1 00:00:02,000 --> 00:00:04,000 ヒトに関する2つの事柄を 2 00:00:04,000 --> 00:00:06,000 まずお話したいと思います 3 00:00:06,000 --> 00:00:09,000 一つめの事柄は当たり前のように聞こえるかもしれませんが 4 00:00:09,000 --> 00:00:11,000 我々ホモサピエンスは 5 00:00:11,000 --> 00:00:13,000 実に頭の良い種です 6 00:00:13,000 --> 00:00:15,000 その頭の良さは 7 00:00:15,000 --> 00:00:17,000 馬鹿げているほどで 8 00:00:17,000 --> 00:00:20,000 他の種がしていないことを 9 00:00:20,000 --> 00:00:22,000 こなしています 10 00:00:22,000 --> 00:00:24,000 これは周知の事実ですが 11 00:00:24,000 --> 00:00:27,000 虚栄心の強い種でもあるため 12 00:00:27,000 --> 00:00:30,000 自分たちの賢さを示すのが好きなのです 13 00:00:30,000 --> 00:00:32,000 シェークスピアから 14 00:00:32,000 --> 00:00:34,000 スティーブン・コルベアまで 15 00:00:34,000 --> 00:00:36,000 賢者を見れば 16 00:00:36,000 --> 00:00:38,000 人間とは理性と才能に恵まれ 17 00:00:38,000 --> 00:00:40,000 どんな生き物よりも 18 00:00:40,000 --> 00:00:43,000 知的であることがわかります 19 00:00:43,000 --> 00:00:45,000 でも私が強調したいのは 20 00:00:45,000 --> 00:00:47,000 二つめの事柄です 21 00:00:47,000 --> 00:00:49,000 人間ほど賢い生き物はいないのに 22 00:00:49,000 --> 00:00:52,000 決断力に関しては 23 00:00:52,000 --> 00:00:55,000 驚くほど愚かな決断を 24 00:00:55,000 --> 00:00:58,000 してしまうことがある点です 25 00:00:58,000 --> 00:01:00,000 ニヤニヤしている方 26 00:01:00,000 --> 00:01:02,000 具体的な名前は出しませんので 27 00:01:02,000 --> 00:01:04,000 ご心配なく 28 00:01:04,000 --> 00:01:06,000 でも過去2年間に 29 00:01:06,000 --> 00:01:09,000 先例のない愚かな出来事がありました 30 00:01:09,000 --> 00:01:12,000 資源採取のために人間がつくった道具が 31 00:01:12,000 --> 00:01:14,000 悲惨な結果を招いたのも 32 00:01:14,000 --> 00:01:16,000 見てきました 33 00:01:16,000 --> 00:01:18,000 我々がつくった金融市場は 34 00:01:18,000 --> 00:01:21,000 確実であったはずなのに 35 00:01:21,000 --> 00:01:23,000 崩壊してしまいました 36 00:01:23,000 --> 00:01:25,000 でも この二つの例は 37 00:01:25,000 --> 00:01:28,000 もっとも情けない間違いを 38 00:01:28,000 --> 00:01:30,000 浮き彫りにはしていません 39 00:01:30,000 --> 00:01:33,000 間違いを犯す原因は 少しばかりの困った問題があったり 40 00:01:33,000 --> 00:01:35,000 もの笑いのタネになる決断を 41 00:01:35,000 --> 00:01:38,000 してしまうからだと解釈したいところですが 42 00:01:38,000 --> 00:01:41,000 社会科学者の研究でわかったのは 43 00:01:41,000 --> 00:01:44,000 ほとんどの人は ある状況に置かれると 44 00:01:44,000 --> 00:01:47,000 ある種の決まった間違いをするのです 45 00:01:47,000 --> 00:01:49,000 間違いに意外性はなく 46 00:01:49,000 --> 00:01:51,000 人は間違いを繰り返します 47 00:01:51,000 --> 00:01:53,000 警告があっても動じません 48 00:01:53,000 --> 00:01:55,000 否定的な意見を言われると 49 00:01:55,000 --> 00:01:58,000 次に同じ状況に直面するときに 50 00:01:58,000 --> 00:02:00,000 同じ間違いをする傾向があります 51 00:02:00,000 --> 00:02:02,000 人間の本質を研究している私には 52 00:02:02,000 --> 00:02:04,000 この点が謎なのです 53 00:02:04,000 --> 00:02:06,000 一番興味があるのは 54 00:02:06,000 --> 00:02:09,000 これだけ賢い種である人間が 55 00:02:09,000 --> 00:02:11,000 このような間違いを 56 00:02:11,000 --> 00:02:13,000 常にし続けるのか ということです 57 00:02:13,000 --> 00:02:16,000 賢いはずの人間が なぜ解決策を見つけられないのでしょう? 