記憶が語るフィクション
-
0:01 - 0:05私が関わった訴訟について
お話しします -
0:05 - 0:08スティーブ・タイタス
という男性の事件です -
0:08 - 0:11タイタスは
レストランの支配人で -
0:11 - 0:16当時31歳で
ワシントン州シアトル在住でした -
0:16 - 0:17グレッチェンという婚約者がいて
-
0:17 - 0:20運命の人との結婚を
間近に控えていました -
0:20 - 0:23ある夜 二人は
-
0:23 - 0:26おしゃれなレストランで
食事を楽しみ -
0:26 - 0:27家に戻る途中
-
0:27 - 0:30警官に止められました
-
0:30 - 0:34その日の夕方
女性ヒッチハイカーが -
0:34 - 0:37男にレイプされる事件が
あったのですが -
0:37 - 0:41タイタスの車は
レイプ犯の車と似たところがあり -
0:41 - 0:44タイタス自身も 犯人と
どこか似ているというのです -
0:44 - 0:47そこで 警察は
タイタスの写真を撮り -
0:47 - 0:50ほかの人の写真と一緒に
-
0:50 - 0:52被害者に見せました
-
0:52 - 0:54すると 被害者は
タイタスの写真を指差し -
0:54 - 0:58「この人が一番近い」
と言ったのです -
0:58 - 1:02警察と検察は
逮捕・起訴に踏み切りました -
1:02 - 1:05スティーブ・タイタスが
強姦罪で公判に付されたとき -
1:05 - 1:07レイプの被害者は
証言台に立ち -
1:07 - 1:11こう言いました
「この人で 絶対に間違いない」 -
1:11 - 1:14タイタスは
有罪判決を受けました -
1:14 - 1:16彼は無実だと主張し
-
1:16 - 1:19家族も
陪審に叫び声をあげ -
1:19 - 1:22婚約者は
その場に泣き崩れました -
1:22 - 1:25そして タイタスは
刑務所へ送られます -
1:25 - 1:29このとき あなたなら
どうしますか? -
1:29 - 1:30どうしますか?
-
1:30 - 1:34タイタスは 司法への信頼を
完全に失いますが -
1:34 - 1:36あることを思いつきます
-
1:36 - 1:38地元の新聞社に電話し
-
1:38 - 1:42ある調査ジャーナリストの
協力を得ることに成功します -
1:42 - 1:47そして そのジャーナリストは
真犯人にたどり着きました -
1:47 - 1:50その男は 最終的に
このレイプを自白し -
1:50 - 1:53この地区で
50件ものレイプをしていたと -
1:53 - 1:55考えられています
-
1:55 - 1:58この情報が
裁判所に提出され -
1:58 - 2:01タイタスは
自由の身となりました -
2:01 - 2:05これで 一件落着し
すべて終わりとなるべきでした -
2:05 - 2:06これで 一件落着し
すべて終わりとなるべきでした -
2:06 - 2:08タイタスにしても
これは 最悪の一年で -
2:08 - 2:12冤罪との闘いも ようやく終わった
と思ったはずです -
2:12 - 2:14でも そうは行きませんでした
-
2:14 - 2:17タイタスは
かなり憤慨していました -
2:17 - 2:20仕事を失い
それを取り戻すこともできず -
2:20 - 2:21婚約者まで失いました
-
2:21 - 2:24彼の しつこい怒りに
婚約者は耐えられなかったのです -
2:24 - 2:26タイタスは
貯金も尽き -
2:26 - 2:29裁判を起こすことを
決意しました -
2:29 - 2:32彼の味わった苦痛の
責任を負うべき― -
2:32 - 2:34警察などを
相手取った裁判です -
2:34 - 2:39私がこの件に関わったのは
その時からで -
2:39 - 2:41私が解明しようとしたのは
-
2:41 - 2:43なぜ 被害者の証言が
-
2:43 - 2:44「この人が一番近い」から
-
2:44 - 2:49「この人で 絶対に間違いない」に
変わったのかです -
2:49 - 2:52タイタスは
この裁判にのめりこみ -
2:52 - 2:55寝ても覚めても
このことばかり考えていました -
2:55 - 2:59裁判所に出廷する
ほんの数日前 -
2:59 - 3:02タイタスは
朝 目覚めると -
3:02 - 3:03身もよじれるほどの
激痛に襲われ -
3:03 - 3:06ストレス性の心臓発作で
