PROBLEMA the film *NEW Higher Quality*
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0:40 - 0:4321世紀初めの
ある晴れた日に -
0:50 - 0:54前例のない類の
会合が開かれた -
1:04 - 1:06100の問いかけ
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1:12 - 1:14112人の参加者
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1:22 - 1:2411 200の見解
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1:32 - 1:34ひとつの輪
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2:07 - 2:10私にとって
今日の一番の問題は、 -
2:11 - 2:15一堂に会しながら、
どのように討論をするか、ということ。 -
2:16 - 2:20一人や二人ではなく、
世界中から集まった全員が、 -
2:20 - 2:25なにが大切かを問うのだから。
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2:25 - 2:28-私にとって、なにが大切か。
-真実を歪曲していない? -
2:28 - 2:30気候変動に関して。
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2:30 - 2:34アフリカの国々はなぜ、
西洋より発達が遅れているのか? -
2:34 - 2:36知りたいのは…
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2:36 - 2:39民主主義において、ユダヤの価値観と
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2:39 - 2:41別な価値観との適度なバランスとは?
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2:42 - 2:44-いくつか、質問があります。
-彼らはなぜ、アメリカ人が嫌いなのか? -
2:47 - 2:5121世紀における、
個人と集団の関係とは? -
3:11 - 3:14ここは、歴史的な場所です。
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3:15 - 3:17ここで焚書事件が起こり、
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3:18 - 3:22人々が聞きたくないことを
記した本が燃やされました。 -
3:22 - 3:26だから私たちは今日、
ベルリンのベーベル広場に集まったのです。 -
3:28 - 3:32書物が燃やされ、思想が燃やされ、
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3:33 - 3:36言論の自由が燃やされたこの場所に。
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3:47 - 3:52自由な声のテーブル
べーベル広場、ベルリン -
4:31 - 4:35このテーブルを囲む、たくさんのいい顔を
見られて嬉しく思います。 -
4:35 - 4:39長い一日となりますので
さっそく始めましょう。 -
4:40 - 4:43今日は、100の問いを投げかけ、
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4:43 - 4:46その答えを探そうという試みです。
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4:46 - 4:51世界中から届いた、何千ものなかから
選ばれた問いです。 -
4:51 - 4:55これから九時間にわたり、
これらの問いについて考えます。 -
4:55 - 4:598回にわたる、
各45分ずつのセッションで -
4:59 - 5:02グローバルな重要性をもった
テーマを取りあげます。 -
5:03 - 5:07-中国人です。
-ここの出身です。まさに、この地。 -
5:07 - 5:09私の国にいらしたことありますか?
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5:09 - 5:11いいえ、残念ながら。
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5:11 - 5:15本日の会合は、
私たちの多様性を祝うため、 -
5:15 - 5:18そして、多様な見解を募るためです。
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5:18 - 5:23-ご参加、ありがとうございます。
-自由の声のテーブルへようこそ。 -
5:53 - 5:57-問い 1。
-匿名より、米国。 -
5:58 - 6:02「今、最も重要で
報道されていないニュースとは?」 -
6:09 - 6:11どうぞ、お答えください。
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6:16 - 6:19今、報道されるべきことだが
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6:19 - 6:22明らかに報道されていないことは、
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6:23 - 6:26命にどれだけコストがかかるか、
ということ。 -
6:27 - 6:30この惑星における命にかかるコスト。
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6:30 - 6:33私たちは危機から危機へと移るなかで
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6:33 - 6:37ほんの一部しか報じていません。
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6:37 - 6:39銃声が鳴り止んだとたんに、
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6:40 - 6:44私たちはその国のことを、
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6:44 - 6:46紛争がくり広げられた
地域のことを忘れ、 -
6:47 - 6:52次の別な報道を始めてしまいます。
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6:52 - 6:55まずは、ダルフールでしょうか。
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6:57 - 7:01民族の抹殺が
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7:01 - 7:05宗教や人種が異なっている
という理由だけで行われました。 -
7:07 - 7:10しかし、世界は関心を示しません。
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7:11 - 7:14そこには資源もなく、
石油も出ないから。 -
7:15 - 7:17私にとって現在、
報道されていないニュースとは、 -
7:18 - 7:22グローバル・テロリズムに潜む真実。
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7:23 - 7:26私たちは知らない、
本当に何も知らない、 -
7:26 - 7:28どんな真実が潜んでいるのか。
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7:30 - 7:31だれが生き、だれが死んだ?
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7:32 - 7:36だれが進め、だれが始めたのか?
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7:36 - 7:39だれがそれを利用して得しているのか。
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7:39 - 7:41どの彼、あるいは彼らのために?
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7:42 - 7:47奴隷にされた子供たち。
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7:48 - 7:51人身売買。
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7:54 - 7:58何百万という、
よりよい生活を求めて -
7:58 - 8:01不法に国境を越える人々。
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8:03 - 8:07今日、最も重要で
報道されていないストーリーは、 -
8:07 - 8:11死んでしまった女の子のこと。
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8:11 - 8:14ほんの十分前に、
マラリアで死んだのです。 -
8:15 - 8:18それは、不必要な死でした。
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8:18 - 8:24実際には、マラリアの治療薬が
あるからです。 -
8:24 - 8:26しかも安価です。
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8:26 - 8:29しかし、彼女は薬を得られなかった。
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8:29 - 8:31そして、死にました。
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8:31 - 8:34そして、またもう一人、
子供が死にました。 -
8:34 - 8:37こういう話は報道されません。
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8:39 - 8:41思うんだけど、
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8:41 - 8:44今、報道されない最も重要なストーリーは
1つだけじゃない。 -
8:45 - 8:49報道されないたくさんのストーリーが
世界中にあると思うの。 -
8:50 - 8:52世の中で起こっている、
様々な良いこと。 -
8:52 - 8:57ふだんあまり聞かないけど、
すばらしいことがいっぱい起こっているわ。 -
8:57 - 9:00でも、耳に入ってくるのは、
悪いニュースばかり。 -
9:00 - 9:03死、破壊、戦争。
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9:04 - 9:07殺戮、殺人、レイプ。
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9:07 - 9:10問題だらけ。新聞を絞ってみたら、
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9:10 - 9:13血が流れるかと思うくらいだ。
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9:22 - 9:24ありがとう。
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9:33 - 9:37問い12、
ジュディ・トゥイードから。 -
9:37 - 9:4024歳、 デンバー、米国。
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9:41 - 9:44「我々は、住む場所を
自分で決める権利を持つべきか?」 -
9:45 - 9:47さあ、これはおもしろい質問だ。
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9:48 - 9:49いいですね。
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9:49 - 9:51私たちはただ、生まれてきます。
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9:51 - 9:54地球という惑星のどこかで生まれ、
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9:54 - 9:56そこに住みたくなかったら、
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9:56 - 9:58別なところへ行く。
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9:59 - 10:02でも、それをすると
たちまち差別を受けます。 -
10:02 - 10:06僕は2日前に着きましたが、
11日には出国しなければなりません。 -
10:06 - 10:08ビザが四日分しかないから。
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10:09 - 10:11コロンビア人として、
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10:11 - 10:13世界の住人として、
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10:14 - 10:18僕はこの楽園に足を踏み入れる権利がない。
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10:19 - 10:23第一世界の楽園。
許されたのは、たったの四日間。 -
10:24 - 10:27当然、どこで暮らしたいか
自分で決める権利があるべきだわ。 -
10:28 - 10:30今の世の中、資本の移動も、
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10:30 - 10:32商品の移動も自由でしょ。
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10:32 - 10:35なのに、なぜ人の移動に対して
ヒステリックになるの? -
10:36 - 10:39一度、ドバイへ行こうとしたとき、
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10:39 - 10:41私が入国に
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10:41 - 10:461951年のジュネーブ条約に基づいた
パスポートを見せたら -
10:46 - 10:48許可されなかった。
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10:49 - 10:53その理由として、
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10:53 - 10:56私がどこにも属さないから、と。
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10:57 - 11:00だれだって、戦争のない国で暮らしたいさ。
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11:00 - 11:02だれだって調和のなかで生活したい。
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11:02 - 11:05だが、それを買える人と
買えない人がいる。 -
11:06 - 11:09その権利を請求できる人もいれば、
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11:09 - 11:12そんな状況にない人もいる。
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11:12 - 11:17そう、だれもが望む場所に
住む権利を持つべきだが、 -
11:17 - 11:20だれもが、
それを支払える状況にあるべきだ。 -
11:21 - 11:24家族を助けるために
移動しなければならない場合もあります。 -
11:25 - 11:28国境を越えて、
そこが自分を認めてくれない国だったら、 -
11:28 - 11:32その人は違法者になるの?
その国の定義だからって。 -
11:33 - 11:36でも人間に対して、
違法な存在呼ばわりするなんておかしいわ。 -
11:37 - 11:39人々が移動するのは、
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11:39 - 11:41絶望しているからです。
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11:41 - 11:43多大なリスクを冒すほどに。
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11:43 - 11:47カナリア諸島にたどり着く
人々をごらんなさい。 -
11:47 - 11:49毎週、急ごしらえのボートに乗って
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11:49 - 11:52何百という人々が岸に流れ着きます。
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11:53 - 11:55その人々は、
完全に絶望しているのです。 -
11:55 - 11:58でなければ、
自国を離れなかったでしょう。 -
11:58 - 12:02でも、あれが、生きる場所を
選んでいるといえますか? -
12:02 - 12:06十中八九、溺死するリスクや
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12:07 - 12:10殺されるリスクを負うのですよ、
到着する以前に。 -
12:10 - 12:11望むわけありません!
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12:13 - 12:16あるいは、こんな問いはどうだろう?
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12:17 - 12:21いる場所に留まる権利があるべきか?
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12:21 - 12:27これは、地球上の多くの人にとって
切実な問いだ。 -
12:27 - 12:32チベットの人々には、
チベット人である私も含めて -
12:34 - 12:37その権利がありません。
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12:38 - 12:39確かに、自国で暮らせますが、
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12:40 - 12:44したいことが
自由にできるわけではありません。 -
12:45 - 12:48法律が、その権利を
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12:48 - 12:52すべての人に無条件に保障するという
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12:52 - 12:57可能性を有効に実現できたら、
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12:57 - 13:01その日は、人類にとって
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13:01 - 13:03国境を克服した以上の
意味を持ちます。 -
13:03 - 13:07人類の歩んできた発展の道が、
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13:07 - 13:10すべての文化と国々にとって
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13:10 - 13:13望ましい水準に
達したといえるでしょう。 -
13:14 - 13:15大切なことです。
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13:18 - 13:20望む場所に住めるということは。
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13:21 - 13:24だれだって巣が必要です。
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13:24 - 13:27鳥だって、巣を必要とします。
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13:27 - 13:30人間には住処が必要です。
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14:14 - 14:17問い19、クレア・マッキントッシュより。
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14:17 - 14:2025歳、 ブリズベン、オーストラリア。
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14:21 - 14:25「人間に与えられるべき
基本的な尊厳とは? -
14:25 - 14:28また、多くの人にそれがないことを
我々はなぜ見過ごすのか?」 -
14:30 - 14:33基本的な尊厳とは人間の尊厳であり、
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14:33 - 14:39誇りであり、そのおかげでうつむくのではなく
顔を上げて堂々と生きられるのです。 -
14:39 - 14:41何も恐れることはありません。
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14:41 - 14:44たとえ、どこかの発展途上国の
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14:44 - 14:48片田舎に暮らしていたって
いいじゃないですか。 -
14:48 - 14:50堂々としていられれば...
