WEBVTT 00:00:40.000 --> 00:00:42.720 21世紀初めの ある晴れた日に 00:00:50.000 --> 00:00:53.800 前例のない類の 会合が開かれた 00:01:04.000 --> 00:01:06.000 100の問いかけ 00:01:12.000 --> 00:01:14.000 112人の参加者 00:01:21.640 --> 00:01:23.640 11 200の見解 00:01:32.000 --> 00:01:34.000 ひとつの輪 00:02:06.960 --> 00:02:09.960 私にとって 今日の一番の問題は、 00:02:10.560 --> 00:02:15.400 一堂に会しながら、 どのように討論をするか、ということ。 00:02:15.560 --> 00:02:20.120 一人や二人ではなく、 世界中から集まった全員が、 00:02:20.440 --> 00:02:24.760 なにが大切かを問うのだから。 00:02:25.000 --> 00:02:28.200 -私にとって、なにが大切か。 -真実を歪曲していない? 00:02:28.360 --> 00:02:30.240 気候変動に関して。 00:02:30.400 --> 00:02:34.040 アフリカの国々はなぜ、 西洋より発達が遅れているのか? 00:02:34.200 --> 00:02:35.640 知りたいのは… 00:02:36.120 --> 00:02:39.200 民主主義において、ユダヤの価値観と 00:02:39.360 --> 00:02:41.360 別な価値観との適度なバランスとは? 00:02:41.680 --> 00:02:44.480 -いくつか、質問があります。 -彼らはなぜ、アメリカ人が嫌いなのか? 00:02:47.000 --> 00:02:51.000 21世紀における、 個人と集団の関係とは? 00:03:11.000 --> 00:03:14.000 ここは、歴史的な場所です。 00:03:15.360 --> 00:03:17.200 ここで焚書事件が起こり、 00:03:17.520 --> 00:03:21.840 人々が聞きたくないことを 記した本が燃やされました。 00:03:22.000 --> 00:03:26.400 だから私たちは今日、 ベルリンのベーベル広場に集まったのです。 00:03:27.640 --> 00:03:32.040 書物が燃やされ、思想が燃やされ、 00:03:33.000 --> 00:03:35.640 言論の自由が燃やされたこの場所に。 00:03:47.400 --> 00:03:51.880 自由な声のテーブル べーベル広場、ベルリン 00:04:30.800 --> 00:04:35.000 このテーブルを囲む、たくさんのいい顔を 見られて嬉しく思います。 00:04:35.160 --> 00:04:39.160 長い一日となりますので さっそく始めましょう。 00:04:40.000 --> 00:04:42.720 今日は、100の問いを投げかけ、 00:04:43.040 --> 00:04:46.000 その答えを探そうという試みです。 00:04:46.320 --> 00:04:51.000 世界中から届いた、何千ものなかから 選ばれた問いです。 00:04:51.160 --> 00:04:55.160 これから九時間にわたり、 これらの問いについて考えます。 00:04:55.480 --> 00:04:58.800 8回にわたる、 各45分ずつのセッションで 00:04:59.120 --> 00:05:02.280 グローバルな重要性をもった テーマを取りあげます。 00:05:02.600 --> 00:05:06.680 -中国人です。 -ここの出身です。まさに、この地。 00:05:07.000 --> 00:05:08.840 私の国にいらしたことありますか? 00:05:09.160 --> 00:05:11.160 いいえ、残念ながら。 00:05:11.480 --> 00:05:14.640 本日の会合は、 私たちの多様性を祝うため、 00:05:14.960 --> 00:05:17.840 そして、多様な見解を募るためです。 00:05:18.000 --> 00:05:22.760 -ご参加、ありがとうございます。 -自由の声のテーブルへようこそ。 00:05:53.000 --> 00:05:56.800 -問い 1。 -匿名より、米国。 00:05:58.000 --> 00:06:02.240 「今、最も重要で 報道されていないニュースとは?」 00:06:09.400 --> 00:06:11.320 どうぞ、お答えください。 00:06:16.160 --> 00:06:18.800 今、報道されるべきことだが 00:06:19.000 --> 00:06:21.880 明らかに報道されていないことは、 00:06:23.000 --> 00:06:26.240 命にどれだけコストがかかるか、 ということ。 00:06:26.800 --> 00:06:29.760 この惑星における命にかかるコスト。 00:06:30.080 --> 00:06:32.640 私たちは危機から危機へと移るなかで 00:06:32.800 --> 00:06:36.800 ほんの一部しか報じていません。 00:06:36.960 --> 00:06:39.440 銃声が鳴り止んだとたんに、 00:06:39.600 --> 00:06:43.600 私たちはその国のことを、 00:06:43.760 --> 00:06:46.480 紛争がくり広げられた 地域のことを忘れ、 00:06:46.800 --> 00:06:51.840 次の別な報道を始めてしまいます。 00:06:52.000 --> 00:06:55.480 まずは、ダルフールでしょうか。 00:06:56.560 --> 00:07:01.080 民族の抹殺が 00:07:01.400 --> 00:07:05.320 宗教や人種が異なっている という理由だけで行われました。 00:07:06.640 --> 00:07:09.600 しかし、世界は関心を示しません。 00:07:10.800 --> 00:07:14.280 そこには資源もなく、 石油も出ないから。 00:07:15.040 --> 00:07:17.440 私にとって現在、 報道されていないニュースとは、 00:07:18.000 --> 00:07:22.000 グローバル・テロリズムに潜む真実。 00:07:22.560 --> 00:07:26.040 私たちは知らない、 本当に何も知らない、 00:07:26.400 --> 00:07:28.200 どんな真実が潜んでいるのか。 00:07:29.560 --> 00:07:31.240 だれが生き、だれが死んだ? 00:07:31.560 --> 00:07:35.520 だれが進め、だれが始めたのか? 00:07:35.840 --> 00:07:38.680 だれがそれを利用して得しているのか。 00:07:38.840 --> 00:07:41.200 どの彼、あるいは彼らのために? 00:07:41.520 --> 00:07:47.320 奴隷にされた子供たち。 00:07:48.160 --> 00:07:51.160 人身売買。 00:07:54.400 --> 00:07:58.000 何百万という、 よりよい生活を求めて 00:07:58.320 --> 00:08:01.280 不法に国境を越える人々。 00:08:03.160 --> 00:08:06.840 今日、最も重要で 報道されていないストーリーは、 00:08:07.000 --> 00:08:10.640 死んでしまった女の子のこと。 00:08:10.800 --> 00:08:13.800 ほんの十分前に、 マラリアで死んだのです。 00:08:15.000 --> 00:08:17.840 それは、不必要な死でした。 00:08:18.000 --> 00:08:23.560 実際には、マラリアの治療薬が あるからです。 00:08:23.880 --> 00:08:26.120 しかも安価です。 00:08:26.400 --> 00:08:28.640 しかし、彼女は薬を得られなかった。 00:08:28.800 --> 00:08:30.600 そして、死にました。 00:08:31.400 --> 00:08:34.000 そして、またもう一人、 子供が死にました。 00:08:34.400 --> 00:08:37.120 こういう話は報道されません。 00:08:38.880 --> 00:08:40.840 思うんだけど、 00:08:41.000 --> 00:08:44.480 今、報道されない最も重要なストーリーは 1つだけじゃない。 00:08:44.640 --> 00:08:49.320 報道されないたくさんのストーリーが 世界中にあると思うの。 00:08:49.640 --> 00:08:52.240 世の中で起こっている、 様々な良いこと。 00:08:52.400 --> 00:08:57.160 ふだんあまり聞かないけど、 すばらしいことがいっぱい起こっているわ。 00:08:57.480 --> 00:09:00.200 でも、耳に入ってくるのは、 悪いニュースばかり。 00:09:00.360 --> 00:09:03.480 死、破壊、戦争。 00:09:03.640 --> 00:09:06.880 殺戮、殺人、レイプ。 00:09:07.200 --> 00:09:10.200 問題だらけ。新聞を絞ってみたら、 00:09:10.360 --> 00:09:13.360 血が流れるかと思うくらいだ。 00:09:22.160 --> 00:09:24.240 ありがとう。 00:09:32.560 --> 00:09:36.840 問い12、 ジュディ・トゥイードから。 00:09:37.000 --> 00:09:39.800 24歳、 デンバー、米国。 00:09:40.800 --> 00:09:44.120 「我々は、住む場所を 自分で決める権利を持つべきか?」 00:09:45.000 --> 00:09:47.400 さあ、これはおもしろい質問だ。 00:09:47.720 --> 00:09:49.080 いいですね。 00:09:49.400 --> 00:09:51.000 私たちはただ、生まれてきます。 00:09:51.400 --> 00:09:54.000 地球という惑星のどこかで生まれ、 00:09:54.160 --> 00:09:56.160 そこに住みたくなかったら、 00:09:56.320 --> 00:09:58.240 別なところへ行く。 00:09:58.560 --> 00:10:01.920 でも、それをすると たちまち差別を受けます。 00:10:02.240 --> 00:10:05.760 僕は2日前に着きましたが、 11日には出国しなければなりません。 00:10:05.920 --> 00:10:08.440 ビザが四日分しかないから。 00:10:09.160 --> 00:10:10.840 コロンビア人として、 00:10:11.000 --> 00:10:13.000 世界の住人として、 00:10:14.440 --> 00:10:18.480 僕はこの楽園に足を踏み入れる権利がない。 00:10:18.800 --> 00:10:23.480 第一世界の楽園。 許されたのは、たったの四日間。 00:10:23.800 --> 00:10:27.400 当然、どこで暮らしたいか 自分で決める権利があるべきだわ。 00:10:27.560 --> 00:10:30.080 今の世の中、資本の移動も、 00:10:30.240 --> 00:10:32.160 商品の移動も自由でしょ。 00:10:32.320 --> 00:10:35.320 なのに、なぜ人の移動に対して ヒステリックになるの? 00:10:35.640 --> 00:10:38.960 一度、ドバイへ行こうとしたとき、 00:10:39.120 --> 00:10:41.120 私が入国に 00:10:41.440 --> 00:10:45.640 1951年のジュネーブ条約に基づいた パスポートを見せたら 00:10:45.960 --> 00:10:47.640 許可されなかった。 00:10:49.160 --> 00:10:52.640 その理由として、 00:10:53.480 --> 00:10:56.480 私がどこにも属さないから、と。 00:10:56.800 --> 00:10:59.680 だれだって、戦争のない国で暮らしたいさ。 00:10:59.840 --> 00:11:02.320 だれだって調和のなかで生活したい。 00:11:02.480 --> 00:11:05.480 だが、それを買える人と 買えない人がいる。 00:11:05.640 --> 00:11:08.640 その権利を請求できる人もいれば、 00:11:08.800 --> 00:11:11.640 そんな状況にない人もいる。 00:11:11.960 --> 00:11:16.640 そう、だれもが望む場所に 住む権利を持つべきだが、 00:11:16.800 --> 00:11:20.200 だれもが、 それを支払える状況にあるべきだ。 00:11:20.520 --> 00:11:24.400 家族を助けるために 移動しなければならない場合もあります。 00:11:24.560 --> 00:11:28.240 国境を越えて、 そこが自分を認めてくれない国だったら、 00:11:28.400 --> 00:11:32.320 その人は違法者になるの? その国の定義だからって。 00:11:32.640 --> 00:11:36.320 でも人間に対して、 違法な存在呼ばわりするなんておかしいわ。 00:11:36.640 --> 00:11:38.960 人々が移動するのは、 00:11:39.120 --> 00:11:40.960 絶望しているからです。 00:11:41.280 --> 00:11:42.880 多大なリスクを冒すほどに。 00:11:43.200 --> 00:11:46.640 カナリア諸島にたどり着く 人々をごらんなさい。 00:11:46.800 --> 00:11:48.880 毎週、急ごしらえのボートに乗って 00:11:49.200 --> 00:11:52.200 何百という人々が岸に流れ着きます。 00:11:52.520 --> 00:11:55.000 その人々は、 完全に絶望しているのです。 00:11:55.160 --> 00:11:57.640 でなければ、 自国を離れなかったでしょう。 00:11:57.880 --> 00:12:01.880 でも、あれが、生きる場所を 選んでいるといえますか? 00:12:02.040 --> 00:12:06.440 十中八九、溺死するリスクや 00:12:06.640 --> 00:12:09.520 殺されるリスクを負うのですよ、 到着する以前に。 00:12:09.680 --> 00:12:11.080 望むわけありません! 00:12:12.760 --> 00:12:16.200 あるいは、こんな問いはどうだろう? 00:12:16.520 --> 00:12:21.000 いる場所に留まる権利があるべきか? 00:12:21.400 --> 00:12:26.760 これは、地球上の多くの人にとって 切実な問いだ。 00:12:27.080 --> 00:12:31.920 チベットの人々には、 チベット人である私も含めて 00:12:33.800 --> 00:12:37.280 その権利がありません。 00:12:37.560 --> 00:12:39.400 確かに、自国で暮らせますが、 00:12:39.720 --> 00:12:44.000 したいことが 自由にできるわけではありません。 00:12:45.240 --> 00:12:47.720 法律が、その権利を 00:12:47.880 --> 00:12:51.600 すべての人に無条件に保障するという 00:12:52.280 --> 00:12:56.720 可能性を有効に実現できたら、 00:12:57.040 --> 00:13:00.840 その日は、人類にとって 00:13:01.000 --> 00:13:03.240 国境を克服した以上の 意味を持ちます。 00:13:03.400 --> 00:13:06.880 人類の歩んできた発展の道が、 00:13:07.200 --> 00:13:09.840 すべての文化と国々にとって 00:13:10.000 --> 00:13:13.240 望ましい水準に 達したといえるでしょう。 