亡くなりました -
3:06 - 3:0935歳でした
-
3:09 - 3:14私が タイタスの事件を
頼まれたのは -
3:14 - 3:17私が心理科学者で
-
3:17 - 3:20記憶の研究をしているからです
もう数十年になります -
3:20 - 3:24飛行機で乗り合わせた人と―
-
3:24 - 3:26ここへ来る時にも
ありましたが― -
3:26 - 3:28飛行機で乗り合わせた人と―
-
3:28 - 3:31「お仕事は何を?」という
やりとりをしますよね -
3:31 - 3:32「記憶の研究」と私が答えると
-
3:32 - 3:36たいてい
「人の名前を覚えられない」とか -
3:36 - 3:38「アルツハイマー病や
記憶障害の親戚がいる」という -
3:38 - 3:40話になります
-
3:40 - 3:43でも 私は「忘れる」ことは
研究していないのです -
3:43 - 3:46でも 私は「忘れる」ことは
研究していないのです -
3:46 - 3:49私の研究はその反対で
「記憶する」こと― -
3:49 - 3:52起きてもいないことを
覚えていることや -
3:52 - 3:54実際とは違う風に
覚えていることを -
3:54 - 3:56研究しています
-
3:56 - 4:01私は 虚偽記憶を
研究しているのです -
4:01 - 4:05残念ながら
スティーブ・タイタス以外にも -
4:05 - 4:09他人の虚偽記憶によって
有罪とされた人たちがいます -
4:09 - 4:13米国の あるプロジェクトで
-
4:13 - 4:15無実の罪に問われた―
-
4:15 - 4:19300名の情報を集めました
-
4:19 - 4:23犯していない罪で有罪とされた
この300名の被告は -
4:23 - 4:28刑務所で
10年 20年 30年を過ごし -
4:28 - 4:30今になって
DNA鑑定により -
4:30 - 4:33無実が証明されたのです
-
4:33 - 4:36これらを分析した結果
-
4:36 - 4:384分の3のケースは
-
4:38 - 4:44目撃証人の
「誤った記憶」が原因でした -
4:44 - 4:45なぜ こんなことに?
-
4:45 - 4:48これら無実の人たちを
有罪とした陪審員や -
4:48 - 4:51タイタスを有罪とした
陪審員をはじめ -
4:51 - 4:53多くの人が
記憶というものを -
4:53 - 4:54記録装置と同一視しています
-
4:54 - 4:57人は 情報を
そのまま記録しておいて -
4:57 - 4:59それを呼び出して再生し
-
4:59 - 5:03質問に答えたり
イメージを認識したりするというわけです -
5:03 - 5:05しかし 何十年にもわたる
心理学研究が -
5:05 - 5:08そうではないことを
証明しています -
5:08 - 5:11私たちの記憶は
組み立てられるもので -
5:11 - 5:12再構成もされます
-
5:12 - 5:16記憶は むしろ
ウィキペディアのようなものです -
5:16 - 5:21自ら 内容を書き換えることもできれば
他人が書き換えることもできます -
5:21 - 5:26私が この記憶の構成過程の
研究に着手したのは -
5:26 - 5:281970年代でした
-
5:28 - 5:33そのとき行った実験では
被験者に -
5:33 - 5:35模擬犯罪や事故の現場を見せ
-
5:35 - 5:39覚えていることについて
質問をしました -
5:39 - 5:43ある研究では
模擬事故を見せ -
5:43 - 5:44こう聞きました
-
5:44 - 5:47車がぶつかった時
速度はどれくらいだったか? -
5:47 - 5:49別の人たちには
こう聞きました -
5:49 - 5:52車が激突したとき
速度はどれくらいだったか? -
5:52 - 5:55「激突」という言葉で
質問をしたとき -
5:55 - 5:59証人たちが証言する
車の速度は上がり -
5:59 - 6:03さらに「激突」という言葉を
使うことによって -
6:03 - 6:05ある証言を得る確率が
上がりました -
6:05 - 6:08事故現場で ガラスが割れているのを
見たというのです -
6:08 - 6:12実際は ガラスは
割れていなかったのにです -
6:12 - 6:15別の研究では
車が― -
6:15 - 6:19一時停止の標識がある交差点を
突っ切る模擬事故を見せました -
6:19 - 6:24徐行の標識があったことを
