群衆事故を防止し、人の命を救う発明
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0:01 - 0:02私がまだ9歳のとき
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0:02 - 0:07祖父は 彼が6年前に目撃した
恐怖を教えてくれました -
0:07 - 0:10私の故郷であるインドのナーシクで
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0:10 - 0:12群衆事故で 39人が亡くなったのです
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0:12 - 0:16それは 2003年 ナーシクの
クンブ・メーラでの出来事でした -
0:16 - 0:19クンブ・メーラは
世界最大の巡礼行事の1つです -
0:19 - 0:2312年に1回 3千万人以上の
ヒンズー教の巡礼者が -
0:23 - 0:25普段 たった150万人しかいない
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0:25 - 0:27私の街に押し寄せ
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0:27 - 0:2945日間滞在します
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0:30 - 0:33巡礼の目的は ゴーダーヴァリ川に沐浴して
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0:33 - 0:35彼らの罪すべてを洗い流すことです
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0:36 - 0:38そして 群衆事故は簡単に起こります
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0:38 - 0:41なぜなら 高密度の群衆が
ゆっくり移動するからです -
0:42 - 0:46クンブ・メーラは ナーシク以外の3箇所でも
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0:46 - 0:48異なる頻度で開催されます
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0:48 - 0:51そして 2001年から2014年までの間
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0:51 - 0:56クンブ・メーラの群衆事故によって
2,400名以上が命を落としました -
0:57 - 0:59私が一番悲しかったのは
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0:59 - 1:04身近な人々が
この街の運命に身を任せ -
1:04 - 1:08クンブ・メーラのたびに
何十人も ただ命を落としていくのを -
1:08 - 1:09見ているだけという状況でした
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1:09 - 1:11私は この状況を変えようと思いました
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1:11 - 1:14なぜ私は この状況の解決策を探せないのかと
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1:14 - 1:15なぜなら この状況は間違っているからです
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1:16 - 1:19小さなころからプログラミングを学んで
工作好きになり -
1:19 - 1:21大胆なアイデアを考えていました
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1:21 - 1:22(笑)
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1:22 - 1:23[「工作好き」は常に道を見つける]
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1:23 - 1:27大胆なアイデアを考えていました
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1:27 - 1:29人の動きを制御するシステムのアイデアです
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1:29 - 1:32そして 次の2015年のクンブ・メーラで
システムを使い -
1:32 - 1:36群衆事故と できれば死亡事故を
減らそうと考えました -
1:36 - 1:39それは 不可能なミッションのようであり
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1:39 - 1:40大きすぎる夢に思えました
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1:40 - 1:4315歳の少年には なおさらです
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1:43 - 1:46でも この夢は2015年に実現しました
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1:46 - 1:49このとき
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1:49 - 1:53群衆事故を減らしただけでなく
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1:53 - 1:55初めて ナーシクのクンブ・メーラで
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1:55 - 1:59群衆事故0件を達成しました
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2:00 - 2:05(拍手)
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2:05 - 2:07これは 記録されている歴史のなかで
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2:07 - 2:10初めての犠牲者なしのクンブ・メーラでした
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2:11 - 2:12どうやったのでしょう?
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2:13 - 2:16始まりは MITメディアラボの
イノベーション・ワークショップ -
2:16 - 2:18「クンバソン」(Kumbhathon)に
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2:18 - 2:202014年に参加したことでした
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2:20 - 2:25これは 大規模なクンブ・メーラでの問題を
解決するためのチャレンジでした -
2:26 - 2:30群衆事故を解決するのに
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2:30 - 2:32われわれが
知りたかったことは たった3つ -
2:33 - 2:35人数 場所
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2:35 - 2:39そして1分あたりの人の流れです
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2:39 - 2:43われわれは
この3つを知るための技術を探しました -
2:44 - 2:48人々の識別に 無線機器を配ることは
どうでしょう? -
2:48 - 2:523千万個の機器を配るなんて
費用は高いし -
2:52 - 2:54実用的ではないでしょう
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2:55 - 2:58カメラと画像処理技術を使うことは
どうでしょう? -
2:58 - 3:00この規模では費用がかかりすぎます
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3:00 - 3:03持ち運びが難しいし
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3:03 - 3:06雨が降ったら まったく役に立ちません
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3:06 - 3:08雨は クンブ・メーラにはつきものです
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3:09 - 3:11携帯電話の中継局を使うのは
どうでしょう? -
3:12 - 3:14これは 完璧な解決法のように思えます
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3:14 - 3:16しかし 奇妙なことに
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3:16 - 3:19クンブ・メーラのようなイベントで
ほとんどの人は -
3:19 - 3:20携帯電話を持ってこないのです
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3:21 - 3:25また 携帯電話だと 十分に細かい情報が
得られません -
3:25 - 3:27だから私たちは リアルタイムで動き
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3:27 - 3:30安価で 壊れにくく 水にも強く
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3:30 - 3:33簡単に処理できるデータを
得る方法が必要でした -
3:34 - 3:36そこで私たちは「アシオト」を作りました
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3:36 - 3:38アシオトは 日本語で足音を意味します
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3:38 - 3:42これは 圧力センサー入りの
持ち運べるマットで -
3:42 - 3:45その上を歩く人数をカウントできます
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3:45 - 3:47データは インターネット経由で
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3:47 - 3:50私たちの先進的データ解析ソフトに送られます
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3:50 - 3:54起こりうる間違い たとえば
オーバーカウントつまり2回踏みの問題は -
3:54 - 3:56デザインの工夫で解決しました