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14:51 - 14:53それを持たない人々を
そのままにしておくから、 -
14:53 - 14:57別の人々が彼らに
勝手なことをしてしまうんです。 -
14:58 - 15:00土地を奪う。
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15:01 - 15:03爆弾を落とす。
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15:04 - 15:05水を奪う。
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15:08 - 15:10思考を支配する。
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15:10 - 15:14すべては私たちのため、
他者には何もなし。 -
15:14 - 15:19このことは世界のいつの時代においても、
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15:19 - 15:23人類の主人が常に優先してきた
やり方なのです。 -
15:23 - 15:27すべては私たちのため、
他者には何もなし。 -
15:28 - 15:32これは、資本主義の父である
アダム・スミスの言葉です。 -
15:32 - 15:34彼はこの傾向がわかっていました。
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15:34 - 15:37「すべては私たちのため、
他者には何もなし」 -
15:38 - 15:41世界人権宣言で謳われる言葉は
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15:41 - 15:46世界中の人に
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15:47 - 15:49共通するはず。
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15:50 - 15:56基本的人権が否定されることを
私たちは見過ごしてはいけないわ。 -
15:56 - 16:01まっとうな生活を送るための
基本的人権、 -
16:01 - 16:04生活に不可欠な
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16:04 - 16:08食糧、住居そして教育。
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16:08 - 16:12今日の世界で許されざるは
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16:12 - 16:14餓死する子供たちが存在すること。
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16:14 - 16:17今日の世界で許されざるは
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16:17 - 16:20住居のない子供たちが存在すること。
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16:23 - 16:27この問いに答える準備として
ウィキペディアを調べ、 -
16:28 - 16:33世界人権宣言を読み直したんだ。
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16:33 - 16:35涙が出たね。
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16:36 - 16:40泣かずにいられなかった。
すばらしくて。 -
16:41 - 16:43すべてのパスポートに
記すべきだと思う。 -
16:46 - 16:49私の父は37歳のときに殺され、
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16:49 - 16:51母も同じ年で殺されました。
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16:51 - 16:53私の姉妹が殺されたのは
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16:53 - 16:57それぞれ
14歳、6歳、12歳と16歳のときでした。 -
16:58 - 17:01生き延びた私にとって、
命は貴重な意味を持ちました。 -
17:01 - 17:06そして、地球上のすべての人間にとって
貴重であるはずです。 -
17:06 - 17:11なのに、まちがった理由から
命が奪われていきます。 -
17:11 - 17:16私たちは、子供に自分たちの命の方が、
他者よりも価値が高いと教える。 -
17:16 - 17:20アウトサイダー、皮膚の色が違う人、
-
17:20 - 17:24我々よりも所有が少ない人、
我々の言葉を話さない人よりも。 -
17:25 - 17:26人々...
-
17:27 - 17:29他の。
他の人々。 -
17:31 - 17:34よくありがちなのは、
そういう人々が -
17:34 - 17:36「彼ら」と呼ばれ、
「我々」とみなされないこと。 -
17:37 - 17:41すると、
そうした人々の人権や尊厳について -
17:41 - 17:44私たちはあまり関心をもたないし、
心配もしない。 -
17:44 - 17:49この問いにおける「我々」について
考えなければなりません。 -
17:49 - 17:52「我々」そして「彼ら」とは
だれを指すのでしょうか? -
17:52 - 17:56赤ちゃんの泣き声をきくとき、
-
17:56 - 18:01その子が男なのか、女なのか、
国籍も、 -
18:01 - 18:05その子の母親の宗教もわかりません。
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18:05 - 18:07ただ、声あるのみです。
-
18:08 - 18:13忘れてはならない。声あるのみ。
このことを覚えておくべきです。 -
18:13 - 18:17人間が互いを真に兄弟とみなし、
-
18:17 - 18:20そこにいる相手をみな
-
18:20 - 18:23わが子、あるいは親類だと思えたら、
大いに変わるでしょう。 -
18:23 - 18:25我々が心をそこまで大きく開けたら。
-
18:30 - 18:32だれもが自らの尊厳を
-
18:34 - 18:36確立できるのです。
-
18:38 - 18:41しかし、その前に
取り払わねばならないのは、 -
18:41 - 18:45自らを束縛する
政治、思想、宗教や -
18:45 - 18:48国家主義的な偏狭さです。
-
18:51 - 18:52私は...
-
18:54 - 18:56私はジャングルからきました。
-
18:56 - 19:01人生のほとんどを
現地の部族と過ごしました。 -
19:02 - 19:04そこでは
-
19:05 - 19:07自由というものが
-
19:10 - 19:15ここでよりも
重い意味を持っています。 -
19:16 - 19:19彼らほど自由な人間を
私はほかに知りませんね。 -
19:19 - 19:21あの原住民ほど。
-
19:23 - 19:25いいえ、決して。
-
19:26 - 19:29このプロジェクトが
なにかを変えられると思いますか? -
19:29 - 19:34このささやき声、
しゃべり声が聞こえだしたとき、 -
19:35 - 19:37はっとしたね。
-
19:37 - 19:39背中がぞくっとして、
-
19:39 - 19:43これはなにかを動かしている、って
わかった。 -
19:43 - 19:47「ベルリン・天使の詩」を思い出したよ。
-
19:47 - 19:50あのなかで、天使が
やはりそうした声を聞くでしょ。 -
19:51 - 19:54ずっと、これと同じような
声がきこえているんだ。 -
19:55 - 19:58ここでもそれと同じ声がきこえた、
ただし今度は本物だけど。 -
19:58 - 20:01この人たちは
声に出して考えている。 -
20:05 - 20:09あ! ビアンカに会ったかい?
あそこにいるはずだよ。 -
20:10 - 20:11ほら、あそこにいるよ。
-
20:12 - 20:14きっと、遅れたんじゃないかな。
-
20:15 - 20:17ちょっとお願いしてもいいかしら?
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20:17 - 20:22話している最中にカメラを
動かさないでほしいの、じゃないと... -
20:22 - 20:26前か後なら動かしてもいいの、
あるいは話し終わったとき。 -
20:27 - 20:30話している間に動かされると、
話す集中力が… -
20:30 - 20:33-では合図があれば、します。
-了解。 -
21:04 - 21:06問い28、
アンドリューから。 -
21:08 - 21:1122歳、フランクフルト、ドイツ。
-
21:11 - 21:15「中国人が全員、
自動車をほしがったら?」 -
21:16 - 21:18どうぞ、始めて下さい。
-
21:21 - 21:24この問いは差別的だわ。
-
21:27 - 21:28それのどこがいけないの?
-
21:32 - 21:34だれだって、自動車が必要でしょ。
-
21:35 - 21:38なぜ、中国人のことだけをいうの?
-
21:38 - 21:43アメリカへいってごらん、
一家族が3台以上持ってるわ。 -
21:45 - 21:47なぜ中国人?みんな、車がほしいさ。
-
21:47 - 21:51イタリア人もフランス人もドイツ人も、
車がなければほしいに決まっている。 -
21:52 - 21:54インド人がみんな
車をほしがったらどう? -
21:54 - 21:57アフリカ人がほしがったら?
-
21:57 - 22:01すべての中国人が自動車をほしがって、
-
22:02 - 22:05しかも、乗りたい車が
-
22:05 - 22:08一番、大きくて、速くて
パワフルな車種だとすると、 -
22:08 - 22:11見上げる空が暗くなるだろうね。
-
22:12 - 22:15道路が足りず、事故が増え、
-
22:16 - 22:18駐車場が足りず、
-
22:19 - 22:21公害が進みます。
-
22:21 - 22:24中国人がみんな自動車をほしがったら?
-
22:24 - 22:26そうしたら、ドイツ人はみんな
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22:26 - 22:29自動車製造の労働者になって、
-
22:29 - 22:33中国人のために車を作らなきゃいけない、
くたびれ果てるまで。 -
22:33 - 22:35あり得ないね。
-
22:36 - 22:38豊かな国の自動車は
-
22:40 - 22:43ガソリンの二、三パーセントをつかって
-
22:43 - 22:46運転手を移動させます。
-
22:47 - 22:50残りは、
車両とエンジンの重量を動かす際に、 -
22:50 - 22:54そして、熱と摩擦で失われます。
-
22:54 - 22:58私たちは、一連の非常に洗練された、
-
22:58 - 23:00非常に悪い仕組みの車を考案しました。
-
23:00 - 23:04たった一人の人間を移動させるために。
-
23:04 - 23:08石油の価格は、
依然として高騰し続けます。 -
23:09 - 23:13下手をすれば西洋で
経済の混乱が起きるか、 -
23:14 - 23:18少なくとも、苦く、
必然的な認識に到達することでしょう。 -
23:18 - 23:20米国を初め西洋諸国での
-
23:20 - 23:23化石燃料の過剰な消費を
-
23:23 - 23:28なんとかしなければならない、
という切迫した思いが、 -
23:28 - 23:31人々の意識を占めるでしょう。
-
23:31 - 23:33中国は長い間、
-
23:33 - 23:36自転車の国でした。
-
23:36 - 23:38僕が期待するのは、
中国の自動車メーカーが -
23:38 - 23:41車が及ぼす環境への影響を考え、
-
23:41 - 23:44電気自動車の分野に力を注ぐこと。
-
23:44 - 23:47中国は大きなチャンスがあると同時に、
-
23:47 - 23:49大きな責任を担っています。
-
23:50 - 23:56産業化をいかにうまく進めるか。人々、
-
23:56 - 23:58環境、
-
23:59 - 24:02そして世界のために。
-
24:02 - 24:06この問いは中国人が、という話ではなく
-
24:06 - 24:11持続可能ではない状態の比喩ですね。
-
24:11 - 24:13ましてや他者に向かって、
-
24:13 - 24:16私たち自身がやるつもりのないことを
求められないわ。 -
24:16 - 24:20私たちがすべきことは、
失敗から学ぶこと。 -
24:20 - 24:25いかに身勝手で
無責任に生きてきたか、という -
24:25 - 24:27その失敗。
-
24:28 - 24:33問題はどれだけの人が
車をほしいか、ではなくて -
24:33 - 24:36人間の欲望の扉が
-
24:37 - 24:40不可逆的に開けられてしまったことだ。
-
24:40 - 24:43この扉をどうやって閉じることができよう、
-
24:44 - 24:48無限の所有欲があふれ出てしまったのに?
