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世界一聴くに堪えない音楽の裏にある至高の数学|スコット・リカード|TEDxMIA

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    さて 音楽の美しさとは何によるものでしょう
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    音楽学者の多くは
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    リピートこそが美の鍵だというでしょう
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    メロディー、主題、音楽的な思想を取り入れるため
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    それを繰り返し
    リピートを期待するよう構成し
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    その後 その期待通りにしたり
    あえてしなかったりします
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    これが美の重要な構成要素なのです
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    もし リピートやパターンが美の鍵だとしたら
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    リピートのまったくない曲を作曲したとき
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    パターンのないその曲は
    どのように聞こえるのでしょうか
  • 0:37 - 0:41
    パターンのないその曲は
    どのように聞こえるのでしょうか
  • 0:41 - 0:43
    これは実は 興味深い数学の問題なのです
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    リピートのまったくない曲を
    作曲することは可能でしょうか
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    ランダムではありません
    でたらめは簡単です
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    リピート無しはとても難しく
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    それを実現できたのは唯一
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    潜水艦の探査をしていた人のおかげです
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    世界で一番完璧なソナー音を
    開発しようとした男が
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    パターン無しの音楽を作曲することを
    可能にしました
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    そして これが今日の主題です
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    さて ソナーに話を戻します
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    船から水中に音を放ちます
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    艦にはこんなエコー音が届きます
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    音を発するエコーが返る
    発する 返る
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    音が返ってくるまでの時間で
    物体までの距離がわかります
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    高い周波数の音で返ってくるのなら
    物体は向かってきています
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    低い周波数の音で返ってくるのなら
    離れていっています
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    完璧なソナー音を設計するにはどうするか?
  • 1:32 - 1:37
    1960年代に ジョン・コスタスという男が
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    米海軍の非常に高価な
    ソナーシステムに取り組んでいました
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    うまくいっていませんでした
  • 1:42 - 1:44
    それは使用していた音が
    適切ではなかったからです
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    こんな音でした
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    旋律のように思うかもしれません
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    こうです
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    (音楽)
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    これが彼らが使用していた音です
    ダウンチャープ信号といいます
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    不適切な音だとわかりました
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    なぜか それは音自体が
    推移しているかのようだからです
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    最初の2音の関係は次の2音の関係と同じで
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    そこから先も同様です
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    そこで彼は違うソナー音を設計しました
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    無規則のように聞こえる音です
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    一見規則のないパターンに見えます
    が 違います
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    よく見るとわかりますが
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    それぞれ一対の点が他のどの点とも違います
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    繰り返しがありません
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    最初の2音とその他の2音とは
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    すべて違う組み合わせになっています
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    こんなことは自然ではありえません
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    このパターンを開発したのが
    ジョン・コスタスです
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    この写真は2006年 死の直前です
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    彼は海軍のソナー技師でした
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    音のパターンを考え
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    手計算で
    12のサイズを考え付くに至りました
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    12×12マス
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    それ以上の大きさにはできず
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    12以上の大きさでは存在しないのだろうと考えました
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    途中で数学者に手紙を書きます
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    当時カリフォルニアの新鋭数学者
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    ソロモン・ゴロムです
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    ソロモンは現代の離散数学において
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    ずばぬけて才能のある一人です
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    ジョンはソロモンに尋ねます
    何かこの点のパターンに関係する文献を知らないかと
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    文献はありませんでした
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    リピートやパターンのない構造など
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    今まで誰も考えたこともなかったのです
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    ソロモンはこの問題にひと夏をかけました
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    そして この紳士の理論にたどり着きました
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    エヴァリスト・ガロア
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    現在ではガロアは著名な数学者です
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    彼の理論は数学の幅広い分野に影響し
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    彼の名にちなんでガロア理論と呼ばれています
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    素数の理論のことです
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    その死に様も有名です
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    その逸話は ある若い女性の名誉のために
    争ったときのことです
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    彼は決闘を申し込まれ
    それを受けました
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    その決闘の直前
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    彼はその数学的アイデアを全て書き残し
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    友人全てに手紙を送りました
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    お願い お願いだ…
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    200年前のことです
  • 3:47 - 3:48
