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はい!どうもアバタローです。
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本日はドイツの哲学者
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ニーチェの[ツァラトゥストラ]
こちらをご紹介いたします。
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どんな作品かと言いますと
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人生を前向きに
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肯定的に生きぬく力を与えてくれる
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世界的名著でございます。
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まず、どういった方に
お役に立ちそうな内容なのかをお伝え致します。
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[自分の人生に意義を見出せない]
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[気の弱い自分を吹き飛ばしたい]
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[もう一回人生をやり直したい]
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[自己肯定感の低さをどうにかしたい]
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これに1個でも当て嵌まれば、
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ニーチェについて全くご存じない方でも
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今回の動画は見ていただく価値はあると思います。
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ここ数年、自己肯定感について悩んでいる方が多く
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巷にはそういったジャンルの本が
溢れていますよね。
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ただ、色んなテクニックや知識を仕入れても
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あまり効果が見られなかったのであれば
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「ニーチェ」という
劇薬に頼るのもひとつの解決策です。
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といいますのも、ニーチェ哲学のテーマは
[生の肯定]であり、
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徹底的に自分の人生を
肯定することを説いているんです。
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そして、本日ご紹介をさせていただく
[ツァラトゥストラ]は、
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ニーチェ哲学の集大成であり、
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人生のネガティブループを強制終了させる
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最強の劇薬であるというわけです。
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ニーチェは本書について
次のように述べています。
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私は、[ツァラトゥストラ]を書くことにより
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これまで人類に贈られた
[最大の贈物]をした。
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何千年先にも届く声を持ったこの本は、
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およそありうる限り、最高の書物である。
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ここで、彼が何故こういった独特な表現を使い
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自信に満ち溢れた
発言をしているかについては、
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動画の後半に行くにつれて
見えてくると思います。
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因みに、難しい話かもしれないとご心配の方。
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大丈夫です。
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哲学に関する知識は一切要りません。
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手ぶらでオーケーでございます。
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お茶でも飲みながらリラックスして
ぜひ最後まで、楽しんで行ってください。
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それでは、参りましょう。
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ニーチェ[ツァラトゥストラ]
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まず、どういった流れで
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お話をさせていただくか
整理をしておきたいと思います。
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大きく3つです。
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[1. ニーチェの生涯]
[-本日の内容-]
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[2. ツァラトゥストラについて]
[-本日の内容-]
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[3. 運命愛]
[-本日の内容-]
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以上、3つのテーマに沿って
進めてまいります。
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というわけで早速
ひとつ目から見て行きましょう。
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フリードリヒ・ニーチェ。
[フリードリヒ・ニーチェの生涯]
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彼は1844年。
[フリードリヒ・ニーチェの生涯]
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ドイツの前身であるプロイセンの東部にある
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レッケンという小さな村で
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牧師の息子として生まれました。
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ただ、彼は見た目は子供。
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頭脳は大人という、所謂「天才少年」でして
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勉強はできる。
[ニーチェは規格外の天才だった]
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作曲もできる。
[ニーチェは規格外の天才だった]
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詩も書ける。
[ニーチェは規格外の天才だった]
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しかもセンスは抜群。
[ニーチェは規格外の天才だった]
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と言うように、始めから
[ニーチェは規格外の天才だった]
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普通の子供ではなかったと言います。
[ニーチェは規格外の天才だった]
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そして、20代の半ばという若さで
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スイスにあるバーゼル大学の
教授に就任します。
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しかも当時の彼は、教員資格も博士号もなく、
[20代半ばでバーゼル大学教授]
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ただの学生という立場で
[20代半ばでバーゼル大学教授]
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教授に推薦されたそうです。
[20代半ばでバーゼル大学教授]
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如何にニーチェが、並外れた存在であったかが
[20代半ばでバーゼル大学教授]
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よく分かります。
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ただ、常に右肩上がりといかないのが
人生でございます。
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ニーチェの快進撃は
30歳手前ぐらいでピタッ!と止まり
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そこから数々の試練が
怒涛の如く彼を襲います。
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苦労して書き上げた書籍はことごとく売れない。
[天才哲学者の苦悩]