-
24:57 - 25:00-だいじょうぶ?
-だいじょうぶさ。 -
25:01 - 25:05-調子はどう?
-いいよ、ちょっと疲れたけど。 -
25:06 - 25:08-けっこう多いね。
-そうだね。 -
25:11 - 25:14ここで、こうしていることが
すばらしいね。 -
25:14 - 25:18-そう?
-この場所でナチスが本を燃やしたんだ。 -
25:19 - 25:24そうか、それでわかった。だからあそこに
本が積み上げられているのね。 -
25:25 - 25:27まったく、今頃気づくなんて。
-
25:29 - 25:33ウィレム。
あといくつ、問いが残っているんだい? -
25:33 - 25:36-あれだけ出た後で。
-知りたい? -
25:38 - 25:43私、すべての問題について
ついたくさん話してしまうの。 -
25:44 - 25:47ぜんぶ炎上させちゃうのよ!
-
25:49 - 25:52-こんな感じでいいかい?
-問い33。 -
25:52 - 25:56ニューヨーク在住の作家、
-
25:56 - 26:00シリ・ハストヴェットからの質問です。
-
26:00 - 26:05私がとても興味をそそられるのは、
-
26:05 - 26:08現在の消費文化が
-
26:08 - 26:11どんなふうに影響を及ぼすかということ。
-
26:12 - 26:16例えば人間の個性だとか、生活様式とか
-
26:16 - 26:18考え方だとか、
-
26:18 - 26:21既存の文化における人々の内面に。
-
26:21 - 26:24どんな風に私たちの一部となり、
-
26:25 - 26:29そうした言葉と映像の文化に対して
-
26:29 - 26:33抵抗するのはどんな意味があるのか。
-
26:33 - 26:35「私の感覚では、常に、
現実が還元され、単純化されて」 -
26:35 - 26:38「なにかの形に成り代わり」
-
26:38 - 26:41「簡単に売買できるように
なっていると思います。」 -
26:49 - 26:51思うに...
-
27:04 - 27:06消費文化は...
-
27:07 - 27:09その機能は、
-
27:10 - 27:15社会の欲望を生み出し続け、
-
27:15 - 27:20常になにか新しい物、
よりいい物、より便利な物を... -
27:20 - 27:22人間は、何も要らない。
-
27:23 - 27:27自分自身があればいいの。
-
27:27 - 27:29それから、愛ね。
-
27:31 - 27:33世の中、コーヒーポットは充分あります。
-
27:33 - 27:37たくさんの道具に囲まれ、
いすも充分あります。 -
27:37 - 27:40たくさんあるなかからひとつだけ使い、
-
27:40 - 27:46そのあまったエネルギーを
本当に大切なことに注ぐのです。 -
27:46 - 27:51すべては売春文化の一部でしかない。
-
27:51 - 27:53人間の価値が売られ、
-
27:54 - 27:57人間性だって、巨大な売春マシンだ。
-
27:58 - 28:00我々は怪物をつくってしまった。
-
28:02 - 28:04農業の進歩から生まれた怪物だ。
-
28:05 - 28:10マクドナルドの牛は
なんの儀式もなく殺される。 -
28:11 - 28:16動物が食を与えてくれることに対し、
なんの敬意も、感謝もない。 -
28:17 - 28:20そんな儀式のない食は、悪しき食となる。
-
28:21 - 28:23それに、知っていますか?
-
28:23 - 28:25マクドナルドが食されるところでは、
-
28:26 - 28:27人々が病気になる。
-
28:29 - 28:32当然じゃないか?儀式もないのだから。
-
28:32 - 28:35世界でもっとも力のある人間とは、
-
28:36 - 28:40人々の考え方に影響を与えられる人。
-
28:42 - 28:46人の行いや、社会運動に
-
28:47 - 28:49影響を与えられる人。
-
28:49 - 28:52ほかには社会が自己を見る目、
-
28:53 - 28:57歩き方、話し方、食べ方、
飲み方、などへの影響力。 -
28:58 - 28:59結局ぜんぶ、経済の話だ。
-
29:00 - 29:03私たちを破壊するシステムよ。
-
29:03 - 29:06私たちを消費するシステム。
-
29:07 - 29:09見つめるべきなのは、
-
29:10 - 29:14自由市場そのものであって、
-
29:16 - 29:20私たちがいかにして
-
29:20 - 29:22道徳的な側面を配慮できるか、
ということ。 -
29:23 - 29:27豊かさは分かち合い、相手を思いやり、
-
29:28 - 29:31自分自身も他人も幸せに暮らすためのもの。
-
29:31 - 29:35一番深い、よき豊かさとは、
他者に奉仕するためのもの。 -
30:42 - 30:44問い 37。
-
30:44 - 30:49トム・ヘンツェ、
30歳、ベルリン、ドイツ。 -
30:50 - 30:56「私たちの富は、第三世界の貧困の上に
成り立っているのか?」 -
30:57 - 31:01「第三世界」と呼ぶこと自体、傲慢だ。
-
31:01 - 31:04第三世界じゃない。単に、
-
31:04 - 31:09発展のしかたが異なるか、
発展がゆっくりな世界だというだけ。 -
31:09 - 31:13だが、第三世界じゃない。
第一はどこになる? -
31:13 - 31:16第三世界とは
どのように定義されるんだ? -
31:16 - 31:20第一、第二、第三の世界があるかい?
-
31:21 - 31:23ないだろ。
-
31:24 - 31:25ひとつの世界?
-
31:27 - 31:30うまくいっていない?
人間が台無しにしている? -
31:32 - 31:37我々の豊かさが
第三世界の貧困のおかげだとしたら、 -
31:38 - 31:41それは問題だ。本当に問題だ。
-
31:41 - 31:43彼らはまず、金を奪ったのよ。
-
31:43 - 31:45でも、先住民にとって
-
31:45 - 31:48金は、資本主義者たちとは
同じ意味を持っていなかった。 -
31:49 - 31:53アフリカは人類のゆりかごだといいますが、
-
31:53 - 31:56私があえてはっきりといいたいのは、
-
31:57 - 32:00アフリカが、資本主義の
臨終の床になるということです。 -
32:06 - 32:08略奪されたアフリカ...
-
32:10 - 32:13アフリカ、悲惨なアフリカ。
-
32:13 - 32:18アフリカについて話すとき、
感情なくしては話せない。 -
32:19 - 32:22胸を引き裂かれるような思いでしか。
-
32:23 - 32:26満腹に暮らしている人には、決して
-
32:28 - 32:30餓えの苦しみはわからない。
-
32:31 - 32:33ナイジェリアの酋長がこういったんです。
-
32:33 - 32:37「その富を我々と分かち合わないなら、
我々の貧困を分けてやろうじゃないか」 -
32:37 - 32:41世界平和を望むなら、
公平な分配について考えることです。 -
32:43 - 32:47納得すべきなのは、
資源をみんなで分かち合う、 -
32:48 - 32:54だけど、まずは必要な人々に
与えるべきだということ。 -
32:55 - 33:00真の所有は、必要性のある所有です。
必要から生じるのです。 -
33:00 - 33:05グラス一杯の水がほしいとき、
必要性に基づいて僕のものとなるのです。 -
33:05 - 33:07公平... 「公平」という言葉は
-
33:07 - 33:11経済ではあまりきかない言葉だね。
-
33:12 - 33:15つながりを作る必要があります。
-
33:16 - 33:20人々の貧困と、
-
33:20 - 33:26その国の富との間に。
そして監視するのです、 -
33:27 - 33:30どこへ富が行ってしまうのか。
-
33:30 - 33:35私の考えるグローバル化とは、
-
33:35 - 33:40グローバルな家族を作ることです。
その際には、 -
33:40 - 33:44未熟さの表れである
敵対的な競争関係から抜け出し、 -
33:44 - 33:48もっと成熟した
協力関係へと移行するのです。 -
33:48 - 33:52これは、進化の間に多くの品種が
やり遂げたことですから -
33:52 - 33:56今度は私たち人間がそうする番です。
-
33:56 - 33:58簡単にいいましょう。
-
33:58 - 34:02人が、神的な寛大さに組したいと思えば、
-
34:02 - 34:04与える力を得る。
-
34:04 - 34:06命すべてが与えられる。
-
34:06 - 34:09また、そうする人は「与える」派です。
-
34:09 - 34:12でも、もし君の生活が
取ることを中心に回っていたら、 -
34:12 - 34:15君は「取る」文化の一部ということになる。
-
34:15 - 34:20選択肢は「取る」の一部となって
忘れられるか、 -
34:20 - 34:24あるいは「与える」の一部となって
許されるか、だ。 -
34:26 - 34:29それ、すごくいいですね。
すばらしいわ。 -
34:29 - 34:33-隣の方がいって下さったわ。
-もう一度、繰り返して。 -
34:33 - 34:37ええ。私の席にかけて、
私の代わりにいって下さる? -
34:40 - 34:44お互いにもっとやり取りがあるといいよね。
-
34:44 - 34:48だれかと分かち合うと、
元気が出てくるから。 -
34:48 - 34:54でも私の脳が、脳があまり...
これはね、君にいってるんだよ!君に... -
34:54 - 34:55君に向けた言葉なんだ!
-
34:58 - 35:00-あら、こんにちは。
‐あれ、どう調子は? -
35:00 - 35:02楽しんでるかしら?
-
35:03 - 35:05-楽しんでる?
-ええ。 -
35:06 - 35:09あなた、賢いから。天才的よ。
-
35:10 - 35:12答えがすらすらと口をついて出てくる。
-
35:13 - 35:16-わからない、わからない。
-わからないよ! -
35:17 - 35:19ぼくら、大実験中なんだろ?
-
35:19 - 35:21問いがどうのというより
ぼくら自身のことなんだ。 -
35:29 - 35:30どうぞ、続けて。
-
35:31 - 35:33どうもありがとう。
-
35:34 - 35:38さっきの最後の問いに
みなさんが答えている間、 -
35:38 - 35:43私は輪のなかを歩きながら、
みなさんの顔や声、 -
35:44 - 35:46表情を見ることができました。
-
35:47 - 35:50とても感動的でした、
-
35:50 - 35:53輪を歩きながら
目に入ったすべてのことが。 -
35:53 - 35:56これだけ多様な人々の
集まりなのですから! -
35:56 - 35:58私たち自身による国連です!