00:13:13.720 --> 00:13:15.240 大切なことです。 00:13:18.000 --> 00:13:20.480 望む場所に住めるということは。 00:13:21.400 --> 00:13:24.240 だれだって巣が必要です。 00:13:24.400 --> 00:13:26.680 鳥だって、巣を必要とします。 00:13:27.000 --> 00:13:29.760 人間には住処が必要です。 00:14:14.000 --> 00:14:17.000 問い19、クレア・マッキントッシュより。 00:14:17.160 --> 00:14:20.000 25歳、 ブリズベン、オーストラリア。 00:14:21.160 --> 00:14:25.000 「人間に与えられるべき 基本的な尊厳とは? 00:14:25.160 --> 00:14:28.400 また、多くの人にそれがないことを 我々はなぜ見過ごすのか?」 00:14:30.040 --> 00:14:32.640 基本的な尊厳とは人間の尊厳であり、 00:14:32.960 --> 00:14:38.760 誇りであり、そのおかげでうつむくのではなく 顔を上げて堂々と生きられるのです。 00:14:39.000 --> 00:14:41.000 何も恐れることはありません。 00:14:41.160 --> 00:14:44.160 たとえ、どこかの発展途上国の 00:14:44.320 --> 00:14:48.000 片田舎に暮らしていたって いいじゃないですか。 00:14:48.160 --> 00:14:50.360 堂々としていられれば... 00:14:50.520 --> 00:14:52.840 それを持たない人々を そのままにしておくから、 00:14:53.000 --> 00:14:57.240 別の人々が彼らに 勝手なことをしてしまうんです。 00:14:58.000 --> 00:14:59.560 土地を奪う。 00:15:01.040 --> 00:15:02.600 爆弾を落とす。 00:15:03.560 --> 00:15:05.120 水を奪う。 00:15:08.400 --> 00:15:09.960 思考を支配する。 00:15:10.400 --> 00:15:14.080 すべては私たちのため、 他者には何もなし。 00:15:14.400 --> 00:15:18.640 このことは世界のいつの時代においても、 00:15:18.800 --> 00:15:23.240 人類の主人が常に優先してきた やり方なのです。 00:15:23.400 --> 00:15:27.240 すべては私たちのため、 他者には何もなし。 00:15:27.560 --> 00:15:31.840 これは、資本主義の父である アダム・スミスの言葉です。 00:15:32.000 --> 00:15:34.000 彼はこの傾向がわかっていました。 00:15:34.160 --> 00:15:37.160 「すべては私たちのため、 他者には何もなし」 00:15:38.000 --> 00:15:41.240 世界人権宣言で謳われる言葉は 00:15:41.400 --> 00:15:46.400 世界中の人に 00:15:46.560 --> 00:15:49.320 共通するはず。 00:15:49.640 --> 00:15:55.600 基本的人権が否定されることを 私たちは見過ごしてはいけないわ。 00:15:55.880 --> 00:16:00.880 まっとうな生活を送るための 基本的人権、 00:16:01.400 --> 00:16:03.640 生活に不可欠な 00:16:03.800 --> 00:16:08.040 食糧、住居そして教育。 00:16:08.400 --> 00:16:11.640 今日の世界で許されざるは 00:16:11.800 --> 00:16:14.240 餓死する子供たちが存在すること。 00:16:14.400 --> 00:16:17.000 今日の世界で許されざるは 00:16:17.160 --> 00:16:19.760 住居のない子供たちが存在すること。 00:16:22.800 --> 00:16:27.000 この問いに答える準備として ウィキペディアを調べ、 00:16:28.160 --> 00:16:32.840 世界人権宣言を読み直したんだ。 00:16:33.000 --> 00:16:35.000 涙が出たね。 00:16:35.760 --> 00:16:39.760 泣かずにいられなかった。 すばらしくて。 00:16:40.920 --> 00:16:42.920 すべてのパスポートに 記すべきだと思う。 00:16:45.560 --> 00:16:48.840 私の父は37歳のときに殺され、 00:16:49.000 --> 00:16:50.640 母も同じ年で殺されました。 00:16:50.800 --> 00:16:53.160 私の姉妹が殺されたのは 00:16:53.320 --> 00:16:57.240 それぞれ 14歳、6歳、12歳と16歳のときでした。 00:16:57.560 --> 00:17:00.840 生き延びた私にとって、 命は貴重な意味を持ちました。 00:17:01.000 --> 00:17:06.040 そして、地球上のすべての人間にとって 貴重であるはずです。 00:17:06.360 --> 00:17:11.000 なのに、まちがった理由から 命が奪われていきます。 00:17:11.320 --> 00:17:16.240 私たちは、子供に自分たちの命の方が、 他者よりも価値が高いと教える。 00:17:16.400 --> 00:17:19.640 アウトサイダー、皮膚の色が違う人、 00:17:19.800 --> 00:17:24.480 我々よりも所有が少ない人、 我々の言葉を話さない人よりも。 00:17:24.640 --> 00:17:26.120 人々... 00:17:27.200 --> 00:17:29.200 他の。 他の人々。 00:17:31.000 --> 00:17:34.000 よくありがちなのは、 そういう人々が 00:17:34.160 --> 00:17:36.400 「彼ら」と呼ばれ、 「我々」とみなされないこと。 00:17:36.560 --> 00:17:40.640 すると、 そうした人々の人権や尊厳について 00:17:40.960 --> 00:17:43.920 私たちはあまり関心をもたないし、 心配もしない。 00:17:44.240 --> 00:17:48.720 この問いにおける「我々」について 考えなければなりません。 00:17:49.040 --> 00:17:52.040 「我々」そして「彼ら」とは だれを指すのでしょうか? 00:17:52.200 --> 00:17:55.640 赤ちゃんの泣き声をきくとき、 00:17:55.800 --> 00:18:00.800 その子が男なのか、女なのか、 国籍も、 00:18:01.160 --> 00:18:05.000 その子の母親の宗教もわかりません。 00:18:05.160 --> 00:18:06.880 ただ、声あるのみです。 00:18:07.800 --> 00:18:12.800 忘れてはならない。声あるのみ。 このことを覚えておくべきです。 00:18:12.960 --> 00:18:16.800 人間が互いを真に兄弟とみなし、 00:18:17.120 --> 00:18:19.640 そこにいる相手をみな 00:18:19.800 --> 00:18:22.600 わが子、あるいは親類だと思えたら、 大いに変わるでしょう。 00:18:22.800 --> 00:18:25.320 我々が心をそこまで大きく開けたら。 00:18:30.240 --> 00:18:31.840 だれもが自らの尊厳を 00:18:33.560 --> 00:18:36.400 確立できるのです。 00:18:38.000 --> 00:18:40.840 しかし、その前に 取り払わねばならないのは、 00:18:41.000 --> 00:18:45.000 自らを束縛する 政治、思想、宗教や 00:18:45.160 --> 00:18:48.160 国家主義的な偏狭さです。 00:18:50.800 --> 00:18:52.360 私は... 00:18:53.840 --> 00:18:55.880 私はジャングルからきました。 00:18:56.200 --> 00:19:01.120 人生のほとんどを 現地の部族と過ごしました。 00:19:02.400 --> 00:19:03.960 そこでは 00:19:05.440 --> 00:19:07.440 自由というものが 00:19:09.560 --> 00:19:15.360 ここでよりも 重い意味を持っています。 00:19:15.800 --> 00:19:19.240 彼らほど自由な人間を 私はほかに知りませんね。 00:19:19.400 --> 00:19:21.400 あの原住民ほど。 00:19:22.560 --> 00:19:24.560 いいえ、決して。 00:19:25.520 --> 00:19:29.240 このプロジェクトが なにかを変えられると思いますか? 00:19:29.400 --> 00:19:34.400 このささやき声、 しゃべり声が聞こえだしたとき、 00:19:35.000 --> 00:19:36.840 はっとしたね。 00:19:37.000 --> 00:19:39.240 背中がぞくっとして、 00:19:39.400 --> 00:19:42.880 これはなにかを動かしている、って わかった。 00:19:43.040 --> 00:19:46.800 「ベルリン・天使の詩」を思い出したよ。 00:19:46.960 --> 00:19:50.400 あのなかで、天使が やはりそうした声を聞くでしょ。 00:19:50.560 --> 00:19:54.440 ずっと、これと同じような 声がきこえているんだ。 00:19:54.600 --> 00:19:57.840 ここでもそれと同じ声がきこえた、 ただし今度は本物だけど。 00:19:58.000 --> 00:20:01.240 この人たちは 声に出して考えている。 00:20:05.000 --> 00:20:09.000 あ! ビアンカに会ったかい? あそこにいるはずだよ。 00:20:09.800 --> 00:20:11.400 ほら、あそこにいるよ。 00:20:12.400 --> 00:20:14.440 きっと、遅れたんじゃないかな。 00:20:15.000 --> 00:20:16.840 ちょっとお願いしてもいいかしら? 00:20:17.160 --> 00:20:21.560 話している最中にカメラを 動かさないでほしいの、じゃないと... 00:20:22.400 --> 00:20:26.400 前か後なら動かしてもいいの、 あるいは話し終わったとき。 00:20:26.560 --> 00:20:30.160 話している間に動かされると、 話す集中力が… 00:20:30.320 --> 00:20:33.320 -では合図があれば、します。 -了解。 00:21:04.000 --> 00:21:06.400 問い28、 アンドリューから。 00:21:07.800 --> 00:21:10.800 22歳、フランクフルト、ドイツ。 00:21:11.400 --> 00:21:14.880 「中国人が全員、 自動車をほしがったら?」 00:21:16.160 --> 00:21:17.720 どうぞ、始めて下さい。 00:21:21.400 --> 00:21:24.400 この問いは差別的だわ。 00:21:26.560 --> 00:21:28.120 それのどこがいけないの? 00:21:32.400 --> 00:21:34.400 だれだって、自動車が必要でしょ。 00:21:35.400 --> 00:21:37.520 なぜ、中国人のことだけをいうの? 00:21:37.680 --> 00:21:42.680 アメリカへいってごらん、 一家族が3台以上持ってるわ。 00:21:44.640 --> 00:21:46.880 なぜ中国人?みんな、車がほしいさ。 00:21:47.200 --> 00:21:51.280 イタリア人もフランス人もドイツ人も、 車がなければほしいに決まっている。 00:21:51.600 --> 00:21:54.240 インド人がみんな 車をほしがったらどう? 00:21:54.400 --> 00:21:57.040 アフリカ人がほしがったら? 00:21:57.360 --> 00:22:01.480 すべての中国人が自動車をほしがって、 00:22:01.800 --> 00:22:04.600 しかも、乗りたい車が 00:22:04.760 --> 00:22:08.240 一番、大きくて、速くて パワフルな車種だとすると、 00:22:08.400 --> 00:22:10.920 見上げる空が暗くなるだろうね。 00:22:11.640 --> 00:22:15.120 道路が足りず、事故が増え、 00:22:15.800 --> 00:22:18.360 駐車場が足りず、 00:22:19.400 --> 00:22:21.000 公害が進みます。 00:22:21.400 --> 00:22:23.840 中国人がみんな自動車をほしがったら? 00:22:24.000 --> 00:22:25.840 そうしたら、ドイツ人はみんな 00:22:26.000 --> 00:22:28.880 自動車製造の労働者になって、 00:22:29.040 --> 00:22:33.040 中国人のために車を作らなきゃいけない、 くたびれ果てるまで。 00:22:33.200 --> 00:22:35.200 あり得ないね。 00:22:35.520 --> 00:22:38.080 豊かな国の自動車は 00:22:39.560 --> 00:22:42.840 ガソリンの二、三パーセントをつかって 00:22:43.000 --> 00:22:46.000 運転手を移動させます。 00:22:47.160 --> 00:22:49.880 残りは、 車両とエンジンの重量を動かす際に、 00:22:50.040 --> 00:22:53.840 そして、熱と摩擦で失われます。 00:22:54.000 --> 00:22:57.600 私たちは、一連の非常に洗練された、 00:22:57.920 --> 00:22:59.920 非常に悪い仕組みの車を考案しました。 00:23:00.080 --> 00:23:03.760 たった一人の人間を移動させるために。 00:23:04.080 --> 00:23:08.400 石油の価格は、 依然として高騰し続けます。 00:23:09.120 --> 00:23:13.240 下手をすれば西洋で 経済の混乱が起きるか、 00:23:13.560 --> 00:23:17.840 少なくとも、苦く、 必然的な認識に到達することでしょう。 00:23:18.000 --> 00:23:20.000 米国を初め西洋諸国での 00:23:20.160 --> 00:23:23.080 化石燃料の過剰な消費を 00:23:23.240 --> 00:23:27.840 なんとかしなければならない、 という切迫した思いが、 00:23:28.160 --> 00:23:30.920 人々の意識を占めるでしょう。 00:23:31.240 --> 00:23:33.200 中国は長い間、 00:23:33.360 --> 00:23:35.600 自転車の国でした。 00:23:35.920 --> 00:23:37.920 僕が期待するのは、 中国の自動車メーカーが 00:23:38.080 --> 00:23:41.080 車が及ぼす環境への影響を考え、 00:23:41.240 --> 00:23:44.240 電気自動車の分野に力を注ぐこと。 00:23:44.400 --> 00:23:46.640 中国は大きなチャンスがあると同時に、 00:23:47.080 --> 00:23:49.080 大きな責任を担っています。 00:23:50.160 --> 00:23:55.560 産業化をいかにうまく進めるか。人々、 00:23:56.360 --> 00:23:58.360 環境、 00:23:59.000 --> 00:24:02.040 そして世界のために。 