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The Psychological Trick That Can Make Rewards Backfire

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    1970年、大勢の子供たちに
    絵を描かせるという実験があった
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    だが実験の前に
    子供たちを 2つの集団に分けた
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    片方の集団では、終わったら
    報酬(ご褒美)が貰えると伝えられ
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    もう片方の集団には報酬が無かった
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    お絵描きが終わった後、研究者たちは
    二週間教室で子供たちを観察し続けたが
  • 0:22 - 0:25
    その結果は非常に興味深いものだった
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    「教室にヤギが来たという不測の事態」が
    起きただけでは無かった
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    (ヤギの鳴き声)
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    だがこれは
    あとでまた話そう
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    まずはこれがゲーム設計と何の関係があるのか
    説明しなければならないからだ
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    ゲーム設計では多くの場合
    プレイヤーのやる気を起こしたい
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    恐らく、新たな仕様を学ぶ動機付けをしたり
    特定の機能を使うよう促したり
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    単にずっと遊び続けるように
    仕向けたりするだろう
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    これの一般的な解決策は
    「目標」と「報酬」だ
  • 0:51 - 0:53
    これをやって
    あれを得る
  • 0:53 - 0:56
    例えば、経験値に繋がるクエストや
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    装飾品を解除するための課題
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    そしてこうした厚かましい Xbox の実績機能は
    ゲームの目標でもあり、報酬でもある
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    だが僕がここで言いたいのは、目標と報酬は
    必ずしも望むように機能しないという点だ
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    実際にこの動画では、どうすれば
    その真逆の効果が得られるのかを説明していく
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    Klei がサバイバルゲーム『Don't Starve』の
    最初の試作品を作っていたとき
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    テスターがゲームの遊び方を全然分かっておらず
    すぐに詰んでしまうことに開発者は気付いた
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    そこでテスターに少しヒントを与えた
    そして難所を越えてからは
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    テスターは試してみたり、探索したり
    たくさん楽しむようになった
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    それに応じて Klei は、一連の小さな
    チュートリアル風のクエスト作って
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    プレイヤーの冒頭部分を
    助けることにした
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    四晩、生き延びる
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    丸太 12 本を見つける
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    そういう類のことだ
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    そして上手くいった!
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    だがプレイヤーが学んだ遊び方は
    それだけだった
  • 1:54 - 1:58
    というのも、それ以上に
    そのクエストは完全な大失策だったのだ
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    Klei の発見によれば、プレイヤーは
    こうしたクエストだけに専念していて
  • 2:02 - 2:05
    他の要素は、気の散る雑音だと
    勘違いされていた
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    テスターは手近のクエストを終えるために
    実に退屈なやり方でプレイを最適化していた
  • 2:10 - 2:13
    失敗するかもしれないので
    危険なことは全て避けていた
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    そしてクエストをやり遂げた瞬間
    意欲を完全に失ってしまった
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    Klei 曰く「達成すべき一連の明示的な課題として
    ゲームを構築したことで―」
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    「プレイヤーは、ゲームで意味のあることをするために
    こうしたクエストに頼りきりになってしまいました」
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    最終的に Klei は、この「新人研修」の
    問題を解決するために UI を微調整し
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    序盤の遊び方について、さり気ないヒントを用意した
    例えば、クラフト可能な最重要アイテムを目立たせた
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    だがクエストは最終的に没になったので
    プレイヤーは自ら学習するようになった
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    何故なら、ゲームが実験や探検、または
    プレイヤーの自発的な発見を目的としている場合―
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    明確な目標が、プレイヤーの創造性や想像力を
    制限することがあり得るからだ
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    目標をやり遂げた後であってもだ
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    これこそが宇宙考古学ゲーム『Outer Wilds』の
    開発の原動力になった
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    開発者は、明確な目標を
    プレイヤーに提示することを意図的に避けて
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    どこへ行くのか
    何を達成するのかさえ教えなかったので
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    プレイヤーはこの小さな太陽系を
    自らの好奇心だけで探索するようになった
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    Okay 別の話をしよう
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    Zach Barth は、自動化した機械を自分で設計する
    問題解決型のパズルゲームを制作している
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    例えば『Exapunks』や『Shenzen I/O』だ
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    これらのゲームでは、好きなように機械を作れる
    上手くいけば、機械は動作する
  • 3:27 - 3:32
    だが設計作業に戻って、自分の機械を
    改良できるか確かめるのは本当に楽しい
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    例えば、より小型に、より高速にするのだ
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    そこで Zach の最初の 2つの商業ゲーム
    『Spacechem』と『Infinifactory』の中で
  • 3:39 - 3:43
    彼はこの種の最適化を促すために
    Steam の実績をいくつか追加した
  • 3:43 - 3:49
    例えば Spacechem の実績では
    「2200 サイクル以下で "礼はいらない" をクリア」など
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    だがその後に発売された全ての作品では
    こうした実績は完全に無くなっていた
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    一体どうしたのか?
