:51どう対処するか見てみようということになりました
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4:51 - 4:54人間の間違いだけでも
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4:54 - 4:56あまりにも題材が多くて
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4:56 - 4:58どこから着手したらいいのか
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4:58 - 5:00迷いました
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5:00 - 5:03この研究を始めたとき 金融崩壊が起き
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5:03 - 5:05差し押さえが相次いだので
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5:05 - 5:07私たちは金融の領域が
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5:07 - 5:09研究題材にいいのではと思ったのです
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5:09 - 5:12猿の経済的決断の仕方を観察して
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5:12 - 5:15人間同様 愚かな間違いをするか見てみるのです
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5:15 - 5:17このとき二つめの問題にぶちあたりました
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5:17 - 5:19少々 方法論的な
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5:19 - 5:21問題なのですが
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5:21 - 5:24猿はお金を使いません
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5:24 - 5:26スーパーや銀行で
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5:26 - 5:29列に並ぶ猿などいないので
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5:29 - 5:32お金に対する質問を
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5:32 - 5:34どうやって猿にしたらいいのか
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5:34 - 5:36問題になりましたが
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5:36 - 5:38ともかく 猿に
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5:38 - 5:40お金の使い方を
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5:40 - 5:42教えてみることにしました
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5:42 - 5:45これはお金の代わりに使った
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5:45 - 5:47造り物の通貨です
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5:47 - 5:49研究を始めた当初は
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5:49 - 5:51単にトークンと呼んでいたもので
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5:51 - 5:54エール大学で この通貨を使って
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5:54 - 5:56人間から食べ物を得るために
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5:56 - 5:59猿を調教しました
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5:59 - 6:01トークンは大したことない
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6:01 - 6:03ただの金属片です
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6:03 - 6:06海外旅行から持ち帰り
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6:06 - 6:08無用になったお金と一緒で
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6:08 - 6:10最初 猿はその利用価値が
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6:10 - 6:12わからなかったので
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6:12 - 6:14柵に入れられたトークンを
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6:14 - 6:16拾って眺めたものの
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6:16 - 6:18特に意味はなしませんでした
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6:18 - 6:20でも 猿はすぐに
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6:20 - 6:22トークンを渡せば
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6:22 - 6:25食べ物がもらえることに気づきました
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6:25 - 6:27猿のメーデーが実践しています
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6:27 - 6:30左の二つの写真は 好奇心を
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6:30 - 6:32示しているところです
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6:32 - 6:34手を差し出す実験者がいて
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6:34 - 6:37メーデーはこの人が欲しがっていることを察します
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6:37 - 6:39渡すと食べ物がもらえます
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6:39 - 6:41どの猿も 人間にトークンを差し出し
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6:41 - 6:43食べ物が得られます
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6:43 - 6:45ビデオを用意しました
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6:45 - 6:48メーデーがトークンを差し出し
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6:48 - 6:51嬉しそうに待ち 食べ物をもらいます
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6:51 - 6:53ボス的存在のフィリックスも
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6:53 - 6:56辛抱強く待って食べ物をもらいます
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6:56 - 6:58あまり訓練をしなくても
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6:58 - 7:01どの猿も やり方を
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7:01 - 7:03覚えてしまいました
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7:03 - 7:05これは人間が扱うお金と同じなのか
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7:05 - 7:07それとも 猿が
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7:07 - 7:09賢く見えるだけで
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7:09 - 7:11実はそうではないのか
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7:11 - 7:13疑問に思いました
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7:13 - 7:16猿がお金に匹敵するものを本当に使っていたら
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7:16 - 7:19猿は自発的に何をするのか 気になりました
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7:19 - 7:21人間が金銭の授受をするように
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7:21 - 7:23猿も賢いことをすると
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7:23 - 7:26想像する人がいるかもしれません
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7:26 - 7:29トークンがあれば どれだけのものを
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7:29 - 7:31買えるのかと
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7:31 - 7:34猿が関心をもつのかどうか
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7:34 - 7:36突き止めるため
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7:36 - 7:39猿の市場をつくり出しました
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7:39 - 7:41対象となった猿は
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7:41 - 7:44動物園のような社会的囲いの中で通常暮らしています
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7:44 - 7:46おやつを欲しがるときに
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7:46 - 7:48市場へつながる小さな囲いに
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7:48 - 7:50誘い込みます
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7:50 - 7:52そこは人間の市場より