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3:57 - 4:00最適なマットの幅は46cmでした
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4:00 - 4:03これは 多数の試作品のテストと
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4:03 - 4:05人の歩幅の平均値に基づいて決めました
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4:06 - 4:09そうしないと
人はセンサを跨いでしまうことがあるのです -
4:09 - 4:12私たちは3日で
段ボールとアルミホイルを使った -
4:12 - 4:15試作品を作りました
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4:15 - 4:16(笑)
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4:16 - 4:18これは実際に上手くいきました
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4:18 - 4:21次に アルミ複合パネルと
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4:21 - 4:22圧力を電気パルスに変える
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4:22 - 4:26圧電プレートを使った試作品も作りました
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4:27 - 4:30私たちは
混雑したレストラン -
4:30 - 4:34ショッピングモール
寺院など30か所でテストし -
4:34 - 4:36人がどう反応するかを観察しました
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4:37 - 4:39人々はこのテストに協力的でした
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4:39 - 4:45なぜなら 彼らは地元の人々が
地域の問題に取り組むことを喜んだからです -
4:46 - 4:49私は15歳
ほかのメンバーも20歳代前半でした -
4:50 - 4:54センサーに色をつけると
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4:54 - 4:57人々は怖がって私たちに質問しました
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4:57 - 4:59「踏むと感電死するの?」
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4:59 - 5:00(笑)
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5:00 - 5:05あるいは もし地面に
電気のセンサーがすぐに見えると -
5:05 - 5:06人々は飛び越えちゃうんです
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5:06 - 5:07(笑)
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5:07 - 5:10だから 私たちはセンサーに
カバーをすることにしました -
5:10 - 5:14そうすると
人は地面の物を心配せずに済みます -
5:14 - 5:16何度かの実験の末
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5:16 - 5:18私たちは ある産業用センサーを
使うことにしました -
5:18 - 5:21危険区域での安全装置に使われるものを
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5:21 - 5:23センサーにして
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5:23 - 5:25黒いネオプレンゴムのシートを
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5:25 - 5:26カバーにしました
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5:26 - 5:29黒いゴムを使うもう1つのメリットは
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5:29 - 5:33ほこりが表面を勝手に覆うので
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5:33 - 5:36地面とのカモフラージュになることです
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5:36 - 5:41さらに センサの厚みは
12mmより薄くしなければなりません -
5:41 - 5:43そうしないと 人々はセンサーにつまづいて
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5:43 - 5:45群衆事故を起こしてしまうからです
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5:46 - 5:50(笑)
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5:50 - 5:51それは望んでいません
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5:51 - 5:53(笑)
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5:53 - 5:57センサーは 10mmの厚みにできました
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5:57 - 6:00いまや データはリアルタイムで
サーバに送られ -
6:00 - 6:02地面にある全デバイスの情報に基づいて
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6:02 - 6:05ヒートマップが描画されます
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6:05 - 6:09もし群衆の動きが遅くなったり
群衆密度が閾値を超えたりしたら -
6:09 - 6:12当局の担当者へ警告が送られます
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6:13 - 6:182015年のナーシクのクンブ・メーラで
5枚のマットを使って -
6:18 - 6:2050万人以上の動きを
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6:20 - 6:2218時間 監視し続けました
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6:22 - 6:27個々のチェックポイントからの
データをリアルタイムで利用できるようにして -
6:27 - 6:28人の動きを安全に保つことができました
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6:28 - 6:32いま このシステムは
ほかのイノベーションとの組み合わせで -
6:32 - 6:35クンブ・メーラでの群衆事故の
完全防止に役立っています -
6:36 - 6:38クンブ・メーラで使われた
アシオトのプログラムコードは -
6:38 - 6:42まもなく公開され
誰でも無料で使えるようになります -
6:42 - 6:45誰かがこのコードを使い
多くの集会を安全にできるなら -
6:45 - 6:46私はうれしいです
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6:47 - 6:49クンブ・メーラでの成功によって
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6:49 - 6:53私は 群衆事故に遭うかもしれない
ほかの人々を助けたいと思いました -
6:53 - 6:56このシステムは 多数の人々が集まるような
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6:56 - 6:58どんなイベントにも適用できるよう
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6:58 - 7:01設計されています
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7:01 - 7:05そして 私の新しい夢は
このシステムを改良し -
7:05 - 7:11世界中に適用し 生命が奪われることを防ぎ
人々の流れの安全を確保することです -
7:11 - 7:14なぜなら すべての人の魂は尊いからです
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7:14 - 7:16それがコンサートや
スポーツイベントであっても -
7:16 - 7:19アラーハーバードの
マハー・クンブ・メーラであっても -
7:19 - 7:20メッカの巡礼であっても
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7:20 - 7:22シーア派のカルバラ巡礼であっても
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7:22 - 7:23バチカン市においても
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7:24 - 7:26どう思いますか?
できると思いますか? -
7:26 - 7:27(観衆)できる!
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7:27 - 7:28ありがとうございます
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7:28 - 7:29(歓声)
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7:29 - 7:32(拍手)
- Title:
- 群衆事故を防止し、人の命を救う発明
- Speaker:
- ニレイ・クルカーニ
- Description:
-
3年に一度、3千万人以上のヒンズー教の巡礼者が、罪を洗い流すため、インドで開かれる世界最大の巡礼行事「クンブ・メーラ」に集結します。大規模な群衆が小さな都市や町に向かうことで必然的に群衆事故が発生し、2003年には39名が亡くなりました。2014年、当時15歳のニレイ・クルカーニは、独学のプログラマーとして、彼のスキルで群衆事故を防ぐ技術を作ろうと決心しました。彼の発明をもっと知りましょう。そして、2015年のナーシクのクンブ・メーラで、彼の発明が群衆事故ゼロ、死傷者ゼロの達成にどう役立ったかを見ていきましょう。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 07:45
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