ほのめかす質問をすると -
6:24 - 6:28多くの証人は
交差点にあったのは 徐行の標識で -
6:28 - 6:31一時停止の標識ではなかったと
言いました -
6:31 - 6:33皆さんは
こうお考えかもしれませんね -
6:33 - 6:35これはビデオだから
-
6:35 - 6:36特に緊迫した状況ではないと
-
6:36 - 6:39では もっと緊迫した状況なら
-
6:39 - 6:42同じ間違いは
起こらないのでしょうか? -
6:42 - 6:45答えは 私たちが
ほんの数ヶ月前に -
6:45 - 6:48発表した論文に
載っています -
6:48 - 6:50この研究では
通常と違い -
6:50 - 6:56被験者に 強いストレスのかかる経験を
させたのです -
6:56 - 6:58この研究の被験者は
-
6:58 - 7:01米軍に属し
-
7:01 - 7:05悲惨な訓練に
耐えている人たちでした -
7:05 - 7:08戦争捕虜として
とらえられることが -
7:08 - 7:12どんなものか
学ぶための訓練です -
7:12 - 7:14この訓練の過程で
-
7:14 - 7:18軍人たちは 30分間
-
7:18 - 7:23肉体的虐待を含む
攻撃的で厳しい尋問を受けます -
7:23 - 7:26その後
尋問をした人を -
7:26 - 7:29特定するよう指示されます
-
7:29 - 7:33私たちが 別の人物を暗示する
情報を与えると -
7:33 - 7:35私たちが 別の人物を暗示する
情報を与えると -
7:35 - 7:39多くの人が
尋問した人を間違えました -
7:39 - 7:43しばしば
実際の人とは -
7:43 - 7:46似ても似つかない人を
選んだりもしました -
7:46 - 7:49これらの研究が
示しているのは -
7:49 - 7:52経験した事実について
誤った情報を与えると -
7:52 - 7:56他人の記憶を
歪曲したり ねつ造したり -
7:56 - 8:01変えてしまうことが
可能だということです -
8:01 - 8:04現実世界は
-
8:04 - 8:07誤った情報で
あふれています -
8:07 - 8:08私たちが
誤情報に触れるのは -
8:08 - 8:11誘導尋問をされるとき
だけではありません -
8:11 - 8:13他の証人と話していて
-
8:13 - 8:16相手が意識的に
あるいは 何の気なしに言う― -
8:16 - 8:18情報が誤っていることもあります
-
8:18 - 8:23また 経験していても
おかしくないことを -
8:23 - 8:26メディアの報道を通じて
見ることによっても -
8:26 - 8:30私たちの記憶は
歪められてしまう可能性があります -
8:30 - 8:341990年代
私たちは -
8:34 - 8:39さらに危険な「記憶」を
目にするようになりました -
8:39 - 8:42何らかの問題で
心理療法を受けた患者が― -
8:42 - 8:45うつや摂食障害などの治療です―
-
8:45 - 8:48治療を終えると
-
8:48 - 8:50別の問題を抱えるように
なっていたのです -
8:50 - 8:54おぞましい虐待に関する
常軌を逸した記憶です -
8:54 - 8:56悪魔崇拝儀式や
-
8:56 - 9:01本当に異様な要素を
含んでいることもあります -
9:01 - 9:03心理療法を終えた
ある女性は -
9:03 - 9:06何年もの間
儀礼虐待を受け -
9:06 - 9:09妊娠までさせられ
堕胎もしたと -
9:09 - 9:12信じ切っていました
-
9:12 - 9:14でも その話を裏付けるような
-
9:14 - 9:16傷跡や その他の身体的証拠は
ありませんでした -
9:16 - 9:19傷跡や その他の身体的証拠は
ありませんでした -
9:19 - 9:22こうしたケースを
調査し始めて -
9:22 - 9:24思いました
-
9:24 - 9:26この奇妙な記憶は
どこから来るのだろう? -
9:26 - 9:30そして
ほとんどのケースで -
9:30 - 9:36ある特殊な心理療法が
行われていたことに気づきました -
9:36 - 9:38そこで思ったのです
-
9:38 - 9:41この心理療法で
行われていること― -
9:41 - 9:44想像訓練や
-
9:44 - 9:46夢判断
-
9:46 - 9:48一部の例では
催眠や -
9:48 - 9:52虚偽の情報にさらすこと―