-
35:58 - 36:02アフリカ、アジア、オーストラリア、
-
36:02 - 36:05ヨーロッパ、そしてアメリカからの方々。
-
36:05 - 36:09将来への投資をしに、
ここに集まったのはすばらしいことです。 -
36:13 - 36:14問い 41。
-
36:15 - 36:21アドリエン・メッサロス、
30歳、ブダペスト、ハンガリーより。 -
36:22 - 36:25「植民地主義の
新しい形態は存在しますか?」 -
36:26 - 36:27はい。
-
36:29 - 36:32植民地主義の現代版は存在します。
-
36:32 - 36:34それは、借金と呼ばれています。
-
36:35 - 36:36借金と呼ばれ、
-
36:36 - 36:41構造調整政策というものを、
-
36:41 - 36:45世界銀行と世界通貨基金から
押し付けられます。 -
36:46 - 36:49たくさんのお金が発展途上国に流れ、
-
36:49 - 36:53私たちの政府の主権、国民の主権を
-
36:53 - 36:55操るために使われます。
-
36:55 - 36:58世界銀行と通貨基金がいうには、
借金を返すなら、 -
36:59 - 37:01借金は返さないといけないから、
-
37:01 - 37:04お宅の国の利子率を
上げなければなりません。 -
37:04 - 37:09それが、事業の資金繰りや
雇用を国内で困難にしているのです。 -
37:09 - 37:12何もかも
民営化しなくてはならないその国では、 -
37:12 - 37:14その大きなチャンスにすかさず
-
37:14 - 37:16外国企業や現地のエリートが
-
37:17 - 37:20かつての公営会社を
買い上げてしまいます。 -
37:21 - 37:24アメリカ合衆国は、
-
37:25 - 37:29ある民族の抹殺の上に成り立っている。
-
37:29 - 37:32ヨーロッパは、
-
37:33 - 37:36コンゴを搾取し、
-
37:37 - 37:42南アフリカの金やダイアモンドを
搾取した上に成り立っている。 -
37:42 - 37:45奴隷化は、資源を奪うためだった。
-
37:46 - 37:47今では石油、そしてダイアモンドだ。
-
37:47 - 37:52今ではダイアモンド、鉱物、
そして一次資源。 -
37:52 - 37:54国々は...
-
37:55 - 37:57ラテン・アメリカの国々は、
-
37:58 - 38:03いまだに搾取され続けています。
-
38:03 - 38:05資源の搾取。
-
38:05 - 38:08こうした政治は、
利益をもたらしました、 -
38:09 - 38:12その国々のほんの一握りの人に。
-
38:13 - 38:16吸血鬼みたい。吸血鬼なのよ!
-
38:16 - 38:22彼らは、他人の力、強さ、命をつかって
-
38:22 - 38:25自分の経済を潤すの。
-
38:25 - 38:29グローバル化に基づいた
現代の経済植民地主義です。 -
38:29 - 38:32しかし、構造的には
-
38:33 - 38:36四、五百年前とまったく同じ。
-
38:36 - 38:40植民地主義よりも巧妙です、
軍隊が要らないのだから。 -
38:40 - 38:43管理する組織もいりません。
-
38:43 - 38:48なんの代償も払わなくていい、
国家、干渉する権力。 -
38:49 - 38:53「私たちは、
すべてのために充分ある地球の子供です。 -
38:53 - 38:56でも、多くが飢えていて、
満たされているのはほんの少し。 -
38:57 - 38:59一人が食べると、他が苦しむ。
-
38:59 - 39:01これまでもずっとそうだった。
-
39:01 - 39:05他の国は貧しいままでいい、
豊かな国が豊かであるために。」 -
39:05 - 39:07これが理想的な制度だというのは、
-
39:08 - 39:11目には見えないからです。
-
39:12 - 39:14植民地主義は目に見えます。
-
39:14 - 39:17その写真を見て、不快になります。
-
39:17 - 39:22でも、借金は見えない上に、
同様に機能し、もっと能率がいいくらい。 -
39:22 - 39:27アメリカ人としてここで
この話をするのは居心地悪いものです。 -
39:27 - 39:31でも、それが現実世界の
暗い側面なのです。 -
39:31 - 39:35限りなく現実です。
そして多くの困窮をもたらしました。 -
39:35 - 39:39私たちは世界で起こっていることを
知らなければなりません、 -
39:40 - 39:41その状況を変えるために。
-
39:42 - 39:46もっと違ったかたちでの
民主主義的な生き方、 -
39:46 - 39:48組織のあり方があるはずだ、
-
39:49 - 39:52それが、どんな帝国主義的、
-
39:53 - 39:56植民地主義的な服従を免れるように。
-
39:57 - 40:00これは、21世紀の重大な問いだ。
-
40:16 - 40:21問い 45。
カタリナより、24歳、ドイツ。 -
40:22 - 40:27「私たちはなぜ、いまだに人間性よりも、
国籍を信用するのか?」 -
40:31 - 40:33それは我々の脳の状態が、
-
40:34 - 40:36ずっと訓練され続けた結果、
-
40:36 - 40:40国のアイデンティティの
一部になってしまうからだ。 -
40:41 - 40:44そういう視点になる。
-
40:45 - 40:47そして、その国の中でも今度は
-
40:48 - 40:51もっともっと小さなグループの
アイデンティティがある。 -
40:51 - 40:53だから私たちは恐れるのです。
-
40:55 - 41:01自分たちを守るために、
枠の中に入れられています。 -
41:02 - 41:04不安を抱いています。
-
41:05 - 41:09だれが味方で、
だれが敵なのかわかりません。 -
41:09 - 41:11それが人間性を破壊したのです。
-
41:12 - 41:14ひとつ、例を挙げましょう。
-
41:14 - 41:18いま、私の国、イラクでは
-
41:19 - 41:21ほとんどの人がしがみつき、
-
41:23 - 41:25信じるのは
-
41:26 - 41:28自分たちだけ、
-
41:29 - 41:34あるいは隣人や同じ町の人。
-
41:35 - 41:38それまでは、相手がだれなのか、
-
41:38 - 41:41どこの町から来たのか、
-
41:41 - 41:43どの民族や家系に属するのか
いちいち尋ねませんでした。 -
41:44 - 41:49ただ、相手を
友好的に迎え入れていたのです。 -
41:49 - 41:54でも安全性、
心理的な安心感によって -
41:54 - 41:58人間は自分というものの
価値観が広がり、 -
41:58 - 42:02他者との違いを
尊重できるようになるのです。 -
42:02 - 42:06でも人間が恐れ、怯え、孤立すると
-
42:06 - 42:08どんどん寛容ではなくなるのです。
-
42:08 - 42:12そして国家のなかで
人々はマスコミによって -
42:12 - 42:14扇動され、
-
42:14 - 42:18会ったこともない、よその人々を
憎むように刷り込まれるのです。 -
42:19 - 42:22我々は、なんらかの属性を持つよう
条件付けられています。 -
42:22 - 42:26ある民族の一員として、
保護主義者として -
42:27 - 42:29あるいはナショナリストとして。
-
42:30 - 42:32もちろん
理解していなければならないのは -
42:32 - 42:35ナショナリズムが
真に狂信的だということ。 -
42:36 - 42:38おそらく、すべての人に
-
42:40 - 42:42人種差別主義的な独裁者が
潜んでいるでしょう。 -
42:43 - 42:45そう確信しています。
-
42:46 - 42:49私たちにとって家族が親族よりも近く
-
42:51 - 42:55親族のほうが部族よりも近く、
-
42:55 - 42:58部族のほうが国民よりも近く、
-
42:59 - 43:03国民のほうが人間性よりも
近い存在なのです。 -
43:04 - 43:07私は国籍を信用しません。
-
43:07 - 43:0921世紀の自分たちについて考えたとき、
-
43:10 - 43:14可能性の世界の子供、未来の子供は、
-
43:14 - 43:18もしかしたら国家文化や区分を超えた
中間にいるかもしれない、 -
43:18 - 43:20従来の定義から外れた場所に。
-
43:20 - 43:22私たちが所属するのは国家でなく、
-
43:23 - 43:26従来の秩序でもなく、
なにかそれを越えたものだろう。 -
43:26 - 43:30僕が思うには、ある程度のところまで、
-
43:30 - 43:35国家という発想は既に崩れかけていて
-
43:35 - 43:41ますます本来の姿に、
国家を超えた人間になっていくのではないか。 -
43:43 - 43:47時として、最悪の敵は
-
43:48 - 43:50自分自身の知覚だ。
-
43:51 - 43:53ありがとう。
-
44:54 - 44:58問い48はグレンからです。
ケープタウン、南アフリカ。 -
44:59 - 45:03「どのように自国の政府が
戦争するのを阻止できるか?」 -
45:04 - 45:08私は、
一度も戦争したことのない国からきました。 -
45:08 - 45:11だから、戦争のことは何も知りません。
-
45:11 - 45:15でも、あなた方が戦争で
苦しみを受けたことは知っています。 -
45:15 - 45:18私ですか?平和の国からきました。
-
45:18 - 45:22平和しか知らない国。
-
45:23 - 45:26撃たれる恐れも知らず、
-
45:26 - 45:29銃口を向けられたこともなく、
-
45:31 - 45:33領土のために戦ったこともありません。
-
45:34 - 45:38戦争に行くのは我々。あなた、私、我々。
-
45:38 - 45:42政府は戦争に行かない。
政府が我々を戦争に送る。 -
45:43 - 45:44我々が代償を払う。
-
45:45 - 45:48支払う代償は
肉体的なものだけでなく、 -
45:51 - 45:54精神的な代償も払う。
-
45:57 - 46:01モラルの基盤を失い、
自分自身を見失う。 -
46:01 - 46:06実際、恥ずべきことだわ。
-
46:06 - 46:08強国は恥じるべきよ、
-
46:08 - 46:12文明へのひどい仕打ちを。殺すつもり?