  • 3:56 - 4:00
    Zach「実績機能がクールだった頃のことなので
    実績を追加しようと思っていました」
  • 4:00 - 4:02
    「実績が嫌な機能だと思う
    前のことだったんです」
  • 4:02 - 4:04
    「実績で気に入らないのは、ゲームには
    既に報酬システムがあるわけです」
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    「デタラメな基準値よりも、ずっと有意義で
    身勝手さが少ないものを私たちは持っています」
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    Zach が話しているのは、どれだけ上手く
    設計できたかを測定できる指標のことだ
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    個人のスコアがある
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    Steam のフレンドと比較できる
    順位表もある
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    これらの明瞭な柱状グラフが、プレイヤーの解法が
    全体と比べてどこに匹敵するのか示してくれる
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    これら全て、自己ベストを更新しようとする努力や
    他人の記録を越えようとする意欲は―
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    改良するための
    極めて強い動機になる
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    Zach が言うには「自分自身で設定した目標は
    他者が設定した目標よりもずっと強力です」
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    だからゲームが上達を目的としている場合
    個人的、または社会的な目標は―
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    設定された基準値よりも
    強い動機付けになることがある
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    最後は、愛らしい線路敷設パズルの
    『Mini Metro』の話だ
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    このゲームの開発者たちは
    個人の成長とハイスコアに集中したかった
  • 4:57 - 5:00
    その為、UI デザイナーの
    Jamie Churchman によると
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    チームは特に、こうした目標と報酬の
    メタ構造を避けようとした
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    「目的を達成する手段」になり得るからだ
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    例えば、ゲーム内で都市を解除できるが
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    これはゲーム開始時に、プレイヤーの選択肢を
    ただ制限するためのものだ
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    だが Jamie は、一部のプレイヤーが
    一定値まで各都市を遊んで
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    次の都市を解放し
    全ての都市を解除した時に
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    ゲームをクリアしたと感じて
    遊ばなくなってしまうことを白状している
  • 5:23 - 5:27
    目標とは、達成可能なチェックリストであることを
    覚えておくべきだ
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    そして『Don't Starve』と同様に
    一部のプレイヤーは
  • 5:30 - 5:34
    ゲームが与えてくれる目標と方向性に
    ただ依存するだけになる
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    だが順位表やスコア機能といった
    腕前の計測には、終わりが無い
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    プレイヤーは自己ベストを
    永遠に更新し続けることができる
  • 5:42 - 5:47
    これは僕たちが 30年後でもまだ『テトリス』を
    遊べる理由を部分的に説明している
  • 5:48 - 5:51
    ここで起きることを
    真に理解するためには
  • 5:51 - 5:55
    行動心理学の世界へ
    回り道する必要がある
  • 5:55 - 5:59
    動機付けについて考える時
    最も一般的なモデルの 1つは
  • 5:59 - 6:02
    「外因的・内因的な動機付け」の概念だ
  • 6:02 - 6:08
    簡単に言うと、外因的動機とは
    課題そのもの以外の理由で課題をやる場合のことだ
  • 6:08 - 6:10
    通常は、利益を得るのが目的だ
  • 6:10 - 6:13
    あるいは、よく知られている通り
    「労働」だ
  • 6:13 - 6:17
    一方で、内因的動機とは
    課題そのものを行う理由が
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    単に楽しいとか有意義だと思った場合だ
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    あるいは、よく知られている通り
    「趣味」のことだ
  • 6:22 - 6:27
    内因的動機は、はるかに強力で
    長く持続することが示されている
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    人々は生涯に渡って
    趣味を楽しめる
  • 6:29 - 6:33
    外因的動機は、報酬がある限りは持続する
  • 6:33 - 6:37
    給与を止めた後も、工場で働いてくれる人が
    いるかどうか確かめればいい
  • 6:37 - 6:40
    そしてさっきの教室の話へ
    戻ってくる
  • 6:40 - 6:46
    この研究の核心は、子供たちは研究が始まる前から
    既にお絵描きに興味を示していたという点だ
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    子供たちは内発的に動機付けられていた
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    それから絵を描くように言われる
    先述の通り、片方の集団にはご褒美が約束され
  • 6:52 - 6:54
    もう片方には無かった
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    その後、研究者らは教室で数週間
    子供たちを観察し続けた
  • 6:58 - 7:01
    そしてご褒美を貰った子供たちは
    どうなったのか?
  • 7:01 - 7:05
    まぁ、それ以降は絵を描くことに
    あまり興味をもたなくなった
  • 7:05 - 7:07
    そして絵も下手だった
  • 7:07 - 7:11
    これは、わぁ…
    子供が燃え尽きてしまったぞ、科学め
  • 7:11 - 7:14
    これは「過剰正当化効果」と呼ばれている
  • 7:14 - 7:16
    そして膨大な数の証拠によれば―
  • 7:16 - 7:21
    既に内発的な動機になっている課題に
    外因的な動機が付随すると
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    突然その課題に対する興味を
    失ってしまうのだ
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    他の研究によると、報酬は
    創造性を低下させ、問題解決力を低下させ
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    不正をする傾向が増え、一度報酬が止まれば
    全ての意欲を失う可能性がある
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    以前は自分自身のために
    喜んでやっていたとしてもだ!
