< Return to Video

Jeff Wall in "Vancouver" - Season 8 | Art21

  • 0:09 - 0:15
    [ギター音楽]
  • 0:34 - 0:36
    ジェフ・ウォール: 情景です
  • 0:37 - 0:38
    私の仕事です
  • 0:38 - 0:39
    あの情景を探す
  • 0:43 - 0:44
    被写体という人もいます
  • 0:45 - 0:47
    私は出発点と呼びます
  • 0:47 - 0:48
    同じことです
  • 0:48 - 0:49
    何かが現れてくる
  • 0:49 - 0:56
    例えば2001年です
    このドアを開けて外に出た時
  • 0:56 - 1:00
    何人かの人が荷物を引いて歩いているのが見えました
  • 1:01 - 1:03
    カメラを持っていたら写真を撮ったでしょう
  • 1:03 - 1:05
    けれど持っていなかった
  • 1:05 - 1:11
    出来事を再現する必要がありました
  • 1:11 - 1:17
    2ブロック歩いたところで高架橋が見えました
  • 1:17 - 1:22
    ”ここだ”と思いました
  • 1:26 - 1:30
    それまでこのようなことをしたいと思ったことは
    一度もありませんでした
  • 1:30 - 1:31
    偶然だったんです
  • 1:32 - 1:35
    この偶然により新しい発想が生まれました
  • 1:36 - 1:40
    何か絵を ー
  • 1:40 - 1:45
    例えば北斎の”駿州江尻”を見ていたとします
  • 1:45 - 1:48
    すぐに これは再現できるぞと思いつきます
  • 1:50 - 1:54
    何かが起きるのを待たねばなりません
  • 1:54 - 1:59
    そして何かが起こった時にはやるしか無い
  • 2:01 - 2:05
    牛乳パックを持っていて
  • 2:05 - 2:07
    何かの拍子で撒き散らしてしまう
  • 2:07 - 2:09
    起こり得る話です
  • 2:09 - 2:15
    みんなミルクをこぼしたことがあります
    ただ 私はより洗練された方法で
  • 2:15 - 2:18
    こぼれているのを見せているだけです
  • 2:19 - 2:25
    [柔らかな電子音楽]
  • 2:31 - 2:34
    生まれた時からこの街を知っています
  • 2:34 - 2:40
    人生のほとんどをこの街で過ごしました
    そういう人は街が好きか嫌いかではありません
  • 2:41 - 2:43
    多くのことを知っている
  • 2:43 - 2:47
    多くのことがあった
    だから私もバンクバーに複雑な思いを抱いています
  • 2:48 - 2:53
    ここで仕事をするということは
    そういった感情と折り合いをつけることだと感じます
  • 2:56 - 3:00
    ある瞬間でどんな感情が勝るかは
    全くもって予測できません
  • 3:03 - 3:09
    私の作品がそういったものを含んでいると思いたいものです
  • 3:15 - 3:28
    ♪ ♪
  • 3:39 - 3:45
    いまだになぜ自分が絵描きにならなかったのかわかりません
  • 3:45 - 3:51
    1964年頃 私が19か20歳の時に絵をやめました
  • 3:51 - 4:01
    60年代半ばは概念芸術のような
    オルタナティブアートが爆発的に発生した時期でした
  • 4:01 - 4:07
    どういうわけか当時のバンクーバーは
    その風潮にピッタリはまっていたんです
  • 4:08 - 4:10
    だから転向しました
  • 4:10 - 4:14
    スタジオ持ちの絵描きをやめたんです
    スタジオは15歳の時に手に入れたものでした
  • 4:14 - 4:17
    他のことに挑戦したかったんです
  • 4:20 - 4:29
    写真に真剣に取り組むことになったのは
    材料に未知の可能性があるとわかった時だと思います
  • 4:31 - 4:33
    縮尺に関係がありました
  • 4:33 - 4:39
    写真を大きくできないことに
    技術的な問題はないように思えました
  • 4:39 - 4:42
    [機械音]
  • 4:44 - 4:48
    写真は粗い分子構造のような美しい表面を持ちます
  • 4:48 - 4:51
    見えているものと隠れているものがあります
  • 4:52 - 4:58
    写真が引き伸ばされれば
    それらが見えてきます
  • 4:58 - 5:00
    [はっきりしない話し声]
  • 5:00 - 5:05
    広告用の照明を見た時
    「これを使ってみようと思いました
  • 5:05 - 5:07
    興味深いものでした。
