もしも医者には診断できない病に倒れたら?
-
0:05 - 0:07こんにちは
-
0:08 - 0:09ありがとうございます
-
0:09 - 0:11[講演者の聴覚過敏につき
-
0:11 - 0:14現地会場では音を立てない
アメリカ手話式拍手をお願いました] -
0:14 - 0:17これは 5年前の私の姿です
-
0:18 - 0:20私はハーバードの博士課程にいて
-
0:20 - 0:22旅が大好きでした
-
0:22 - 0:26そして 最愛の人と
婚約したばかりでした -
0:27 - 0:31当時28歳の私は
体が元気な人は皆そうですが -
0:31 - 0:33自分は無敵だと思っていました
-
0:34 - 0:38そんなある日
40℃を超える熱を出しました -
0:39 - 0:41医者にかかるべきだったのでしょうが
-
0:41 - 0:43それまで大きな病気も
したことがなかった私は -
0:43 - 0:46どうせ風邪だろうと思い
-
0:46 - 0:49家で休んで
チキンスープを作って -
0:49 - 0:51数日経てば
すっかり治るはずと見ていました -
0:52 - 0:54しかし この時は違いました
-
0:56 - 0:57熱が下がり始めてから
-
0:57 - 1:013週間の間 意識がもうろうとして
外に出られませんでした -
1:01 - 1:04ドアを通るときには ぶつかるし
-
1:04 - 1:07トイレに行くのに 壁を伝って
歩かなければなりませんでした -
1:09 - 1:11同じ年の春 何度も何度も
感染症にかかり -
1:12 - 1:14医者に診てもらうたびに
-
1:14 - 1:16何も悪いところはないと言われました
-
1:18 - 1:19どんなに検査をしても
-
1:19 - 1:21異常は見つかりません
-
1:22 - 1:24判断材料は実際の症状しかなくて
-
1:24 - 1:26自分では説明できるのですが
-
1:26 - 1:28他人の目には分からないのです
-
1:29 - 1:31変な話かもしれませんが
-
1:31 - 1:34こういう時 人は何らかの
理由を見つけないと気が済まないもので -
1:34 - 1:38老化なのかな と思いました
-
1:38 - 1:4225歳を過ぎるって
こういうことなのかもしれない と -
1:42 - 1:44(笑)
-
1:45 - 1:47やがて神経症状が現れ始めました
-
1:48 - 1:51円を描こうとしても
半分しか描けないことがあったり -
1:52 - 1:56話ができなかったり
体が動かないこともありました -
1:58 - 2:00あらゆる専門医に診てもらい
-
2:00 - 2:03感染症科 皮膚科 内分泌科
心臓内科などを -
2:03 - 2:04渡り歩きました
-
2:05 - 2:07精神科にさえかかりました
-
2:08 - 2:11精神科医に言われました
「明らかに ひどく体調を崩されていますが -
2:11 - 2:13でも 精神疾患は見当たりません
-
2:14 - 2:17他の科で原因が
突き止められればいいですね」 -
2:18 - 2:22次の日 神経科医に
転換性障害と診断されました -
2:23 - 2:25今までの症状すべて—
-
2:25 - 2:28熱や喉の痛み 副鼻腔炎
-
2:29 - 2:32胃腸に 神経に
心臓に現れた症状のすべてが -
2:33 - 2:35自分では憶えていない
幼少期のトラウマに -
2:35 - 2:37よるものだと言われました
-
2:38 - 2:40症状は現実に起きているが
-
2:41 - 2:43どれも生物学的由来では
ないとのことでした -
2:45 - 2:47私は社会科学者の卵でした
-
2:47 - 2:50統計や確率論を学び
-
2:50 - 2:53数理モデルや実験計画も
勉強してきました -
2:55 - 2:59だから 神経科医の診断をむやみに
拒絶してはいけないと思いました -
3:00 - 3:01直感的におかしいとは思いましたが
-
3:01 - 3:05真実とは しばしば直感では
間違っているように思えるもので -
3:05 - 3:08願望が目を曇らせるからだと
学んで知っていたので -
3:09 - 3:12診断が正しいという可能性も
考慮しなきゃと思いました -
3:14 - 3:16その日 ちょっとした実験として
-
3:17 - 3:20神経科医院から自宅までの