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7:52 - 7:54楽しさがある場所にしました
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7:54 - 7:57猿がドアをくぐると トークンがたくさん入った
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7:57 - 7:59財布が渡されます
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7:59 - 8:01トークンを使って
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8:01 - 8:03物を得られる仕組みです
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8:03 - 8:052人のセールスマンが
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8:05 - 8:07商品を用意しています
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8:07 - 8:09学生にセールスマンになってもらい
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8:09 - 8:11それぞれ違う格好をしました
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8:11 - 8:14何度も同じことを繰り返し
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8:14 - 8:16猿に仕組みを教えました
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8:16 - 8:19商品や値段や誰が信頼できるかなどです
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8:19 - 8:21実験者が持っている
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8:21 - 8:24黄色い小皿に乗っている量が
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8:24 - 8:26トークン1枚で買えるものです
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8:26 - 8:28どれもトークン1枚分ですが
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8:28 - 8:30時々ぶどうが多く得られるように
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8:30 - 8:32設定しました
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8:32 - 8:35実際のビデオをご覧ください
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8:35 - 8:38猿の視点から撮影したものです
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8:38 - 8:40これは猿のハニー
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8:40 - 8:42市場の開店を待っています
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8:42 - 8:45一人は1粒 もう一人は2粒差し出しています
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8:45 - 8:47見極め上手なハニーは
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8:47 - 8:50ぶどう2粒をくれる人を選びました
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8:50 - 8:52ハニーから学べることはありそうです
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8:52 - 8:54ハニーに限らず
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8:54 - 8:57大半の猿は より多くてより美味しいものを
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8:57 - 8:59持っている人を選びました
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8:59 - 9:02猿は商品に注目をして
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9:02 - 9:05トークンに関心をよせました
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9:05 - 9:08驚いたのは 経済学者と共に
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9:08 - 9:11経済的指針で猿のデータを見てみると
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9:11 - 9:14人間がしていることと同じことが
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9:14 - 9:16質的にも量的にも
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9:16 - 9:18一致したことです
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9:18 - 9:20数値を見ただけでは
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9:20 - 9:23猿なのか人間なのか区別がつかないほどです
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9:23 - 9:25少なくとも
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9:25 - 9:27猿と私たちには
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9:27 - 9:29本物のお金のように使えるものを
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9:29 - 9:31導入できたと感じました
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9:31 - 9:34問題は 猿も人間同様に間違いをするのかということです
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9:34 - 9:37その可能性はいくつかありました
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9:37 - 9:39猿の経済界で見かけなかったのは
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9:39 - 9:41人間のように
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9:41 - 9:43貯金をしないことです
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9:43 - 9:45コインを使い果たし
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9:45 - 9:47帰って行きました
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9:47 - 9:49また同時に見かけたのは
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9:49 - 9:51恥ずかしいことに
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9:51 - 9:53盗みを働くのです
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9:53 - 9:56機会さえあれば人間からトークンを
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9:56 - 9:58だまし取ろうとしました
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9:58 - 10:00教えたつもりはないのに
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10:00 - 10:02盗みを身につけていました
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10:02 - 10:04そこで 人間同様に
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10:04 - 10:06猿も愚かなことをするのか
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10:06 - 10:09確かめることにしたのです
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10:09 - 10:11猿の経済界を放っておけば
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10:11 - 10:13数年後には人間に
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10:13 - 10:15経済援助を求めてくるかもしれませんが
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10:15 - 10:17そんなに待っていられないので
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10:17 - 10:19時間を短縮するために
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10:19 - 10:21経済的な難局に
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10:21 - 10:23直面したとき
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10:23 - 10:25人間が間違いやすい問題を
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10:25 - 10:27猿にも
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10:27 - 10:29与えてみることにしました
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10:29 - 10:32人がいかに間違いを犯すのかを確かめるには
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10:32 - 10:34自分でやってみるのが一番ですから
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10:34 - 10:36直感を見るために
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10:36 - 10:38実験をしてみましょう
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10:38 - 10:40皆さんに
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10:40 - 10:421000ドルずつ
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10:42 - 10:45渡したとします
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10:45 - 10:47そのお金は
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10:47 - 10:49もう皆さんのものですから