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授業をやっても学生は来ない。
[天才哲学者の苦悩]
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教授に推薦してくれた恩師、
[天才哲学者の苦悩]
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そして友人からも見放され、
[天才哲学者の苦悩]
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更に慢性的な頭痛に加え、
[天才哲学者の苦悩]
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胃の痛み、吐き気も治まらない。
[天才哲学者の苦悩]
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そのうえ女性関係も上手く行かない。
[天才哲学者の苦悩]
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もう絶不調が止まりません。
[天才哲学者の苦悩]
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そしてそんな、呪いがかかったような状態の中、
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彼は渾身の力を込めて、1冊の本を生み落とします。
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それが、[ツァラトゥストラ]
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ただこの本、タイトルがちょっと怪しすぎて
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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あまり手に取る気が起きません。
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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しかも内容も正直言って、理解し難いです。
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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ですので、本人の期待とは裏腹に、
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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当時、全く売れなかったんです。
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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しかも、よりによって4部構成にして、
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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4冊に分けて気合を入れて出版したんです。
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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その結果、爆死です!
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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特に最後の第4部は、
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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余りに売れなさ過ぎて自分で知り合いに、
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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これを貰ってやってくれないかと
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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配り歩いていたそうです。
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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そんな状況の中、流石のニーチェも
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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もう本なんか書くかと、腐ってしまうのかと思いきや
[ツァラトゥストラ・・・売れず]
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なんと彼は、そのまま筆を握り続け、
[ニーチェの執念]
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次々と著作を生み出していきます。
[ニーチェの執念]
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しかも、それらの作品のほとんどが
[ニーチェの執念]
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あの滑りに滑った[ツァラトゥストラ]を補足し、
[ニーチェの執念]
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解説するという書籍なんです。
[ニーチェの執念]
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凄い執念です!
[ニーチェの執念]
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どれだけ彼が、本作に
[ニーチェの執念]
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魂を込めていたかが伺えます。
[ニーチェの執念]
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しかし、そんな力強い精神を持ったニーチェも
[ニーチェの執念]
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遂に限界を迎えます。
[ニーチェの執念]
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1889年
[ニーチェの限界]
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彼が45歳を迎える年の頃です。
[ニーチェの限界]
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滞在していたイタリアトリノの広場で
[ニーチェの限界]
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事件は起こりました。
[ニーチェの限界]
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一説によると、
[ニーチェの限界]
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鞭でバンバン叩かれている馬に駆け寄り、
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その馬の首を泣いて抱きしめながら発狂し、
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そして、意識を失ってしまったと言われています。
[ニーチェの精神崩壊]
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幸い意識は戻ったのですが、
[ニーチェの精神崩壊]
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彼の心は完全にこの時壊れてしまい、
[ニーチェの精神崩壊]
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二度と元のニーチェに
[ニーチェの精神崩壊]
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戻ることはありませんでした。
[ニーチェの精神崩壊]
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ただ、運命とは皮肉なもので、
[酷評が一転、再評価へ]
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実はこのタイミングになって、ようやくニーチェの
[ニーチェの精神崩壊]
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著作に対する評価が高まって来るんです。
[ニーチェの精神崩壊]
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「ニーチェ文庫」という出版社まで出来て、
[ニーチェの精神崩壊]
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本もバンバン売れていきます。
[ニーチェの精神崩壊]
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しかし、ニーチェに
どれだけ今の状況を言い聞かせても
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何も認識することができないのです。
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そして精神に異常がで始めてから約10年後。
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55歳という若さで
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ニーチェは天に旅立って行ったというわけです。
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ニーチェの人生について、超高速で見てきましたが
[ニーチェの生涯については以上です]
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ここまでよろしいでしょうか。
[ニーチェの生涯については以上です]
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以上のストーリーを踏まえたうえで、
[ニーチェの生涯については以上です]
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彼が渾身の力を込めて生み落とした最高傑作。
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[ツァラトゥストラ]について
見て行きたいと思います。
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まず簡単に、どういったお話かといいますと、
[ツァラトゥストラとは?]