58 00:02:16,000 --> 00:02:19,000 何が引き金になるのだろうと思いを巡らしていたら 59 00:02:19,000 --> 00:02:22,000 原因になり得る事柄が いくつか浮かびました 60 00:02:22,000 --> 00:02:25,000 一つめは 我々の責任ではないという見解です 61 00:02:25,000 --> 00:02:27,000 人間は賢いので 62 00:02:27,000 --> 00:02:29,000 非常に複雑な環境を 63 00:02:29,000 --> 00:02:31,000 つくり出すことができます 64 00:02:31,000 --> 00:02:34,000 時に複雑すぎて自ら作ったものを 65 00:02:34,000 --> 00:02:36,000 理解できないことすらあります 66 00:02:36,000 --> 00:02:38,000 入り組んだ金融市場をつくり 67 00:02:38,000 --> 00:02:41,000 返済しきれない住宅ローンを組んだりします 68 00:02:41,000 --> 00:02:44,000 もちろん 対応できない状況に置かれれば 69 00:02:44,000 --> 00:02:46,000 ある意味 我々が 70 00:02:46,000 --> 00:02:48,000 物事を悪化させるのもわかります 71 00:02:48,000 --> 00:02:50,000 もしそうならば 72 00:02:50,000 --> 00:02:52,000 解決策は至って簡単 73 00:02:52,000 --> 00:02:54,000 扱いきれない技術や 74 00:02:54,000 --> 00:02:56,000 悪影響を及ぼす環境を 75 00:02:56,000 --> 00:02:58,000 見つけたら取り払い 76 00:02:58,000 --> 00:03:00,000 より良いものをデザインすれば 77 00:03:00,000 --> 00:03:02,000 人間は期待通りに 78 00:03:02,000 --> 00:03:04,000 立派な種になるはずです 79 00:03:04,000 --> 00:03:07,000 でも混乱状態にあるのは環境ではなく 80 00:03:07,000 --> 00:03:10,000 いい加減につくられた人間なのでは? 81 00:03:10,000 --> 00:03:13,000 社会科学者が人間の間違いを 82 00:03:13,000 --> 00:03:15,000 見つけ出す方法を見ていて 83 00:03:15,000 --> 00:03:18,000 私はそう思いました 84 00:03:18,000 --> 00:03:21,000 人間は同じ間違いを 85 00:03:21,000 --> 00:03:24,000 何度も繰り返す傾向があるため 86 00:03:24,000 --> 00:03:26,000 人間のつくりを 87 00:03:26,000 --> 00:03:28,000 疑ってしまうほどです 88 00:03:28,000 --> 00:03:31,000 もし問題が人間自体にあるのなら 89 00:03:31,000 --> 00:03:33,000 どう対処すればいいのか 90 00:03:33,000 --> 00:03:35,000 わからないことが問題です 91 00:03:35,000 --> 00:03:38,000 間違いをしがちだという事実を受け入れて 92 00:03:38,000 --> 00:03:40,000 問題を避けられるデザインが必要かもしれません 93 00:03:40,000 --> 00:03:43,000 私が学生と共に究明したかったのは 94 00:03:43,000 --> 00:03:46,000 可能性1と可能性2の違いを見出すことです 95 00:03:46,000 --> 00:03:48,000 必要としていたのは 96 00:03:48,000 --> 00:03:50,000 賢くて 決断力があるけれど 97 00:03:50,000 --> 00:03:52,000 人間を狂わせる材料に 98 00:03:52,000 --> 00:03:54,000 手の届かない生き物 99 00:03:54,000 --> 00:03:56,000 テクノロジーや文化や言葉を 100 00:03:56,000 --> 00:03:58,000 有しない生き物です 101 00:03:58,000 --> 00:04:00,000 こうして決定した 102 00:04:00,000 --> 00:04:03,000 研究の協力者はオマキザルです 103 00:04:03,000 --> 00:04:05,000 新世界ザルとも呼ばれるのは 104 00:04:05,000 --> 00:04:07,000 約3500万年前に 105 00:04:07,000 --> 00:04:09,000 ヒトから分岐したからです 106 00:04:09,000 --> 00:04:11,000 「ひい」を500万回つけた 107 00:04:11,000 --> 00:04:13,000 我々のひいおばあちゃんと 108 00:04:13,000 --> 00:04:15,000 彼らのひいおばあちゃんが 109 00:04:15,000 --> 00:04:17,000 同一人物であったと 110 00:04:17,000 --> 00:04:19,000 言えるわけです 111 00:04:19,000 --> 00:04:22,000 この猿と人間は非常に離れていながらも 112 00:04:22,000 --> 00:04:24,000 親戚にあたります 113 00:04:24,000 --> 00:04:26,000 ホリーは人間のような 114 00:04:26,000 --> 00:04:29,000 技術を持ち合わせていません 115 00:04:29,000 --> 00:04:32,000 賢くて可愛い霊長類ですが 116 00:04:32,000 --> 00:04:34,000 人間を狂わせる要素を持ち合わせていないので 117 00:04:34,000 --> 00:04:36,000 この実験には完璧です 118 00:04:36,000 --> 00:04:39,000 ホリーを人間と同じ境遇に置いたら 119 00:04:39,000 --> 00:04:41,000 人間と同じ間違いをしたり 120 00:04:41,000 --> 00:04:43,000 間違いから学ぶのか― 121 00:04:43,000 --> 00:04:45,000 実験してみることにしました 122 00:04:45,000 --> 00:04:47,000 数年前 このアイデアを思いつき 123 00:04:47,000 --> 00:04:49,000 ホリーは この問題を 124 00:04:49,000 --> 00:04:51,000 どう対処するか見てみようということになりました 125 00:04:51,000 --> 00:04:54,000 人間の間違いだけでも 126 00:04:54,000 --> 00:04:56,000 あまりにも題材が多くて 127 00:04:56,000 --> 00:04:58,000 どこから着手したらいいのか 128 