リベンジポルノの被害者として学んだこと: ネット上の権利は基本的人権 である | エマ・ホルテン | TEDxDonauinsel
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0:20 - 0:24こんにちは 私は「ネット上の同意権」を
侵害された被害者です -
0:24 - 0:26ネット上の同意権とは
聞き慣れない言葉かもしれません -
0:26 - 0:28私の講演が終わるまでに
みなさんに― -
0:28 - 0:30ネット上の権利を語る際
「同意権」がその原則となることを -
0:30 - 0:33理解していただけることを
心の底から望んでいます -
0:33 - 0:35では 始めましょう
私になにが起こったか? -
0:36 - 0:402011年 朝起きて Facebookや
メールアカウントにアクセスできませんでした -
0:40 - 0:43アクセスが回復したときには
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0:43 - 0:47現在「リベンジポルノ」と呼ばれるものの
被害者となっていました -
0:47 - 0:50具体的に私に起こったことを
説明しましょう -
0:50 - 0:54加害者はある時点で 私の「同意権」を
侵害することを決めました -
0:54 - 0:57私のメールアカウントに侵入し
個人情報を盗み -
0:57 - 1:00それをネット上のあるサイトに
公表しました -
1:00 - 1:03そのサイトは私の個人情報から
利益を得ていました -
1:03 - 1:06すべては私の同意なしに
行われた 違法行為です -
1:06 - 1:08このような行為は
「リベンジポルノ」と呼ばれます -
1:08 - 1:09リベンジポルノと呼ぶからには―
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1:09 - 1:12私の盗まれた個人情報が
画像であると想像できるでしょう -
1:12 - 1:13長い間―
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1:13 - 1:16それが画像であったので
ひどいと思うのと同時に -
1:16 - 1:20羞耻心や苦痛を感じました
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1:20 - 1:22しかし周囲を見渡すと
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1:22 - 1:25多くの人が画像をネット上に
公表し― -
1:25 - 1:28画像のやり取りに 関与していますが
彼らは気にしてないようです -
1:28 - 1:32彼らにとって 問題でなくても
私にとっては 問題なのです -
1:32 - 1:35なぜ問題か?
それは私が同意しておらず -
1:35 - 1:37私の意思に反する
行為だからです -
1:37 - 1:40また問題は
情報の内容ではなく -
1:40 - 1:43それが私と紐づけされた
情報であるということです -
1:43 - 1:47これは「同意」の論じられかたの
問題点を明らかにしました -
1:47 - 1:50とりわけ プライバシーや
ネット上の権利を論じる際の問題点です -
1:51 - 1:55今 プライバシーや
ネット上の権利を論じるとき― -
1:55 - 1:57私たちは「個人情報」という
言葉を使います -
1:57 - 1:59個人情報とは…
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1:59 - 2:03そうです 個人情報とは何か
誰も知らないのです -
2:03 - 2:06それは住所か?名前か?
電話番号か?なんでしょうか? -
2:06 - 2:08いつも使う言葉で
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2:08 - 2:11政府やジャーナリストが
個人情報について論じていますが -
2:11 - 2:13私たちは それが何か
実は知らないのです -
2:13 - 2:15これはとても重要なことです
なぜなら― -
2:15 - 2:18人々は政府の監視について
懸念を抱いているように見えます -
2:18 - 2:21国家安全保障局について聞かされ
エドワード・スノーデンについて聞かされ -
2:21 - 2:24私のような被害者についても
聞かされたことがあるでしょう -
2:24 - 2:27これらの問題はすべて
ネット上の権利に関わるものです -
2:27 - 2:32プライバシーを語る際 情報の性質
について焦点を当てがちですが -
2:32 - 2:36問題は なにを個人情報と捉えるか
人それぞれ異なるのです -
2:36 - 2:40人々は 様々な情報について
異なる 関わりを持っています -
2:40 - 2:44私はこの対話の論点を 「プライバシー」から
「同意」へと変えたいのです -
2:44 - 2:48すべての個人の「同意権」が
明確にされる必要があります -
2:48 - 2:52私たちは 規範的な立場から
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2:52 - 2:55どんな情報が公表され
監視を受け 手に入れられるべきか -
2:55 - 2:59またはそうされるべきでないか
決めることはできません -
2:59 - 3:03すべての事例に適用できる
規則は存在しないのです -
3:03 - 3:05だからといって
権力者に任せれば― -
3:05 - 3:08何が公共的な情報か
個人情報かを恣意的に線引し -
3:08 - 3:11「他人の電話番号を公表してもよい」
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3:11 - 3:13「他人の写真を同意を得ることなく
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3:13 - 3:15公表しても構わない」
などと言うでしょう -
3:15 - 3:19私たちはプライバシーについて
異なる考え方を持っているので -
3:19 - 3:22個人の「同意権」に焦点を当てる
必要があるのです -
3:22 - 3:25なぜこのことが重要なのか
いくつか理由があります -
3:25 - 3:28私にとって主要な理由は
民主主義的な理由です -
3:28 - 3:30私たちが「普通」に基づいて
公共的なルールをつくるとき -
3:30 - 3:33誰が被害者となるのでしょうか?