3キロメートル余りを歩いて帰りました -
3:21 - 3:25電気が走るような妙な痛みで
足がパンパンになりました -
3:26 - 3:28この痛みについて 考えをめぐらせ
-
3:28 - 3:32こんな症状がすべて自分の心から
派生するなんてありえるのかと悩みました -
3:33 - 3:35家に着いて玄関を入った途端に
-
3:35 - 3:36私は床に倒れ込みました
-
3:37 - 3:40脳も脊髄も焼けるように痛くて
-
3:41 - 3:44首がカチコチに凝っていて
アゴが胸に付かないほどでした -
3:45 - 3:47そして どんなに小さな音でも—
-
3:47 - 3:49シーツがカサカサ擦れる音や
-
3:49 - 3:51夫が隣の部屋を裸足で
ペタペタ歩く音さえ -
3:52 - 3:54激痛の元になったりもしました
-
3:56 - 3:59それから3年間 ほとんど
ベッドを出られませんでした -
3:59 - 4:02一体どうして
こんな誤診をされたのだろうか -
4:03 - 4:05きっと 過去に例のない
-
4:05 - 4:07奇病なのだろう と思いました
-
4:08 - 4:09でも ネットで調べたら
-
4:09 - 4:12世界中で 何千人もの人たちが
-
4:12 - 4:14私と同じ症状を抱え
-
4:14 - 4:16同じように
社会から取り残され -
4:16 - 4:18周りに信じてもらえずにいます
-
4:18 - 4:19働く元気のある人でも
-
4:19 - 4:22帰宅後も週末も
ただ寝たきりで過ごし -
4:22 - 4:24それでやっと月曜に
出社できるそうです -
4:24 - 4:26極端にひどいケースでは
-
4:26 - 4:28あまりにも重症で
-
4:28 - 4:31真っ暗な部屋で暮らすしかなく
-
4:31 - 4:34誰かの声を聞くことも
愛する人に触られることも -
4:34 - 4:36耐え難い苦しみとなります
-
4:37 - 4:42私は筋痛性脳脊髄炎(ME)
と診断されました -
4:43 - 4:46「慢性疲労症候群」として
ご存知の人もいるでしょう -
4:47 - 4:49何十年もの間 この呼び名で
-
4:49 - 4:51この画像のようなイメージが
-
4:52 - 4:54浸透してきた疾患ですが
-
4:54 - 4:56中には この写真くらい
深刻なものもあります -
4:57 - 4:59患者すべてに共通する主症状は
-
4:59 - 5:03それが何であっても
体か頭のどちらかでも使うと -
5:03 - 5:05ひどい消耗を伴うということです
-
5:06 - 5:09夫がランニングすれば
何日か筋肉痛になる程度ですが -
5:09 - 5:13私の場合 数十メートル歩くだけで
1週間 寝たきりになります -
5:13 - 5:16自分専用にあつらえられた
牢獄のようなものです -
5:16 - 5:19知り合いの患者には
踊ることのできないバレエダンサーや -
5:19 - 5:21計算ができない会計士や
-
5:21 - 5:24医師になれなかった医学生がいます
-
5:24 - 5:27それまでの経歴が何だったとしても
-
5:27 - 5:29復帰が不可能になります
-
5:29 - 5:31発病から4年経ちましたが
-
5:31 - 5:34あの日 神経科医院を出てから
-
5:34 - 5:37それ以前の健康状態に
戻れたことはありません -
5:39 - 5:42世界中では推定で
1500万から3000万人が -
5:42 - 5:43同じ病気を患っています
-
5:44 - 5:47私の国 アメリカには
約100万人の患者がいます -
5:47 - 5:51多発性硬化症の
ほぼ2倍に あたる人数です -
5:52 - 5:55ME患者は何十年もの間
うっ血性心不全患者並みに -
5:55 - 5:57身体機能が弱った状態が続きます
-
5:57 - 6:00ME患者の25%が
家にこもりきりか寝たきりになり -
6:01 - 6:0575%から85%は
短時間の労働さえも不可能となります -
6:05 - 6:07それなのに 治療は受けられず
-
6:08 - 6:10研究もほとんどされません
-
6:11 - 6:15こんなにも ありふれていて
こんなにも全てを台無しにする病気を -
6:15 - 6:17なぜ医学は見捨てているのでしょうか?