-
46:12 - 46:15私は、ボズニアの戦争を生き延びました。
-
46:15 - 46:17子供時代の3年半の間に
-
46:17 - 46:22何百万という爆弾が
私の街で爆発しました。 -
46:23 - 46:27爆弾の爆発音をきくことは
-
46:27 - 46:31とても説明できない体験です。
-
46:31 - 46:33体内でそれを感じるから。
-
46:33 - 46:36思い出すのは、私の体が
-
46:36 - 46:39その凄まじい爆破と
破壊の音に反応して -
46:40 - 46:43毎回、心臓が跳ね上がりました。
何百万回となく。 -
46:44 - 46:47時々、もう私の心臓はこれに耐えられない、
-
46:48 - 46:51粉々にはじけ散ってしまうかと思いました。
-
46:55 - 46:59私たちは民間の犠牲者です。
数の話をしてるのではありません。 -
46:59 - 47:03破壊された生活や家族の話を
してるのではありません。 -
47:04 - 47:07巻き添えで犠牲者となった民間人。
茫然とさせられます。 -
47:08 - 47:10その顔は見えません。
離れたできごとです。 -
47:11 - 47:13政治のプロセスは、
現実との接点を失い、 -
47:14 - 47:17戦争はいまや
経済的な理由のみで起こる。 -
47:18 - 47:21理解しがたいのは、
-
47:21 - 47:23世界の強国が
-
47:23 - 47:27莫大なお金を死のためにつかう、
ということだ。 -
47:27 - 47:30私たちがつながりを
なくしてしまったのは、 -
47:32 - 47:35政府が行うことへの
私たちの責任です。 -
47:35 - 47:38無力感のなかで
自分自身を見失いながらも、 -
47:38 - 47:41その状態をすぐに変えられると
錯覚しています。 -
47:41 - 47:44戦争反対のデモ行進をしても
なにも変わらず、 -
47:44 - 47:47人々はまた
ふだんの生活に戻るんだけど、 -
47:47 - 47:51その間に、
反対運動をしたはずのことが -
47:51 - 47:54想像を超えるような
悪夢のような事態になってしまう。 -
47:55 - 47:56デモをした当時ひどかった戦争が
-
47:57 - 48:00デモしなくなったら
それほどひどくなくなったのはなぜ? -
48:00 - 48:04政府を阻止するのは難しい問題だ。
-
48:04 - 48:08唯一の方法は
政府を転覆させることだろうね、 -
48:08 - 48:10革命を起こして。
-
48:10 - 48:15でも革命なんて、
いまどき時代遅れの感がある。 -
48:15 - 48:17そんな言葉は思い浮かばない。
-
48:17 - 48:20しかし、政府をとめるには
それしかないじゃないか。 -
48:22 - 48:24一番重要なステップとして
-
48:25 - 48:28世界中の女性ができることは、
-
48:28 - 48:30子供たちを送り出さないことです、
-
48:32 - 48:36兵隊や殺人者に
仕立て上げられないために。 -
48:37 - 48:42私の国では、みんなが互いを憎み合い、
-
48:43 - 48:46残虐な殺し合いをし、
-
48:46 - 48:49相手を人間とも思わないような
ことをしていました。 -
48:50 - 48:54こうした惨劇は、
ほんの短い間に発揮される -
48:54 - 48:58とてつもない破壊力のせいで
引き起こされます。 -
48:58 - 49:02こんなことをする政府は
取って代わられねばなりません。 -
49:02 - 49:06こうした戦争行為の
責任を負う各リーダーたちは -
49:07 - 49:09法で裁かれなくてはなりません。
-
49:10 - 49:13ここ20年の間に
喜ばしい進歩がありました。 -
49:13 - 49:16ピノチェト将軍をはじめとする
何人もの軍人が -
49:17 - 49:22大勢の人々を殺戮し、
死者、行方不明者を出した責任を問われ、 -
49:23 - 49:26世界の法の裁きを受けたのです。
-
49:26 - 49:29だから、だれにでも適用される
世界規範が必要です。 -
49:29 - 49:32どのリーダーも同じように責任を問われ、
-
49:32 - 49:36その行いが裁かれなければなりません。
-
49:39 - 49:44人間として思うのは、現代の戦争とは何?
-
49:45 - 49:48互いに殺しあうことは、
-
49:49 - 49:52たくさんの、たくさんの人から
平和を奪うこと。 -
50:29 - 50:31問い56。
-
50:32 - 50:35モイーズ・マラボー、23歳、
-
50:36 - 50:38アガデス、ニジェール。
-
50:38 - 50:41「中東にまだ平和が訪れないのはなぜ?」
-
50:44 - 50:48この問いは、とても、とても、とても
-
50:48 - 50:52胸に迫る問題ですね、
イスラエル人の私としては。 -
50:52 - 50:55私の視点からしか語れませんが、
-
50:56 - 50:59中東に平和が訪れないのは、
-
51:00 - 51:04イスラエルのうぬぼれのせいです。
-
51:04 - 51:06正義と取り組まない限り、
-
51:07 - 51:08平和はありません。
-
51:09 - 51:11平和とは、紛争の合間の休止状態ではなく、
-
51:11 - 51:15目指すべき継続的な状態です。
-
51:16 - 51:19今の平和は、
-
51:19 - 51:23偽の平和だ。
-
51:23 - 51:27不信の上に成り立っている平和。
-
51:27 - 51:29石油。
-
51:31 - 51:36双方に狂信者がいる
というのが原因だと思います。 -
51:36 - 51:38双方に。
-
51:39 - 51:43私たちがひどく怯えていることは
事実として、無視できません。 -
51:44 - 51:46でも、自分たち自身を癒すために
-
51:46 - 51:50他人を思いやることを思い出したり、
-
51:50 - 51:53愛することや、許すこと、
-
51:54 - 51:58打ち解けた対話の重要性を
考える代わりに -
51:58 - 52:02私たちは、仮想の正義の後ろに
隠れ続けるのです。 -
52:02 - 52:04でも、実際にはありません。
-
52:04 - 52:07自分たちにされたことを口実に、
何をしても許されると思っているんです。 -
52:08 - 52:12パレスチナ人とイスラエル人は
共存を願っていると思うよ。 -
52:13 - 52:16こっちが先に住んでいたとか、
-
52:16 - 52:19あっちが先だとかの論争は
この際関係ない。 -
52:19 - 52:23我々のだれもが、
この地球の訪問者なのだから。 -
52:23 - 52:26我々のだれもが、
大地を借りている異邦人なのだから。 -
52:27 - 52:32パレスチナ人とイスラエル人が
平等に、尊厳を保ち、 -
52:32 - 52:36互いを尊重し、連帯意識を持って暮らせば、
-
52:36 - 52:40世界中から反響がくるだろうね。
-
52:40 - 52:44あの愚かな戦いに終止符を打つ。
-
52:44 - 52:48西洋文化とイスラム文化との
板ばさみになってくりひろげる戦い。 -
52:48 - 52:52なんてバカバカしい。
イスラエルとパレスチナでこそ、 -
52:52 - 52:56双方が手を結べば、
最高の文化になることを証明できるのに。 -
52:57 - 52:59ええ、夢物語にきこえることでしょう。
-
52:59 - 53:03私の国、私の共同体でよくいうんですが...
-
53:13 - 53:14その意味は、
-
53:14 - 53:19「二頭の雄牛が闘うと、
痛むのは地面の草。」 -
53:46 - 53:50問い61はヴォルフガング・ヨスト、
-
53:50 - 53:5323歳、ベルリン、ドイツから。
-
53:55 - 53:57「イランの核爆弾は、
-
53:58 - 54:03なぜ、米国やイスラエルやフランスのより
危険とみなされるのか?」 -
54:05 - 54:10これは、米国やフランス、
イスラエルで発するべき質問じゃないね。 -
54:10 - 54:12だが、この質問を
-
54:12 - 54:16アルジェリアやイラク、
-
54:17 - 54:21レバノンやパレスチナ、あるいは...
-
54:24 - 54:26日本でしたらどうだろう?
-
54:26 - 54:291945年、8月7日。
-
54:30 - 54:34米国は広島に原爆を投下した。
-
54:36 - 54:41何十万人も死んだ。
学校の子供たち、民間人。 -
54:42 - 54:47殺戮はその後、何年にもわたって
-
54:47 - 54:51被爆の影響で続いた。
-
54:53 - 54:58原爆を実際に使用したのはだれだった?
-
54:59 - 55:02今のところ、米国だけだ。
-
55:02 - 55:07イランはイスラエルを破壊することを
予告し、約束する。 -
55:07 - 55:12確実なのは、イランが核兵器を得たとき、
-
55:12 - 55:14必ずその約束を果たすだろう、ということ。
-
55:15 - 55:18イスラエル。イスラエルの爆弾?
-
55:18 - 55:20どこから来るんだろうね?
-
55:22 - 55:23我々が作っているんだよ。
-
55:25 - 55:28我々がイスラエルに売ってるってわけ。
-
55:29 - 55:34米国、イスラエルとフランスの爆弾は
なくすべき。 -
55:34 - 55:37フランスと米国は法的に
そうする義務がある、 -
55:38 - 55:40核拡散防止条約に基づいて。
-
55:41 - 55:44そしてイスラエルは安全保障上、
-
55:46 - 55:50その地域の紛争を
武力行使せずに解決することを望んでいる。 -
55:51 - 55:54だれかが核兵器を保有する限り、
他の国も保有したがる。 -
55:54 - 55:57ほしいと願い続ければ、
いつか手にしてしまう。 -
55:57 - 56:00そんな爆弾が存在する限り、
避けられないのは -
56:00 - 56:03事故、あるいは意図的に
それが使用されてしまうこと。 -
56:03 - 56:07いずれにせよ、破滅的だから
それはなくさなければならない。 -
56:08 - 56:12なぜ、核爆弾なんか必要なんでしょう?
-
56:14 - 56:17こんなはずじゃ...
もし、最初からやり直せるなら、 -
56:17 - 56:22誰一人、核爆弾の開発が
いい案だとはいわないでしょう。 -
56:24 - 56:25正気じゃない!
-
56:27 - 56:31もし、原爆の影に怯えずに暮らせたら
私たちはどうしていたかしら? -
56:32 - 56:34きっと、もっと別な人間に
なっていたと思うんです。 -
56:34 - 56:40外部からかんたんに操られてしまうような
-
56:41 - 56:43恐れを抱いて、暮らしていた?
-
56:45 - 56:50いま許されているような暴力のレベルを
果たして許していたでしょうか? -
56:50 - 56:52していなかったと思います。
-
56:52 - 56:56きっと、もっとすばらしい方法を
見つけていたんじゃないかと思う、 -
56:56 - 56:59紛争を武力以外の方法で
解決するために。 -
57:01 - 57:06そして、21世紀にいる私たち自身が
-
57:07 - 57:09兵器技術の進歩によって
-
57:09 - 57:14多大な影響を受けているはずです。
-
57:15 - 57:18まだ完全には理解していないのです、
-
57:18 - 57:22人間性に対してされた仕打ちが何を変え、
-
57:22 - 57:25原爆を使ったことによって
アメリカ人の何を変えてしまったのか。 -
57:26 - 57:29それによって、
-
57:33 - 57:35いかに私たちの内面が暴力的であるか。
-
57:35 - 57:39それによって憂鬱の度合い、
-
57:40 - 57:42依存の度合いが決まり、
-
57:43 - 57:46分離され、拒絶され。
-
57:47 - 57:51きっと、全然ちがった世界に
なっていたはず。 -
57:51 - 57:52全然ちがう世界に。
-
57:52 - 57:55もっと思いやりがあって、寛容で。
-
58:15 - 58:17ありがとう。
-
58:17 - 58:20問い62は、
-
58:20 - 58:23作家であり、活動家の
アルンダティ・ロイからです。 -
58:24 - 58:29「非暴力の抵抗と武力による闘い、
どちらにすべき? -
58:29 - 58:32何が効果的?どうするのが正しい?