00:24:02.360 --> 00:24:06.040 この問いは中国人が、という話ではなく 00:24:06.200 --> 00:24:11.040 持続可能ではない状態の比喩ですね。 00:24:11.360 --> 00:24:12.840 ましてや他者に向かって、 00:24:13.000 --> 00:24:15.560 私たち自身がやるつもりのないことを 求められないわ。 00:24:15.720 --> 00:24:19.840 私たちがすべきことは、 失敗から学ぶこと。 00:24:20.000 --> 00:24:24.920 いかに身勝手で 無責任に生きてきたか、という 00:24:25.080 --> 00:24:27.320 その失敗。 00:24:27.640 --> 00:24:32.640 問題はどれだけの人が 車をほしいか、ではなくて 00:24:33.000 --> 00:24:36.000 人間の欲望の扉が 00:24:36.560 --> 00:24:39.800 不可逆的に開けられてしまったことだ。 00:24:40.160 --> 00:24:43.400 この扉をどうやって閉じることができよう、 00:24:43.560 --> 00:24:48.040 無限の所有欲があふれ出てしまったのに? 00:24:57.240 --> 00:25:00.240 -だいじょうぶ? -だいじょうぶさ。 00:25:01.000 --> 00:25:04.560 -調子はどう? -いいよ、ちょっと疲れたけど。 00:25:06.400 --> 00:25:08.400 -けっこう多いね。 -そうだね。 00:25:11.160 --> 00:25:13.880 ここで、こうしていることが すばらしいね。 00:25:14.200 --> 00:25:17.680 -そう? -この場所でナチスが本を燃やしたんだ。 00:25:19.400 --> 00:25:24.400 そうか、それでわかった。だからあそこに 本が積み上げられているのね。 00:25:24.720 --> 00:25:26.720 まったく、今頃気づくなんて。 00:25:29.400 --> 00:25:33.200 ウィレム。 あといくつ、問いが残っているんだい? 00:25:33.360 --> 00:25:36.360 -あれだけ出た後で。 -知りたい? 00:25:38.000 --> 00:25:43.000 私、すべての問題について ついたくさん話してしまうの。 00:25:44.000 --> 00:25:47.000 ぜんぶ炎上させちゃうのよ! 00:25:49.400 --> 00:25:52.120 -こんな感じでいいかい? -問い33。 00:25:52.440 --> 00:25:55.920 ニューヨーク在住の作家、 00:25:56.080 --> 00:25:59.560 シリ・ハストヴェットからの質問です。 00:26:00.400 --> 00:26:05.040 私がとても興味をそそられるのは、 00:26:05.360 --> 00:26:07.880 現在の消費文化が 00:26:08.200 --> 00:26:11.200 どんなふうに影響を及ぼすかということ。 00:26:11.800 --> 00:26:15.840 例えば人間の個性だとか、生活様式とか 00:26:16.000 --> 00:26:17.680 考え方だとか、 00:26:18.000 --> 00:26:21.240 既存の文化における人々の内面に。 00:26:21.400 --> 00:26:24.400 どんな風に私たちの一部となり、 00:26:24.560 --> 00:26:28.560 そうした言葉と映像の文化に対して 00:26:29.400 --> 00:26:32.640 抵抗するのはどんな意味があるのか。 00:26:32.800 --> 00:26:35.320 「私の感覚では、常に、 現実が還元され、単純化されて」 00:26:35.480 --> 00:26:38.240 「なにかの形に成り代わり」 00:26:38.400 --> 00:26:41.200 「簡単に売買できるように なっていると思います。」 00:26:48.800 --> 00:26:51.080 思うに... 00:27:04.000 --> 00:27:06.120 消費文化は... 00:27:06.960 --> 00:27:09.480 その機能は、 00:27:09.800 --> 00:27:14.520 社会の欲望を生み出し続け、 00:27:14.840 --> 00:27:19.760 常になにか新しい物、 よりいい物、より便利な物を... 00:27:20.080 --> 00:27:21.640 人間は、何も要らない。 00:27:22.800 --> 00:27:26.800 自分自身があればいいの。 00:27:27.160 --> 00:27:28.840 それから、愛ね。 00:27:31.080 --> 00:27:33.080 世の中、コーヒーポットは充分あります。 00:27:33.240 --> 00:27:36.880 たくさんの道具に囲まれ、 いすも充分あります。 00:27:37.200 --> 00:27:40.040 たくさんあるなかからひとつだけ使い、 00:27:40.360 --> 00:27:45.840 そのあまったエネルギーを 本当に大切なことに注ぐのです。 00:27:46.160 --> 00:27:50.840 すべては売春文化の一部でしかない。 00:27:51.000 --> 00:27:53.360 人間の価値が売られ、 00:27:53.680 --> 00:27:56.880 人間性だって、巨大な売春マシンだ。 00:27:58.160 --> 00:27:59.760 我々は怪物をつくってしまった。 00:28:01.920 --> 00:28:04.440 農業の進歩から生まれた怪物だ。 00:28:04.800 --> 00:28:10.480 マクドナルドの牛は なんの儀式もなく殺される。 00:28:10.640 --> 00:28:15.640 動物が食を与えてくれることに対し、 なんの敬意も、感謝もない。 00:28:16.800 --> 00:28:20.320 そんな儀式のない食は、悪しき食となる。 00:28:21.280 --> 00:28:22.880 それに、知っていますか? 00:28:23.040 --> 00:28:25.400 マクドナルドが食されるところでは、 00:28:25.560 --> 00:28:27.400 人々が病気になる。 00:28:28.560 --> 00:28:31.560 当然じゃないか?儀式もないのだから。 00:28:31.800 --> 00:28:35.040 世界でもっとも力のある人間とは、 00:28:35.560 --> 00:28:40.040 人々の考え方に影響を与えられる人。 00:28:42.240 --> 00:28:46.240 人の行いや、社会運動に 00:28:46.680 --> 00:28:48.680 影響を与えられる人。 00:28:49.000 --> 00:28:52.200 ほかには社会が自己を見る目、 00:28:52.520 --> 00:28:57.200 歩き方、話し方、食べ方、 飲み方、などへの影響力。 00:28:57.520 --> 00:28:59.440 結局ぜんぶ、経済の話だ。 00:28:59.760 --> 00:29:03.000 私たちを破壊するシステムよ。 00:29:03.160 --> 00:29:05.720 私たちを消費するシステム。 00:29:06.800 --> 00:29:09.000 見つめるべきなのは、 00:29:10.000 --> 00:29:14.480 自由市場そのものであって、 00:29:15.800 --> 00:29:19.640 私たちがいかにして 00:29:19.800 --> 00:29:22.280 道徳的な側面を配慮できるか、 ということ。 00:29:23.200 --> 00:29:27.200 豊かさは分かち合い、相手を思いやり、 00:29:27.800 --> 00:29:30.800 自分自身も他人も幸せに暮らすためのもの。 00:29:30.960 --> 00:29:35.440 一番深い、よき豊かさとは、 他者に奉仕するためのもの。 00:30:42.200 --> 00:30:43.800 問い 37。 00:30:44.160 --> 00:30:49.160 トム・ヘンツェ、 30歳、ベルリン、ドイツ。 00:30:50.000 --> 00:30:55.800 「私たちの富は、第三世界の貧困の上に 成り立っているのか?」 00:30:57.000 --> 00:31:01.240 「第三世界」と呼ぶこと自体、傲慢だ。 00:31:01.400 --> 00:31:04.240 第三世界じゃない。単に、 00:31:04.400 --> 00:31:09.000 発展のしかたが異なるか、 発展がゆっくりな世界だというだけ。 00:31:09.160 --> 00:31:12.640 だが、第三世界じゃない。 第一はどこになる? 00:31:12.800 --> 00:31:16.040 第三世界とは どのように定義されるんだ? 00:31:16.200 --> 00:31:19.800 第一、第二、第三の世界があるかい? 00:31:21.200 --> 00:31:22.760 ないだろ。 00:31:23.800 --> 00:31:25.360 ひとつの世界? 00:31:27.000 --> 00:31:30.480 うまくいっていない? 人間が台無しにしている? 00:31:32.160 --> 00:31:37.400 我々の豊かさが 第三世界の貧困のおかげだとしたら、 00:31:37.560 --> 00:31:40.520 それは問題だ。本当に問題だ。 00:31:40.840 --> 00:31:43.320 彼らはまず、金を奪ったのよ。 00:31:43.480 --> 00:31:45.160 でも、先住民にとって 00:31:45.320 --> 00:31:48.320 金は、資本主義者たちとは 同じ意味を持っていなかった。 00:31:48.640 --> 00:31:52.640 アフリカは人類のゆりかごだといいますが、 00:31:52.800 --> 00:31:56.320 私があえてはっきりといいたいのは、 00:31:56.640 --> 00:31:59.960 アフリカが、資本主義の 臨終の床になるということです。 00:32:05.800 --> 00:32:07.800 略奪されたアフリカ... 00:32:09.640 --> 00:32:12.840 アフリカ、悲惨なアフリカ。 00:32:13.160 --> 00:32:17.640 アフリカについて話すとき、 感情なくしては話せない。 00:32:19.120 --> 00:32:22.120 胸を引き裂かれるような思いでしか。 00:32:22.560 --> 00:32:26.240 満腹に暮らしている人には、決して 00:32:27.560 --> 00:32:30.040 餓えの苦しみはわからない。 00:32:31.320 --> 00:32:32.800 ナイジェリアの酋長がこういったんです。 00:32:33.120 --> 00:32:37.000 「その富を我々と分かち合わないなら、 我々の貧困を分けてやろうじゃないか」 00:32:37.160 --> 00:32:41.240 世界平和を望むなら、 公平な分配について考えることです。 00:32:42.560 --> 00:32:46.520 納得すべきなのは、 資源をみんなで分かち合う、 00:32:47.920 --> 00:32:53.720 だけど、まずは必要な人々に 与えるべきだということ。 00:32:55.400 --> 00:32:59.640 真の所有は、必要性のある所有です。 必要から生じるのです。 00:32:59.800 --> 00:33:05.000 グラス一杯の水がほしいとき、 必要性に基づいて僕のものとなるのです。 00:33:05.320 --> 00:33:07.080 公平... 「公平」という言葉は 00:33:07.240 --> 00:33:11.120 経済ではあまりきかない言葉だね。 00:33:12.160 --> 00:33:15.160 つながりを作る必要があります。 00:33:15.560 --> 00:33:19.560 人々の貧困と、 00:33:20.160 --> 00:33:25.960 その国の富との間に。 そして監視するのです、 00:33:27.000 --> 00:33:29.600 どこへ富が行ってしまうのか。 00:33:30.000 --> 00:33:34.840 私の考えるグローバル化とは、 00:33:35.000 --> 00:33:39.640 グローバルな家族を作ることです。 その際には、 00:33:39.800 --> 00:33:43.640 未熟さの表れである 敵対的な競争関係から抜け出し、 00:33:43.800 --> 00:33:47.800 もっと成熟した 協力関係へと移行するのです。 00:33:48.480 --> 00:33:52.000 これは、進化の間に多くの品種が やり遂げたことですから 00:33:52.160 --> 00:33:55.600 今度は私たち人間がそうする番です。 00:33:55.920 --> 00:33:57.680 簡単にいいましょう。 00:33:57.840 --> 00:34:01.720 人が、神的な寛大さに組したいと思えば、 00:34:01.880 --> 00:34:03.800 与える力を得る。 00:34:03.960 --> 00:34:05.640 命すべてが与えられる。 00:34:05.800 --> 00:34:08.720 また、そうする人は「与える」派です。 00:34:09.040 --> 00:34:11.840 でも、もし君の生活が 取ることを中心に回っていたら、 00:34:12.000 --> 00:34:14.880 君は「取る」文化の一部ということになる。 00:34:15.200 --> 00:34:20.200 選択肢は「取る」の一部となって 忘れられるか、 00:34:20.360 --> 00:34:24.360 あるいは「与える」の一部となって 許されるか、だ。 00:34:26.000 --> 00:34:29.000 それ、すごくいいですね。 すばらしいわ。 00:34:29.400 --> 00:34:33.240 -隣の方がいって下さったわ。 -もう一度、繰り返して。 00:34:33.400 --> 00:34:36.520 ええ。私の席にかけて、 私の代わりにいって下さる? 00:34:40.000 --> 00:34:43.840 お互いにもっとやり取りがあるといいよね。 00:34:44.000 --> 00:34:47.640 だれかと分かち合うと、 元気が出てくるから。 00:34:47.800 --> 00:34:53.600 でも私の脳が、脳があまり... これはね、君にいってるんだよ!君に... 00:34:54.000 --> 00:34:55.400 君に向けた言葉なんだ! 00:34:57.560 --> 00:34:59.640 -あら、こんにちは。 ‐あれ、どう調子は? 00:35:00.440 --> 00:35:02.440 楽しんでるかしら? 00:35:02.800 --> 00:35:04.680 -楽しんでる? -ええ。 00:35:06.000 --> 00:35:09.240 あなた、賢いから。天才的よ。 00:35:09.560 --> 00:35:12.000 答えがすらすらと口をついて出てくる。 00:35:13.400 --> 00:35:15.640 -わからない、わからない。 -わからないよ! 00:35:16.640 --> 00:35:18.640 ぼくら、大実験中なんだろ? 00:35:18.800 --> 00:35:21.160 問いがどうのというより ぼくら自身のことなんだ。 00:35:28.800 --> 00:35:30.400 どうぞ、続けて。 00:35:31.400 --> 00:35:32.880 どうもありがとう。 00:35:34.160 --> 00:35:38.080 さっきの最後の問いに みなさんが答えている間、 00:35:38.240 --> 00:35:43.400 私は輪のなかを歩きながら、 みなさんの顔や声、 00:35:44.400 --> 00:35:45.920 表情を見ることができました。 