00:04:58,000 --> 00:05:00,000 迷いました 129 00:05:00,000 --> 00:05:03,000 この研究を始めたとき 金融崩壊が起き 130 00:05:03,000 --> 00:05:05,000 差し押さえが相次いだので 131 00:05:05,000 --> 00:05:07,000 私たちは金融の領域が 132 00:05:07,000 --> 00:05:09,000 研究題材にいいのではと思ったのです 133 00:05:09,000 --> 00:05:12,000 猿の経済的決断の仕方を観察して 134 00:05:12,000 --> 00:05:15,000 人間同様 愚かな間違いをするか見てみるのです 135 00:05:15,000 --> 00:05:17,000 このとき二つめの問題にぶちあたりました 136 00:05:17,000 --> 00:05:19,000 少々 方法論的な 137 00:05:19,000 --> 00:05:21,000 問題なのですが 138 00:05:21,000 --> 00:05:24,000 猿はお金を使いません 139 00:05:24,000 --> 00:05:26,000 スーパーや銀行で 140 00:05:26,000 --> 00:05:29,000 列に並ぶ猿などいないので 141 00:05:29,000 --> 00:05:32,000 お金に対する質問を 142 00:05:32,000 --> 00:05:34,000 どうやって猿にしたらいいのか 143 00:05:34,000 --> 00:05:36,000 問題になりましたが 144 00:05:36,000 --> 00:05:38,000 ともかく 猿に 145 00:05:38,000 --> 00:05:40,000 お金の使い方を 146 00:05:40,000 --> 00:05:42,000 教えてみることにしました 147 00:05:42,000 --> 00:05:45,000 これはお金の代わりに使った 148 00:05:45,000 --> 00:05:47,000 造り物の通貨です 149 00:05:47,000 --> 00:05:49,000 研究を始めた当初は 150 00:05:49,000 --> 00:05:51,000 単にトークンと呼んでいたもので 151 00:05:51,000 --> 00:05:54,000 エール大学で この通貨を使って 152 00:05:54,000 --> 00:05:56,000 人間から食べ物を得るために 153 00:05:56,000 --> 00:05:59,000 猿を調教しました 154 00:05:59,000 --> 00:06:01,000 トークンは大したことない 155 00:06:01,000 --> 00:06:03,000 ただの金属片です 156 00:06:03,000 --> 00:06:06,000 海外旅行から持ち帰り 157 00:06:06,000 --> 00:06:08,000 無用になったお金と一緒で 158 00:06:08,000 --> 00:06:10,000 最初 猿はその利用価値が 159 00:06:10,000 --> 00:06:12,000 わからなかったので 160 00:06:12,000 --> 00:06:14,000 柵に入れられたトークンを 161 00:06:14,000 --> 00:06:16,000 拾って眺めたものの 162 00:06:16,000 --> 00:06:18,000 特に意味はなしませんでした 163 00:06:18,000 --> 00:06:20,000 でも 猿はすぐに 164 00:06:20,000 --> 00:06:22,000 トークンを渡せば 165 00:06:22,000 --> 00:06:25,000 食べ物がもらえることに気づきました 166 00:06:25,000 --> 00:06:27,000 猿のメーデーが実践しています 167 00:06:27,000 --> 00:06:30,000 左の二つの写真は 好奇心を 168 00:06:30,000 --> 00:06:32,000 示しているところです 169 00:06:32,000 --> 00:06:34,000 手を差し出す実験者がいて 170 00:06:34,000 --> 00:06:37,000 メーデーはこの人が欲しがっていることを察します 171 00:06:37,000 --> 00:06:39,000 渡すと食べ物がもらえます 172 00:06:39,000 --> 00:06:41,000 どの猿も 人間にトークンを差し出し 173 00:06:41,000 --> 00:06:43,000 食べ物が得られます 174 00:06:43,000 --> 00:06:45,000 ビデオを用意しました 175 00:06:45,000 --> 00:06:48,000 メーデーがトークンを差し出し 176 00:06:48,000 --> 00:06:51,000 嬉しそうに待ち 食べ物をもらいます 177 00:06:51,000 --> 00:06:53,000 ボス的存在のフィリックスも 178 00:06:53,000 --> 00:06:56,000 辛抱強く待って食べ物をもらいます 179 00:06:56,000 --> 00:06:58,000 あまり訓練をしなくても 180 00:06:58,000 --> 00:07:01,000 どの猿も やり方を 181 00:07:01,000 --> 00:07:03,000 覚えてしまいました 182 00:07:03,000 --> 00:07:05,000 これは人間が扱うお金と同じなのか 183 00:07:05,000 --> 00:07:07,000 それとも 猿が 184 00:07:07,000 --> 00:07:09,000 賢く見えるだけで 185 00:07:09,000 --> 00:07:11,000 実はそうではないのか 186 00:07:11,000 --> 00:07:13,000 疑問に思いました 187 00:07:13,000 --> 00:07:16,000 猿がお金に匹敵するものを本当に使っていたら 188 00:07:16,000 --> 00:07:19,000 猿は自発的に何をするのか 気になりました 189 00:07:19,000 --> 00:07:21,000 人間が金銭の授受をするように 190 00:07:21,000 --> 00:07:23,000 猿も賢いことをすると 191 00:07:23,000 --> 