    お願いだ 
    どうか頼むから
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    この理論が世に出るのを見届けてくれ
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    それから彼は決闘に臨み 撃たれ
    二十歳の生涯を終えました
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    この理論は携帯電話
    インターネットなど
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    私たちの通信手段
    果てはDVDまでを可能にしました
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    全てはガロアの考えに由来しています
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    二十歳の若さで死んだ数学者の です
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    後世に遺産を遺すとして
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    もちろん 彼もその数学理論の利用法については
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    思いつきもしなかったでしょう
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    ありがたくも 彼の数学理論は世に出ました
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    ソロモン・ゴロムは これこそが
    求めていた理論だと気づいたのです
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    パターン無しの構造を生み出せる理論だと
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    彼はジョンに返信しました
    素数理論から規則のないパターンを生み出せる
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    彼はジョンに返信しました
    素数理論から規則のないパターンを生み出せる
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    それからジョンは必死に取り組み
    ついに海軍のソナー音の問題を解決しました
  • 4:34 - 4:37
    さて例のパターンを見直すと
    どう見えるでしょう
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    そのパターンがこちらです
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    88×88マスのコスタス配列です
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    作るのはとても単純
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    小学校の算数で十分でしょう
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    3で繰り返し掛け算をするだけです
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    1、3、9、27、81、243…
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    89よりも大きな数字になった時には
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    89以下になるまで
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    素数である89を引きます
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    さあ88×88のマス目がついに埋まりました
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    そしてピアノにも88の音階があります
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    そこで今日は世界初パターン無しのピアノ・ソナタを
    世界初演したいと思います
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    そこで今日は世界初パターン無しのピアノ・ソナタを
    世界初演したいと思います
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    さて音楽の疑問に戻ります
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    音楽は何をもって美しいのでしょうか
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    これまでに作曲されたもっとも美しい曲の一つ
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    ベートーベンの第5交響曲
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    有名な ”ダナナナーン” という主題
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    この主題は同曲内で何百回も繰り返されます
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    第一楽章だけでも数え切れません
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    他の楽章でも同様です
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    このリピートの構成は
    美しさの鍵です
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    このリピートの構成は
    美しさの鍵です
  • 5:43 - 5:48
    単にでたらめに音符を並べただけのものが
    無作為な音楽だとすると
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    そこにはどういうわけかベートーベンの第5にもある
    パターンが出現してしまいます
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    もし完璧にパターンのない曲を書いたとしたら
  • 5:53 - 5:54
    ずっとはずれのほうに出現します
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    実際もっとも音楽らしくないのは
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    パターンのない構造です
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    しかし今ご覧に入れた
    マス目で示した音は
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    無作為とは程遠いものです
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    完全にパターンが無いのです
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    有名な作曲家の
    アーノルド・シェーンベルクも
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    1930年代から50年代にかけて
    これを研究していました
  • 6:13 - 6:17
    1930年代から50年代にかけて
    これを研究していました
  • 6:17 - 6:20
    彼は作曲家として
    構造の無い音楽を目指していました
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    彼は作曲家として
    構造の無い音楽を目指していました
  • 6:22 - 6:25
    不協和音の解放と呼び
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    12音技法といわれる構造を編み出しました
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    これが音列です
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    コスタス配列とかなり似て聞こえます
  • 6:30 - 6:34
    残念なことに彼はコスタスが
    数学的にこの構造を生み出す
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    10年も前にこの世を去りました
  • 6:37 - 6:42
    さあ完璧なソナー音による世界初演を
    堪能しましょう
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    88×88マスのコスタス配列を
  • 6:46 - 6:48
    ピアノの楽譜にそのまま配置しました
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    リズムにはゴロム定規を採用しました
  • 6:52 - 6:54
    これでどの一対の音符が弾かれる時間も
    同じではないということになります
  • 6:54 - 6:56
    これでどの一対の音符が弾かれる時間も
    同じではないということになります
  • 6:56 - 6:59
    これは数学的にはほぼ不可能です
  • 6:59 - 7:01
    実際コンピューターの演算でも
    創り出すことはできません
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    200年前に編み出された理論のおかげで
  • 7:04 - 7:07
    -現代の数学者と技師の協力を得て
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    ついに作曲もしくは製作が
    可能になりました
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    3で掛け算をするのです
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    この曲を聴くときには
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    美を求めないでください
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    これは世界で最も
    聴くに堪えない音楽です
  • 7:22 - 7:26
    まったくこんな曲を作曲できたのは
    数学者だけです
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    またこの曲を聴くときには どうか
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    リピートを探してみて下さい
  • 7:31 - 7:34
    何か楽しめるものを見つけてみて下さい
  • 7:34 - 7:37
    何にも見つからないことが
    楽しくなってきますよ
  • 7:37 - 7:38
    いいですか
  • 7:38 - 7:41
    もういいでしょう
    マイケル・リンビル氏
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    ニュー・ワールド交響楽団の
    室内アンサンブルの指揮者が
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    完璧なソナー音の世界初演をお耳に入れます
  • 7:49 - 7:57
    (音楽)
  • 9:35 - 9:37
    どうもありがとう
  • 9:37 - 9:42
    (拍手)
Title:
世界一聴くに堪えない音楽の裏にある至高の数学|スコット・リカード|TEDxMIA
Description:

スコット・リカードが考えられる限り聴くに堪えない音楽を技術者に披露。リピートをなくし、ゴロム定規という数学的コンセプトを駆使します。音楽の美に (その対極にも) 隠された数学を紹介します。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
09:46

Japanese subtitles

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