-
58:32 - 58:38あるいは、抵抗の生物多様性が必要?」
-
58:39 - 58:44アルンダティ、あなたがここにいて
このささやき声が聞こえ、 -
58:48 - 58:49この人々の顔を見られたら。
-
58:52 - 58:55「抵抗の生物多様性」っていうのがいいね。
-
58:56 - 58:57これはすごい問いだ。
-
58:57 - 59:01でも、ぼくらがこれに答えていい
立場にあるだろうか。 -
59:02 - 59:06ぼくは、非暴力の抵抗を、といいたい。
-
59:06 - 59:09抵抗によって達成されるものと思いたい。
-
59:10 - 59:13でも弾圧されている人々に
抵抗の形態を指定なんかできない。 -
59:14 - 59:18抵抗の形態が多様にあるべきなのは、
確かにそのとおり。 -
59:18 - 59:21武力による闘いは
最後の手段であるべきだから。 -
59:21 - 59:26そのときは、注意深くなくてはならず、
-
59:26 - 59:28なるべく懐疑的でいたほうがいい。
-
59:28 - 59:31それでも、
武力がどうしても必要になる場合も -
59:32 - 59:33あるだろう。
-
59:33 - 59:35だが、ほとんどの場合は
-
59:35 - 59:39あらゆる形態の
非暴力の抵抗、闘いを駆使して -
59:39 - 59:42非暴力が活動の形態として
-
59:42 - 59:46生命と活力に満ち、
-
59:46 - 59:50犠牲と苦しみを
代償とすることを知らしめ、 -
59:50 - 59:54自分や他人の内のいちばん善の部分を
-
59:54 - 59:56示せるようでなければならない。
-
59:57 - 60:00変化のための闘いにおいて
-
60:01 - 60:05それが成功したケースはどれも
-
60:05 - 60:09作戦の上で、あなたがいう
「生物多様性」を保持していました。 -
60:09 - 60:11非暴力の抵抗から、
-
60:13 - 60:16政治組織、演説、
-
60:17 - 60:19そして、武力闘争にいたるまで。
-
60:19 - 60:23武力闘争を正当化するために
起草された原則は、 -
60:23 - 60:26アフリカ民族会議と
チェ・ゲバラによるものですが、 -
60:26 - 60:29これは、単なるテロ行為による、
暴力自体を目的化し、 -
60:29 - 60:33無意味に犠牲者を出す形態とは
一線を画すもの。 -
60:33 - 60:38その武力闘争は、弾圧されている多数を
-
60:38 - 60:40動員し、保護するためなのです。
-
60:41 - 60:43組織する一人として、
どんな決定を下そうが、 -
60:43 - 60:46どんな運動のなかにいようが、
常に自問するのは: -
60:46 - 60:50選んだ作戦がもたらす結果の
責任を負えるか、ということ。 -
60:50 - 60:54変化が起こったとき、あり得ないのは
-
60:54 - 60:56だれも余波を受けない、ということです。
-
60:57 - 61:01変化には、必ず犠牲が付きまといます。
-
61:01 - 61:04まず考えましょう。
どれほどの覚悟がありますか? -
61:05 - 61:07目的に迷いはありませんか?
-
61:09 - 61:11では、武器を選びましょう。
-
61:13 - 61:16ペンでもいいし、銃でもいい。
-
61:17 - 61:22カメラでも、紙切れでも、ナイフでもいい、
-
61:23 - 61:25あなたの命でもいい。
-
61:25 - 61:29非暴力の抵抗で
多くを達せられると思います。 -
61:30 - 61:35でも、武力闘争は
正当化できるでしょうか? -
61:35 - 61:37革命は正当化される?
-
61:39 - 61:44抵抗にばかり目を向けるのは
誤っているんじゃないかしら。 -
61:44 - 61:47抵抗することばかりに
集中していてはいけません。 -
61:47 - 61:51魅力ある代案を練らないといけません。
-
61:51 - 61:56新しく、達成し甲斐のある
魅力的な範型。 -
61:56 - 62:01だれもが、それぞれの美しさで
輝いていたら...想像してごらん! -
62:02 - 62:07ここに座っている全員が
それぞれの美しさで輝いているんだ。 -
62:07 - 62:10そうです、アルンダティ、
-
62:11 - 62:14この地球には、生物多様性が必要です。
-
62:14 - 62:17みんなの言語であり、みんなの文化であり、
-
62:17 - 62:20みんなの精神的理解です。
-
62:20 - 62:23この瞬間、周りを見回すと
-
62:23 - 62:26グローバルなコミュニティを
代表する輪として、 -
62:27 - 62:31多様性がある。考えの多様性、
-
62:31 - 62:34発想の多様性、コンセプトの多様性。
-
62:34 - 62:36だれか、
これを聞いている人はいるんですか? -
62:37 - 62:39いつでも?
-
62:40 - 62:43きっと、世界に向けて
飛び出していくだろうね、 -
62:43 - 62:45円盤みたいに。
-
62:46 - 62:48すごいね。
-
62:49 - 62:52そう?いいと思う?
よかった。 -
62:53 - 62:55ちょっと頭を一休みさせて、
-
62:56 - 63:00周りで起こっていることを
純粋に感じたらどうかな。 -
63:00 - 63:02周りのことを、感覚だけで。
-
63:02 - 63:05それとも、まだ考えちゃっている?
-
63:07 - 63:10-カメラは友達ね。
-おい、みんな。 -
63:11 - 63:14ぼくが話したなかで、
ひとつでも賢いこといってたら -
63:14 - 63:17それだけとって、あとはぜんぶ消してね。
-
63:18 - 63:21輪の真ん中に行ったのね。
真ん中はどうだった? -
63:21 - 63:25すごくいい。びっくりするよ。
いろんなのをクリックできて。 -
63:27 - 63:28どのカメラにもいけるんだ。
-
64:03 - 64:04問い75。
-
64:05 - 64:09サラ・フランシスより。
35歳、ダブリン、アイルランド。 -
64:10 - 64:13「勇気とは今日、何を意味するか?」
-
64:13 - 64:18勇気とは、私がその人物に
一目をおく部分です。 -
64:18 - 64:22勇気ある人々に敬服します。
-
64:22 - 64:25勇気は、
日々の暮らしを続けるのを助けてくれます。 -
64:26 - 64:30「勇気は、一歩一歩、
段を上っていくようなもの!」 -
64:31 - 64:34人間であるには、勇気が要る。
存在するには、勇気が要る。 -
64:35 - 64:40孤独は勇気だ。孤立。完全なる中立。
-
64:40 - 64:46自分自身が不安なのは、勇気だ。
-
64:46 - 64:48勇気はたくさんのことだわ。
-
64:48 - 64:51勇気とは、アウンサンスーチーの勇気。
-
64:52 - 64:54彼女はずっと、
-
64:55 - 64:58外部と連絡を絶たれ、
自宅に監禁されている。 -
64:59 - 65:02勇気とは、
-
65:02 - 65:06天安門広場にいた学生の勇気。
-
65:06 - 65:11私たちは様々に命のリスクを冒します。
-
65:11 - 65:14私はそんなリスクを
冒したことがありません。 -
65:14 - 65:17私は真に危険な状況に
さらされたことがありません。 -
65:17 - 65:20このテーブルについている
多くの人とはちがって。 -
65:21 - 65:23かんたんにいえば、
死を覚悟すること。 -
65:23 - 65:25そう、死んでもいい、と思うこと。
-
65:25 - 65:28自分であること、
自分のすることを守りぬくために -
65:28 - 65:31死ぬリスクを冒す勇気。
-
65:33 - 65:35私たちが集まったこの広場で、
-
65:35 - 65:40かつてナチスの冒険が
-
65:40 - 65:45美しい国ドイツの主導権を握り、
-
65:45 - 65:48正義の法を歪めた。
-
65:48 - 65:51最も忌まわしく、おぞましいやり方で。
-
65:52 - 65:56想像してみてください、
あえて国の法に背いた勇気ある人々を。 -
65:56 - 65:59より崇高な掟である、
-
65:59 - 66:03人間らしさの名誉を守るために。
-
66:05 - 66:09ご存じないでしょうが、
中国の刑務所の労働収容所は -
66:09 - 66:11かつてのソ連の強制労働収容所や
-
66:11 - 66:14ドイツの強制収容所にそっくりです。
-
66:14 - 66:18四千万、あるいは五千万人が
そこで命を落としました。 -
66:19 - 66:21私は、アメリカへ渡る前に
-
66:22 - 66:2519年間、そこにいました。
-
66:25 - 66:28この話はしたくなかったのですが、
-
66:28 - 66:30今ようやく話したのは、
-
66:32 - 66:34人生、一度きりだからです。
-
66:35 - 66:38アルゼンチンは、五月広場の
母親たちの勇気がなかったら、 -
66:38 - 66:40どうなっていただろうか。
-
66:40 - 66:43彼女たちは、独裁とテロに立ち向かった。
-
66:43 - 66:46ビデラ、マッセラ、
アゴスティという軍人らは -
66:46 - 66:50何千人も海に投げ込み、
「行方不明者」を出した張本人たち。 -
66:51 - 66:52この不明者らの母親たちから
-
66:53 - 66:55勇気を学んでいなかったら、
どうなっていただろう? -
66:55 - 66:59彼女たちは毎週木曜日、
いなくなった息子たちの写真を抱えて -
66:59 - 67:03大統領府の前に立ち続けた。
-
67:03 - 67:05勇気とは、
-
67:05 - 67:09権力が絶対ではない、と確信すること。
-
67:09 - 67:12そのことを、世界中の人々が示したように。
-
67:12 - 67:15彼らは勇気と怒りをもって
-
67:16 - 67:20他国の資本家を追い出し、
-
67:20 - 67:22政府を揺るがし、
-
67:22 - 67:25転覆させることに成功した。
-
67:26 - 67:28勇気とは、正面きって
-
67:29 - 67:32未来に目を向けること。
-
67:33 - 67:36未知なる部分があることを
知りつつも、信じるんだ。 -
67:37 - 67:41だれかが犠牲になり、
-
67:42 - 67:43だれかが苦しみ、
-
67:43 - 67:48だれかが矢面に立って
危険を冒せば、 -
67:48 - 67:51それだけで、なにかを変えられる、
ということを。 -
67:52 - 67:54念頭におくべきなのは、
-
67:54 - 67:57私たちがもっと過激に、
もっと使命感をもつべきだということ。 -
67:58 - 68:00命がけでもなく、リスクといえば
-
68:00 - 68:02せいぜい退屈を少々、