00:07:26,000 想像する人がいるかもしれません 192 00:07:26,000 --> 00:07:29,000 トークンがあれば どれだけのものを 193 00:07:29,000 --> 00:07:31,000 買えるのかと 194 00:07:31,000 --> 00:07:34,000 猿が関心をもつのかどうか 195 00:07:34,000 --> 00:07:36,000 突き止めるため 196 00:07:36,000 --> 00:07:39,000 猿の市場をつくり出しました 197 00:07:39,000 --> 00:07:41,000 対象となった猿は 198 00:07:41,000 --> 00:07:44,000 動物園のような社会的囲いの中で通常暮らしています 199 00:07:44,000 --> 00:07:46,000 おやつを欲しがるときに 200 00:07:46,000 --> 00:07:48,000 市場へつながる小さな囲いに 201 00:07:48,000 --> 00:07:50,000 誘い込みます 202 00:07:50,000 --> 00:07:52,000 そこは人間の市場より 203 00:07:52,000 --> 00:07:54,000 楽しさがある場所にしました 204 00:07:54,000 --> 00:07:57,000 猿がドアをくぐると トークンがたくさん入った 205 00:07:57,000 --> 00:07:59,000 財布が渡されます 206 00:07:59,000 --> 00:08:01,000 トークンを使って 207 00:08:01,000 --> 00:08:03,000 物を得られる仕組みです 208 00:08:03,000 --> 00:08:05,000 2人のセールスマンが 209 00:08:05,000 --> 00:08:07,000 商品を用意しています 210 00:08:07,000 --> 00:08:09,000 学生にセールスマンになってもらい 211 00:08:09,000 --> 00:08:11,000 それぞれ違う格好をしました 212 00:08:11,000 --> 00:08:14,000 何度も同じことを繰り返し 213 00:08:14,000 --> 00:08:16,000 猿に仕組みを教えました 214 00:08:16,000 --> 00:08:19,000 商品や値段や誰が信頼できるかなどです 215 00:08:19,000 --> 00:08:21,000 実験者が持っている 216 00:08:21,000 --> 00:08:24,000 黄色い小皿に乗っている量が 217 00:08:24,000 --> 00:08:26,000 トークン1枚で買えるものです 218 00:08:26,000 --> 00:08:28,000 どれもトークン1枚分ですが 219 00:08:28,000 --> 00:08:30,000 時々ぶどうが多く得られるように 220 00:08:30,000 --> 00:08:32,000 設定しました 221 00:08:32,000 --> 00:08:35,000 実際のビデオをご覧ください 222 00:08:35,000 --> 00:08:38,000 猿の視点から撮影したものです 223 00:08:38,000 --> 00:08:40,000 これは猿のハニー 224 00:08:40,000 --> 00:08:42,000 市場の開店を待っています 225 00:08:42,000 --> 00:08:45,000 一人は1粒 もう一人は2粒差し出しています 226 00:08:45,000 --> 00:08:47,000 見極め上手なハニーは 227 00:08:47,000 --> 00:08:50,000 ぶどう2粒をくれる人を選びました 228 00:08:50,000 --> 00:08:52,000 ハニーから学べることはありそうです 229 00:08:52,000 --> 00:08:54,000 ハニーに限らず 230 00:08:54,000 --> 00:08:57,000 大半の猿は より多くてより美味しいものを 231 00:08:57,000 --> 00:08:59,000 持っている人を選びました 232 00:08:59,000 --> 00:09:02,000 猿は商品に注目をして 233 00:09:02,000 --> 00:09:05,000 トークンに関心をよせました 234 00:09:05,000 --> 00:09:08,000 驚いたのは 経済学者と共に 235 00:09:08,000 --> 00:09:11,000 経済的指針で猿のデータを見てみると 236 00:09:11,000 --> 00:09:14,000 人間がしていることと同じことが 237 00:09:14,000 --> 00:09:16,000 質的にも量的にも 238 00:09:16,000 --> 00:09:18,000 一致したことです 239 00:09:18,000 --> 00:09:20,000 数値を見ただけでは 240 00:09:20,000 --> 00:09:23,000 猿なのか人間なのか区別がつかないほどです 241 00:09:23,000 --> 00:09:25,000 少なくとも 242 00:09:25,000 --> 00:09:27,000 猿と私たちには 243 00:09:27,000 --> 00:09:29,000 本物のお金のように使えるものを 244 00:09:29,000 --> 00:09:31,000 導入できたと感じました 245 00:09:31,000 --> 00:09:34,000 問題は 猿も人間同様に間違いをするのかということです 246 00:09:34,000 --> 00:09:37,000 その可能性はいくつかありました 247 00:09:37,000 --> 00:09:39,000 猿の経済界で見かけなかったのは 248 00:09:39,000 --> 00:09:41,000 人間のように 249 00:09:41,000 --> 00:09:43,000 貯金をしないことです 250 00:09:43,000 --> 00:09:45,000 コインを使い果たし 251 00:09:45,000 --> 00:09:47,000 帰って行きました 252 00:09:47,000 --> 00:09:49,000 また同時に見かけたのは 253 00:09:49,000 --> 00:09:51,000 恥ずかしいことに 254 00:09:51,000 --> 