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10:49 - 10:51募金でも何でも
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10:51 - 10:53好きなように使えます
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10:53 - 10:56もうちょっと儲かる選択肢があったとします
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10:56 - 10:59一つめの選択肢はリスクを伴います
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10:59 - 11:01私がコインを投げて表が出たら
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11:01 - 11:03もう1000ドルプラス
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11:03 - 11:05裏が出たら何もなし
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11:05 - 11:08増える確率はありますが 高リスクです
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11:08 - 11:11もう一つの選択肢は 安全志向
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11:11 - 11:13金額は500ドルですが
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11:13 - 11:16確実にもらえるとしたら
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11:16 - 11:18どちらを選びますか
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11:18 - 11:21大半の人は安全な方を選びます
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11:21 - 11:241500ドルが確実に手に入るなら 賭ける必要はないと言うのです
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11:24 - 11:26慎重な選択と言えますね
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11:26 - 11:28人はリスクを負うのが嫌なため
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11:28 - 11:30合理的だと思うかもしれませんが
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11:30 - 11:32同じ問題の
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11:32 - 11:34状況を変えた場合
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11:34 - 11:36どうなるか見てみましょう
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11:36 - 11:38皆さんに2000ドルを
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11:38 - 11:41渡したと想像してください
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11:41 - 11:43先ほどの2倍も
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11:43 - 11:45好きなものが買えます
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11:45 - 11:47ここで選択です
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11:47 - 11:49先ほどとは違って
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11:49 - 11:52どのようにお金を失うかを考えてもらいます
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11:52 - 11:54選択肢は同じ
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11:54 - 11:56リスクを伴う選択肢は
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11:56 - 11:59表が出たら1000ドル失いますが
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11:59 - 12:02裏が出たら何も失わずに済みます
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12:02 - 12:05リスクをかけたくなければ
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12:05 - 12:08私に500ドルを渡すだけ
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12:08 - 12:11眉にしわを寄せる人が見えますね
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12:11 - 12:13きっと皆さんも
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12:13 - 12:15この実験の対象者と同様に
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12:15 - 12:17この選択肢を与えられると
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12:17 - 12:19安全な方は選ばないのかもしれません
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12:19 - 12:21人はリスクをかける傾向にあるのです
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12:21 - 12:24これが合理的でないのは どちらの状況も
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12:24 - 12:26選択肢が同じだったからです
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12:26 - 12:291000ドルか2000ドルのどちらかになる選択肢と
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12:29 - 12:311500ドルと決まった選択肢
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12:31 - 12:34でも 伴うリスクに関わる直感は
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12:34 - 12:36立たされた状況によって異なります
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12:36 - 12:38どういうことでしょうか
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12:38 - 12:40これは心理的な面から生まれる
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12:40 - 12:43少なくとも二つの先入観が関係しています
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12:43 - 12:46まず 絶対数で考える難しさです
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12:46 - 12:481000ドルか2000ドルの選択肢と
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12:48 - 12:501500ドルの選択肢を
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12:50 - 12:52天秤にかけなくてはいけません
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12:52 - 12:55でも選択肢が変わり
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12:55 - 12:58相対的に考えるのは簡単です
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12:58 - 13:01もっともらえる とか 失う額は少ない という具合です
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13:01 - 13:03これはいいのですが
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13:03 - 13:05捉え方を変えることで
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13:05 - 13:07選択肢の妥当性の
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13:07 - 13:09見極めに影響します
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13:09 - 13:11これは二つめの傾向につながり
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13:11 - 13:13経済学者は損失回避と呼んでいます
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13:13 - 13:16赤字になることを嫌うという意味です
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13:16 - 13:18人は損失を嫌うため
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13:18 - 13:20損失を避けようと
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13:20 - 13:22することがあります
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13:22 - 13:24最後のシナリオで見たのは
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13:24 - 13:26対象者はリスクをかけます
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13:26 - 13:29何も失いたくないからです
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13:29 - 13:31これは我々が
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13:31 - 13:33損失の覚悟があるとき
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13:33 - 13:35非常に厄介になり得るのですが
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13:35 - 13:37リスクを負うことが多くなります
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13:37 - 13:40始末の悪い様々な状況を作り出すものです
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13:40 - 13:43株投資家が株を売らないがために損失を出すのは
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13:43 - 13:45相対的に考えているからです
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13:45 - 13:47住宅市場の人たちが不動産を売り渋ったのは