  • 5:07 - 5:11
    光の具合が全く違うものだったんです
  • 5:11 - 5:14
    それから照明を使いうまくいきました
  • 5:16 - 5:22
    ある種硬質なイメージが生まれました
  • 5:24 - 5:29
    どのように事を進めるかに決まったルールはありません
  • 5:31 - 5:34
    時にレプリカを作ることもあります
  • 5:37 - 5:40
    レプリカ作りはとても楽しい作業です
  • 5:40 - 5:45
    技術的に興味深く
    芸術家として没頭できます
  • 5:47 - 5:48
    [ジェフ・ウォール] どこを見てる?
  • 5:48 - 5:49
    — 手です。親指です
  • 5:49 - 5:51
    [ジェフ・ウォール]アンドリューの顔を見て
  • 5:51 - 5:52
    いま
  • 5:52 - 5:53
    そうそう
  • 5:53 - 5:54
    そんな感じ
  • 5:54 - 5:54
    ああ いいね
  • 5:54 - 5:55
    そのまま
  • 5:55 - 5:56
    ゴー
  • 5:57 - 5:58
    ストップ
  • 5:59 - 6:00
    ゴー
  • 6:01 - 6:02
    ストップ
  • 6:02 - 6:05
    私の写真にはフェイクは収められていません
  • 6:05 - 6:06
    起こったことは起こったことです
  • 6:06 - 6:08
    — 本番
  • 6:08 - 6:08
    [シャッター音 フラッシュ]
  • 6:08 - 6:09
    うまくできた
  • 6:09 - 6:11
    [シャッター音 フラッシュ]
  • 6:11 - 6:12
    いいね
  • 6:13 - 6:21
    偶然を捉えるのとデザインされたものを捉えるのに
    大きな違いはありません
  • 6:22 - 6:28
    つまり 嘘を写真の中に収めることは不可能なのです
  • 6:29 - 6:35
    ♪ ♪
  • 6:52 - 6:56
    どんな種類のものであれ技術を修めるのは
    簡単なことではないと思います
  • 6:56 - 6:59
    写真も同じです
  • 6:59 - 7:01
    シャッターを押すのは容易です
  • 7:01 - 7:04
    — リハーサルをしよう
  • 7:04 - 7:07
    始める前にきちんと印を確認して
  • 7:07 - 7:10
    [ジェフ・ウォール]しかしうまくまとめるのは大変です
  • 7:10 - 7:12
    集中力が必要です
  • 7:12 - 7:15
    — あまり強そうに見えないね
  • 7:15 - 7:16
    — はい
  • 7:16 - 7:20
    — すぐにでも悪いことをしそうな格好をして
  • 7:20 - 7:21
    —オーケー
  • 7:22 - 7:25
    [ジェフ・ウォール] 演者と共に作品を作り上げることは
    いつも即興的です
  • 7:26 - 7:28
    —近くで見てみて
  • 7:28 - 7:33
    [ジェフ・ウォール] 思いもしなかったものが得られます
  • 7:33 - 7:35
    — ここにしよう
  • 7:35 - 7:38
    — ミケランジェロの彫刻みたいに見えるよ
  • 7:38 - 7:40
    [笑い]
  • 7:40 - 7:41
    — 最高だ
  • 7:48 - 7:49
    — 本番
  • 7:51 - 7:53
    [シャッター音] 素晴らしい
  • 7:55 - 7:57
  • 7:57 - 7:59
    3.2.1 本番
  • 8:00 - 8:06
    [ジェフ・ウォール] 納得のいくものを作るには
    期限を定めない必要があると学びました
  • 8:08 - 8:12
    5日 か10日か
    20日かかるかもしれない
  • 8:12 - 8:14
    実際わかりません
  • 8:15 - 8:22
    何回でも同じ対象の写真を撮ることができます
    その中に他のどれとも違う1枚があります
  • 8:22 - 8:24
    そういうものなのです
  • 8:24 - 8:30
    そして その1枚には思いもよらないものが写っているのです
  • 8:34 - 8:41
    拘束された人がどこか他の場所へ
    連れて行かれるところです
  • 8:42 - 8:45
    ニュースでよく見る光景です
  • 8:46 - 8:52
    絶望的な状況です
    なので1つ忍ばせておきました
  • 8:53 - 8:55
    彼が話したんです
  • 8:55 - 8:59
    そうしたら相手も耳を傾けました
  • 8:59 - 9:04
    このような状況ではあまり起こらないことです
  • 9:05 - 9:08