00:09:53,000 盗みを働くのです 255 00:09:53,000 --> 00:09:56,000 機会さえあれば人間からトークンを 256 00:09:56,000 --> 00:09:58,000 だまし取ろうとしました 257 00:09:58,000 --> 00:10:00,000 教えたつもりはないのに 258 00:10:00,000 --> 00:10:02,000 盗みを身につけていました 259 00:10:02,000 --> 00:10:04,000 そこで 人間同様に 260 00:10:04,000 --> 00:10:06,000 猿も愚かなことをするのか 261 00:10:06,000 --> 00:10:09,000 確かめることにしたのです 262 00:10:09,000 --> 00:10:11,000 猿の経済界を放っておけば 263 00:10:11,000 --> 00:10:13,000 数年後には人間に 264 00:10:13,000 --> 00:10:15,000 経済援助を求めてくるかもしれませんが 265 00:10:15,000 --> 00:10:17,000 そんなに待っていられないので 266 00:10:17,000 --> 00:10:19,000 時間を短縮するために 267 00:10:19,000 --> 00:10:21,000 経済的な難局に 268 00:10:21,000 --> 00:10:23,000 直面したとき 269 00:10:23,000 --> 00:10:25,000 人間が間違いやすい問題を 270 00:10:25,000 --> 00:10:27,000 猿にも 271 00:10:27,000 --> 00:10:29,000 与えてみることにしました 272 00:10:29,000 --> 00:10:32,000 人がいかに間違いを犯すのかを確かめるには 273 00:10:32,000 --> 00:10:34,000 自分でやってみるのが一番ですから 274 00:10:34,000 --> 00:10:36,000 直感を見るために 275 00:10:36,000 --> 00:10:38,000 実験をしてみましょう 276 00:10:38,000 --> 00:10:40,000 皆さんに 277 00:10:40,000 --> 00:10:42,000 1000ドルずつ 278 00:10:42,000 --> 00:10:45,000 渡したとします 279 00:10:45,000 --> 00:10:47,000 そのお金は 280 00:10:47,000 --> 00:10:49,000 もう皆さんのものですから 281 00:10:49,000 --> 00:10:51,000 募金でも何でも 282 00:10:51,000 --> 00:10:53,000 好きなように使えます 283 00:10:53,000 --> 00:10:56,000 もうちょっと儲かる選択肢があったとします 284 00:10:56,000 --> 00:10:59,000 一つめの選択肢はリスクを伴います 285 00:10:59,000 --> 00:11:01,000 私がコインを投げて表が出たら 286 00:11:01,000 --> 00:11:03,000 もう1000ドルプラス 287 00:11:03,000 --> 00:11:05,000 裏が出たら何もなし 288 00:11:05,000 --> 00:11:08,000 増える確率はありますが 高リスクです 289 00:11:08,000 --> 00:11:11,000 もう一つの選択肢は 安全志向 290 00:11:11,000 --> 00:11:13,000 金額は500ドルですが 291 00:11:13,000 --> 00:11:16,000 確実にもらえるとしたら 292 00:11:16,000 --> 00:11:18,000 どちらを選びますか 293 00:11:18,000 --> 00:11:21,000 大半の人は安全な方を選びます 294 00:11:21,000 --> 00:11:24,000 1500ドルが確実に手に入るなら 賭ける必要はないと言うのです 295 00:11:24,000 --> 00:11:26,000 慎重な選択と言えますね 296 00:11:26,000 --> 00:11:28,000 人はリスクを負うのが嫌なため 297 00:11:28,000 --> 00:11:30,000 合理的だと思うかもしれませんが 298 00:11:30,000 --> 00:11:32,000 同じ問題の 299 00:11:32,000 --> 00:11:34,000 状況を変えた場合 300 00:11:34,000 --> 00:11:36,000 どうなるか見てみましょう 301 00:11:36,000 --> 00:11:38,000 皆さんに2000ドルを 302 00:11:38,000 --> 00:11:41,000 渡したと想像してください 303 00:11:41,000 --> 00:11:43,000 先ほどの2倍も 304 00:11:43,000 --> 00:11:45,000 好きなものが買えます 305 00:11:45,000 --> 00:11:47,000 ここで選択です 306 00:11:47,000 --> 00:11:49,000 先ほどとは違って 307 00:11:49,000 --> 00:11:52,000 どのようにお金を失うかを考えてもらいます 308 00:11:52,000 --> 00:11:54,000 選択肢は同じ 309 00:11:54,000 --> 00:11:56,000 リスクを伴う選択肢は 310 00:11:56,000 --> 00:11:59,000 表が出たら1000ドル失いますが 311 00:11:59,000 --> 00:12:02,000 裏が出たら何も失わずに済みます 312 00:12:02,000 --> 00:12:05,000 リスクをかけたくなければ 313 00:12:05,000 --> 00:12:08,000 私に500ドルを渡すだけ 314 00:12:08,000 --> 00:12:11,000 眉にしわを寄せる人が見えますね 315 00:12:11,000 --> 00:12:13,000 きっと皆さんも 316 00:12:13,000 --> 00:12:15,000 この実験の対象者と同様に 317 00:12:15,000 --> 00:12:17,000 この選択肢を与えられると 318 00:12:17,000 --> 