-
6:19 - 6:22あの時 私を転換性障害だと
診断した医者には -
6:22 - 6:242500年以上にわたり続いてきた
女性の体に関する— -
6:24 - 6:27一連の考え方が
受け継がれていました -
6:27 - 6:29古代ローマの医師ガレノスは
-
6:29 - 6:32ひときわ強い性欲を持つ女性が
欲求不満に陥ることで -
6:32 - 6:35ヒステリーが起こるのだと考えました
-
6:35 - 6:38古代ギリシャでは
子宮が文字通り干からびると -
6:38 - 6:40潤いを求めて
体中を移動し -
6:40 - 6:42内臓を圧迫すると考えていたため—
-
6:42 - 6:44そうです—
-
6:45 - 6:47症状として激しい感情の噴出や
-
6:47 - 6:50めまいや麻痺を起こすと
されていました -
6:51 - 6:54治療法は結婚し母になることだと
言われていました -
6:55 - 6:58このような考え方は何千年もの間
ほとんど変わらずでしたが -
6:58 - 7:031880年代になると 神経学で
ヒステリー理論の再構築が試みられました -
7:04 - 7:05ジークムント・フロイトは
-
7:05 - 7:08患者の無意識が身体的症状を
生み出すものであり -
7:08 - 7:10意識に上ると苦痛過ぎるような
記憶や感情を -
7:10 - 7:13扱うときに現れるのだという
結論に至りました -
7:13 - 7:16そういう感情が無意識の中で
身体的症状に転換するというものです -
7:17 - 7:20これで男性にも起こりうるとは
分かったものの -
7:20 - 7:22もちろん女性のほうがずっと
かかりやすいとされました -
7:23 - 7:27自分が持つ病気の歴史を
調べ始めた私は -
7:27 - 7:30こういった考え方が未だに
根深く残っていることに驚愕しました -
7:31 - 7:321934年に
-
7:32 - 7:37ロスアンジェルス郡立総合病院で
医師 看護師 スタッフの198名が -
7:37 - 7:39深刻な病に倒れ
-
7:39 - 7:43筋力低下 首や背中のこわばり
熱などといった症状を示しました -
7:43 - 7:46私が受けた最初の診断のときの
症状と全く同じもので -
7:47 - 7:49当時の医者は新型のポリオだと
思ったそうです -
7:50 - 7:53今までに 世界中で
70件以上の集団発生が -
7:53 - 7:54記録されており
-
7:54 - 7:57どれも感染症後に発症し
症状も酷似しています -
7:57 - 8:01全ての事例において
圧倒的に女性が多く -
8:01 - 8:05その間ずっと 医者たちは
たった一つの病因を見つけられず -
8:05 - 8:09集団ヒステリーだろうと
結論付けました -
8:09 - 8:12この考え方が なぜここまで
しぶとく残っているのでしょうか -
8:14 - 8:15女性差別のせいだろうとは
思いますが -
8:15 - 8:19医者も基本的には患者を
助けようとしているはずです -
8:19 - 8:21答えを知りたいがゆえに
-
8:21 - 8:26ヒステリーと分類することで
治療が不可能な病気を治療し -
8:26 - 8:28説明のつかない病に
説明をつけているわけです -
8:29 - 8:32問題は このような姿勢が
恐ろしい弊害をもたらすことです -
8:32 - 8:361950年代に
エリオット・スレイターという精神科医が -
8:36 - 8:40ヒステリーと診断された
85名の患者グループを調べました -
8:41 - 8:459年後 12人が死亡しており
30人は身体に障害をきたしていました -
8:45 - 8:47多くの患者は
診断未確定ではあるものの -
8:47 - 8:50多発性硬化症 てんかん 脳腫瘍の
病状が見られました -
8:51 - 8:551980年 米国でのヒステリーの正式病名が
「転換性障害」になりました -
8:56 - 8:592012年 私に対して
この診断を下した神経科医は -
8:59 - 9:02フロイトの言葉を
そっくりそのまま使っていました -
9:02 - 9:03今でさえ
-
9:03 - 9:07女性がこの病名で診断される率は
男性の2倍から10倍です -
9:08 - 9:12ヒステリーや心因性の疾患に
関する理論の問題点は -