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「ツァラトゥストラ」というおじさんが
[ツァラトゥストラとは?]
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10年間山籠もりをし、
[ツァラトゥストラとは?]
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孤独の中で知恵を蓄え、
[ツァラトゥストラとは?]
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それを他の人間たちにも分けてやりたいと言って
[ツァラトゥストラとは?]
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下山をする。
[ツァラトゥストラとは?]
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そして、その中で様々な人と出会い、
[ツァラトゥストラとは?]
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語り合いながら自分の知恵を
[ツァラトゥストラとは?]
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分け与えて行く、といったお話です。
[ツァラトゥストラとは?]
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因みにこの[ツァラトゥストラ]というのは、
[ツァラトゥストラとは?]
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ゾロアスター教の開祖であるゾロアスターを
[ツァラトゥストラとは?]
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ドイツ語読みしたものです。
[ツァラトゥストラとは?]
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ただ、「ニーチェ哲学」と「ゾロアスター教」は
[ツァラトゥストラとは?]
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全然関係がありませんので、
[ツァラトゥストラとは?]
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ここはスルーしていただいて大丈夫です。
[ツァラトゥストラとは?]
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大事なのは、ツァラトゥストラというおじさんが
[ツァラトゥストラとは?]
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ニーチェの分身である、ということです。
[ツァラトゥストラとは?]
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ですから、山から下りて来たツァラトゥストラが
[ツァラトゥストラとは?]
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人々に語っていることは全て
[ツァラトゥストラとは?]
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ニーチェの言葉として
[ツァラトゥストラとは?]
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捉えてえていただく必要があるわけです。
[ツァラトゥストラとは?]
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では早速、見て行きましょう。
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まず、山から下りて来たツァラトゥストラは、
[ツァラトゥストラ、降臨]
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森の麓で1人の老人と出会います。
[ツァラトゥストラ、降臨]
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そして、「あなたは森で何をしているのか」と
[ツァラトゥストラ、降臨]
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尋ねるのです。
[ツァラトゥストラ、降臨]
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するとその老人は、歌を歌ったりして
[ツァラトゥストラ、降臨]
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神様を讃えたりしているんですよと
[ツァラトゥストラ、降臨]
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答えるのですが、これに対しツァラトゥストラは
[ツァラトゥストラ、降臨]
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とんでもない衝撃を受けます。
[ツァラトゥストラ、降臨]
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そして、心の中で
[ツァラトゥストラ、降臨]
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次のように呟きました。
[ツァラトゥストラ、降臨]
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「あり得ない!この老人は、まだ
[老人の言葉に驚愕!!]
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あのことを誰からも聞いていないのか」
[老人の言葉に驚愕!!]
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[神は死んだ]ということを...」
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はい!ここでストップします。
[「神は死んだ」とは?]
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早速、有名なセリフが出てきました。
[「神は死んだ」とは?]
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「神は死んだ」
[「神は死んだ」とは?]
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ニーチェを知らない方もこのパワーワードは
[「神は死んだ」とは?]
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聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
[「神は死んだ」とは?]
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では、この「神は死んだ」というこの言葉。
[「神は死んだ」とは?]
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これは一体、どういう意味なんでしょうか。
[「神は死んだ」とは?]
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簡単に言ってしまいますと、
[「神は死んだ」とは?]
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もうこの世の中には、絶対的な真理や
[「神は死んだ」とは?]
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価値なんてものは "ない!"と言っているんです。
「神は死んだ」とは?]
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自然科学が発達する前の人類は、
「神は死んだ」とは?]
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自分たちの頭で理解できない事柄については、
「神は死んだ」とは?]
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神のなせる業、神の意図であると解釈をし
「神は死んだ」とは?]