00:12:19,000 安全な方は選ばないのかもしれません 319 00:12:19,000 --> 00:12:21,000 人はリスクをかける傾向にあるのです 320 00:12:21,000 --> 00:12:24,000 これが合理的でないのは どちらの状況も 321 00:12:24,000 --> 00:12:26,000 選択肢が同じだったからです 322 00:12:26,000 --> 00:12:29,000 1000ドルか2000ドルのどちらかになる選択肢と 323 00:12:29,000 --> 00:12:31,000 1500ドルと決まった選択肢 324 00:12:31,000 --> 00:12:34,000 でも 伴うリスクに関わる直感は 325 00:12:34,000 --> 00:12:36,000 立たされた状況によって異なります 326 00:12:36,000 --> 00:12:38,000 どういうことでしょうか 327 00:12:38,000 --> 00:12:40,000 これは心理的な面から生まれる 328 00:12:40,000 --> 00:12:43,000 少なくとも二つの先入観が関係しています 329 00:12:43,000 --> 00:12:46,000 まず 絶対数で考える難しさです 330 00:12:46,000 --> 00:12:48,000 1000ドルか2000ドルの選択肢と 331 00:12:48,000 --> 00:12:50,000 1500ドルの選択肢を 332 00:12:50,000 --> 00:12:52,000 天秤にかけなくてはいけません 333 00:12:52,000 --> 00:12:55,000 でも選択肢が変わり 334 00:12:55,000 --> 00:12:58,000 相対的に考えるのは簡単です 335 00:12:58,000 --> 00:13:01,000 もっともらえる とか 失う額は少ない という具合です 336 00:13:01,000 --> 00:13:03,000 これはいいのですが 337 00:13:03,000 --> 00:13:05,000 捉え方を変えることで 338 00:13:05,000 --> 00:13:07,000 選択肢の妥当性の 339 00:13:07,000 --> 00:13:09,000 見極めに影響します 340 00:13:09,000 --> 00:13:11,000 これは二つめの傾向につながり 341 00:13:11,000 --> 00:13:13,000 経済学者は損失回避と呼んでいます 342 00:13:13,000 --> 00:13:16,000 赤字になることを嫌うという意味です 343 00:13:16,000 --> 00:13:18,000 人は損失を嫌うため 344 00:13:18,000 --> 00:13:20,000 損失を避けようと 345 00:13:20,000 --> 00:13:22,000 することがあります 346 00:13:22,000 --> 00:13:24,000 最後のシナリオで見たのは 347 00:13:24,000 --> 00:13:26,000 対象者はリスクをかけます 348 00:13:26,000 --> 00:13:29,000 何も失いたくないからです 349 00:13:29,000 --> 00:13:31,000 これは我々が 350 00:13:31,000 --> 00:13:33,000 損失の覚悟があるとき 351 00:13:33,000 --> 00:13:35,000 非常に厄介になり得るのですが 352 00:13:35,000 --> 00:13:37,000 リスクを負うことが多くなります 353 00:13:37,000 --> 00:13:40,000 始末の悪い様々な状況を作り出すものです 354 00:13:40,000 --> 00:13:43,000 株投資家が株を売らないがために損失を出すのは 355 00:13:43,000 --> 00:13:45,000 相対的に考えているからです 356 00:13:45,000 --> 00:13:47,000 住宅市場の人たちが不動産を売り渋ったのは 357 00:13:47,000 --> 00:13:49,000 損を承知で売りたくなかったからです 358 00:13:49,000 --> 00:13:51,000 猿も同じ傾向を示すのか 359 00:13:51,000 --> 00:13:53,000 私たちは興味がありました 360 00:13:53,000 --> 00:13:56,000 猿の市場でも同じ状況をつくりだしたら 361 00:13:56,000 --> 00:13:58,000 人間と同じことをするでしょうか 362 00:13:58,000 --> 00:14:00,000 そこで私たちは猿に選択肢を与え 363 00:14:00,000 --> 00:14:03,000 常に同じことをする安全な人と 364 00:14:03,000 --> 00:14:05,000 50%の確率で違う事をする 365 00:14:05,000 --> 00:14:07,000 リスク型の人を用意しました 366 00:14:07,000 --> 00:14:09,000 そして初めのシナリオのように 367 00:14:09,000 --> 00:14:11,000 ボーナスがもらえるようにしました 368 00:14:11,000 --> 00:14:13,000 儲かるチャンスでもあり 369 00:14:13,000 --> 00:14:16,000 失う可能性も出てきます 370 00:14:16,000 --> 00:14:18,000 実際よりも儲けたと思うのです 371 00:14:18,000 --> 00:14:20,000 このような感じです 372 00:14:20,000 --> 00:14:22,000 新しい販売員を紹介します 373 00:14:22,000 --> 00:14:24,000 どちらも持っているのは ぶどう1粒 374 00:14:24,000 --> 00:14:26,000 見た目はいいですが 375 00:14:26,000 --> 00:14:28,000 ボーナスが出てきます 376 00:14:28,000 --> 00:14:30,000 左の人はおまけをくれるので 377 00:14:30,000 --> 00:14:33,000 合計2粒のぶどうがもらえます 378 00:14:33,000 --> 00:14:35,000 右の人はリスク型で 379 00:14:35,000 --> 00:14:38,000 