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13:47 - 13:49損を承知で売りたくなかったからです
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13:49 - 13:51猿も同じ傾向を示すのか
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13:51 - 13:53私たちは興味がありました
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13:53 - 13:56猿の市場でも同じ状況をつくりだしたら
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13:56 - 13:58人間と同じことをするでしょうか
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13:58 - 14:00そこで私たちは猿に選択肢を与え
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14:00 - 14:03常に同じことをする安全な人と
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14:03 - 14:0550%の確率で違う事をする
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14:05 - 14:07リスク型の人を用意しました
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14:07 - 14:09そして初めのシナリオのように
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14:09 - 14:11ボーナスがもらえるようにしました
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14:11 - 14:13儲かるチャンスでもあり
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14:13 - 14:16失う可能性も出てきます
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14:16 - 14:18実際よりも儲けたと思うのです
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14:18 - 14:20このような感じです
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14:20 - 14:22新しい販売員を紹介します
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14:22 - 14:24どちらも持っているのは ぶどう1粒
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14:24 - 14:26見た目はいいですが
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14:26 - 14:28ボーナスが出てきます
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14:28 - 14:30左の人はおまけをくれるので
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14:30 - 14:33合計2粒のぶどうがもらえます
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14:33 - 14:35右の人はリスク型で
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14:35 - 14:38何もくれない時がありますが
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14:38 - 14:41時々2粒もらえるため
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14:41 - 14:43合計3粒のときがあります
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14:43 - 14:45これは皆さんが直面したものと同じ
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14:45 - 14:48猿はリスクを回避して
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14:48 - 14:50毎回おまけをくれる人を選ぶのか
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14:50 - 14:52それとも
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14:52 - 14:54何ももらえない時を覚悟して
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14:54 - 14:56大きなボーナスを得ようとするでしょうか
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14:56 - 14:58人間は安全な方を選びました
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14:58 - 15:00結果は猿も同じでした
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15:00 - 15:02質的にも量的にも
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15:02 - 15:04猿は人間と同じ―
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15:04 - 15:06判断を下しました
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15:06 - 15:08猿の損失との向き合い方を
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15:08 - 15:10明らかにするために
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15:10 - 15:12別の実験を行いました
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15:12 - 15:14ここでは 何もくれない
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15:14 - 15:162人の人に会います
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15:16 - 15:18ぶどうの数が多いので
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15:18 - 15:20たくさんもらえる印象を与えます
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15:20 - 15:223粒のぶどうに猿は大喜び
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15:22 - 15:25でも3粒はもらえないことがわかります
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15:25 - 15:27左の人は安全型で
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15:27 - 15:30毎度 ぶどう1粒を取り上げて
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15:30 - 15:32猿には2粒だけ渡します
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15:32 - 15:34右の人はリスク型で
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15:34 - 15:373粒くれることもあるため 猿は喜びますが
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15:37 - 15:39時々大きな損をする羽目になり
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15:39 - 15:411粒しかくれません
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15:41 - 15:43猿はどうしたでしょうか
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15:43 - 15:45安全型は
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15:45 - 15:48毎度2粒もらえます
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15:48 - 15:51リスク型は3粒の時と1粒の時が混在します
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15:51 - 15:54私たちが驚いたのは 猿にこの選択をさせたとき
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15:54 - 15:56人間と同様に非合理的な選択をすることです
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15:56 - 15:58実験を どう始めるかによって
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15:58 - 16:01猿はリスク型を選ぶのです
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16:01 - 16:03猿も物事を相対的に
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16:03 - 16:05見ていることを示唆しており
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16:05 - 16:08損失と儲けは同じ方法では扱っていません
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16:08 - 16:10これはどういうことでしょうか
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16:10 - 16:12第一に 猿に対して
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16:12 - 16:14金融価値のあるお金を与えると
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16:14 - 16:16人間と似たことをします
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16:16 - 16:18賢い行動もしますが
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16:18 - 16:20盗みなどの
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16:20 - 16:22好ましくないことをしたり
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16:22 - 16:24非合理的なこともするのです
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16:24 - 16:26猿は人間と同様に
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16:26 - 16:28体系的な失敗をします
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16:28 - 16:30これがまず第一に示したい点です
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16:30 - 16:32猿の金融アドバイザーを雇おうと
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16:32 - 16:34考えた方がいると思いますが