-
9:52 - 9:55こうしたことが
患者に -
9:55 - 9:57奇妙で ありえない記憶を
作らせているのではないか? -
9:57 - 10:00奇妙で ありえない記憶を
作らせているのではないか? -
10:00 - 10:02そこで 私は実験を企画し
-
10:02 - 10:07この心理療法で使われる
プロセスを検証できるようにし -
10:07 - 10:10このような内容豊かな虚偽記憶が
-
10:10 - 10:14どうやって形成されるか
研究しました -
10:14 - 10:16最初に行った実験の一つで
-
10:16 - 10:19私たちは
暗示を使いました -
10:19 - 10:23問題になっていた心理療法から
着想した手法で -
10:23 - 10:25ある種の暗示を使って
被験者に -
10:25 - 10:27偽りの記憶を植え付けました
-
10:27 - 10:30子どものとき
5歳か6歳ごろ -
10:30 - 10:32ショッピング・モールで
迷子になって -
10:32 - 10:35怖くて泣いていたら
-
10:35 - 10:37お年寄りに助けられ
-
10:37 - 10:39家族と再会できたという
記憶です -
10:39 - 10:42その結果
私たちは この記憶を -
10:42 - 10:46被験者の4分の1に
植え付けることに成功しました -
10:46 - 10:48こうお考えかもしれませんね
-
10:48 - 10:50あまりストレスのある記憶ではないと
-
10:50 - 10:53でも 我々研究者は
-
10:53 - 10:56もっと非日常的で
もっとストレスのかかる― -
10:56 - 10:59内容豊かな虚偽記憶の植え付けも
行っています -
10:59 - 11:02テネシー州で行われた研究で
-
11:02 - 11:04研究者が植えつけた虚偽記憶は
-
11:04 - 11:07子どものとき
おぼれかけて -
11:07 - 11:09救命士に助けられた
というものでした -
11:09 - 11:11カナダの研究で
-
11:11 - 11:14研究者が植えつけた虚偽記憶は
-
11:14 - 11:15子どものときに
-
11:15 - 11:19どう猛な動物に
襲われたような -
11:19 - 11:20ひどい経験で
-
11:20 - 11:24この植え付けは 被験者の約半分で
成功しました -
11:24 - 11:26イタリアで行われた研究で
-
11:26 - 11:29研究者が植えつけた虚偽記憶は
-
11:29 - 11:34子どものとき
悪魔憑きを目撃したというものでした -
11:34 - 11:36こうした実験は
まるで -
11:36 - 11:40科学という名のもとに
被験者にトラウマを与えているようですが -
11:40 - 11:42科学という名のもとに
被験者にトラウマを与えているようですが -
11:42 - 11:46私たちの研究は
研究倫理委員会の精査を受け -
11:46 - 11:48承認されたものだということを
付け加えておきます -
11:48 - 11:50承認されたものだということを
付け加えておきます -
11:50 - 11:54実験において
被験者は -
11:54 - 11:57一時的に不快感を
抱くかもしれないが -
11:57 - 12:01これらの研究は
記憶の過程を理解し -
12:01 - 12:04世界各地で起こっている
記憶の悪用問題を解決するために -
12:04 - 12:07世界各地で起こっている
記憶の悪用問題を解決するために -
12:07 - 12:10必要だと判断されたのです
-
12:10 - 12:13驚いたことに
-
12:13 - 12:17私がこの研究成果を発表し
-
12:17 - 12:21ある特定の心理療法に
異論を唱え始めると -
12:21 - 12:25困った問題が起きました
-
12:25 - 12:30ひどい嫌がらせを受けたのです
主に自分たちへの攻撃と捉えた― -
12:30 - 12:31抑圧記憶のセラピストからで
-
12:31 - 12:35影響を受けた患者からもです
-
12:35 - 12:38私は 時には
武装した護衛をつけて -
12:38 - 12:40招待講演にのぞみました
-
12:40 - 12:44私の解雇を狙った
手紙攻撃キャンペーンも展開されました -
12:44 - 12:46でも おそらく
最悪だったのは -
12:46 - 12:49ある女性の無実を