00:35:46.560 --> 00:35:49.680 とても感動的でした、 00:35:50.000 --> 00:35:52.520 輪を歩きながら 目に入ったすべてのことが。 00:35:52.840 --> 00:35:55.560 これだけ多様な人々の 集まりなのですから! 00:35:55.880 --> 00:35:58.000 私たち自身による国連です! 00:35:58.160 --> 00:36:01.720 アフリカ、アジア、オーストラリア、 00:36:02.040 --> 00:36:04.520 ヨーロッパ、そしてアメリカからの方々。 00:36:05.280 --> 00:36:08.960 将来への投資をしに、 ここに集まったのはすばらしいことです。 00:36:12.800 --> 00:36:14.360 問い 41。 00:36:15.160 --> 00:36:20.640 アドリエン・メッサロス、 30歳、ブダペスト、ハンガリーより。 00:36:21.560 --> 00:36:24.600 「植民地主義の 新しい形態は存在しますか?」 00:36:25.800 --> 00:36:27.280 はい。 00:36:28.560 --> 00:36:31.560 植民地主義の現代版は存在します。 00:36:31.720 --> 00:36:33.760 それは、借金と呼ばれています。 00:36:34.560 --> 00:36:36.240 借金と呼ばれ、 00:36:36.400 --> 00:36:40.720 構造調整政策というものを、 00:36:41.040 --> 00:36:45.280 世界銀行と世界通貨基金から 押し付けられます。 00:36:45.600 --> 00:36:48.600 たくさんのお金が発展途上国に流れ、 00:36:48.760 --> 00:36:53.000 私たちの政府の主権、国民の主権を 00:36:53.160 --> 00:36:54.760 操るために使われます。 00:36:55.080 --> 00:36:58.440 世界銀行と通貨基金がいうには、 借金を返すなら、 00:36:58.600 --> 00:37:00.800 借金は返さないといけないから、 00:37:01.120 --> 00:37:04.000 お宅の国の利子率を 上げなければなりません。 00:37:04.160 --> 00:37:08.720 それが、事業の資金繰りや 雇用を国内で困難にしているのです。 00:37:08.880 --> 00:37:11.600 何もかも 民営化しなくてはならないその国では、 00:37:11.760 --> 00:37:13.800 その大きなチャンスにすかさず 00:37:13.960 --> 00:37:16.440 外国企業や現地のエリートが 00:37:16.760 --> 00:37:20.120 かつての公営会社を 買い上げてしまいます。 00:37:21.040 --> 00:37:24.200 アメリカ合衆国は、 00:37:25.000 --> 00:37:29.080 ある民族の抹殺の上に成り立っている。 00:37:29.400 --> 00:37:31.880 ヨーロッパは、 00:37:33.280 --> 00:37:36.160 コンゴを搾取し、 00:37:36.640 --> 00:37:42.040 南アフリカの金やダイアモンドを 搾取した上に成り立っている。 00:37:42.360 --> 00:37:45.360 奴隷化は、資源を奪うためだった。 00:37:45.520 --> 00:37:47.000 今では石油、そしてダイアモンドだ。 00:37:47.160 --> 00:37:52.080 今ではダイアモンド、鉱物、 そして一次資源。 00:37:52.400 --> 00:37:54.400 国々は... 00:37:54.800 --> 00:37:57.400 ラテン・アメリカの国々は、 00:37:57.560 --> 00:38:02.560 いまだに搾取され続けています。 00:38:02.880 --> 00:38:05.120 資源の搾取。 00:38:05.440 --> 00:38:08.440 こうした政治は、 利益をもたらしました、 00:38:08.600 --> 00:38:12.480 その国々のほんの一握りの人に。 00:38:12.800 --> 00:38:15.880 吸血鬼みたい。吸血鬼なのよ! 00:38:16.040 --> 00:38:21.840 彼らは、他人の力、強さ、命をつかって 00:38:22.160 --> 00:38:24.880 自分の経済を潤すの。 00:38:25.200 --> 00:38:29.000 グローバル化に基づいた 現代の経済植民地主義です。 00:38:29.160 --> 00:38:32.320 しかし、構造的には 00:38:32.640 --> 00:38:35.640 四、五百年前とまったく同じ。 00:38:35.800 --> 00:38:40.120 植民地主義よりも巧妙です、 軍隊が要らないのだから。 00:38:40.440 --> 00:38:42.960 管理する組織もいりません。 00:38:43.280 --> 00:38:48.240 なんの代償も払わなくていい、 国家、干渉する権力。 00:38:48.560 --> 00:38:52.640 「私たちは、 すべてのために充分ある地球の子供です。 00:38:52.800 --> 00:38:56.000 でも、多くが飢えていて、 満たされているのはほんの少し。 00:38:56.640 --> 00:38:58.640 一人が食べると、他が苦しむ。 00:38:58.800 --> 00:39:00.640 これまでもずっとそうだった。 00:39:00.800 --> 00:39:04.800 他の国は貧しいままでいい、 豊かな国が豊かであるために。」 00:39:05.240 --> 00:39:07.480 これが理想的な制度だというのは、 00:39:07.800 --> 00:39:10.560 目には見えないからです。 00:39:12.000 --> 00:39:13.720 植民地主義は目に見えます。 00:39:13.880 --> 00:39:17.240 その写真を見て、不快になります。 00:39:17.400 --> 00:39:22.240 でも、借金は見えない上に、 同様に機能し、もっと能率がいいくらい。 00:39:22.400 --> 00:39:26.960 アメリカ人としてここで この話をするのは居心地悪いものです。 00:39:27.280 --> 00:39:31.040 でも、それが現実世界の 暗い側面なのです。 00:39:31.360 --> 00:39:35.000 限りなく現実です。 そして多くの困窮をもたらしました。 00:39:35.400 --> 00:39:39.400 私たちは世界で起こっていることを 知らなければなりません、 00:39:39.560 --> 00:39:41.400 その状況を変えるために。 00:39:41.720 --> 00:39:45.560 もっと違ったかたちでの 民主主義的な生き方、 00:39:45.720 --> 00:39:48.200 組織のあり方があるはずだ、 00:39:48.520 --> 00:39:52.400 それが、どんな帝国主義的、 00:39:52.720 --> 00:39:56.200 植民地主義的な服従を免れるように。 00:39:57.200 --> 00:40:00.200 これは、21世紀の重大な問いだ。 00:40:15.840 --> 00:40:21.320 問い 45。 カタリナより、24歳、ドイツ。 00:40:22.000 --> 00:40:27.480 「私たちはなぜ、いまだに人間性よりも、 国籍を信用するのか?」 00:40:30.520 --> 00:40:33.320 それは我々の脳の状態が、 00:40:33.640 --> 00:40:36.240 ずっと訓練され続けた結果、 00:40:36.400 --> 00:40:40.400 国のアイデンティティの 一部になってしまうからだ。 00:40:41.000 --> 00:40:44.000 そういう視点になる。 00:40:44.600 --> 00:40:47.400 そして、その国の中でも今度は 00:40:47.560 --> 00:40:50.920 もっともっと小さなグループの アイデンティティがある。 00:40:51.240 --> 00:40:53.360 だから私たちは恐れるのです。 00:40:54.800 --> 00:41:00.600 自分たちを守るために、 枠の中に入れられています。 00:41:01.560 --> 00:41:03.560 不安を抱いています。 00:41:04.800 --> 00:41:08.640 だれが味方で、 だれが敵なのかわかりません。 00:41:08.800 --> 00:41:11.280 それが人間性を破壊したのです。 00:41:11.600 --> 00:41:13.600 ひとつ、例を挙げましょう。 00:41:14.400 --> 00:41:17.880 いま、私の国、イラクでは 00:41:18.800 --> 00:41:20.560 ほとんどの人がしがみつき、 00:41:22.880 --> 00:41:24.920 信じるのは 00:41:26.000 --> 00:41:28.360 自分たちだけ、 00:41:28.800 --> 00:41:33.800 あるいは隣人や同じ町の人。 00:41:34.800 --> 00:41:37.760 それまでは、相手がだれなのか、 00:41:38.080 --> 00:41:40.560 どこの町から来たのか、 00:41:40.720 --> 00:41:42.520 どの民族や家系に属するのか いちいち尋ねませんでした。 00:41:43.880 --> 00:41:48.920 ただ、相手を 友好的に迎え入れていたのです。 00:41:49.400 --> 00:41:53.640 でも安全性、 心理的な安心感によって 00:41:53.800 --> 00:41:58.280 人間は自分というものの 価値観が広がり、 00:41:58.440 --> 00:42:01.760 他者との違いを 尊重できるようになるのです。 00:42:01.920 --> 00:42:05.600 でも人間が恐れ、怯え、孤立すると 00:42:05.760 --> 00:42:07.560 どんどん寛容ではなくなるのです。 00:42:07.720 --> 00:42:11.840 そして国家のなかで 人々はマスコミによって 00:42:12.000 --> 00:42:13.720 扇動され、 00:42:14.040 --> 00:42:17.520 会ったこともない、よその人々を 憎むように刷り込まれるのです。 00:42:18.800 --> 00:42:22.240 我々は、なんらかの属性を持つよう 条件付けられています。 00:42:22.400 --> 00:42:25.800 ある民族の一員として、 保護主義者として 00:42:27.160 --> 00:42:29.080 あるいはナショナリストとして。 00:42:29.640 --> 00:42:32.160 もちろん 理解していなければならないのは 00:42:32.480 --> 00:42:35.400 ナショナリズムが 真に狂信的だということ。 00:42:36.000 --> 00:42:38.400 おそらく、すべての人に 00:42:39.880 --> 00:42:41.720 人種差別主義的な独裁者が 潜んでいるでしょう。 00:42:43.400 --> 00:42:45.400 そう確信しています。 00:42:45.720 --> 00:42:49.440 私たちにとって家族が親族よりも近く 00:42:51.040 --> 00:42:54.520 親族のほうが部族よりも近く、 00:42:54.800 --> 00:42:58.280 部族のほうが国民よりも近く、 00:42:59.320 --> 00:43:03.320 国民のほうが人間性よりも 近い存在なのです。 00:43:04.240 --> 00:43:06.720 私は国籍を信用しません。 00:43:06.880 --> 00:43:09.400 21世紀の自分たちについて考えたとき、 00:43:09.560 --> 00:43:13.800 可能性の世界の子供、未来の子供は、 00:43:13.960 --> 00:43:17.960 もしかしたら国家文化や区分を超えた 中間にいるかもしれない、 00:43:18.120 --> 00:43:20.160 従来の定義から外れた場所に。 00:43:20.320 --> 00:43:22.280 私たちが所属するのは国家でなく、 00:43:22.600 --> 00:43:25.840 従来の秩序でもなく、 なにかそれを越えたものだろう。 00:43:26.160 --> 00:43:29.560 僕が思うには、ある程度のところまで、 00:43:29.880 --> 00:43:34.880 国家という発想は既に崩れかけていて 00:43:35.400 --> 00:43:41.200 ますます本来の姿に、 国家を超えた人間になっていくのではないか。 00:43:43.120 --> 00:43:47.120 時として、最悪の敵は 00:43:48.000 --> 00:43:50.480 自分自身の知覚だ。 00:43:51.000 --> 00:43:52.560 ありがとう。 00:44:54.000 --> 00:44:58.480 問い48はグレンからです。 ケープタウン、南アフリカ。 00:44:59.400 --> 00:45:02.520 「どのように自国の政府が 戦争するのを阻止できるか?」 00:45:04.000 --> 00:45:07.800 私は、 一度も戦争したことのない国からきました。 00:45:08.400 --> 00:45:10.840 だから、戦争のことは何も知りません。 00:45:11.000 --> 00:45:15.240 でも、あなた方が戦争で 苦しみを受けたことは知っています。 00:45:15.400 --> 00:45:18.240 私ですか?平和の国からきました。 00:45:18.400 --> 00:45:21.960 平和しか知らない国。 00:45:22.560 --> 00:45:25.560 撃たれる恐れも知らず、 00:45:26.160 --> 00:45:29.160 銃口を向けられたこともなく、 00:45:31.000 --> 00:45:33.000 領土のために戦ったこともありません。 00:45:33.640 --> 00:45:37.600 戦争に行くのは我々。あなた、私、我々。 00:45:37.920 --> 00:45:41.920 政府は戦争に行かない。 政府が我々を戦争に送る。 00:45:42.800 --> 00:45:44.400 我々が代償を払う。 00:45:45.000 --> 00:45:48.480 支払う代償は 肉体的なものだけでなく、 00:45:50.560 --> 00:45:53.560 精神的な代償も払う。 00:45:57.000 --> 00:46:01.240 モラルの基盤を失い、 自分自身を見失う。 00:46:01.400 --> 00:46:05.840 実際、恥ずべきことだわ。 00:46:06.000 --> 00:46:08.000 強国は恥じるべきよ、 00:46:08.160 --> 00:46:11.720 文明へのひどい仕打ちを。殺すつもり? 00:46:12.040 --> 00:46:14.520 私は、ボズニアの戦争を生き延びました。 00:46:14.680 --> 00:46:17.240 子供時代の3年半の間に 00:46:17.400 --> 00:46:22.080 何百万という爆弾が 私の街で爆発しました。 00:46:23.440 --> 00:46:27.000 爆弾の爆発音をきくことは 00:46:27.160 --> 00:46:30.640 とても説明できない体験です。 00:46:30.800 --> 00:46:32.800 体内でそれを感じるから。 00:46:32.960 --> 00:46:35.760 思い出すのは、私の体が 00:46:35.920 --> 00:46:39.160 その凄まじい爆破と 破壊の音に反応して 00:46:40.360 --> 00:46:43.360 毎回、心臓が跳ね上がりました。 