-
68:03 - 68:06疎外を少々、豊かさを少々
危うくするだけなのだから。 -
68:07 - 68:10勇気とは、
世界を変えることばかりじゃありません。 -
68:10 - 68:13今の世の中が
私自身を変えはしない、と -
68:13 - 68:16肝に銘じることでもあります。
-
69:17 - 69:19問い78。
-
69:20 - 69:24ナンシー・クレモンスより、57歳、
キャメロン、ミズーリ州、米国... -
69:24 - 69:29「地球の温暖化防止に、
私は何ができ、人に何を促したらいいだろう?」 -
69:30 - 69:34「地球の温暖化防止に、私は何ができ、
人に何を促したらいいだろう?」 -
69:34 - 69:35どうぞ、始めてください。
-
69:43 - 69:46これは壮大な問いね。
-
69:48 - 69:52未来の世代は、
理解できないことでしょう、 -
69:53 - 69:57我々のやみくもな破壊ぶりを。
-
69:59 - 70:02地球の温暖化に対し、
なす術はありません。 -
70:02 - 70:06氷はどんどん溶け続けます。
-
70:06 - 70:11そして問題は、だれが生きるか、です。
-
70:11 - 70:15だれが、生きる価値のある生活を
送れるでしょうか? -
70:15 - 70:18おそらく、
大勢が命を失うでしょう。 -
70:19 - 70:23おそらく、
多くが命だけしか助からないでしょう。 -
70:24 - 70:27生きるに値する生活ができるのは
ほんのわずかでしょう。 -
70:28 - 70:32全能なる相手に向かい、
私は何度も願い、祈ります。 -
70:32 - 70:37あなたや私が、
ありがたいと思える暮らしができるように。 -
70:37 - 70:40なぜなら、私たちがどんなにあがいても
-
70:40 - 70:42もう引き返せないから。
-
70:43 - 70:46氷は溶け続け、しまいにはなくなります。
-
70:48 - 70:52地球の温暖化を阻止することは、
もう無理です。 -
70:53 - 70:56進化生物学者として
私が確信しているのは、 -
70:56 - 70:58もう、止められないということです。
-
70:58 - 71:01ただし、遅らせることはできます。
-
71:02 - 71:06地球温暖化は科学の問題ではなく、
経験の問題です。 -
71:06 - 71:10科学は事実としてデータを提供し、
それを基に人は対処します。 -
71:10 - 71:13しかし、
どうやって互いに行動を起こすかは、 -
71:14 - 71:16頭より、気持ちの問題なのです。
-
71:16 - 71:18私たち自身が問題の一部であるように
-
71:19 - 71:22解決法の一部にもなれるはずです。
-
71:22 - 71:26自動車に乗るのをやめることで
多少貢献できます。 -
71:28 - 71:33バイオ燃料へ切り替えたり
大規模な風力、太陽発電設備を導入しても -
71:33 - 71:36おそらく、
現在の産業の力を持続させるには -
71:36 - 71:39不十分でしょう。
-
71:40 - 71:42ですから、答えは
「パワーダウン」しかありません。 -
71:42 - 71:47現在、何百という自治体が
まさにこれをやり始めています。 -
71:48 - 71:51いわゆる「パワーダウン」と
取り組んでいるのです。 -
71:51 - 71:54自治体が模索しているのは、
-
71:55 - 72:00経済を地元で賄っていくための方法です。
-
72:00 - 72:05経験上、石油の価格が高騰したり、
不足したりすると、 -
72:05 - 72:08スーパーの棚がたちまち空になります。
-
72:08 - 72:11住居を暖房で暖めることもできず、
-
72:11 - 72:13旅行することもできなくなります。
-
72:16 - 72:20話し合うべきですね、
いかにして過剰な欲を -
72:22 - 72:24抑制するか。
-
72:25 - 72:28私たちがどこにいても
できることは、 -
72:28 - 72:33公害を引き起こしている人々を
辱め、嘲笑することです。 -
72:39 - 72:42非常事態にはならない。
-
72:42 - 72:44もう何千年も前から
-
72:44 - 72:46緊急事態なのだから。
-
72:47 - 72:50私たちは錯覚を起こす。それは
-
72:50 - 72:52国が、政治が、宗教を
-
72:52 - 72:55人種が、民族が
作り上げられていると思うけど、 -
72:55 - 72:57本来はそうではないのです。
-
72:58 - 73:00人類、ひとりひとりの
-
73:00 - 73:02意識の問題であるのです。
-
73:04 - 73:08ぼくは人類を信じない。信じないよ。
-
73:09 - 73:12正直いって、
この品種に属していることが恥ずかしい。 -
73:23 - 73:27と同時に、
惹きつけられもするわけだけど。 -
73:29 - 73:31美女と野獣だね。
-
74:28 - 74:30問い83は
-
74:30 - 74:34写真家のセバスチャン・サルガドから。
-
74:35 - 74:39アイモレ、ミナスジェライス州、ブラジル。
-
74:40 - 74:44「人は、自分も自然の一部だ
ということを悟るべく -
74:44 - 74:48地球を見る目を備えているでしょうか?」
-
74:50 - 74:53我々は、ますますはっきりと
損害に気づき始めている。 -
74:53 - 74:56それはもう、家の前まで来ている。
-
74:56 - 75:00干ばつや洪水、嵐や猛暑で
-
75:00 - 75:02気候変動を見たり、感じたりする。
-
75:03 - 75:05悪い空気を吸い、
-
75:06 - 75:08アレルギーに悩まされる。
-
75:09 - 75:11食べ物に味を感じない。
-
75:11 - 75:13森が死に、
-
75:14 - 75:18動物や植物が絶滅するのを
目の当たりにする。 -
75:19 - 75:21そして、ますます多くの人が悟るのは、
-
75:22 - 75:26地球が自分たちの物ではないということ。
-
75:27 - 75:31むしろ、
自分たちが地球の一部だということ。 -
75:33 - 75:3520世紀に
-
75:36 - 75:42人間が地球の重力から解かれて
宇宙へいって以来、 -
75:42 - 75:46地球の美しい写真を
見ることができた。 -
75:46 - 75:51宇宙に浮かぶ、
少し青っぽい地球という星。 -
75:51 - 75:55これを見ただけで感傷的にさえなり、
-
75:56 - 76:00自分はこの惑星に住み、
この惑星の一部なのだ、と実感する。 -
76:00 - 76:03夜、野原に出て寝転がり、
-
76:04 - 76:06星を見下ろしてごらんなさい。
-
76:06 - 76:10重力があなたを惑星の下側に
つけていると想像して。 -
76:10 - 76:12どっちが上かなんて、
わからないでしょう? -
76:13 - 76:17子供が動物を好きなのは、
-
76:17 - 76:20私たち人間が他の創造物と共に
進化してきたからなの。 -
76:21 - 76:26進化する間、いつもずっと
自然とつながっていた。 -
76:26 - 76:31ただ、ここへきてほんのわずかな間に、
それを切り離してしまった。 -
76:31 - 76:35地球から、
ほかの動物から、ほかの人間から。 -
76:35 - 76:37そうなってしまったのは、
-
76:37 - 76:40私たちが自分自身から、
-
76:40 - 76:43自らの心、自らの体から
切り離してしまったからなのよ。 -
76:43 - 76:47自然は、この地球において、
最も洗練された物質を -
76:47 - 76:49炭水化物からつくりだします。
-
76:49 - 76:51私たちは、それを学べます。
-
76:51 - 76:55なのに、私たちは自然よりも
優れていると思い込んでいます。 -
76:55 - 77:00私たちは、自然が45億年の営みのなかで
-
77:00 - 77:02成し遂げてきた離れ業を顧みません。
-
77:03 - 77:04例えば、蜂の巣。
-
77:04 - 77:08たった一本の糸にぶら下がる造りで、
-
77:08 - 77:11極めて軽い材料でできていますが、
-
77:11 - 77:15その三百倍もの住人の重量を
支えることができます。 -
77:15 - 77:18そんな建設物を、
私たちは真似できますか? -
77:18 - 77:23葦が下から育つように
高層ビルを建てられますか? -
77:23 - 77:28新しい細胞を下で作り、
それを上に押し上げていくように? -
77:28 - 77:30私たちは、どれほど
自然から学べることでしょう。 -
77:31 - 77:34結局のところ我々次第なのです、
-
77:35 - 77:38どれだけ努力して
-
77:38 - 77:41自然とのバランスをつくりあげ、
-
77:41 - 77:44自然の一部となり得るか。
-
77:44 - 77:46そうすれば
-
77:46 - 77:48自然の万物に宿る
-
77:49 - 77:52永遠性、完璧性と調和を
実感することだろう。 -
77:52 - 77:57それは、我々自身には
宿っていない。 -
77:57 - 78:00私たちが食するすべて、着るすべて、
-
78:00 - 78:04住まい、もののすべてが
生きた地球からのもの。 -
78:04 - 78:09その地球から、
持続可能な生き方を学ぶのは、 -
78:10 - 78:12ユートピア的でも、夢でもない。
-
78:12 - 78:17私たちとその可能性の間に
立ちはだかるのは -
78:17 - 78:19それができないという思い込み。
-
78:20 - 78:23相手が大きすぎるという思い込み。
-
78:23 - 78:25企業は変わらない、
-
78:25 - 78:29人は変わらない、という思い込み。
-
78:29 - 78:34すべては、
人の生来の欲が引き起こした結果だ、 -
78:34 - 78:36人口過剰のせいだ、という思い込み。
-
78:37 - 78:38地球は人口過剰、
-
78:39 - 78:42だから、全員を満たすことは不可能、
という思い込み。 -
78:42 - 78:46これらすべては見直すべきことであり、
-
78:46 - 78:49考え直すべき億説でしかないの。
-
79:39 - 79:42問い96はミライジ・カレッドからです、
-
79:43 - 79:4630歳、ダッカ、バングラデシュ。
-
79:46 - 79:49「神の宗教は何?」という質問。
-
79:49 - 79:52「神の宗教は何?」
どうぞ、始めてください。 -
79:53 - 79:56この問い、すごく気に入っているの。
-
79:56 - 79:59だって、とても奥深いじゃありませんか。
-
80:00 - 80:02どの神だろう?
-
80:04 - 80:06どの宗教?
-
80:06 - 80:08なんの神様?だれの神様?