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納得をして来ました。
「神は死んだ」とは?]
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ところがその、神の深淵なる意図を解明しようと
「神は死んだ」とは?]
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人類は科学技術を発達させ、
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神の存在を前提とする世界観を
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自らの手によって
破壊してしまったわけです。
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例えば「天動説」
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地球は宇宙の中心であり、その他の天体は、
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この地球の周りを
グルグル回っているだけだというこの説は、
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中世のキリスト教世界においては、
[天動説は絶対的な真理]
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まさに、絶対的「真理」でした。
[天動説は絶対的な真理]
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反対意見を言おうものなら、
[天動説は絶対的な真理]
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もう大変なことになってしまいます。
[天動説は絶対的な真理]
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しかし地動説という科学に基づいた
[神を前提とする世界観が崩れていった]
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新たな解釈が生まれたことによって
[神を前提とする世界観が崩れていった]
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ジワリジワリと、神を前提とする世界観が
[神を前提とする世界観が崩れていった]
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崩れて行った訳です。
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人間の存在も同様です。
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神が天地を創造し、自分を模って
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男と女を作り上げたという創造論。
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これも旧約聖書をベースとしたストーリーですが、
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「進化論」という新たな学説によって
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揺らいでしまいました。
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つまりニーチェは、人間は自分たちの手で
[西洋世界の常識を疑い、そして破壊した]
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絶対的真理はないと証明してしまった。
[西洋世界の常識を疑い、そして破壊した]
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もっと乱暴に言えば、自分たちの手で
[西洋世界の常識を疑い、そして破壊した]
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神を「殺してしまったのだ」という主張をし、
[西洋世界の常識を疑い、そして破壊した]
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西洋世界のこれまでの常識を
[西洋世界の常識を疑い、そして破壊した]
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丸々ひっくり返しにいったわけです。
[ニーチェ以前の哲学を破壊]
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となりますと、その影響は哲学にも及んできます。
[ニーチェ以前の哲学を破壊]
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ニーチェ以前の哲学は、
[ニーチェ以前の哲学を破壊]
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神の存在、絶対的真理の存在を
[ニーチェ以前の哲学を破壊]
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前提として成り立っていました。
[ニーチェ以前の哲学を破壊]
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例えば、哲学の父[ソクラテス]
[哲学の父ソクラテス]
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彼は街の人に話しかけては、善とは何か。
[哲学の父ソクラテス]
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徳とは何かと、その答えを求めて
[哲学の父ソクラテス]
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問い続けていました。
[哲学の父ソクラテス]
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そして弟子のプラトンは、その問いの答えに対し
[ソクラテスの弟子プラトン]
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「イデア」という概念を用いて説明を試みました。
[ソクラテスの弟子プラトン]
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要するに、ニーチェ以前の哲学者は、
[絶対的真理の存在を前提としている]
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それぞれの説明、解釈の仕方は違えど、
[絶対的真理の存在を前提としている]
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普遍的な ”善” ってあるよね。
[絶対的真理の存在を前提としている]
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普遍的な ”徳” もあるね。
[絶対的真理の存在を前提としている]
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というように、絶対的な真理の存在を
[絶対的真理の存在を前提としている]
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前提に物事を考えていたんです。
[絶対的真理の存在を前提としている]
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ところがニーチェは、「ない!そんなものはない!」
[ニーチェはこれまでの哲学を破壊した人物]
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「絶対的な価値」「絶対的な基準」「絶対的な真理」
[ニーチェはこれまでの哲学を破壊した人物]
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そんなものは、あるわけない!と主張しました。
[ニーチェはこれまでの哲学を破壊した人物]
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それ故彼は、これまでの哲学を
[ニーチェはこれまでの哲学を破壊した人物]
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破壊した人物とされているわけです。
[ニーチェはこれまでの哲学を破壊した人物]
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ここで、話を元に戻しましょう。
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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では、この世界に「絶対的な価値」
[絶対的なも」がないと何がいけない?]