何百万回となく。 00:46:43.520 --> 00:46:47.400 時々、もう私の心臓はこれに耐えられない、 00:46:47.560 --> 00:46:50.720 粉々にはじけ散ってしまうかと思いました。 00:46:54.960 --> 00:46:59.200 私たちは民間の犠牲者です。 数の話をしてるのではありません。 00:46:59.360 --> 00:47:03.360 破壊された生活や家族の話を してるのではありません。 00:47:03.520 --> 00:47:07.480 巻き添えで犠牲者となった民間人。 茫然とさせられます。 00:47:07.800 --> 00:47:10.200 その顔は見えません。 離れたできごとです。 00:47:10.520 --> 00:47:13.200 政治のプロセスは、 現実との接点を失い、 00:47:13.520 --> 00:47:16.520 戦争はいまや 経済的な理由のみで起こる。 00:47:18.000 --> 00:47:21.000 理解しがたいのは、 00:47:21.160 --> 00:47:23.160 世界の強国が 00:47:23.440 --> 00:47:26.920 莫大なお金を死のためにつかう、 ということだ。 00:47:27.240 --> 00:47:30.240 私たちがつながりを なくしてしまったのは、 00:47:32.160 --> 00:47:35.160 政府が行うことへの 私たちの責任です。 00:47:35.320 --> 00:47:37.840 無力感のなかで 自分自身を見失いながらも、 00:47:38.000 --> 00:47:41.000 その状態をすぐに変えられると 錯覚しています。 00:47:41.320 --> 00:47:44.000 戦争反対のデモ行進をしても なにも変わらず、 00:47:44.160 --> 00:47:47.240 人々はまた ふだんの生活に戻るんだけど、 00:47:47.400 --> 00:47:50.960 その間に、 反対運動をしたはずのことが 00:47:51.120 --> 00:47:54.360 想像を超えるような 悪夢のような事態になってしまう。 00:47:54.680 --> 00:47:56.400 デモをした当時ひどかった戦争が 00:47:56.560 --> 00:47:59.760 デモしなくなったら それほどひどくなくなったのはなぜ? 00:48:00.080 --> 00:48:04.000 政府を阻止するのは難しい問題だ。 00:48:04.320 --> 00:48:07.840 唯一の方法は 政府を転覆させることだろうね、 00:48:08.000 --> 00:48:09.840 革命を起こして。 00:48:10.000 --> 00:48:14.840 でも革命なんて、 いまどき時代遅れの感がある。 00:48:15.000 --> 00:48:17.240 そんな言葉は思い浮かばない。 00:48:17.400 --> 00:48:19.680 しかし、政府をとめるには それしかないじゃないか。 00:48:22.400 --> 00:48:23.920 一番重要なステップとして 00:48:25.000 --> 00:48:27.840 世界中の女性ができることは、 00:48:28.000 --> 00:48:30.480 子供たちを送り出さないことです、 00:48:32.000 --> 00:48:36.120 兵隊や殺人者に 仕立て上げられないために。 00:48:37.360 --> 00:48:42.320 私の国では、みんなが互いを憎み合い、 00:48:42.640 --> 00:48:45.880 残虐な殺し合いをし、 00:48:46.040 --> 00:48:48.680 相手を人間とも思わないような ことをしていました。 00:48:49.920 --> 00:48:53.920 こうした惨劇は、 ほんの短い間に発揮される 00:48:54.080 --> 00:48:57.640 とてつもない破壊力のせいで 引き起こされます。 00:48:57.800 --> 00:49:02.240 こんなことをする政府は 取って代わられねばなりません。 00:49:02.400 --> 00:49:06.400 こうした戦争行為の 責任を負う各リーダーたちは 00:49:06.560 --> 00:49:08.800 法で裁かれなくてはなりません。 00:49:10.120 --> 00:49:13.320 ここ20年の間に 喜ばしい進歩がありました。 00:49:13.480 --> 00:49:16.480 ピノチェト将軍をはじめとする 何人もの軍人が 00:49:16.800 --> 00:49:22.280 大勢の人々を殺戮し、 死者、行方不明者を出した責任を問われ、 00:49:22.520 --> 00:49:25.840 世界の法の裁きを受けたのです。 00:49:26.000 --> 00:49:29.240 だから、だれにでも適用される 世界規範が必要です。 00:49:29.400 --> 00:49:32.000 どのリーダーも同じように責任を問われ、 00:49:32.160 --> 00:49:35.880 その行いが裁かれなければなりません。 00:49:39.160 --> 00:49:44.400 人間として思うのは、現代の戦争とは何? 00:49:44.800 --> 00:49:48.200 互いに殺しあうことは、 00:49:49.160 --> 00:49:52.400 たくさんの、たくさんの人から 平和を奪うこと。 00:50:29.160 --> 00:50:30.920 問い56。 00:50:32.000 --> 00:50:35.400 モイーズ・マラボー、23歳、 00:50:35.720 --> 00:50:37.520 アガデス、ニジェール。 00:50:37.840 --> 00:50:41.440 「中東にまだ平和が訪れないのはなぜ?」 00:50:44.440 --> 00:50:47.840 この問いは、とても、とても、とても 00:50:48.000 --> 00:50:52.000 胸に迫る問題ですね、 イスラエル人の私としては。 00:50:52.400 --> 00:50:55.400 私の視点からしか語れませんが、 00:50:56.240 --> 00:50:59.240 中東に平和が訪れないのは、 00:50:59.560 --> 00:51:03.640 イスラエルのうぬぼれのせいです。 00:51:04.200 --> 00:51:06.440 正義と取り組まない限り、 00:51:06.600 --> 00:51:08.360 平和はありません。 00:51:08.520 --> 00:51:11.000 平和とは、紛争の合間の休止状態ではなく、 00:51:11.160 --> 00:51:14.640 目指すべき継続的な状態です。 00:51:15.800 --> 00:51:18.800 今の平和は、 00:51:19.000 --> 00:51:23.000 偽の平和だ。 00:51:23.160 --> 00:51:26.960 不信の上に成り立っている平和。 00:51:27.280 --> 00:51:28.760 石油。 00:51:31.400 --> 00:51:35.880 双方に狂信者がいる というのが原因だと思います。 00:51:36.440 --> 00:51:38.240 双方に。 00:51:38.560 --> 00:51:43.400 私たちがひどく怯えていることは 事実として、無視できません。 00:51:43.720 --> 00:51:46.200 でも、自分たち自身を癒すために 00:51:46.360 --> 00:51:49.800 他人を思いやることを思い出したり、 00:51:50.120 --> 00:51:53.400 愛することや、許すこと、 00:51:53.720 --> 00:51:57.840 打ち解けた対話の重要性を 考える代わりに 00:51:58.000 --> 00:52:01.600 私たちは、仮想の正義の後ろに 隠れ続けるのです。 00:52:01.920 --> 00:52:03.640 でも、実際にはありません。 00:52:03.960 --> 00:52:07.360 自分たちにされたことを口実に、 何をしても許されると思っているんです。 00:52:07.800 --> 00:52:12.400 パレスチナ人とイスラエル人は 共存を願っていると思うよ。 00:52:12.720 --> 00:52:15.720 こっちが先に住んでいたとか、 00:52:16.040 --> 00:52:18.680 あっちが先だとかの論争は この際関係ない。 00:52:18.840 --> 00:52:22.840 我々のだれもが、 この地球の訪問者なのだから。 00:52:23.160 --> 00:52:26.040 我々のだれもが、 大地を借りている異邦人なのだから。 00:52:27.200 --> 00:52:31.640 パレスチナ人とイスラエル人が 平等に、尊厳を保ち、 00:52:31.960 --> 00:52:35.960 互いを尊重し、連帯意識を持って暮らせば、 00:52:36.120 --> 00:52:39.680 世界中から反響がくるだろうね。 00:52:39.840 --> 00:52:43.840 あの愚かな戦いに終止符を打つ。 00:52:44.160 --> 00:52:47.840 西洋文化とイスラム文化との 板ばさみになってくりひろげる戦い。 00:52:48.160 --> 00:52:52.000 なんてバカバカしい。 イスラエルとパレスチナでこそ、 00:52:52.160 --> 00:52:56.040 双方が手を結べば、 最高の文化になることを証明できるのに。 00:52:56.840 --> 00:52:58.640 ええ、夢物語にきこえることでしょう。 00:52:58.800 --> 00:53:02.800 私の国、私の共同体でよくいうんですが... 00:53:12.800 --> 00:53:13.880 その意味は、 00:53:14.200 --> 00:53:18.560 「二頭の雄牛が闘うと、 痛むのは地面の草。」 00:53:46.000 --> 00:53:50.000 問い61はヴォルフガング・ヨスト、 00:53:50.160 --> 00:53:53.160 23歳、ベルリン、ドイツから。 00:53:54.800 --> 00:53:57.280 「イランの核爆弾は、 00:53:57.640 --> 00:54:02.880 なぜ、米国やイスラエルやフランスのより 危険とみなされるのか?」 00:54:05.000 --> 00:54:10.080 これは、米国やフランス、 イスラエルで発するべき質問じゃないね。 00:54:10.240 --> 00:54:12.240 だが、この質問を 00:54:12.400 --> 00:54:16.400 アルジェリアやイラク、 00:54:16.720 --> 00:54:20.720 レバノンやパレスチナ、あるいは... 00:54:23.560 --> 00:54:25.600 日本でしたらどうだろう? 00:54:25.920 --> 00:54:28.560 1945年、8月7日。 00:54:30.360 --> 00:54:34.360 米国は広島に原爆を投下した。 00:54:36.400 --> 00:54:41.160 何十万人も死んだ。 学校の子供たち、民間人。 00:54:42.440 --> 00:54:46.920 殺戮はその後、何年にもわたって 00:54:47.160 --> 00:54:51.160 被爆の影響で続いた。 00:54:53.400 --> 00:54:58.400 原爆を実際に使用したのはだれだった? 00:54:59.400 --> 00:55:01.720 今のところ、米国だけだ。 00:55:02.040 --> 00:55:06.640 イランはイスラエルを破壊することを 予告し、約束する。 00:55:06.960 --> 00:55:11.560 確実なのは、イランが核兵器を得たとき、 00:55:11.800 --> 00:55:14.040 必ずその約束を果たすだろう、ということ。 00:55:15.000 --> 00:55:18.000 イスラエル。イスラエルの爆弾? 00:55:18.160 --> 00:55:20.160 どこから来るんだろうね? 00:55:21.800 --> 00:55:23.400 我々が作っているんだよ。 00:55:24.800 --> 00:55:27.800 我々がイスラエルに売ってるってわけ。 00:55:28.760 --> 00:55:33.520 米国、イスラエルとフランスの爆弾は なくすべき。 00:55:33.840 --> 00:55:37.400 フランスと米国は法的に そうする義務がある、 00:55:37.560 --> 00:55:40.480 核拡散防止条約に基づいて。 00:55:40.800 --> 00:55:44.040 そしてイスラエルは安全保障上、 00:55:45.560 --> 00:55:50.320 その地域の紛争を 武力行使せずに解決することを望んでいる。 00:55:50.640 --> 00:55:54.240 だれかが核兵器を保有する限り、 他の国も保有したがる。 00:55:54.400 --> 00:55:57.000 ほしいと願い続ければ、 いつか手にしてしまう。 00:55:57.160 --> 00:56:00.000 そんな爆弾が存在する限り、 避けられないのは 00:56:00.160 --> 00:56:03.160 事故、あるいは意図的に それが使用されてしまうこと。 00:56:03.320 --> 00:56:07.200 いずれにせよ、破滅的だから それはなくさなければならない。 00:56:08.000 --> 00:56:12.240 なぜ、核爆弾なんか必要なんでしょう? 00:56:13.600 --> 00:56:17.200 こんなはずじゃ... もし、最初からやり直せるなら、 00:56:17.360 --> 00:56:21.600 誰一人、核爆弾の開発が いい案だとはいわないでしょう。 00:56:23.800 --> 00:56:25.280 正気じゃない! 00:56:26.560 --> 00:56:30.960 もし、原爆の影に怯えずに暮らせたら 私たちはどうしていたかしら? 00:56:31.800 --> 00:56:34.040 きっと、もっと別な人間に なっていたと思うんです。 00:56:34.200 --> 00:56:39.560 外部からかんたんに操られてしまうような 00:56:40.560 --> 00:56:43.320 恐れを抱いて、暮らしていた? 00:56:45.160 --> 00:56:50.160 いま許されているような暴力のレベルを 果たして許していたでしょうか? 00:56:50.320 --> 00:56:52.000 していなかったと思います。 00:56:52.160 --> 00:56:55.720 きっと、もっとすばらしい方法を 見つけていたんじゃないかと思う、 00:56:55.880 --> 00:56:58.880 紛争を武力以外の方法で 解決するために。 00:57:00.800 --> 00:57:06.360 そして、21世紀にいる私たち自身が 00:57:07.240 --> 00:57:09.240 兵器技術の進歩によって 00:57:09.400 --> 00:57:13.800 多大な影響を受けているはずです。 00:57:15.000 --> 00:57:18.040 まだ完全には理解していないのです、 00:57:18.360 --> 00:57:22.040 人間性に対してされた仕打ちが何を変え、 00:57:22.200 --> 00:57:25.480 原爆を使ったことによって アメリカ人の何を変えてしまったのか。 00:57:26.160 --> 00:57:29.160 それによって、 00:57:33.000 --> 00:57:35.000 いかに私たちの内面が暴力的であるか。 00:57:35.160 --> 00:57:39.160 それによって憂鬱の度合い、 00:57:40.000 --> 00:57:41.920 依存の度合いが決まり、 00:57:42.560 --> 00:57:45.560 分離され、拒絶され。 00:57:47.160 --> 00:57:50.520 きっと、全然ちがった世界に なっていたはず。 