-
80:10 - 80:13この問いをどう捉えようと、
-
80:14 - 80:17他者がこの「神」という言葉を
どう捉えるか、 -
80:17 - 80:20尊重すべきですね。
-
80:21 - 80:24神は、ある種
定義の表れだと思う。 -
80:24 - 80:26特定の原型の定義、
-
80:26 - 80:31特定の期待の定義、
-
80:31 - 80:34特定の目的の定義。
-
80:35 - 80:37神とは、「存在すること」。
-
80:38 - 80:42神は霊。宗教じゃないわ。
神は宗教を持たないでしょ。 -
80:43 - 80:45神は存在しません。
-
80:46 - 80:48私の神の信仰は、
-
80:49 - 80:52世のあるゆる所に反映されています。
-
80:52 - 80:56どの葉っぱにも、
-
80:56 - 80:59埃の塵にも、
-
80:59 - 81:02どの花にも。
-
81:04 - 81:07ぼくは、
神に宗教があるなんて思わない。 -
81:07 - 81:12宗教そのものが
限りなく人間臭いものだから。 -
81:13 - 81:15神の宗教について語るとき、
-
81:15 - 81:17確実にいえることは、
-
81:17 - 81:20それがあくまでも人間があつらえた、
-
81:20 - 81:22人間の産物でしかないってことだ。
-
81:23 - 81:27我々が神に投影するのは、
-
81:27 - 81:29私は愛。
-
81:29 - 81:31私は宇宙。
-
81:31 - 81:33私は活動する神。
-
81:33 - 81:36神はいない。
-
81:36 - 81:39神は、言葉では表せない何かの
-
81:39 - 81:42象徴です。
-
81:42 - 81:46ですから、神の宗教は存在しません。
-
81:46 - 81:50神が何かというと、
こう考えればよろしいんじゃないでしょうか。 -
81:50 - 81:53未知というものではなく、
-
81:53 - 81:56知の範疇に当てはまらない、
-
81:57 - 82:00知るという質のものではない、ということ。
-
82:00 - 82:03例えば、
こんな質問をするようなものです。 -
82:04 - 82:07「輪は何色?」と。
-
82:08 - 82:11赤、緑、それとも青?
-
82:11 - 82:15いや、青でも赤でも緑でもない。
-
82:15 - 82:17でも、色がないわけではない。
-
82:17 - 82:22色を尋ねることは無意味です、
-
82:22 - 82:24輪は色を知らないから。
-
82:24 - 82:27多くの人はこれを認めたがりません。
-
82:27 - 82:30ポケットからペンを取り出し、
-
82:30 - 82:32紙切れに輪を描いて
-
82:33 - 82:35「ほら、輪は青だよ」という。
-
82:36 - 82:40そう、そこに描かれた輪は
たしかに青いけど、 -
82:40 - 82:43その色はペンから出た色であって、
-
82:43 - 82:45輪の色じゃありません。
-
82:46 - 82:49ペンの色こそ宗教であり、
-
82:49 - 82:52それで私たちは
神性を表そうとしますが、 -
82:53 - 82:56輪そのものを描くことはできません。
-
82:56 - 82:59それは、色とは関係ないものなのです。
-
82:59 - 83:01色の数がたくさんあるように
-
83:01 - 83:04宗教もたくさんあり、
それで輪を描けるのです。 -
83:07 - 83:09この問い、大好き。
-
83:11 - 83:14僕は神を信じる。
でも神について知っていることは -
83:14 - 83:16いる、というだけで
それが私ではない、ということ。 -
83:16 - 83:18それだけしか知らない。
-
83:18 - 83:20でも、あなたの中にも
神はいるんじゃない? -
83:21 - 83:23ああ、そうだね、もちろん。
-
83:23 - 83:26僕の精神性の大部分は...
-
83:27 - 83:29自分が麻薬中毒者だったことと
関係している。 -
83:29 - 83:31私はまだ神に出会っていません。
-
83:32 - 83:35でも、いつか会えたら、
-
83:36 - 83:39そのことを尋ねます。
-
84:25 - 84:28-ありがとう。
-こちらこそ。 -
84:28 - 84:30-最後よ。
-問い... -
84:35 - 84:36-100!
-100。 -
84:42 - 84:45-最後。
-いけるとは思わなかったな! -
84:58 - 85:00さあ、最後の問い、いきましょう。
-
85:01 - 85:07キース・ディルクス、48歳、
ピードモント、カルフォルニア州、米国。 -
85:07 - 85:10「よりよい世界にするために、
-
85:10 - 85:12私たちはどんな神話をつくるべきか?」
-
85:13 - 85:17創造神話は、
あらゆる文化の人類史として登場します。 -
85:17 - 85:21たいてい、
司祭のような立場の人が語りました。 -
85:21 - 85:24でも、今では科学が神話を語ります。
-
85:24 - 85:27科学が司祭の立場をとって代わり、
-
85:27 - 85:30各文化にその壮大な物語をきかせます。
-
85:30 - 85:32どんな物語でしょう?
-
85:33 - 85:36私たちは、エントロピーで動く、
-
85:36 - 85:38無生命であてもない世界に住んでいる、と。
-
85:38 - 85:42まあ、なんて楽しい創造神話かしら?
-
85:42 - 85:46それから、こうつけ加えるんです。
地球上の進化は、 -
85:46 - 85:48強者が生き残ること、
-
85:49 - 85:53欠乏による果てしない争奪戦、
-
85:53 - 85:56だれもがありったけ奪えるものを奪い、
-
85:56 - 85:58相手を打ち負かすことでした、と。
-
85:58 - 86:01まったく、
暗澹とした気持ちになる創造神話です。 -
86:01 - 86:04無意味に損なわれていく世界、
-
86:04 - 86:08欠乏による、
果てしない葛藤から逃れられません。 -
86:08 - 86:13語るには、あまりにひどい話ですし、
科学的事実と一致していません。 -
86:13 - 86:16自然界では、作用があれば、
必ず反作用があります。 -
86:16 - 86:19エントロピーがあれば、
シントロピーがあります。 -
86:19 - 86:23進化は、膨大な数の協力体制を
生み出してきました。 -
86:24 - 86:27進化を遂げる品種の成熟過程は
-
86:27 - 86:30壮大な物語が実際にはあるのです。
-
86:30 - 86:33最初は若くて貪欲で、
-
86:33 - 86:36増殖してはどんどん縄張りを広げ、
-
86:36 - 86:40競争相手を排除して
まるで資本主義者のようにふるまいます。 -
86:40 - 86:44ですが、だんだんと
協力するメリットを見出すのです。 -
86:44 - 86:50そうするうちに、協力する体制の規模を
どんどん拡張していき、 -
86:50 - 86:53その方がもっと安上がりに、
-
86:53 - 86:56もっと効果的、かつ効率的に
みんなのためになることに気づくのです。 -
86:56 - 86:59こうして熱帯雨林が進化を遂げ、
-
86:59 - 87:02百兆もの細胞から成るヒトの体は
-
87:02 - 87:06個々が異なる性質にも関わらず
完全な協力体制で機能しています。 -
87:06 - 87:10これこそ、世界中に広めるべき
壮大な新しい物語であり、 -
87:10 - 87:14人類が徐々に
グローバルな家族へと成長し、 -
87:15 - 87:19互いが得する経済をまわしつつ、
世の中を良くしていくのです。 -
87:19 - 87:23人間は、感謝する存在で、
-
87:24 - 87:28単なる傍観者ではありません。
宇宙のプロセスを尊び、それに加わり、 -
87:28 - 87:31創造を共に担う協力者でもあります。
-
87:31 - 87:37世界全体は、深く絡み合っています。
-
87:37 - 87:42生けるものすべて、宇宙のあらゆる部分。
-
87:42 - 87:44宇宙全体が生きているのです。
-
87:44 - 87:47電子も、陽子もなにからなにまで。
-
87:48 - 87:49すべては有機体です。
-
87:49 - 87:54それぞれの歴史があり、
互いに深いところで絡み合い、 -
87:55 - 87:59緊密なつながりがあるので、
それらを切り離すことはできません。 -
87:59 - 88:04そして、この絡み合った世界は絶え間なく
-
88:04 - 88:08自らを創り、
新たに創りなおしていくのです。 -
88:08 - 88:11それが、
コスモスの進化だと思うのです。 -
88:11 - 88:17原子を始め、
人間から銀河に至るすべての進化です。 -
88:17 - 88:20それが目指すものであり、
それが志すものです。 -
88:21 - 88:24それが、神的な創造性の最終目的です。
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88:25 - 88:29人間の理解は
この点までならついていけます。 -
88:31 - 88:33思うに…
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88:34 - 88:38謙虚さの尺度と
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88:39 - 88:42人間性の尺度、
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88:44 - 88:46美の肯定が、
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88:47 - 88:49世界におけるすべての残忍性、
-
88:49 - 88:51冷酷さに抗う効力を
発揮するでしょう。 -
88:52 - 88:54思うに、
-
88:54 - 88:56神聖なるものは、
超自然の内のみならず、 -
88:57 - 88:59自然の内に、
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88:59 - 89:01自然の美の内に
宿っているんじゃないでしょうか。 -
89:02 - 89:03おそらく、
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89:04 - 89:06人間は形而上学的な動物であり、
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89:06 - 89:09その有限性ゆえにそうあり続けるだろう。
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89:09 - 89:12動物のなかで人間のみが、
死ぬことを自覚している。 -
89:12 - 89:14そこに謎が秘められ、
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89:14 - 89:17人間の存在について
延々に続く謎がある。 -
89:18 - 89:23重要なのは、心を融合させること、
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89:24 - 89:28魂の融合、そして、肉体と呼ばれている
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89:29 - 89:31肉でできたちっぽけな容器の融合。
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89:32 - 89:35こうした事柄の融合が、
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89:35 - 89:39実際に起こるとしたら、
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89:39 - 89:41それはポジティブさが原動力となる。
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89:42 - 89:44そして、ポジティブさが
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89:44 - 89:48こうした融合を成し遂げられたら...
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89:48 - 89:52地球上のあらゆる問題が
なくなるだろう。 -
89:52 - 89:54もしも、人の精神が空間を得て、
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89:54 - 89:59呼吸したり、生きたり、
脈を打ったり、流れたりできたら... -
90:19 - 90:24果たしていったい、
だれがこれを全部きくんだ? -
90:24 - 90:29というのは、我々は112人いて、
100の質問があるんだから。 -
90:29 - 90:33合わせると、11 200の答えだ。それを...
-
90:34 - 90:38各答えにつき、2分とすると
全部で22 000分。 -
90:38 - 90:40それって、どれくらいだと思う?
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90:41 - 90:44500…いや、300日だよ。
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90:47 - 90:49よし、終わった。
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90:49 - 90:51終わったよ。
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97:44 - 97:48Copyright © 2011 TITELBILD, Berlin
Subtitles: Sakae Nasuda
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