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「絶対的真理」がない状態だと
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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何がいけないんでしょうか。
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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どんな問題が生じるんでしょうか。
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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「別に私は何の宗教も信じてはいないし、
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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哲学のこととか、絶対的ナンチャラとか、
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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そんな難しいことを考えて
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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生きているわけじゃないし、関係ないね!
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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もしかしたらそう思われる方も
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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いるかもしれませんが、実はこの問題
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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人間が人間として生きている以上
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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誰にでも関係してきてしまう大事なお話なのです。
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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絶対的なものが存在しないということは、
[絶対的なものがないと何がいけない?]
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言ってしまえば、何も信じるものが
[信じられるものがなくなる]
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ないということです。
[信じられるものがなくなる]
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例えば、想像してみてください。
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高度経済成長期の日本。
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バブル絶頂だった時の日本。
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この時代は「21世紀の資本」でもやりましたが
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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頑張ったら頑張った分だけ報われる時代でした。
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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たくさん勉強をして名門大学に入って、
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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一流企業に入ってしまえば一生安泰。
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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人をたくさん雇い物をたくさん作れば
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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売り上げも上がる。
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働けば働くほど給料も上がる。
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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そんな時代です。
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つまり、頑張れば人生どうにかなるという道筋が
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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間違いなくあったわけです。
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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だから、自分の夢や希望。
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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そして家族の為に、出世の為に、
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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辛いことも苦しいことも耐えられたし、
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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歯を食いしばって努力が出来ました。
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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ところが、今はどうでしょうか。
[信じられる物語があった時代を私たちは経験]
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企業を「神の如く」絶対的な存在とみなし、
[信じられる物語を奪われると人はどうなるのか?]
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定年まで面倒をみて貰おうという終身雇用神話は、
[信じられる物語を奪われると人はどうなるのか?]
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最早、過去のものとなりました。
[信じられる物語を奪われると人はどうなるのか?]
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いつ職を失うか、いつ食いっぱぐれるか分からない。
[信じられる物語を奪われると人はどうなるのか?]
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そして将来何を目指し、何に希望を持ち
[信じられる物語を奪われると人はどうなるのか?]
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頑張ればいいのか分からない。
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そういった漠然とした不安だけが
[信じられる物語を奪われると人はどうなるのか?]
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日に日に大きくなっている。
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それが今の状態です。
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このように人が絶対的に信じるものを失い、
[信じられる物語を奪われると人はどうなるのか?]
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何のために生きるのか、その意義を
[信じられる物語を奪われると人はどうなるのか?]
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見出せなくなる状態のことを
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[ニヒリズム]と言います。
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そして、このニヒリズムが蔓延していきますと、
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[末人]と呼ばれる人間が大量発生すると
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ニーチェは警鐘を鳴らしたのです。
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末人というのは、
[最後の人間「末人」とは?]
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「最後の人間」とも訳されるのですが、
[最後の人間「末人」とは?]
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簡単に言ってしまえば、
[最後の人間「末人」とは?]
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将来に対して何の憧れも希望もなく、
[最後の人間「末人」とは?]
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ただ楽に、無難に惰性的に生きることを
[最後の人間「末人」とは?]
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よし!とする人のことを指します。
[最後の人間「末人」とは?]
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これは勿論、本人だけに
[最後の人間「末人」とは?]
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原因があるわけではないと思います。
[最後の人間「末人」とは?]
-
ただこの「末人」にだけは、絶対になっちゃダメ!
[最後の人間「末人」とは?]
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これがニーチェの揺るぎないスタンスなんです。
[最後の人間「末人」とは?]
-
イヤイヤ、私だって
[最後の人間「末人」とは?]
-
好きで希望を失ってるわけじゃないんです。
[最後の人間「末人」とは?]
-
末人になるな!って言うんだったら、
[最後の人間「末人」とは?]
-
私等一体、なに人になればいいんですか。
[最後の人間「末人」とは?]