00:57:50.720 --> 00:57:52.320 全然ちがう世界に。 00:57:52.480 --> 00:57:55.480 もっと思いやりがあって、寛容で。 00:58:15.040 --> 00:58:16.600 ありがとう。 00:58:17.160 --> 00:58:20.080 問い62は、 00:58:20.400 --> 00:58:23.400 作家であり、活動家の アルンダティ・ロイからです。 00:58:24.000 --> 00:58:28.640 「非暴力の抵抗と武力による闘い、 どちらにすべき? 00:58:28.800 --> 00:58:32.280 何が効果的?どうするのが正しい? 00:58:32.440 --> 00:58:38.000 あるいは、抵抗の生物多様性が必要?」 00:58:39.280 --> 00:58:43.840 アルンダティ、あなたがここにいて このささやき声が聞こえ、 00:58:47.800 --> 00:58:49.440 この人々の顔を見られたら。 00:58:51.800 --> 00:58:55.240 「抵抗の生物多様性」っていうのがいいね。 00:58:55.560 --> 00:58:57.320 これはすごい問いだ。 00:58:57.480 --> 00:59:00.720 でも、ぼくらがこれに答えていい 立場にあるだろうか。 00:59:02.160 --> 00:59:05.840 ぼくは、非暴力の抵抗を、といいたい。 00:59:06.000 --> 00:59:09.240 抵抗によって達成されるものと思いたい。 00:59:09.680 --> 00:59:13.320 でも弾圧されている人々に 抵抗の形態を指定なんかできない。 00:59:13.640 --> 00:59:17.640 抵抗の形態が多様にあるべきなのは、 確かにそのとおり。 00:59:17.800 --> 00:59:20.800 武力による闘いは 最後の手段であるべきだから。 00:59:20.960 --> 00:59:25.840 そのときは、注意深くなくてはならず、 00:59:26.000 --> 00:59:28.240 なるべく懐疑的でいたほうがいい。 00:59:28.400 --> 00:59:31.400 それでも、 武力がどうしても必要になる場合も 00:59:31.560 --> 00:59:33.120 あるだろう。 00:59:33.280 --> 00:59:35.280 だが、ほとんどの場合は 00:59:35.440 --> 00:59:39.160 あらゆる形態の 非暴力の抵抗、闘いを駆使して 00:59:39.480 --> 00:59:42.240 非暴力が活動の形態として 00:59:42.400 --> 00:59:45.800 生命と活力に満ち、 00:59:46.000 --> 00:59:49.760 犠牲と苦しみを 代償とすることを知らしめ、 00:59:49.920 --> 00:59:53.640 自分や他人の内のいちばん善の部分を 00:59:53.800 --> 00:59:56.280 示せるようでなければならない。 00:59:57.400 --> 01:00:00.400 変化のための闘いにおいて 01:00:00.640 --> 01:00:05.040 それが成功したケースはどれも 01:00:05.360 --> 01:00:08.880 作戦の上で、あなたがいう 「生物多様性」を保持していました。 01:00:09.400 --> 01:00:11.400 非暴力の抵抗から、 01:00:12.640 --> 01:00:16.440 政治組織、演説、 01:00:16.760 --> 01:00:18.560 そして、武力闘争にいたるまで。 01:00:18.800 --> 01:00:22.800 武力闘争を正当化するために 起草された原則は、 01:00:22.960 --> 01:00:25.800 アフリカ民族会議と チェ・ゲバラによるものですが、 01:00:26.200 --> 01:00:28.920 これは、単なるテロ行為による、 暴力自体を目的化し、 01:00:29.080 --> 01:00:32.760 無意味に犠牲者を出す形態とは 一線を画すもの。 01:00:32.920 --> 01:00:37.680 その武力闘争は、弾圧されている多数を 01:00:37.840 --> 01:00:39.960 動員し、保護するためなのです。 01:00:40.640 --> 01:00:42.960 組織する一人として、 どんな決定を下そうが、 01:00:43.120 --> 01:00:46.120 どんな運動のなかにいようが、 常に自問するのは: 01:00:46.440 --> 01:00:49.960 選んだ作戦がもたらす結果の 責任を負えるか、ということ。 01:00:50.280 --> 01:00:53.760 変化が起こったとき、あり得ないのは 01:00:53.920 --> 01:00:56.400 だれも余波を受けない、ということです。 01:00:56.800 --> 01:01:00.800 変化には、必ず犠牲が付きまといます。 01:01:01.440 --> 01:01:04.440 まず考えましょう。 どれほどの覚悟がありますか? 01:01:05.000 --> 01:01:07.480 目的に迷いはありませんか? 01:01:09.000 --> 01:01:11.480 では、武器を選びましょう。 01:01:13.400 --> 01:01:16.400 ペンでもいいし、銃でもいい。 01:01:17.000 --> 01:01:22.000 カメラでも、紙切れでも、ナイフでもいい、 01:01:23.160 --> 01:01:24.800 あなたの命でもいい。 01:01:25.360 --> 01:01:29.360 非暴力の抵抗で 多くを達せられると思います。 01:01:29.520 --> 01:01:34.800 でも、武力闘争は 正当化できるでしょうか? 01:01:35.400 --> 01:01:37.480 革命は正当化される? 01:01:39.120 --> 01:01:43.640 抵抗にばかり目を向けるのは 誤っているんじゃないかしら。 01:01:43.800 --> 01:01:47.280 抵抗することばかりに 集中していてはいけません。 01:01:47.440 --> 01:01:50.840 魅力ある代案を練らないといけません。 01:01:51.000 --> 01:01:55.680 新しく、達成し甲斐のある 魅力的な範型。 01:01:56.480 --> 01:02:00.960 だれもが、それぞれの美しさで 輝いていたら...想像してごらん! 01:02:02.000 --> 01:02:07.040 ここに座っている全員が それぞれの美しさで輝いているんだ。 01:02:07.360 --> 01:02:10.360 そうです、アルンダティ、 01:02:10.520 --> 01:02:13.840 この地球には、生物多様性が必要です。 01:02:14.000 --> 01:02:17.240 みんなの言語であり、みんなの文化であり、 01:02:17.400 --> 01:02:19.880 みんなの精神的理解です。 01:02:20.040 --> 01:02:22.760 この瞬間、周りを見回すと 01:02:22.920 --> 01:02:26.400 グローバルなコミュニティを 代表する輪として、 01:02:26.720 --> 01:02:30.560 多様性がある。考えの多様性、 01:02:30.720 --> 01:02:33.720 発想の多様性、コンセプトの多様性。 01:02:34.040 --> 01:02:36.280 だれか、 これを聞いている人はいるんですか? 01:02:37.200 --> 01:02:39.200 いつでも? 01:02:39.600 --> 01:02:42.920 きっと、世界に向けて 飛び出していくだろうね、 01:02:43.240 --> 01:02:44.920 円盤みたいに。 01:02:46.160 --> 01:02:47.640 すごいね。 01:02:48.800 --> 01:02:51.880 そう?いいと思う? よかった。 01:02:53.120 --> 01:02:55.120 ちょっと頭を一休みさせて、 01:02:56.000 --> 01:03:00.000 周りで起こっていることを 純粋に感じたらどうかな。 01:03:00.160 --> 01:03:02.160 周りのことを、感覚だけで。 01:03:02.320 --> 01:03:05.080 それとも、まだ考えちゃっている? 01:03:07.200 --> 01:03:09.600 -カメラは友達ね。 -おい、みんな。 01:03:10.560 --> 01:03:14.160 ぼくが話したなかで、 ひとつでも賢いこといってたら 01:03:14.320 --> 01:03:17.320 それだけとって、あとはぜんぶ消してね。 01:03:17.640 --> 01:03:20.600 輪の真ん中に行ったのね。 真ん中はどうだった? 01:03:20.920 --> 01:03:25.400 すごくいい。びっくりするよ。 いろんなのをクリックできて。 01:03:26.600 --> 01:03:28.440 どのカメラにもいけるんだ。 01:04:02.680 --> 01:04:04.240 問い75。 01:04:05.480 --> 01:04:09.200 サラ・フランシスより。 35歳、ダブリン、アイルランド。 01:04:10.000 --> 01:04:13.000 「勇気とは今日、何を意味するか?」 01:04:13.320 --> 01:04:18.160 勇気とは、私がその人物に 一目をおく部分です。 01:04:18.480 --> 01:04:21.640 勇気ある人々に敬服します。 01:04:21.800 --> 01:04:25.320 勇気は、 日々の暮らしを続けるのを助けてくれます。 01:04:26.200 --> 01:04:30.480 「勇気は、一歩一歩、 段を上っていくようなもの!」 01:04:30.800 --> 01:04:34.240 人間であるには、勇気が要る。 存在するには、勇気が要る。 01:04:34.560 --> 01:04:39.560 孤独は勇気だ。孤立。完全なる中立。 01:04:40.000 --> 01:04:45.800 自分自身が不安なのは、勇気だ。 01:04:46.360 --> 01:04:48.000 勇気はたくさんのことだわ。 01:04:48.160 --> 01:04:51.160 勇気とは、アウンサンスーチーの勇気。 01:04:51.800 --> 01:04:54.120 彼女はずっと、 01:04:55.400 --> 01:04:58.400 外部と連絡を絶たれ、 自宅に監禁されている。 01:04:58.800 --> 01:05:02.000 勇気とは、 01:05:02.160 --> 01:05:06.160 天安門広場にいた学生の勇気。 01:05:06.320 --> 01:05:10.720 私たちは様々に命のリスクを冒します。 01:05:10.880 --> 01:05:13.640 私はそんなリスクを 冒したことがありません。 01:05:13.960 --> 01:05:17.000 私は真に危険な状況に さらされたことがありません。 01:05:17.320 --> 01:05:20.400 このテーブルについている 多くの人とはちがって。 01:05:20.720 --> 01:05:23.120 かんたんにいえば、 死を覚悟すること。 01:05:23.280 --> 01:05:25.080 そう、死んでもいい、と思うこと。 01:05:25.240 --> 01:05:28.240 自分であること、 自分のすることを守りぬくために 01:05:28.400 --> 01:05:31.160 死ぬリスクを冒す勇気。 01:05:33.000 --> 01:05:35.320 私たちが集まったこの広場で、 01:05:35.480 --> 01:05:39.800 かつてナチスの冒険が 01:05:40.000 --> 01:05:44.560 美しい国ドイツの主導権を握り、 01:05:44.880 --> 01:05:47.880 正義の法を歪めた。 01:05:48.400 --> 01:05:51.400 最も忌まわしく、おぞましいやり方で。 01:05:51.960 --> 01:05:55.720 想像してみてください、 あえて国の法に背いた勇気ある人々を。 01:05:56.040 --> 01:05:59.040 より崇高な掟である、 01:05:59.200 --> 01:06:03.200 人間らしさの名誉を守るために。 01:06:05.400 --> 01:06:08.880 ご存じないでしょうが、 中国の刑務所の労働収容所は 01:06:09.040 --> 01:06:11.240 かつてのソ連の強制労働収容所や 01:06:11.400 --> 01:06:14.000 ドイツの強制収容所にそっくりです。 01:06:14.160 --> 01:06:17.800 四千万、あるいは五千万人が そこで命を落としました。 01:06:19.000 --> 01:06:21.000 私は、アメリカへ渡る前に 01:06:22.000 --> 01:06:25.000 19年間、そこにいました。 01:06:25.160 --> 01:06:27.560 この話はしたくなかったのですが、 01:06:28.160 --> 01:06:30.160 今ようやく話したのは、 01:06:31.560 --> 01:06:34.040 人生、一度きりだからです。 01:06:35.360 --> 01:06:37.800 アルゼンチンは、五月広場の 母親たちの勇気がなかったら、 01:06:38.120 --> 01:06:40.080 どうなっていただろうか。 01:06:40.400 --> 01:06:43.080 彼女たちは、独裁とテロに立ち向かった。 01:06:43.400 --> 01:06:46.240 ビデラ、マッセラ、 アゴスティという軍人らは 01:06:46.400 --> 01:06:50.400 何千人も海に投げ込み、 「行方不明者」を出した張本人たち。 01:06:50.560 --> 01:06:52.400 この不明者らの母親たちから 01:06:52.560 --> 01:06:55.280 勇気を学んでいなかったら、 どうなっていただろう? 01:06:55.440 --> 01:06:58.840 彼女たちは毎週木曜日、 いなくなった息子たちの写真を抱えて 01:06:59.000 --> 01:07:02.760 大統領府の前に立ち続けた。 01:07:03.080 --> 01:07:05.080 勇気とは、 01:07:05.240 --> 01:07:08.680 権力が絶対ではない、と確信すること。 01:07:09.240 --> 01:07:12.240 そのことを、世界中の人々が示したように。 01:07:12.480 --> 01:07:14.960 彼らは勇気と怒りをもって 01:07:15.960 --> 01:07:19.840 他国の資本家を追い出し、 01:07:20.000 --> 01:07:21.800 政府を揺るがし、 01:07:21.960 --> 01:07:24.960 転覆させることに成功した。 01:07:25.920 --> 01:07:28.240 勇気とは、正面きって 01:07:28.800 --> 01:07:31.640 未来に目を向けること。 01:07:33.160 --> 01:07:36.240 未知なる部分があることを 知りつつも、信じるんだ。 01:07:37.400 --> 01:07:41.400 だれかが犠牲になり、 01:07:41.560 --> 01:07:43.160 だれかが苦しみ、 01:07:43.320 --> 01:07:47.560 だれかが矢面に立って 危険を冒せば、 01:07:48.240 --> 01:07:51.240 それだけで、なにかを変えられる、 ということを。 01:07:51.840 --> 01:07:53.640 念頭におくべきなのは、 01:07:53.800 --> 01:07:57.240 私たちがもっと過激に、 もっと使命感をもつべきだということ。 