何もくれない時がありますが 380 00:14:38,000 --> 00:14:41,000 時々2粒もらえるため 381 00:14:41,000 --> 00:14:43,000 合計3粒のときがあります 382 00:14:43,000 --> 00:14:45,000 これは皆さんが直面したものと同じ 383 00:14:45,000 --> 00:14:48,000 猿はリスクを回避して 384 00:14:48,000 --> 00:14:50,000 毎回おまけをくれる人を選ぶのか 385 00:14:50,000 --> 00:14:52,000 それとも 386 00:14:52,000 --> 00:14:54,000 何ももらえない時を覚悟して 387 00:14:54,000 --> 00:14:56,000 大きなボーナスを得ようとするでしょうか 388 00:14:56,000 --> 00:14:58,000 人間は安全な方を選びました 389 00:14:58,000 --> 00:15:00,000 結果は猿も同じでした 390 00:15:00,000 --> 00:15:02,000 質的にも量的にも 391 00:15:02,000 --> 00:15:04,000 猿は人間と同じ― 392 00:15:04,000 --> 00:15:06,000 判断を下しました 393 00:15:06,000 --> 00:15:08,000 猿の損失との向き合い方を 394 00:15:08,000 --> 00:15:10,000 明らかにするために 395 00:15:10,000 --> 00:15:12,000 別の実験を行いました 396 00:15:12,000 --> 00:15:14,000 ここでは 何もくれない 397 00:15:14,000 --> 00:15:16,000 2人の人に会います 398 00:15:16,000 --> 00:15:18,000 ぶどうの数が多いので 399 00:15:18,000 --> 00:15:20,000 たくさんもらえる印象を与えます 400 00:15:20,000 --> 00:15:22,000 3粒のぶどうに猿は大喜び 401 00:15:22,000 --> 00:15:25,000 でも3粒はもらえないことがわかります 402 00:15:25,000 --> 00:15:27,000 左の人は安全型で 403 00:15:27,000 --> 00:15:30,000 毎度 ぶどう1粒を取り上げて 404 00:15:30,000 --> 00:15:32,000 猿には2粒だけ渡します 405 00:15:32,000 --> 00:15:34,000 右の人はリスク型で 406 00:15:34,000 --> 00:15:37,000 3粒くれることもあるため 猿は喜びますが 407 00:15:37,000 --> 00:15:39,000 時々大きな損をする羽目になり 408 00:15:39,000 --> 00:15:41,000 1粒しかくれません 409 00:15:41,000 --> 00:15:43,000 猿はどうしたでしょうか 410 00:15:43,000 --> 00:15:45,000 安全型は 411 00:15:45,000 --> 00:15:48,000 毎度2粒もらえます 412 00:15:48,000 --> 00:15:51,000 リスク型は3粒の時と1粒の時が混在します 413 00:15:51,000 --> 00:15:54,000 私たちが驚いたのは 猿にこの選択をさせたとき 414 00:15:54,000 --> 00:15:56,000 人間と同様に非合理的な選択をすることです 415 00:15:56,000 --> 00:15:58,000 実験を どう始めるかによって 416 00:15:58,000 --> 00:16:01,000 猿はリスク型を選ぶのです 417 00:16:01,000 --> 00:16:03,000 猿も物事を相対的に 418 00:16:03,000 --> 00:16:05,000 見ていることを示唆しており 419 00:16:05,000 --> 00:16:08,000 損失と儲けは同じ方法では扱っていません 420 00:16:08,000 --> 00:16:10,000 これはどういうことでしょうか 421 00:16:10,000 --> 00:16:12,000 第一に 猿に対して 422 00:16:12,000 --> 00:16:14,000 金融価値のあるお金を与えると 423 00:16:14,000 --> 00:16:16,000 人間と似たことをします 424 00:16:16,000 --> 00:16:18,000 賢い行動もしますが 425 00:16:18,000 --> 00:16:20,000 盗みなどの 426 00:16:20,000 --> 00:16:22,000 好ましくないことをしたり 427 00:16:22,000 --> 00:16:24,000 非合理的なこともするのです 428 00:16:24,000 --> 00:16:26,000 猿は人間と同様に 429 00:16:26,000 --> 00:16:28,000 体系的な失敗をします 430 00:16:28,000 --> 00:16:30,000 これがまず第一に示したい点です 431 00:16:30,000 --> 00:16:32,000 猿の金融アドバイザーを雇おうと 432 00:16:32,000 --> 00:16:34,000 考えた方がいると思いますが 433 00:16:34,000 --> 00:16:36,000 猿はかわいいけれど 434 00:16:36,000 --> 00:16:38,000 人間の金融アドバイザー同様に 435 00:16:38,000 --> 00:16:41,000 愚かですから お勧めしません 436 00:16:41,000 --> 00:16:43,000 ごめんなさい 437 00:16:43,000 --> 00:16:45,000 言い方が悪かったわ 438 00:16:45,000 --> 00:16:48,000 皆さんが笑うのも 人間の弱点を知っているからですよね 439 00:16:48,000 --> 00:16:51,000 初めの質問で答えたからわかりますね 440 00:16:51,000 --> 00:16:53,000 このような間違いは どこから始まるのでしょうか 441 00:16:53,000 --> 00:16:55,000 私たちの願いは 442 00:16:55,000 --> 00:16:57,000 