    会話は写真にとって大きなものです
    映像に捉えられない
  • 9:08 - 9:11
    見えない要素
  • 9:11 - 9:14
    表現方法の限界です
  • 9:15 - 9:17
    とても気に入っています
  • 9:17 - 9:19
    常にどこかに穴があるんです
  • 9:21 - 9:26
    [アコースティック音楽]
  • 9:54 - 9:56
    写真は語りません
  • 10:00 - 10:05
    物語を暗示するだけです
  • 10:15 - 10:21
    作品を見る時 実際は物語を書いているのです
  • 10:24 - 10:28
    瞬間的に自身の物語を作ります
  • 10:30 - 10:33
    人それぞれによって違う物語です
  • 10:38 - 10:42
    ”イスラエルネガブのオリーブ農園の休憩”という作品です
  • 10:45 - 10:52
    この中にはベドウィンの農業従事者とオリーブ畑
  • 10:52 - 10:54
    それとイスラエルで最大級の刑務所が写っています
  • 10:56 - 11:00
    いろいろな事を考えさせられます
  • 11:00 - 11:04
    ある人たちは星空の下で眠っています
    貧しい人たちかもしれない
  • 11:04 - 11:06
    監獄で眠っている人たちもいる
  • 11:06 - 11:07
    彼らが何者かは誰も知りません
  • 11:07 - 11:10
    そういう人たちが何千もいる
  • 11:11 - 11:15
    私はそういった人たちに
    共感のようなものを抱きます
  • 11:15 - 11:18
    私が撮ったすべての人に
    共感のようなものを抱きます
  • 11:22 - 11:27
    鑑賞者と被写体の間に繋がりはありません
  • 11:27 - 11:31
    その芸術性と美しさによって繋がりが作られるのです
  • 11:33 - 11:37
    一枚のホームレスの絵を見たとします
  • 11:37 - 11:40
    あなたは初めて経験するような感情を抱いた
  • 11:40 - 11:43
    写真の中にいる対象を見たことがなかったからです
  • 11:43 - 11:48
    そうしてこの写真が美しいのは
    この人が美しいからだと気づく
  • 11:49 - 11:54
    その感情が写真の中の対象によって
    引き起こされたと気づいた時
  • 11:54 - 11:57
    あなたと対象の間に新たな関係が生まれます
  • 11:59 - 12:03
    これが芸術の社会的価値です
  • 12:03 - 12:08
    芸術は何も強いません 命令もしません
  • 12:08 - 12:12
    ただ 経験を与えるか 経験自体を作り出すことにより ー
  • 12:13 - 12:15
    何かを変えるんです
  • 12:17 - 12:20
    ♪ ♪
  • 12:20 - 12:24
    私の作品はほとんどがリアリズム的なものです
  • 12:24 - 12:29
    一つの現象としての写真をよく考えた時
    写真とはそういうものだからです
  • 12:30 - 12:34
    けれど常に記録者でいたいわけではありませんし
  • 12:34 - 12:36
    そう騙りたくもありません
  • 12:37 - 12:42
    視覚的な芸術作品は
    際限なく見続けることができるなにかであるはずです
  • 12:45 - 12:51
    突然 意味もなくある海のイメージが浮かんだとします
  • 12:54 - 12:58
    白昼夢のようにです
  • 13:03 - 13:08
    このようなイメージは刹那の間しか留まりません
  • 13:08 - 13:10
    イメージは消える
  • 13:10 - 13:12
    あなたは覚えている
  • 13:13 - 13:17
    イメージは視覚の世界から去っていく
  • 13:18 - 13:20
    私の中には常に
  • 13:20 - 13:22
    情景があります
  • 13:23 - 13:25
    ♪ ♪
  • 13:26 - 13:29
    あの情景を探しています
    次のあの情景です
  • 13:29 - 13:32
    ♪ ♪
  • 13:38 - 13:50
    [柔らかな電子音楽]
Title:
Jeff Wall in "Vancouver" - Season 8 | Art21
Description:

more » « less
Video Language:
English
Team:
Art21
Project:
"Art in the Twenty-First Century" broadcast series
Duration:
14:13

Japanese subtitles

Revisions Compare revisions