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16:34 - 16:36猿はかわいいけれど
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16:36 - 16:38人間の金融アドバイザー同様に
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16:38 - 16:41愚かですから お勧めしません
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16:41 - 16:43ごめんなさい
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16:43 - 16:45言い方が悪かったわ
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16:45 - 16:48皆さんが笑うのも 人間の弱点を知っているからですよね
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16:48 - 16:51初めの質問で答えたからわかりますね
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16:51 - 16:53このような間違いは どこから始まるのでしょうか
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16:53 - 16:55私たちの願いは
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16:55 - 16:57金融制度や技術に
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16:57 - 17:00ひねりを入れて向上させることでした
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17:00 - 17:03でもわかったのは このような傾向はもっと深い部分から発生していることです
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17:03 - 17:05人間が進化してきた中に
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17:05 - 17:07理由が見つけられる可能性もあります
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17:07 - 17:09愚かな面が見られるのは
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17:09 - 17:11人間だけなのではなく
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17:11 - 17:13大昔から猿にも見られたのかもしれません
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17:13 - 17:16猿の実験結果を信用するとしたら
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17:16 - 17:18この愚かな策略は
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17:18 - 17:203500万年も続いているのかもしれません
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17:20 - 17:22この古くからある策略は
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17:22 - 17:25ずっと変わらないままなのです
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17:25 - 17:27他にはどのようなものがあるでしょうか
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17:27 - 17:30愚かな策略を克服するのは大変なのです
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17:30 - 17:32人間は進化するうちに
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17:32 - 17:35甘いものや脂肪分の多いものを好むようになりました
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17:35 - 17:37美味しさを知っているので
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17:37 - 17:40デザートを見たときに まずそうとは思わず
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17:40 - 17:42体にはプラスだと
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17:42 - 17:44思うようになっています
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17:44 - 17:46経済的な決断に関しても
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17:46 - 17:48同じことが起こるというのが
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17:48 - 17:50私の推測です
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17:50 - 17:52株が下落したり
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17:52 - 17:54不動産価値が下がるとき
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17:54 - 17:56進化的な意味で
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17:56 - 17:58解釈してしまいます
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17:58 - 18:00投資家を失敗に招いたり
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18:00 - 18:02差し押さえをつくり出す先入観を
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18:02 - 18:04乗り越えるのは
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18:04 - 18:06非常に難しいことを指しています
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18:06 - 18:08これが悲しい現実ですが
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18:08 - 18:10喜ばしいことも必要ですね
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18:10 - 18:12肯定的側面は
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18:12 - 18:14冒頭で触れたように
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18:14 - 18:16人間は賢いだけではなく
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18:16 - 18:18生物界の中でも
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18:18 - 18:21感動するほどに
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18:21 - 18:24賢いことです
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18:24 - 18:26羽をバタバタさせなくても
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18:26 - 18:28ここまで飛行機で来れましたし
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18:28 - 18:31今しているように コンタクトを使用すれば
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18:31 - 18:34近視でも皆さんがちゃんと見えます
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18:34 - 18:36このように人間は
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18:36 - 18:39生まれもった力の限界を
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18:39 - 18:42技術などを使って容易に乗り越えています
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18:42 - 18:45でも限界があることを認識しなければいけません
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18:45 - 18:47厄介なことです
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18:47 - 18:49作家のカミュは言いました
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18:49 - 18:52“人間は 本来の姿でいることを拒む唯一の種だ”
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18:52 - 18:54限界を知らない限り
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18:54 - 18:56限界を乗り越えることは
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18:56 - 18:58無理かもしれないのが皮肉ですが
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18:58 - 19:01克服できない限界として考えるのではなく
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19:01 - 19:04限界を認識して 受け入れて
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19:04 - 19:06デザイン界に答えを
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19:06 - 19:09見つけ出せる希望を抱けます
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19:09 - 19:12これこそ人間の可能性を最大限にして
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19:12 - 19:14立派な種と名乗るための
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19:14 - 19:17唯一の方法かもしれません
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19:17 - 19:19ありがとう
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19:19 - 19:24(拍手)
- Title:
- ローリー・サントス: 猿の経済界にも見られる不合理性
- Speaker:
- Laurie Santos
- Description:
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ローリー・サントスが人間の不合理性の元を探すべく、他の霊長類がどのような決断をするのか観察をします。猿を対象にした数々の実験から、人間と同様に、猿も愚かな選択をすることがわかります。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 19:25