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そう突っ込みたくなりますが、結論
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「超人になってください!」
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これがニーチェの回答でございます。
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「えっ!?超人ですか?」
-
「はい!超人です」
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そして、今から紹介しますニーチェの超人思想。
[ツァラトゥストラの前半は「超人思想」がテーマ]
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これが[ツァラトゥストラ]の前半。
[ツァラトゥストラの前半は「超人思想」がテーマ]
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第1部、第2部のメインテーマとなるわけです。
[ツァラトゥストラの前半は「超人思想」がテーマ]
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ここは、非常に重要で面白いテーマなので
[ツァラトゥストラの前半は「超人思想」がテーマ]
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是非、抑えていただきたいところでございます。
[ツァラトゥストラの前半は「超人思想」がテーマ]
-
では早速、作品の中で超人について語られる
[ツァラトゥストラの前半は「超人思想」がテーマ]
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シーンについて見て行きましょう。
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先程、ツァラトゥストラは
[街に向かうツァラトゥストラ]
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老人と会話をしていましたが、それが終わると、
[街に向かうツァラトゥストラ]
-
森を抜けて街に向かいます。
[街に向かうツァラトゥストラ]
-
すると、街の市場の方でなんか
[街に向かうツァラトゥストラ]
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ザワザワしているんですね。
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"なんだろう?" と思って近づいてみますと
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町内イベントで綱渡りのショーが行われるらしく、
[綱渡りのショーが始まるらしい]
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それで町中の人が集まって来ていたというわけです。
[綱渡りのショーが始まるらしい]
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楽しみだなぁ、まだかなぁ
[綱渡りのショーが始まるらしい]
-
そんな声が聞こえる中、
[綱渡りのショーが始まるらしい]
-
山籠もりで蓄えた知恵を吐き出したくてしょうがない
[綱渡りのショーが始まるらしい]
-
ツァラトゥストラがフラフラしながら
[綱渡りのショーが始まるらしい]
-
その群衆の中に近づいて行きます。
[綱渡りのショーが始まるらしい]
-
誰か適当な人を捕まえて説教でも
[近づいていくツァラトゥストラ まさか...]
-
始めちゃうのかな
と思いきやそうではないんです。
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なんと彼は、その民衆全員に向けて
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
-
叫んでしまうんです。
-
「皆さん、よく聞きなさい!私は今から
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
-
皆さんに超人について教えます」
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
-
「皆さんはかつて猿でした」
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
-
しかし、いまの人間は
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
-
猿以上に猿なのであります!」
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
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なるほど!これは怪しいおじさんが
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
-
意味不明なことを叫んでるようにしか聞こえません。
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
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当然、そこにいた人々は、
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
-
そんな彼を全く相手にしませんでした。
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
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しかし、ツァラトゥストラは気にせず
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
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奇妙な演説を続けます。
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そして、超人について話を終えたところで
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
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群衆の中の一人が大声で叫びました。
[ツァラさんのトークショー:お題は超人思想]
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「よし!これで綱渡り芸の前口上はバッチリだ!」
[綱渡り芸の前口上と馬鹿にされる...]
-
「それじゃあ、さっそく超人に登場して貰って、
[綱渡り芸の前口上と馬鹿にされる...]
-
その超人技とやらを披露して貰おう!」
[綱渡り芸の前口上と馬鹿にされる...]
-
すると、この人のボケがドカン!とウケてしまい、
[綱渡り芸の前口上と馬鹿にされる...]
-
ツァラトゥストラは皆から馬鹿にされ
[綱渡り芸の前口上と馬鹿にされる...]
-
大笑いされてしまうのです。
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そんな中、綱渡り芸が始まりました。
[綱渡り芸のスタート]
-
人々もその様子を固唾を呑んで見守っています。
[綱渡り芸のスタート]
-
ここでツァラトゥストラ、馬鹿にされたショックで
[綱渡り芸のスタート]
-
黙り込むのかと思いきやなんとまだ喋り続けています
[10年間山籠もりした男のトークは止まらない!]