私が主張したことです -
12:49 - 12:51彼女は成人した娘から
-
12:51 - 12:54虐待者として責められていました
-
12:54 - 12:57娘は 母親を
性的虐待で非難していましたが -
12:57 - 12:59その根拠は
抑圧された記憶でした -
12:59 - 13:02告発をした娘は
実際に 自分の話を -
13:02 - 13:05カメラの前で語り
それを公開していました -
13:05 - 13:08私は 疑念を抱き
-
13:08 - 13:10調査を始めて
-
13:10 - 13:15最終的に
母親が無実であると -
13:15 - 13:17確信できる情報を
見つけました -
13:17 - 13:20私が これに関する
暴露記事を発表すると -
13:20 - 13:23告発していた娘は
そのすぐ後に -
13:23 - 13:25訴訟を起こしました
-
13:25 - 13:27彼女の名前は
完全に伏せていたのですが -
13:27 - 13:32名誉棄損とプライバシー侵害で
私を訴えたのです -
13:32 - 13:34ほぼ5年もの間
-
13:34 - 13:41泥沼の裁判をし
不快な思いもしましたが -
13:41 - 13:45ついに
ようやく終わって -
13:45 - 13:47私も自分の仕事に
戻れました -
13:47 - 13:49でも その過程で
-
13:49 - 13:52私は アメリカの
悪しき風潮に巻き込まれました -
13:52 - 13:54世間で大論争になっていることを
-
13:54 - 13:59話題にしただけで
科学者が訴えられるという風潮です -
13:59 - 14:02研究に戻った私に
こんな疑問が湧きました -
14:02 - 14:05誰かの心に
虚偽記憶を植えたら -
14:05 - 14:06影響はあるのだろうか?
-
14:06 - 14:08その後の考え方や行動に
-
14:08 - 14:10影響を与えるんだろうか?
-
14:10 - 14:13まず 試した虚偽記憶は
-
14:13 - 14:16子どものとき ある食べ物で
具合が悪くなったというものです -
14:16 - 14:19ゆで卵やピクルス
苺のアイスを使いました -
14:19 - 14:22この虚偽記憶を植えたあと
-
14:22 - 14:24被験者を戸外の食事に招くと
これらの食べ物を -
14:24 - 14:27以前ほど食べなくなることが
わかりました -
14:27 - 14:31虚偽記憶は 悪いことや
不快なことである必要はありません -
14:31 - 14:33アスパラガスなどの
健康的な食べ物にまつわる― -
14:33 - 14:36心が温まるような記憶を
植えつければ -
14:36 - 14:39アスパラガスを
もっと食べたくなるようにできます -
14:39 - 14:42これらの研究が
示しているのは -
14:42 - 14:44虚偽記憶は
植え付けが可能で -
14:44 - 14:45その記憶が根付いた後は
-
14:45 - 14:50長期に渡って
行動に影響を及ぼすということです -
14:50 - 14:53こうして記憶を植え
行動をコントロールすることは -
14:53 - 14:56こうして記憶を植え
行動をコントロールすることは -
14:56 - 15:00当然 重大な
倫理的問題を伴います -
15:00 - 15:03例えば この心理技術を
いつ使うべきか -
15:03 - 15:07使用を禁止するべきか
といったことです -
15:07 - 15:10倫理上 療法士は
患者に虚偽記憶を -
15:10 - 15:11植えてはいけません
-
15:11 - 15:14それが患者のために
なるとしてもです -
15:14 - 15:15でも 親が
肥満の子どもに -
15:15 - 15:20この方法を使うことは
止められていません -
15:20 - 15:22これを公言したとき
-
15:22 - 15:26また激しい抗議を
受けました -
15:26 - 15:30「今度は親が子供に嘘をつくことを
推奨するのか」 -
15:30 - 15:32サンタはどうなの?(笑)
-
15:32 - 15:41つまり
別の言い方をするなら -
15:41 - 15:43これは選択の問題なのです
-
15:43 - 15:47子どもが 肥満や糖尿病で
寿命を縮め -
15:47 - 15:48様々な問題を抱えるのと
-
15:48 - 15:51ちょっとした虚偽記憶を持つのと