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3:33 - 3:36被害者となるのは
すでに社会の のけ者にされていて -
3:36 - 3:37すでに被害を受けやすい
立場にいる人々です -
3:37 - 3:40例えば 私のような
若い女性です― -
3:40 - 3:44女性という社会的に弱い立場に
置かれているからです -
3:44 - 3:46セックスは若い女性を
辱めるために使われます -
3:46 - 3:47それが実際に起こると―
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3:47 - 3:50それはネット上でも
使われます -
3:50 - 3:53犠牲となるのは ホモフォビアや
トランスフォビアの被害者など -
3:53 - 3:55もともと社会的に被害を
受けやすい立場の人々なのです -
3:55 - 3:58彼らこそ 最もプライバシーを
必要としているのです -
3:58 - 4:01従って社会規範の立場から
プライバシーを論じる際 -
4:01 - 4:06既に弱い立場にいる人々を
さらに 脆弱にしているのです -
4:06 - 4:09そして 権利を 最も必要としている
人々の権利を 否定しているのです -
4:09 - 4:10これは民主主義に
関わる問題です -
4:10 - 4:13もし私たちが個人の同意権
を否定するのなら -
4:13 - 4:17私たちは世界にはびこる
圧政と同じ制度を -
4:17 - 4:19再びつくりだすことになります
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4:19 - 4:23「個人の同意」は ネットの
根幹である民主主義的な特徴です -
4:23 - 4:27言わせていただきますが
今現在 「ネット上の同意権」は存在しません -
4:27 - 4:29私たちのうち誰一人として
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4:29 - 4:32「私に関する情報で
何が収集され 何が公表されるのか -
4:32 - 4:34自分で決める」という権利はありません
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4:34 - 4:37これは私が経験から知ったことで
民主主義にかかわる問題なのです -
4:37 - 4:40私は今 活動家として
知られていますが― -
4:40 - 4:44盗まれた昔の画像をネット上から
削除させる権利は私にありません -
4:44 - 4:46なぜなら それが権利として
まだ認められていないからです -
4:46 - 4:50私には同意権がありませんし
地球上のだれにもありません -
4:50 - 4:54これは民主主義の根幹に
かかわる問題です -
4:54 - 4:56私たちは このことを
人々に認知させる必要があります -
4:56 - 4:59誰もそれが意味することを知らない
「プライバシー」という曖昧な言葉が -
4:59 - 5:03これらの問題を 自分と関連付けるのを
非常に難しくしています -
5:03 - 5:06私たちはプライバシーに関する
論争を毎日聞かされています -
5:06 - 5:08それはいつも こんな感じです
「インターネット・プライバシー -
5:08 - 5:11政府はあなたの個人情報を
調べあげています -
5:11 - 5:15我々は米国政府が
メタデータを特定できると明らかにしました」 -
5:15 - 5:18―「メタデータ」とは何か? 誰も知りません
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5:18 - 5:20このような論争が
無関心を生み出しました -
5:20 - 5:24皆 ネット上の権利に関心がありますが
それについてよく知らないのです -
5:24 - 5:25なぜでしょうか?