9:13 - 9:15証明するのが不可能なことです
-
9:15 - 9:17心因性という言葉そのものが
証拠不在を意味しています -
9:18 - 9:20MEの場合は
-
9:20 - 9:24心理学的な説明が邪魔して
生物学的な研究が進まないのです -
9:24 - 9:27世界中のどこを見ても
MEに使われる予算は最低の部類です -
9:27 - 9:31アメリカで患者一人あたりの
国の年間支出を概算すると -
9:32 - 9:38エイズは2500ドル
多発性硬化症は250ドル -
9:38 - 9:41MEは たった5ドルです
-
9:42 - 9:44落雷に当たったようなものだとか
-
9:44 - 9:46ただ運が悪かったでは済みません
-
9:46 - 9:50この病気を取り囲む無知は
選択によるものでした -
9:50 - 9:54私たちを守ってくれるはずの
制度が行った選択です -
9:56 - 9:58MEには多くの謎があります
遺伝する場合があるのはなぜか -
9:58 - 10:01エンテロウイルスからQ熱
EBウイルスに至るまで -
10:01 - 10:05ほぼ 全ての感染症にかかった後に
発症しうるのはなぜか -
10:05 - 10:08女性の罹患率が男性の
2〜3倍なのはなぜか などです -
10:09 - 10:12私の病気だけの話ではなく
ずっと大きな問題なのです -
10:12 - 10:14私が最初に倒れたとき
-
10:14 - 10:16昔の友達が連絡してきました
-
10:16 - 10:19まもなく ボロボロの体に苦しむ
20代後半の女性が -
10:19 - 10:21他にもたくさんいることを
知りました -
10:22 - 10:25周りの理解を得るのに
誰もが非常に苦労していると知って -
10:25 - 10:26衝撃を受けました
-
10:27 - 10:29自己免疫性結合組織疾患の1つ
強皮症にかかった女性は -
10:29 - 10:31自己免疫性結合組織疾患の1つ
強皮症にかかった女性は -
10:31 - 10:33何年もの間 全部気のせいだと
言われ続けたそうです -
10:33 - 10:36症状が現れて始めてから
診断を受けるまでの間に -
10:36 - 10:38食道が徹底的に傷ついてしまい
-
10:38 - 10:41口から食事をとれることは
もう一生ありません -
10:41 - 10:43卵巣癌の女性もいました
-
10:43 - 10:46単なる早期閉経だと
何年も言われ続けたそうです -
10:47 - 10:49大学からの友達は
-
10:49 - 10:53何年もの間 脳腫瘍を不安障害だと
誤診されていました -
10:54 - 10:56このような現状に不安を覚えます
-
10:57 - 11:01というのも 1950年代以降
自己免疫疾患の発現率は -
11:01 - 11:022〜3倍にも増えています
-
11:03 - 11:06初めは心気症だと言われていた
患者のうち45%が -
11:06 - 11:08結局は 既によく知られている—
-
11:08 - 11:10自己免疫疾患だと診断されています
-
11:11 - 11:14古来からのヒステリー同様に
これは完全に ジェンダーや -
11:14 - 11:16世の中が誰を信じるかで決まります
-
11:17 - 11:21自己免疫疾患の患者のうち
75%が女性で -
11:21 - 11:24病気によっては
女性が90%も占めています -
11:25 - 11:28罹患率は圧倒的に
女性のほうが多いとはいえ -
11:28 - 11:30女性特有の病気ではありません
-
11:30 - 11:33MEは子供でも発症しますし
男性患者も何百万人といます -
11:33 - 11:35ある患者が言うには
-
11:35 - 11:37良くなったり 悪くなったりで
-
11:37 - 11:40女性であれば 症状を大げさに
訴えていると言われ -
11:40 - 11:44男性であれば 強くなれとか
我慢しろと言われます -
11:45 - 11:49そして 男性が診断を受けるまでには
女性より苦労するかもしれないのです -
11:57 - 12:00私の脳は 昔とは変わってしまいました
-
12:14 - 12:16でも悪いことばかりではありません
-
12:17 - 12:19こんな状況でも
希望は捨てていません -