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そしてここで、非常に重要なセリフを口にするのです
[10年間山籠もりした男のトークは止まらない!]
-
人間という生き物は動物と超人との間に張り渡された
[人間は動物と超人との間に張り渡された1本の綱]
-
1本の綱である。
-
渡って彼方に進むのも危うく
[人間は動物と超人との間に張り渡された1本の綱]
-
途上にあるのも危うく
[人間は動物と超人との間に張り渡された1本の綱]
-
後ろを振り返るのも危うく、
[人間は動物と超人との間に張り渡された1本の綱]
-
おののいて立ちすくむのも危うい。
[人間は動物と超人との間に張り渡された1本の綱]
-
はい!ここで一旦止めましょう。
-
彼が何を言わんとしているのか
[言っている意味が分かりません]
-
考えてみたいと思います。
[言っている意味が分かりません]
-
まず、超人って何?というところから
お話をしていきます。
-
結論から言うと
-
不屈の精神力。
-
そして力強い意志を持ち、
-
自らの人生を肯定しながら
-
より高みへ向かおうとする存在。
-
それが「超人」のイメージです。
-
なぜ、イメージ と申しあげたかと言いますと
[超人=絶対コレ!という定義はない]
-
実は「ツァラトゥストラ」では、
[超人=絶対コレ!という定義はない]
-
具体的に「超人」とはこういうものですと
[超人=絶対コレ!という定義はない]
-
定義付けをしていないんですね。
[超人=絶対コレ!という定義はない]
-
もし定義付けをしてしまえば、
[超人=絶対コレ!という定義はない]
-
ニーチェは自ら、絶対的な存在を
[超人=絶対コレ!という定義はない]
-
認めたことになってしまいますから、ここは敢えて、
[超人=絶対コレ!という定義はない]
-
読者の想像に委ねられているのかもしれません。
[超人=絶対コレ!という定義はない]
-
そして人間というのは、
[超人=絶対コレ!という定義はない]
-
その超人という存在に向かって
[超人=絶対コレ!という定義はない]
-
綱渡りのような危険を乗り越えていく
[人間は危険を冒しながら超人に向かう存在だ]
-
そういう存在なんですよと、言っているわけです。
[人間は危険を冒しながら超人に向かう存在だ]
-
では、どうやったら「超人」の域に
[人間は危険を冒しながら超人に向かう存在だ]
-
到達できるのでしょうか。
-
ツァラトゥストラが言うには、
-
人間の精神には3段階あって、
[超人になるための3ステップ]
-
どんどんそのレベルを上げていくことで
[超人になるための3ステップ]
-
「超人」に近づくことが出来るそうです。
[超人になるための3ステップ]
-
その段階には名前が付いており、
-
第一段階が[ラクダ]
-
第二段階が[獅子」
-
第三段階が[幼子]です。
-
順番に見て行きます。
[第1ステージ:ラクダ]
-
まず、初めの[ラクダ]の段階というのは、
[第1ステージ:ラクダ]
-
重い荷物を背負って我慢するステージです。
[第1ステージ:ラクダ]
-
自分の身に積極的に負荷をかけ、
[第1ステージ:ラクダ]
-
そこで、自分の「強み」を獲得するわけです。
[第1ステージ:ラクダ]
-
学校での勉強。
[第1ステージ:ラクダ]
-
会社での仕事。
[第1ステージ:ラクダ]
-
体を鍛える事。
[第1ステージ:ラクダ]
-
人それぞれに、ラクダのステージがあります。
[第1ステージ:ラクダ]
-
そして、忍耐力や自分の強みが磨かれたのなら
[第1ステージ:ラクダ]
-
次の段階は[獅子]です。
[第2ステージ:獅子]
-
このステージは、窮屈な状態から解放され、
[第2ステージ:獅子]
-
「自由」を求める者が進む段階です。