どちらが良いか -
15:51 - 15:54私なら 我が子のために
どちらを選ぶか決まっています -
15:54 - 15:58でも もしかしたら 仕事柄
人とは考え方が違うのかもしれません -
15:58 - 16:01ほとんどの人にとって
記憶は大切で -
16:01 - 16:03自分のアイデンティティーや
-
16:03 - 16:05人間としての本質を
象徴するものです -
16:05 - 16:08それは十分理解しますし
私もそう感じます -
16:08 - 16:10でも 私は仕事を通じて
-
16:10 - 16:14どれだけフィクションが
世に あふれているか知っています -
16:14 - 16:17この数十年
こうした問題を研究してきて -
16:17 - 16:19何か学んだとすれば
これです -
16:19 - 16:22誰かに何か言われて
-
16:22 - 16:23その人が自信満々で
-
16:23 - 16:26詳細に語ったとしても
-
16:26 - 16:29感情がこもっていたとしても
-
16:29 - 16:32それが事実とは限りません
-
16:32 - 16:36虚偽の記憶を
確実に見破る方法はありません -
16:36 - 16:39一つ一つ実証していくことが
必要です -
16:39 - 16:42こうしたことに
気付いたことで -
16:42 - 16:44友人や家族の 日々の記憶違いに
より寛容になりました -
16:44 - 16:47友人や家族の 日々の記憶違いに
より寛容になりました -
16:47 - 16:52この気付きがあれば
スティーブ・タイタスを救えたかもしれません -
16:52 - 16:55虚偽記憶によって
彼は 将来を奪い取られずに -
16:55 - 16:58済んだかもしれません
-
16:58 - 17:01でも 同時に
心に留めておくべきは -
17:01 - 17:02しっかり留めておくべきは
-
17:02 - 17:06記憶は
自由と同じで -
17:06 - 17:10はかないものだ
ということです -
17:10 - 17:13ありがとうございました
-
17:13 - 17:15ありがとうございます
(拍手) -
17:15 - 17:19どうもありがとうございます
(拍手)
- Title:
- 記憶が語るフィクション
- Speaker:
- エリザベス・ロフタス
- Description:
-
心理学者のエリザベス・ロフタスは、記憶の研究をしています。正確には、彼女が研究しているのは「偽りの記憶」―起きてもいないことの記憶や、事実とは違う形で残っている記憶です。こうした虚偽記憶は、一般に考えられているより普通にあることです。ロフタスは、衝撃的な事例や統計を紹介し、私たちが考えるべき重要な倫理的問題を提示します。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 17:36
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Emi Kamiya edited Japanese subtitles for How reliable is your memory? | |
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Akiko Hicks approved Japanese subtitles for How reliable is your memory? | |
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Akiko Hicks edited Japanese subtitles for How reliable is your memory? | |
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Akiko Hicks edited Japanese subtitles for How reliable is your memory? | |
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Emi Kamiya accepted Japanese subtitles for How reliable is your memory? | |
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