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    ヤバイ!
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    この概念はゲーム設計に
    応用できると思う
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    というのも、ゲームには内発的動機に
    傾くものが確実にあるからだ
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    例えば、探索、創造性、表現、成長に
    焦点を当てたゲームだ
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    自分で目標を設定し
    見返りを期待しないゲームもある
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    そして、より外因的な動機付けのシステム
    例えば、明確な目標、進捗メーター、実績機能が
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    ゲームに追加されると
    プレイヤーの動機は損失を受けるのだ
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    僕たちは建設的な解決策に
    目が眩んでしまう
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    僕たちは向上心が少ない
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    僕たちは達成度について
    勝手に基準値を設定している
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    そして開発者は、今では新たな目標と報酬を
    継続的に「点滴注射」する必要があり
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    さもなくば、プレイヤーを
    完全に失う危険性がある
  • 8:20 - 8:24
    もちろん、開発者が
    こうした内発的動機付けのゲームに
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    目標と報酬を追加してはダメだ
    という話ではない
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    何故なら、明らかに一部の人は、自発的にやる気を
    起こすのが苦手だったり興味が無かったりするからだ
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    『Minecraft』には、自ら楽しさを生み出す
    熱狂的ファンもいれば
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    ただ迷走して
    方向性を見失っている人もいる
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    これは僕の一番好きな
    Steam 掲示板の投稿を思い出させる
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    未解決なまま終わる犯人探し作品
    『Her Story』のスレッドで、あるユーザーが
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    「見つかった情報に納得したかどうか決めるのは
    あなた次第です」と書いた
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    これに対しスレッド作成者の返信は
    「自分が納得したってどうやって決めたらいいの?」
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    僕はこの投稿のせいで
    夜眠れなくなったぞ
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    いずれにせよ 目標と報酬の良いところは
    それが遊びの構造と進行を提供できるという点だ
  • 9:03 - 9:07
    だからまだ使い途があるので
    丁寧に応用するだけでいい
  • 9:07 - 9:14
    例えば目標では、プレイヤーの好きなように達成できる
    「大きく包括的な目標」を使った方が良い
  • 9:14 - 9:17
    制限のある段階ごとの
    指示ではなくだ
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    絶対的な基準値ではなく、順位表、柱状グラフや
    自己ベストといった相対的な値に焦点を当ててもいい
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    『Hitman』の課題のように目標を任意にしたり
    『Outer Wild』の実績のように目標を隠したりできる
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    そして報酬に関しては、まぁ実際に
    ある種類の報酬は
  • 9:36 - 9:39
    過剰正当化効果を引き起こさないことが
    示されている
  • 9:39 - 9:43
    というのも、子供を対象にした研究では
    実は第三の集団があったのだ
  • 9:43 - 9:49
    ただ絵を描くように言われた後、最後に
    驚かせるためにご褒美が与えられた
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    その後の数週間で、この子供たちは
    全体の中で一番多くの時間をお絵描きに費やした
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    たとえご褒美無しの子供と比べて
    ほんの少しの差であったとしてもだ
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    これを始めとする多くの研究は、内因性の状況では
    報酬に動機付け効果があることを示している
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    それは報酬が予想外で
    価値がかなり低く
  • 10:06 - 10:09
    行動の実際の成績と結びついていると
    感じられる状況の場合だ
  • 10:09 - 10:13
    ゲームでの一例としては『Overwatch』の
    Play of the Game があるかもしれない
  • 10:13 - 10:17
    これは対戦の最高の瞬間を紹介する
    短い映像だ
  • 10:17 - 10:18
    これは何の役にも立たないが
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    主役になったプレイヤーの
    自尊心を大きく高めてくれる
  • 10:23 - 10:26
    そしてこれは任天堂の
    最新の大ヒット作の全てだ
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    『オデッセイ』では、マリオの高等アクションで
    ここへ登れとは誰も言わないのだが
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    生意気にも、頂上では
    山盛りの隠しコインで称賛してくれる
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    また『Breath of the Wild』では、怪しい場所には全て
    コログの実のような報酬があるかもしれない
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    任天堂の Bill Trinen が言うように
    「ゲーム制作時に、任天堂の開発者は―」
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    「架空の報酬の獲得を目的として
    遊び方を教えることはしません」
  • 10:49 - 10:54
    「プレイヤーがゲームでできることは、何らかの
    見返りや、予期せぬ驚きをもたらすことがあります」
  • 10:54 - 10:58
    「私の中では、それは探究心を
    本当に促進するものであって―」
  • 10:58 - 11:04
    「 "それをすれば何か人工的な得点や成績を得られる"
    という感覚を促すものではないのです」
  • 11:05 - 11:07
    (字幕翻訳:Nekofloor)
Title:
The Psychological Trick That Can Make Rewards Backfire
Description:

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Video Language:
English
Duration:
11:27

Japanese subtitles

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