01:07:57.560 --> 01:07:59.960 命がけでもなく、リスクといえば 01:08:00.280 --> 01:08:02.160 せいぜい退屈を少々、 01:08:03.000 --> 01:08:06.200 疎外を少々、豊かさを少々 危うくするだけなのだから。 01:08:06.560 --> 01:08:10.040 勇気とは、 世界を変えることばかりじゃありません。 01:08:10.400 --> 01:08:12.640 今の世の中が 私自身を変えはしない、と 01:08:12.800 --> 01:08:15.560 肝に銘じることでもあります。 01:09:17.200 --> 01:09:18.760 問い78。 01:09:19.640 --> 01:09:24.000 ナンシー・クレモンスより、57歳、 キャメロン、ミズーリ州、米国... 01:09:24.160 --> 01:09:29.160 「地球の温暖化防止に、 私は何ができ、人に何を促したらいいだろう?」 01:09:29.800 --> 01:09:33.640 「地球の温暖化防止に、私は何ができ、 人に何を促したらいいだろう?」 01:09:33.800 --> 01:09:35.360 どうぞ、始めてください。 01:09:43.000 --> 01:09:46.480 これは壮大な問いね。 01:09:47.560 --> 01:09:52.480 未来の世代は、 理解できないことでしょう、 01:09:52.640 --> 01:09:56.640 我々のやみくもな破壊ぶりを。 01:09:58.560 --> 01:10:02.000 地球の温暖化に対し、 なす術はありません。 01:10:02.160 --> 01:10:05.640 氷はどんどん溶け続けます。 01:10:06.400 --> 01:10:10.880 そして問題は、だれが生きるか、です。 01:10:11.400 --> 01:10:14.640 だれが、生きる価値のある生活を 送れるでしょうか? 01:10:15.280 --> 01:10:17.560 おそらく、 大勢が命を失うでしょう。 01:10:19.400 --> 01:10:23.400 おそらく、 多くが命だけしか助からないでしょう。 01:10:23.720 --> 01:10:27.120 生きるに値する生活ができるのは ほんのわずかでしょう。 01:10:27.560 --> 01:10:31.720 全能なる相手に向かい、 私は何度も願い、祈ります。 01:10:32.040 --> 01:10:36.760 あなたや私が、 ありがたいと思える暮らしができるように。 01:10:37.440 --> 01:10:39.880 なぜなら、私たちがどんなにあがいても 01:10:40.200 --> 01:10:42.200 もう引き返せないから。 01:10:42.560 --> 01:10:46.400 氷は溶け続け、しまいにはなくなります。 01:10:48.400 --> 01:10:52.400 地球の温暖化を阻止することは、 もう無理です。 01:10:52.560 --> 01:10:55.840 進化生物学者として 私が確信しているのは、 01:10:56.000 --> 01:10:58.240 もう、止められないということです。 01:10:58.400 --> 01:11:00.560 ただし、遅らせることはできます。 01:11:01.600 --> 01:11:05.840 地球温暖化は科学の問題ではなく、 経験の問題です。 01:11:06.000 --> 01:11:09.880 科学は事実としてデータを提供し、 それを基に人は対処します。 01:11:10.200 --> 01:11:13.440 しかし、 どうやって互いに行動を起こすかは、 01:11:13.760 --> 01:11:15.840 頭より、気持ちの問題なのです。 01:11:16.160 --> 01:11:18.400 私たち自身が問題の一部であるように 01:11:18.560 --> 01:11:21.560 解決法の一部にもなれるはずです。 01:11:21.720 --> 01:11:25.680 自動車に乗るのをやめることで 多少貢献できます。 01:11:28.280 --> 01:11:33.200 バイオ燃料へ切り替えたり 大規模な風力、太陽発電設備を導入しても 01:11:33.360 --> 01:11:36.240 おそらく、 現在の産業の力を持続させるには 01:11:36.400 --> 01:11:39.400 不十分でしょう。 01:11:39.560 --> 01:11:41.960 ですから、答えは 「パワーダウン」しかありません。 01:11:42.400 --> 01:11:47.400 現在、何百という自治体が まさにこれをやり始めています。 01:11:47.560 --> 01:11:50.760 いわゆる「パワーダウン」と 取り組んでいるのです。 01:11:51.400 --> 01:11:54.320 自治体が模索しているのは、 01:11:54.640 --> 01:11:59.640 経済を地元で賄っていくための方法です。 01:11:59.800 --> 01:12:04.800 経験上、石油の価格が高騰したり、 不足したりすると、 01:12:04.960 --> 01:12:07.960 スーパーの棚がたちまち空になります。 01:12:08.120 --> 01:12:11.040 住居を暖房で暖めることもできず、 01:12:11.200 --> 01:12:13.000 旅行することもできなくなります。 01:12:16.160 --> 01:12:19.960 話し合うべきですね、 いかにして過剰な欲を 01:12:21.560 --> 01:12:23.560 抑制するか。 01:12:25.200 --> 01:12:27.720 私たちがどこにいても できることは、 01:12:27.880 --> 01:12:32.880 公害を引き起こしている人々を 辱め、嘲笑することです。 01:12:39.000 --> 01:12:41.640 非常事態にはならない。 01:12:41.800 --> 01:12:44.000 もう何千年も前から 01:12:44.160 --> 01:12:46.000 緊急事態なのだから。 01:12:47.080 --> 01:12:49.560 私たちは錯覚を起こす。それは 01:12:49.720 --> 01:12:52.040 国が、政治が、宗教を 01:12:52.200 --> 01:12:55.240 人種が、民族が 作り上げられていると思うけど、 01:12:55.400 --> 01:12:57.400 本来はそうではないのです。 01:12:58.160 --> 01:12:59.840 人類、ひとりひとりの 01:13:00.000 --> 01:13:02.480 意識の問題であるのです。 01:13:04.320 --> 01:13:07.640 ぼくは人類を信じない。信じないよ。 01:13:08.560 --> 01:13:12.400 正直いって、 この品種に属していることが恥ずかしい。 01:13:23.400 --> 01:13:26.880 と同時に、 惹きつけられもするわけだけど。 01:13:29.160 --> 01:13:31.160 美女と野獣だね。 01:14:28.000 --> 01:14:29.560 問い83は 01:14:29.720 --> 01:14:34.400 写真家のセバスチャン・サルガドから。 01:14:34.560 --> 01:14:39.040 アイモレ、ミナスジェライス州、ブラジル。 01:14:40.000 --> 01:14:43.760 「人は、自分も自然の一部だ ということを悟るべく 01:14:43.920 --> 01:14:47.960 地球を見る目を備えているでしょうか?」 01:14:49.560 --> 01:14:53.240 我々は、ますますはっきりと 損害に気づき始めている。 01:14:53.400 --> 01:14:55.640 それはもう、家の前まで来ている。 01:14:56.000 --> 01:15:00.000 干ばつや洪水、嵐や猛暑で 01:15:00.160 --> 01:15:01.960 気候変動を見たり、感じたりする。 01:15:03.400 --> 01:15:05.160 悪い空気を吸い、 01:15:05.640 --> 01:15:08.000 アレルギーに悩まされる。 01:15:08.560 --> 01:15:11.000 食べ物に味を感じない。 01:15:11.160 --> 01:15:13.000 森が死に、 01:15:14.320 --> 01:15:17.800 動物や植物が絶滅するのを 目の当たりにする。 01:15:18.800 --> 01:15:21.360 そして、ますます多くの人が悟るのは、 01:15:22.120 --> 01:15:26.120 地球が自分たちの物ではないということ。 01:15:27.200 --> 01:15:31.080 むしろ、 自分たちが地球の一部だということ。 01:15:32.800 --> 01:15:34.840 20世紀に 01:15:35.800 --> 01:15:41.600 人間が地球の重力から解かれて 宇宙へいって以来、 01:15:42.320 --> 01:15:46.320 地球の美しい写真を 見ることができた。 01:15:46.480 --> 01:15:50.960 宇宙に浮かぶ、 少し青っぽい地球という星。 01:15:51.480 --> 01:15:55.480 これを見ただけで感傷的にさえなり、 01:15:55.800 --> 01:15:59.520 自分はこの惑星に住み、 この惑星の一部なのだ、と実感する。 01:15:59.840 --> 01:16:03.400 夜、野原に出て寝転がり、 01:16:03.560 --> 01:16:06.040 星を見下ろしてごらんなさい。 01:16:06.400 --> 01:16:09.680 重力があなたを惑星の下側に つけていると想像して。 01:16:10.000 --> 01:16:12.480 どっちが上かなんて、 わからないでしょう? 01:16:13.000 --> 01:16:16.520 子供が動物を好きなのは、 01:16:16.680 --> 01:16:20.400 私たち人間が他の創造物と共に 進化してきたからなの。 01:16:20.720 --> 01:16:25.720 進化する間、いつもずっと 自然とつながっていた。 01:16:26.160 --> 01:16:31.000 ただ、ここへきてほんのわずかな間に、 それを切り離してしまった。 01:16:31.160 --> 01:16:35.160 地球から、 ほかの動物から、ほかの人間から。 01:16:35.400 --> 01:16:36.880 そうなってしまったのは、 01:16:37.040 --> 01:16:39.640 私たちが自分自身から、 01:16:39.800 --> 01:16:42.840 自らの心、自らの体から 切り離してしまったからなのよ。 01:16:43.000 --> 01:16:46.840 自然は、この地球において、 最も洗練された物質を 01:16:47.000 --> 01:16:48.640 炭水化物からつくりだします。 01:16:48.800 --> 01:16:51.000 私たちは、それを学べます。 01:16:51.160 --> 01:16:55.120 なのに、私たちは自然よりも 優れていると思い込んでいます。 01:16:55.440 --> 01:16:59.640 私たちは、自然が45億年の営みのなかで 01:16:59.800 --> 01:17:02.080 成し遂げてきた離れ業を顧みません。 01:17:02.560 --> 01:17:04.240 例えば、蜂の巣。 01:17:04.400 --> 01:17:07.960 たった一本の糸にぶら下がる造りで、 01:17:08.120 --> 01:17:11.080 極めて軽い材料でできていますが、 01:17:11.400 --> 01:17:14.840 その三百倍もの住人の重量を 支えることができます。 01:17:15.000 --> 01:17:18.000 そんな建設物を、 私たちは真似できますか? 01:17:18.400 --> 01:17:22.840 葦が下から育つように 高層ビルを建てられますか? 01:17:23.000 --> 01:17:27.640 新しい細胞を下で作り、 それを上に押し上げていくように? 01:17:27.800 --> 01:17:30.200 私たちは、どれほど 自然から学べることでしょう。 01:17:30.520 --> 01:17:34.400 結局のところ我々次第なのです、 01:17:34.560 --> 01:17:37.560 どれだけ努力して 01:17:37.720 --> 01:17:40.720 自然とのバランスをつくりあげ、 01:17:40.880 --> 01:17:43.840 自然の一部となり得るか。 01:17:44.000 --> 01:17:45.640 そうすれば 01:17:45.800 --> 01:17:48.480 自然の万物に宿る 01:17:48.640 --> 01:17:51.640 永遠性、完璧性と調和を 実感することだろう。 01:17:51.800 --> 01:17:56.800 それは、我々自身には 宿っていない。 01:17:57.000 --> 01:17:59.840 私たちが食するすべて、着るすべて、 01:18:00.160 --> 01:18:04.160 住まい、もののすべてが 生きた地球からのもの。 01:18:04.400 --> 01:18:09.400 その地球から、 持続可能な生き方を学ぶのは、 01:18:09.560 --> 01:18:12.040 ユートピア的でも、夢でもない。 01:18:12.400 --> 01:18:16.640 私たちとその可能性の間に 立ちはだかるのは 01:18:16.800 --> 01:18:19.400 それができないという思い込み。 01:18:19.720 --> 01:18:22.640 相手が大きすぎるという思い込み。 01:18:22.800 --> 01:18:25.240 企業は変わらない、 01:18:25.400 --> 01:18:28.640 人は変わらない、という思い込み。 01:18:28.800 --> 01:18:33.800 すべては、 人の生来の欲が引き起こした結果だ、 01:18:33.960 --> 01:18:36.480 人口過剰のせいだ、という思い込み。 01:18:36.640 --> 01:18:38.240 地球は人口過剰、 01:18:38.560 --> 01:18:41.720 だから、全員を満たすことは不可能、 という思い込み。 01:18:42.040 --> 01:18:46.040 これらすべては見直すべきことであり、 01:18:46.200 --> 01:18:48.840 考え直すべき億説でしかないの。 01:19:39.160 --> 01:19:42.400 問い96はミライジ・カレッドからです、 01:19:43.000 --> 01:19:46.000 30歳、ダッカ、バングラデシュ。 01:19:46.160 --> 01:19:49.160 「神の宗教は何?」という質問。 01:19:49.320 --> 01:19:51.760 「神の宗教は何?」 どうぞ、始めてください。 01:19:53.400 --> 01:19:56.240 この問い、すごく気に入っているの。 01:19:56.400 --> 01:19:59.320 だって、とても奥深いじゃありませんか。 01:19:59.640 --> 01:20:02.040 どの神だろう? 01:20:04.000 --> 01:20:05.840 どの宗教? 01:20:06.000 --> 01:20:08.000 なんの神様?だれの神様? 01:20:10.400 --> 01:20:12.880 この問いをどう捉えようと、 01:20:13.800 --> 01:20:17.040 他者がこの「神」という言葉を どう捉えるか、 01:20:17.200 --> 01:20:20.200 尊重すべきですね。 01:20:21.000 --> 01:20:24.000 神は、ある種 定義の表れだと思う。 01:20:24.160 --> 01:20:26.160 特定の原型の定義、 01:20:26.320 --> 01:20:30.560 特定の期待の定義、 01:20:31.400 --> 01:20:33.760 特定の目的の定義。 