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5:25 - 5:29原因は手が付けられないほど歪曲された
「プライバシー」という言葉にあると思います -
5:29 - 5:30何よりもまず―
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5:30 - 5:35人はネット上の権利や
厳格なネット上のプライバシーを求める人を -
5:35 - 5:37「普通から外れた」人と呼びます
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5:37 - 5:39私たちは言います
「いったい何を隠したいんだ?」 -
5:39 - 5:43「いったいどうして
誰かが君のことを調べようとするんだ?」 -
5:43 - 5:46「なぜそんなにまで
プライバシーを求めるんだ?」 -
5:46 - 5:48このような発言は
間違っています -
5:48 - 5:51ネット上のプライバシーや
同意権を求めることは -
5:51 - 5:53基本的人権であるべきなのです
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5:53 - 5:55しかし「プライバシー」という言葉を
使うことで -
5:55 - 5:57あたかも 何か秘密を隠している
ように聞こえさせ -
5:57 - 6:00プライバシーを求める人が
普通から外れた人であるか -
6:00 - 6:03やましいことをしている人
のような印象を与えるのです -
6:03 - 6:05かわりに「同意」という言葉を使えば
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6:05 - 6:08問題を自分と
結びつけることができ -
6:08 - 6:11その必要性も
理解できるようになります -
6:11 - 6:18私たちは 普通の生活を送っていますが
それでも 同意権を求める必要があるのです -
6:18 - 6:21例として
「私は政治活動家です」と言えば― -
6:21 - 6:26私はある意味で 被害を受けやすくなります
従って 私の住所は公表されたくありません -
6:26 - 6:29他人は気にしないでしょうが
私にとっては重要なことです -
6:29 - 6:31対話の中心に「同意」を据えれば
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6:31 - 6:34人々は彼らの個人情報が
ネット上で -
6:34 - 6:37どう利用されているのか
理解しやすくなります -
6:37 - 6:39これは重要なことだと思います
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6:39 - 6:42また先ほど話しましたように
民主主義に関わる問題もあります -
6:42 - 6:46同意ということを
重視しなければ -
6:46 - 6:49弱い立場の人々を
より脆弱にします -
6:49 - 6:52現状に疑問を抱く人々
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6:52 - 6:54権力者や権威に疑問を投げかける人々
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6:54 - 6:56脆弱な立場に置かれた人を
支援する人々 -
6:56 - 6:57「社会規範」に挑戦する人々
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6:57 - 6:59私たちには
そういった人々が必要です -
6:59 - 7:02彼らを全体として保護し
彼らの権利を 擁護すべきなのです -
7:02 - 7:04もし私たちが
強者の視点から -
7:04 - 7:08プライバシーとは何かという判断に
社会規範を用いれば -
7:08 - 7:12彼らを非常に脆弱にしてしまいます
私たちはそれを望みません -
7:12 - 7:14私たちが求めているインターネットとは
より進歩的で -
7:14 - 7:19現状に挑み
―ネットの世界も現実の世界どちらも -
7:19 - 7:23世界をより良いものへと変えようとする人々を
全体として守るものであることを望んでいます -
7:23 - 7:25だからこそ同意を
重要視しなければならないのです -
7:25 - 7:29「プライバシー」という
抽象的に婉曲された言葉ではなく -
7:29 - 7:32同意こそ重視すべきなのです
より良い世界に変えるためです -
7:32 - 7:35そしてインターネットを
世界を変える推進力としたいのです -
7:35 - 7:36同意に重点を置かなければ
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7:36 - 7:39政治的反体制派の人々や
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7:39 - 7:41性的マイノリティーの人々が
その代償を払うことになり -
7:41 - 7:45人種的および民族的マイノリティの
命を脅かすことになります -
7:45 - 7:46彼らは既に脆弱な立場に
置かれている人々です -
7:47 - 7:49すべての人々に同意権が
認められるべきです -
7:49 - 7:51しかし現在はそうなってはいません
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7:51 - 7:54これは非常に重要なことです
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7:54 - 7:58私が問題にしているのは
プライバシーでもなく 秘密隠しでもなく -
7:58 - 8:00個人情報の使い道を
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8:00 - 8:02自分で決める権利なのです
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8:02 - 8:05これは人間であるということの
重要な要素なのです -
8:05 - 8:09今や「現実の世界」と「ネットの世界」という
明確な境界はありません -
8:09 - 8:10どちらの世界も
結び付いているのです -
8:10 - 8:13従って「現実の世界」での権利を
ネット上でも認めるべきなのです -
8:13 - 8:16困難であっても 戦う必要がありますが
戦う価値のある戦いです -
8:16 - 8:18それによってネットを
現在の現実世界より -
8:18 - 8:21良いものに変えることができます
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8:21 - 8:22どうもありがとうございます
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8:22 - 8:24(拍手)
- Title:
- リベンジポルノの被害者として学んだこと: ネット上の権利は基本的人権 である | エマ・ホルテン | TEDxDonauinsel
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リベンジポルノの被害者であるエマ・ホルテンは、個人情報の公表に対する「同意」の重要性を語ります。そして民主主義の観点から、なぜプライバシーが問題となるのか訴えかけます。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。 - Video Language:
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- TEDxTalks
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