12:20 - 12:24あまりにも多くの病気が
かつては心因性と言われたのち -
12:24 - 12:27科学により生物学的なメカニズムが
解明されました -
12:27 - 12:30てんかん患者は
力ずくで施設に入れられていたのが -
12:30 - 12:35脳波検査によって 脳の異常な
電気活動を測定できるようになりました -
12:36 - 12:40ヒステリー性の麻痺として
誤診されることもあった多発性硬化症は -
12:40 - 12:43CATスキャンとMRIによって
脳の病変であると分かりました -
12:44 - 12:45そして ごく最近まで
-
12:45 - 12:48単にストレス由来だと
考えられてきた胃潰瘍は -
12:48 - 12:52真犯人はピロリ菌であることが
発見されました -
12:53 - 12:56このように他の病気が受けてきた
科学の恩恵に -
12:56 - 12:58MEはまだ あずかっていませんが
-
12:58 - 13:00変化は始まっています
-
13:01 - 13:04ドイツの研究機関では この病気が
自己免疫異常である証拠が -
13:04 - 13:07日本では脳の炎症である証拠が
発見されました -
13:07 - 13:10アメリカでは スタンフォード大で
正常な値に比べて -
13:10 - 13:12標準偏差16も離れた—
-
13:12 - 13:16エネルギー代謝異常が
発見されています -
13:17 - 13:21ノルウェーでは 患者によっては
癌が完全寛解に至る抗がん剤の -
13:21 - 13:24第Ⅲ相臨床試験が行われています
-
13:26 - 13:28もう1つの希望の源は
-
13:28 - 13:30患者たちの踏ん張りです
-
13:32 - 13:34ネット上で私たちは団結し
-
13:34 - 13:36体験談を共有し合いました
-
13:37 - 13:40どんな研究であれ
貪欲に食いつきました -
13:41 - 13:43自ら実験台にもなりました
-
13:43 - 13:46自ら科学者になり
自らの医者になりました -
13:46 - 13:48そうせざるを得なかったからです
-
13:48 - 13:52そうして私は徐々に あっちで5%
こっちで5%と回復して -
13:52 - 13:54そしてついに
元気な日であれば -
13:54 - 13:56外に出られるようになりました
-
13:58 - 14:00それでもまだ
バカげた二者択一を迫られました -
14:01 - 14:04庭に15分座ろうか
髪を洗おうか とか -
14:05 - 14:08でも 治療法はあるかもしれないという
希望が生まれました -
14:08 - 14:10私の肉体は病んでいる
ただそれだけだったのです -
14:11 - 14:15適切な助けが得られれば
いつか元気になれるかもしれない -
14:16 - 14:19私は世界中の患者たちと団結して
-
14:19 - 14:21闘い始めました
-
14:22 - 14:25それまでは無であった場所を
美しい何かで埋めてきましたが -
14:26 - 14:27まだ不十分です
-
14:29 - 14:33未だに私には先が見えません
いつか再び走れるようになったり -
14:33 - 14:35距離の制限なく
歩けるようになり -
14:35 - 14:39今や夢の中でしか実現しない
体を使った活動ができる日が来るかどうか -
14:39 - 14:42でも ここまで到達できたことに
本当に感謝しています -
14:44 - 14:45回復は遅いし
-
14:45 - 14:47良くなったと思えば
-
14:47 - 14:49悪くなったりですが
-
14:49 - 14:52少しずつ良くなってきています
-
14:54 - 14:58寝室に こもりきりだった頃のこと
-
14:59 - 15:01何ヶ月も日の光を見なかった日々を
今でも憶えています -
15:03 - 15:05部屋に閉じこもったまま
死ぬのだろうと思いました -
15:07 - 15:09でも私は今 ここに居ます
-
15:09 - 15:11皆さんと一緒に
-
15:12 - 15:14これは奇跡だと思います
-
15:17 - 15:20これほど運が良くなかったら
私はどうなっていたことか -
15:20 - 15:23インターネット以前に発病していたら?