01:20:34.800 --> 01:20:37.040 神とは、「存在すること」。 01:20:38.000 --> 01:20:41.880 神は霊。宗教じゃないわ。 神は宗教を持たないでしょ。 01:20:43.160 --> 01:20:44.720 神は存在しません。 01:20:45.880 --> 01:20:48.440 私の神の信仰は、 01:20:48.600 --> 01:20:52.080 世のあるゆる所に反映されています。 01:20:52.400 --> 01:20:55.760 どの葉っぱにも、 01:20:56.080 --> 01:20:58.560 埃の塵にも、 01:20:58.720 --> 01:21:02.440 どの花にも。 01:21:03.800 --> 01:21:06.640 ぼくは、 神に宗教があるなんて思わない。 01:21:06.960 --> 01:21:12.440 宗教そのものが 限りなく人間臭いものだから。 01:21:13.000 --> 01:21:15.280 神の宗教について語るとき、 01:21:15.440 --> 01:21:16.920 確実にいえることは、 01:21:17.080 --> 01:21:19.880 それがあくまでも人間があつらえた、 01:21:20.040 --> 01:21:21.800 人間の産物でしかないってことだ。 01:21:23.400 --> 01:21:26.840 我々が神に投影するのは、 01:21:27.160 --> 01:21:28.840 私は愛。 01:21:29.000 --> 01:21:30.760 私は宇宙。 01:21:30.920 --> 01:21:33.040 私は活動する神。 01:21:33.200 --> 01:21:36.000 神はいない。 01:21:36.160 --> 01:21:39.160 神は、言葉では表せない何かの 01:21:39.320 --> 01:21:41.800 象徴です。 01:21:42.400 --> 01:21:46.000 ですから、神の宗教は存在しません。 01:21:46.400 --> 01:21:50.000 神が何かというと、 こう考えればよろしいんじゃないでしょうか。 01:21:50.400 --> 01:21:52.640 未知というものではなく、 01:21:52.800 --> 01:21:56.280 知の範疇に当てはまらない、 01:21:56.560 --> 01:21:59.840 知るという質のものではない、ということ。 01:22:00.000 --> 01:22:03.400 例えば、 こんな質問をするようなものです。 01:22:03.560 --> 01:22:07.200 「輪は何色?」と。 01:22:07.520 --> 01:22:11.160 赤、緑、それとも青? 01:22:11.480 --> 01:22:14.840 いや、青でも赤でも緑でもない。 01:22:15.000 --> 01:22:17.000 でも、色がないわけではない。 01:22:17.160 --> 01:22:21.640 色を尋ねることは無意味です、 01:22:21.800 --> 01:22:24.280 輪は色を知らないから。 01:22:24.440 --> 01:22:26.840 多くの人はこれを認めたがりません。 01:22:27.000 --> 01:22:30.240 ポケットからペンを取り出し、 01:22:30.400 --> 01:22:32.400 紙切れに輪を描いて 01:22:32.720 --> 01:22:35.400 「ほら、輪は青だよ」という。 01:22:35.720 --> 01:22:39.680 そう、そこに描かれた輪は たしかに青いけど、 01:22:40.000 --> 01:22:42.840 その色はペンから出た色であって、 01:22:43.160 --> 01:22:45.000 輪の色じゃありません。 01:22:45.640 --> 01:22:48.640 ペンの色こそ宗教であり、 01:22:49.400 --> 01:22:52.400 それで私たちは 神性を表そうとしますが、 01:22:52.560 --> 01:22:55.560 輪そのものを描くことはできません。 01:22:55.720 --> 01:22:59.040 それは、色とは関係ないものなのです。 01:22:59.360 --> 01:23:01.120 色の数がたくさんあるように 01:23:01.280 --> 01:23:04.360 宗教もたくさんあり、 それで輪を描けるのです。 01:23:07.000 --> 01:23:09.000 この問い、大好き。 01:23:10.880 --> 01:23:13.720 僕は神を信じる。 でも神について知っていることは 01:23:14.040 --> 01:23:16.200 いる、というだけで それが私ではない、ということ。 01:23:16.360 --> 01:23:17.840 それだけしか知らない。 01:23:18.200 --> 01:23:20.240 でも、あなたの中にも 神はいるんじゃない? 01:23:20.560 --> 01:23:22.560 ああ、そうだね、もちろん。 01:23:22.720 --> 01:23:26.400 僕の精神性の大部分は... 01:23:26.560 --> 01:23:28.600 自分が麻薬中毒者だったことと 関係している。 01:23:29.000 --> 01:23:31.480 私はまだ神に出会っていません。 01:23:32.160 --> 01:23:35.400 でも、いつか会えたら、 01:23:35.800 --> 01:23:39.280 そのことを尋ねます。 01:24:24.800 --> 01:24:27.680 -ありがとう。 -こちらこそ。 01:24:28.400 --> 01:24:30.320 -最後よ。 -問い... 01:24:34.720 --> 01:24:36.320 -100! -100。 01:24:42.240 --> 01:24:45.200 -最後。 -いけるとは思わなかったな! 01:24:58.400 --> 01:25:00.480 さあ、最後の問い、いきましょう。 01:25:01.000 --> 01:25:06.800 キース・ディルクス、48歳、 ピードモント、カルフォルニア州、米国。 01:25:07.160 --> 01:25:09.640 「よりよい世界にするために、 01:25:09.800 --> 01:25:12.200 私たちはどんな神話をつくるべきか?」 01:25:13.160 --> 01:25:17.160 創造神話は、 あらゆる文化の人類史として登場します。 01:25:17.320 --> 01:25:21.120 たいてい、 司祭のような立場の人が語りました。 01:25:21.440 --> 01:25:23.760 でも、今では科学が神話を語ります。 01:25:24.080 --> 01:25:27.080 科学が司祭の立場をとって代わり、 01:25:27.240 --> 01:25:30.240 各文化にその壮大な物語をきかせます。 01:25:30.400 --> 01:25:32.400 どんな物語でしょう? 01:25:32.560 --> 01:25:36.240 私たちは、エントロピーで動く、 01:25:36.400 --> 01:25:38.240 無生命であてもない世界に住んでいる、と。 01:25:38.400 --> 01:25:41.880 まあ、なんて楽しい創造神話かしら? 01:25:42.040 --> 01:25:45.680 それから、こうつけ加えるんです。 地球上の進化は、 01:25:46.000 --> 01:25:48.480 強者が生き残ること、 01:25:48.800 --> 01:25:52.520 欠乏による果てしない争奪戦、 01:25:52.840 --> 01:25:55.680 だれもがありったけ奪えるものを奪い、 01:25:56.000 --> 01:25:57.840 相手を打ち負かすことでした、と。 01:25:58.000 --> 01:26:01.000 まったく、 暗澹とした気持ちになる創造神話です。 01:26:01.160 --> 01:26:03.760 無意味に損なわれていく世界、 01:26:04.080 --> 01:26:07.640 欠乏による、 果てしない葛藤から逃れられません。 01:26:07.800 --> 01:26:13.040 語るには、あまりにひどい話ですし、 科学的事実と一致していません。 01:26:13.200 --> 01:26:15.920 自然界では、作用があれば、 必ず反作用があります。 01:26:16.240 --> 01:26:19.160 エントロピーがあれば、 シントロピーがあります。 01:26:19.480 --> 01:26:23.480 進化は、膨大な数の協力体制を 生み出してきました。 01:26:23.640 --> 01:26:26.640 進化を遂げる品種の成熟過程は 01:26:26.800 --> 01:26:30.200 壮大な物語が実際にはあるのです。 01:26:30.360 --> 01:26:32.920 最初は若くて貪欲で、 01:26:33.240 --> 01:26:36.240 増殖してはどんどん縄張りを広げ、 01:26:36.400 --> 01:26:39.640 競争相手を排除して まるで資本主義者のようにふるまいます。 01:26:39.800 --> 01:26:44.280 ですが、だんだんと 協力するメリットを見出すのです。 01:26:44.440 --> 01:26:50.000 そうするうちに、協力する体制の規模を どんどん拡張していき、 01:26:50.160 --> 01:26:52.680 その方がもっと安上がりに、 01:26:52.840 --> 01:26:55.840 もっと効果的、かつ効率的に みんなのためになることに気づくのです。 01:26:56.000 --> 01:26:58.520 こうして熱帯雨林が進化を遂げ、 01:26:58.680 --> 01:27:01.680 百兆もの細胞から成るヒトの体は 01:27:01.840 --> 01:27:06.080 個々が異なる性質にも関わらず 完全な協力体制で機能しています。 01:27:06.240 --> 01:27:10.240 これこそ、世界中に広めるべき 壮大な新しい物語であり、 01:27:10.400 --> 01:27:14.400 人類が徐々に グローバルな家族へと成長し、 01:27:14.560 --> 01:27:18.800 互いが得する経済をまわしつつ、 世の中を良くしていくのです。 01:27:19.120 --> 01:27:23.120 人間は、感謝する存在で、 01:27:23.560 --> 01:27:27.800 単なる傍観者ではありません。 宇宙のプロセスを尊び、それに加わり、 01:27:28.080 --> 01:27:31.000 創造を共に担う協力者でもあります。 01:27:31.320 --> 01:27:36.800 世界全体は、深く絡み合っています。 01:27:37.160 --> 01:27:41.840 生けるものすべて、宇宙のあらゆる部分。 01:27:42.000 --> 01:27:44.000 宇宙全体が生きているのです。 01:27:44.160 --> 01:27:47.240 電子も、陽子もなにからなにまで。 01:27:47.560 --> 01:27:49.240 すべては有機体です。 01:27:49.400 --> 01:27:54.400 それぞれの歴史があり、 互いに深いところで絡み合い、 01:27:54.560 --> 01:27:59.040 緊密なつながりがあるので、 それらを切り離すことはできません。 01:27:59.360 --> 01:28:03.840 そして、この絡み合った世界は絶え間なく 01:28:04.000 --> 01:28:07.840 自らを創り、 新たに創りなおしていくのです。 01:28:08.000 --> 01:28:11.000 それが、 コスモスの進化だと思うのです。 01:28:11.160 --> 01:28:16.640 原子を始め、 人間から銀河に至るすべての進化です。 01:28:17.000 --> 01:28:20.280 それが目指すものであり、 それが志すものです。 01:28:21.000 --> 01:28:24.400 それが、神的な創造性の最終目的です。 01:28:24.560 --> 01:28:28.800 人間の理解は この点までならついていけます。 01:28:31.000 --> 01:28:32.560 思うに… 01:28:34.160 --> 01:28:38.040 謙虚さの尺度と 01:28:39.000 --> 01:28:42.480 人間性の尺度、 01:28:43.840 --> 01:28:46.280 美の肯定が、 01:28:46.600 --> 01:28:48.840 世界におけるすべての残忍性、 01:28:49.000 --> 01:28:51.000 冷酷さに抗う効力を 発揮するでしょう。 01:28:52.000 --> 01:28:53.560 思うに、 01:28:54.200 --> 01:28:56.440 神聖なるものは、 超自然の内のみならず、 01:28:56.600 --> 01:28:58.600 自然の内に、 01:28:58.800 --> 01:29:01.200 自然の美の内に 宿っているんじゃないでしょうか。 01:29:01.520 --> 01:29:03.080 おそらく、 01:29:03.800 --> 01:29:06.040 人間は形而上学的な動物であり、 01:29:06.200 --> 01:29:08.680 その有限性ゆえにそうあり続けるだろう。 01:29:08.840 --> 01:29:11.840 動物のなかで人間のみが、 死ぬことを自覚している。 01:29:12.000 --> 01:29:14.240 そこに謎が秘められ、 01:29:14.400 --> 01:29:17.400 人間の存在について 延々に続く謎がある。 01:29:17.800 --> 01:29:22.800 重要なのは、心を融合させること、 01:29:24.080 --> 01:29:28.200 魂の融合、そして、肉体と呼ばれている 01:29:28.520 --> 01:29:30.520 肉でできたちっぽけな容器の融合。 01:29:32.400 --> 01:29:34.880 こうした事柄の融合が、 01:29:35.200 --> 01:29:38.640 実際に起こるとしたら、 01:29:38.800 --> 01:29:41.200 それはポジティブさが原動力となる。 01:29:41.520 --> 01:29:43.840 そして、ポジティブさが 01:29:44.000 --> 01:29:47.560 こうした融合を成し遂げられたら... 01:29:48.160 --> 01:29:51.640 地球上のあらゆる問題が なくなるだろう。 01:29:51.800 --> 01:29:54.080 もしも、人の精神が空間を得て、 01:29:54.240 --> 01:29:59.240 呼吸したり、生きたり、 脈を打ったり、流れたりできたら... 01:30:19.080 --> 01:30:24.080 果たしていったい、 だれがこれを全部きくんだ? 01:30:24.400 --> 01:30:28.640 というのは、我々は112人いて、 100の質問があるんだから。 01:30:29.000 --> 01:30:33.000 合わせると、11 200の答えだ。それを... 01:30:34.000 --> 01:30:38.000 各答えにつき、2分とすると 全部で22 000分。 01:30:38.160 --> 01:30:40.160 それって、どれくらいだと思う? 01:30:41.240 --> 01:30:44.240 500…いや、300日だよ。 01:30:47.000 --> 01:30:48.880 よし、終わった。 01:30:49.400 --> 01:30:51.400 終わったよ。 01:37:44.280 --> 01:37:48.320 Copyright © 2011 TITELBILD, Berlin Subtitles: Sakae Nasuda