高さ1.6キロメートルのビルは建てられるの?/ステファン・アル
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0:07 - 0:081956年
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0:08 - 0:10建築家フランク・ロイド・ライトが
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0:10 - 0:14高さ1マイル(約1.6キロメートル)の
超高層ビルの建造を計画しました -
0:14 - 0:16世界一高いビルになるはずでした
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0:16 - 0:17飛び抜けて高く
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0:17 - 0:20エッフェル塔の5倍の高さです
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0:20 - 0:23でも 多くの批評家が
ライトを嘲笑しました -
0:23 - 0:26何時間もエレベーターを待つことになるし
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0:26 - 0:31もっと悪いことに ビルの自重で
潰れることもあるのでは と言ったのです -
0:31 - 0:32技術者もそう考えたので
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0:32 - 0:35有名な計画ではあったものの
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0:35 - 0:38巨大なビルはついに建てられませんでした
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0:38 - 0:39けれども現在では
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0:39 - 0:42世界中で次々とより高いビルが
建てられています -
0:42 - 0:46高さ1キロメートルを超える
超高層ビルの建設さえ 企業が計画中で -
0:46 - 0:49サウジアラビアのジッダ・タワーは
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0:49 - 0:52エッフェル塔3つを重ねた高さです
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0:52 - 0:53もうすぐ
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0:53 - 0:56ライトが夢見た1マイルビルも
実現するかもしれません -
0:56 - 0:58ではいったいなぜ
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0:58 - 1:01こうしたマンモスビルを70年前に
建てられなかったのか -
1:01 - 1:05そして 現在では 高さ1マイルのビルを
どうやって建てているのでしょう? -
1:05 - 1:07どんなビルの建設でも
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1:07 - 1:12どの階も それより上の階を
支えなければなりません -
1:12 - 1:13ビルを高くするほど
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1:13 - 1:18下の階がより上層の階から
受ける重みは大きくなります -
1:18 - 1:21建物の形は長い間
この原理の制約を受けてきたため -
1:21 - 1:24古代の建築家は
ピラミッド型を好みました -
1:24 - 1:27広い底部が より軽い上部を支える形です
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1:27 - 1:31でもこの方法は
都市の高層デザインには不向きです -
1:31 - 1:35これほど高いピラミッドの底は
幅がおよそ1.5マイルとなり -
1:35 - 1:38都市の中心部ではスペースが足りません
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1:38 - 1:43幸いにも コンクリートなど強度の高い
材料のおかげで 非実用的な形を回避できます -
1:43 - 1:48鉄筋と共に用いられる現代のコンクリートは
強化されており -
1:48 - 1:52しかも 吸水ポリマーが
ひび割れを防いでくれます -
1:52 - 1:56ドバイにある世界一高いビル
ブルジュ・ハリファのコンクリートは -
1:56 - 2:011平方メートルあたり
8,000トンもの重さに耐えることができます -
2:01 - 2:06アフリカゾウ1,200頭分の重さです
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2:06 - 2:08もちろんビルが
自重を支えられたとしても -
2:08 - 2:10地盤がこれを支える必要があります
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2:10 - 2:12基礎工事をしなければ
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2:12 - 2:16ビルはその重さで沈んだり
傾いたりしてしまいます -
2:16 - 2:19約50万トンのこのビルが沈まないように
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2:19 - 2:25深さ50メートル以上にまで打ち込まれた
コンクリートと鉄でできた支持物である -
2:25 - 2:27192本の杭が支えています
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2:27 - 2:33杭と地盤のあいだの摩擦力で
大きなビルが支えられているのです -
2:33 - 2:36高層ビルは 沈めようとする重力のほか
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2:36 - 2:42横に倒そうとする
風の力にも耐えなければなりません -
2:42 - 2:43普通の日でも
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2:43 - 2:49風はビルの壁に1平方メートルあたり
最大8キログラムの力を及ぼすことがあります -
2:49 - 2:52これはボウリングボールの重さに
相当します -
2:52 - 2:55中国にあるスリムな
上海タワーのように -
2:55 - 2:57空気力学的な設計にすると
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2:57 - 3:00この力を最大で4分の1まで
減らせます -
3:00 - 3:03ビルの内側と外側の耐風設計によって
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3:03 - 3:06残りの風力を吸収します
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3:06 - 3:08ソウルのロッテワールドタワーが
その例です -
3:08 - 3:11これほど手を尽くしても
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3:11 - 3:14台風のとき最上階にいると
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3:14 - 3:171メートル以上 前後に揺れる
経験をすることがあります -
3:17 - 3:20風による揺れを防ぐため
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3:20 - 3:25高層ビルの多くには
何百トンという重さの -
3:25 - 3:28TMD(制振装置)と呼ばれる
重りが設置されています -
3:28 - 3:30例えば台北101では
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3:30 - 3:35ビルの87階の上に
巨大な金属の球をつるしてあります -
3:35 - 3:39風が吹くとこの球が揺れはじめて
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3:39 - 3:42ビルの揺れを吸収します
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3:42 - 3:44球がビルの揺れに合わせて動くと
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3:44 - 3:47球とビルの間の水圧シリンダーが
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3:47 - 3:49運動エネルギーを熱にかえ
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3:49 - 3:52ビルを安定させます
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3:52 - 3:55こうした技術の結集により
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3:55 - 3:58巨大なビルが安定して
立っていられるのです -
3:58 - 4:03でもこれほど大きなビルの中を
すばやく移動するのも大変です -
4:03 - 4:04ライトの時代には
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4:04 - 4:08どんなに早いエレベーターでも
時速はたった22キロメートルでした -
4:08 - 4:14ありがたいことに今ではもっと早く
時速70キロメートル以上です -
4:14 - 4:18今後は摩擦のない磁石を
ガイドレールとして使うことで -
4:18 - 4:19さらに速くなりそうです
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4:19 - 4:23また運行を制御するアルゴリズムが
必要に応じて -
4:23 - 4:28乗客や空のリフトを行先別に
グループ化します -
4:28 - 4:33ライトが1マイルビルを計画して以来
高層ビルは大きく進化してきました -
4:33 - 4:35昔は無理だと思われたアイデアが
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4:35 - 4:38実行可能な建築技術となったのです
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4:38 - 4:40今となっては
高さ2マイルのビルさえも -
4:40 - 4:44時間の問題かもしれません
- Title:
- 高さ1.6キロメートルのビルは建てられるの?/ステファン・アル
- Speaker:
- ステファン・アル
- Description:
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1956年、建築家フランク・ロイド・ライトが高さ1マイル(約1.6キロメートル)の超高層ビルの建造を計画しました。エッフェル塔5つ分の高さです。このビルは実現しませんでしたが、こんにちでは世界中で次々とより高いビルが建てられています。無理に思えたアイデアが、どのようにして現実に建造可能な建築となったのでしょうか。巨大なビルがどうやって都市にそびえ立つようになったかを、ステファン・アルが解説します。
レッスン:ステファン・アル、監督:TED-Ed
*このビデオの教材 : https://ed.ted.com/lessons/will-there-ever-be-a-mile-high-skyscraper-stefan-al
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:44
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Tomoyuki Suzuki accepted Japanese subtitles for Will there ever be a mile-high skyscraper? | |
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Haruka Nomura edited Japanese subtitles for Will there ever be a mile-high skyscraper? | |
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