-
15:23 - 15:25仲間たちと出会えていなかったら?
-
15:26 - 15:29多分 自ら命を
絶っていただろうと思います -
15:29 - 15:31そんな人たちが
たくさんいたのです -
15:32 - 15:35数十年前 正しく診断できていたとしたら
-
15:36 - 15:38どれだけの命が救えたでしょうか?
-
15:39 - 15:41今 本気で取り組み始めたなら
-
15:42 - 15:44どれだけの命が救えるでしょうか?
-
15:45 - 15:48この病気の真の原因が
突き止められたとしても -
15:49 - 15:52社会制度や文化を変えなければ
-
15:52 - 15:55他の病気でも
同じことを繰り返してしまいます -
15:56 - 15:58病を抱えて生きるという経験から
-
15:58 - 16:01科学も医学も根本的に
人間の為す試みなのだと学びました -
16:01 - 16:04医者も 科学者も 政策決定者も
-
16:04 - 16:07誰もがそうであるように
先入観の影響を -
16:08 - 16:09避けられないのです
-
16:11 - 16:14女性の健康というものを
もっと細部に配慮して考えるべきです -
16:15 - 16:19女性の体全体がそうであるように
免疫機能も 平等を求めて -
16:19 - 16:21戦っているのです
-
16:21 - 16:24患者の話に耳を傾けてください
-
16:25 - 16:27「わからない」と
自ら進んで言ってください -
16:28 - 16:30「わからない」という言葉は
美しいものです -
16:31 - 16:34「わからない」という言葉から
発見が生まれるのです -
16:35 - 16:37それができたら—
-
16:37 - 16:41果てしなく広がる未知の世界に
挑んでいけたら -
16:41 - 16:43不確かなものに対し
恐れではなく -
16:43 - 16:46感嘆の念を以って接することが
できるかもしれません -
16:46 - 16:48ありがとうございました
-
16:52 - 16:53ありがとうございます
- Title:
- もしも医者には診断できない病に倒れたら?
- Speaker:
- ジェン・ブレア
- Description:
-
5年前、TEDフェローのジェン・ブレアは、世間では慢性疲労症候群として通っている難病、筋痛性脳脊髄炎(ME)を患い、病状はどんどん進行していきました。この病気は日常生活に著しく支障をきたし、ひどいときにはベッドシーツがカサカサ擦れる音さえ耐えられない日もあるほどです。医療での対処が困難な病気を持つ患者たちの生き様を映画という形で記録するというミッションを持つブレアが、根本的な病因も、身体に与える影響も完全に解明されていないこの疾患に対し、治療を受けるために直面してきた数々の障壁について語る、感動を呼ぶトークです。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 17:43
![]() |
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for What happens when you have a disease doctors can't diagnose | |
![]() |
Riaki Ponist approved Japanese subtitles for What happens when you have a disease doctors can't diagnose | |
![]() |
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for What happens when you have a disease doctors can't diagnose | |
![]() |
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for What happens when you have a disease doctors can't diagnose | |
![]() |
Ai Tokimatsu accepted Japanese subtitles for What happens when you have a disease doctors can't diagnose | |
![]() |
Ai Tokimatsu edited Japanese subtitles for What happens when you have a disease doctors can't diagnose | |
![]() |
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for What happens when you have a disease doctors can't diagnose | |
![]() |
Ai Tokimatsu declined Japanese subtitles for What happens when you have a disease doctors can't diagnose |