金融制度や技術に 443 00:16:57,000 --> 00:17:00,000 ひねりを入れて向上させることでした 444 00:17:00,000 --> 00:17:03,000 でもわかったのは このような傾向はもっと深い部分から発生していることです 445 00:17:03,000 --> 00:17:05,000 人間が進化してきた中に 446 00:17:05,000 --> 00:17:07,000 理由が見つけられる可能性もあります 447 00:17:07,000 --> 00:17:09,000 愚かな面が見られるのは 448 00:17:09,000 --> 00:17:11,000 人間だけなのではなく 449 00:17:11,000 --> 00:17:13,000 大昔から猿にも見られたのかもしれません 450 00:17:13,000 --> 00:17:16,000 猿の実験結果を信用するとしたら 451 00:17:16,000 --> 00:17:18,000 この愚かな策略は 452 00:17:18,000 --> 00:17:20,000 3500万年も続いているのかもしれません 453 00:17:20,000 --> 00:17:22,000 この古くからある策略は 454 00:17:22,000 --> 00:17:25,000 ずっと変わらないままなのです 455 00:17:25,000 --> 00:17:27,000 他にはどのようなものがあるでしょうか 456 00:17:27,000 --> 00:17:30,000 愚かな策略を克服するのは大変なのです 457 00:17:30,000 --> 00:17:32,000 人間は進化するうちに 458 00:17:32,000 --> 00:17:35,000 甘いものや脂肪分の多いものを好むようになりました 459 00:17:35,000 --> 00:17:37,000 美味しさを知っているので 460 00:17:37,000 --> 00:17:40,000 デザートを見たときに まずそうとは思わず 461 00:17:40,000 --> 00:17:42,000 体にはプラスだと 462 00:17:42,000 --> 00:17:44,000 思うようになっています 463 00:17:44,000 --> 00:17:46,000 経済的な決断に関しても 464 00:17:46,000 --> 00:17:48,000 同じことが起こるというのが 465 00:17:48,000 --> 00:17:50,000 私の推測です 466 00:17:50,000 --> 00:17:52,000 株が下落したり 467 00:17:52,000 --> 00:17:54,000 不動産価値が下がるとき 468 00:17:54,000 --> 00:17:56,000 進化的な意味で 469 00:17:56,000 --> 00:17:58,000 解釈してしまいます 470 00:17:58,000 --> 00:18:00,000 投資家を失敗に招いたり 471 00:18:00,000 --> 00:18:02,000 差し押さえをつくり出す先入観を 472 00:18:02,000 --> 00:18:04,000 乗り越えるのは 473 00:18:04,000 --> 00:18:06,000 非常に難しいことを指しています 474 00:18:06,000 --> 00:18:08,000 これが悲しい現実ですが 475 00:18:08,000 --> 00:18:10,000 喜ばしいことも必要ですね 476 00:18:10,000 --> 00:18:12,000 肯定的側面は 477 00:18:12,000 --> 00:18:14,000 冒頭で触れたように 478 00:18:14,000 --> 00:18:16,000 人間は賢いだけではなく 479 00:18:16,000 --> 00:18:18,000 生物界の中でも 480 00:18:18,000 --> 00:18:21,000 感動するほどに 481 00:18:21,000 --> 00:18:24,000 賢いことです 482 00:18:24,000 --> 00:18:26,000 羽をバタバタさせなくても 483 00:18:26,000 --> 00:18:28,000 ここまで飛行機で来れましたし 484 00:18:28,000 --> 00:18:31,000 今しているように コンタクトを使用すれば 485 00:18:31,000 --> 00:18:34,000 近視でも皆さんがちゃんと見えます 486 00:18:34,000 --> 00:18:36,000 このように人間は 487 00:18:36,000 --> 00:18:39,000 生まれもった力の限界を 488 00:18:39,000 --> 00:18:42,000 技術などを使って容易に乗り越えています 489 00:18:42,000 --> 00:18:45,000 でも限界があることを認識しなければいけません 490 00:18:45,000 --> 00:18:47,000 厄介なことです 491 00:18:47,000 --> 00:18:49,000 作家のカミュは言いました 492 00:18:49,000 --> 00:18:52,000 “人間は 本来の姿でいることを拒む唯一の種だ” 493 00:18:52,000 --> 00:18:54,000 限界を知らない限り 494 00:18:54,000 --> 00:18:56,000 限界を乗り越えることは 495 00:18:56,000 --> 00:18:58,000 無理かもしれないのが皮肉ですが 496 00:18:58,000 --> 00:19:01,000 克服できない限界として考えるのではなく 497 00:19:01,000 --> 00:19:04,000 限界を認識して 受け入れて 498 00:19:04,000 --> 00:19:06,000 デザイン界に答えを 499 00:19:06,000 --> 00:19:09,000 見つけ出せる希望を抱けます 500 00:19:09,000 --> 00:19:12,000 これこそ人間の可能性を最大限にして 501 00:19:12,000 --> 00:19:14,000 立派な種と名乗るための 502 00:19:14,000 --> 00:19:17,000 唯一の方法かもしれません 503 00:19:17,000 --> 00:19:19,000 ありがとう 504 00:19:19,000 --> 00:19:24,000 (拍手)