[第2ステージ:獅子]
-
既存の価値観・常識・権威に対して、
[第2ステージ:獅子]
-
ハッキリと自分の言葉で「No」と言える。
[第2ステージ:獅子]
-
そんな独立の精神を持った段階。
[第2ステージ:獅子]
-
それが、この獅子のステージです。
[第2ステージ:獅子]
-
そして最後。
[第3ステージ:幼子]
-
第三段階になると、獅子は幼子に変身をします。
[第3ステージ:幼子]
-
自らの想像力に身を委ね
-
勝手に自由気ままに遊ぶ。
-
まるで、幼い子供のような無邪気な精神。
[第3ステージ:幼子]
-
それこそが最終段階なのだ、というわけです。
[第3ステージ:幼子]
-
どれだけ大人が世の中の理不尽さを
[第3ステージ:幼子]
-
嘆いていても、将来を悲観しても
[第3ステージ:幼子]
-
幼い子供には関係がありません。
[第3ステージ:幼子]
-
彼ら彼女らにとって
[第3ステージ:幼子]
-
世界は無条件に肯定されるものであり、
[第3ステージ:幼子]
-
心のままに戯れ、無心に遊び、
-
自由に、創造的に今、
この瞬間瞬間を生きています。
-
つまり[超人]たる者は、
[第3ステージ:幼子]
-
この3つのプロセスを経て、
[第3ステージ:幼子]
-
最終的には、幼子のような精神を
その身に宿すものなのだというわけです。
-
さぁ、「1部」「2部」のメインテーマである
[超人]に関するお話は、ここでお終いですが、
-
この内容が「第3部」「第4部」
[ツァラトゥストラの前半は終了]
-
後半の内容へと繋がって行きます。
[ツァラトゥストラの前半は終了]
-
この後半パートのテーマは、
-
[永遠回帰]と呼ばれる
-
「ツァラトゥストラ」の中心思想でございます。
-
つまり、今からお話しするところが
[一番重要なパートです]
-
この動画の最も重要な箇所であり、
[一番重要なパートです]
-
「ニーチェ哲学」を学ぶ上で
[一番重要なパートです]
-
絶対に外せないテーマというわけです。
[一番重要なパートです]
-
では、早速見て行きましょう。
[永遠回帰とは?]
-
まず永遠回帰とは、一体何なんでしょうか。
[永遠回帰とは?]
-
結論から言いますと
[永遠回帰とは?]
-
同じことが無限に繰り返されるという
仮説のことを指します。
-
もうちょっと具体的に言うと、
[人生の無限ループ]
-
あなたは今の人生を永遠に繰り返している。
[人生の無限ループ]
-
前世も来世も、ずっと同じ人生を繰り返している。
[人生の無限ループ]
-
無限ループの中をグルグル、グルグルと
[人生の無限ループ]
-
生き続けているんですよという「仮説」です。
[人生の無限ループ]
-
繰り返しになりますが、
[人生の無限ループ]
-
これは仮設であり、事実か事実でないかは
[人生の無限ループ]
-
あまり重要ではありません。
[人生の無限ループ]
-
仏教の世界にも
「輪廻思想」という教えがありますが
-
「永遠回帰」とは、全く異なる概念になります。
-
生命は色んなものに無限に生まれ変わり続ける。
-
これが「輪廻思想」です。
-
例えば、私の来世は大資産家かもしれないし
-
小さなクラゲ かもしれない。
-
そういうお話です。
-
一方「永遠回帰」の場合は、同じ人が同じ人生を
[あなたはずっとあなたのまま、それが永遠回帰]
-
グルグル永遠にループし続けるというものです。
[あなたはずっとあなたのまま、それが永遠回帰]
-
さて、ここで質問です。
-
皆さまは、この「永遠回帰」の思想を
受け入れることが出来ますか。
-
それとも、同じ人生をループし続けるなんて
「勘弁してくれ!」と
-
拒絶されますか?
-
もちろん正解はありませんし、人それぞれです。
[最大の重し]
-
因みにニーチェは、別の著作で、
[最大の重し]
-
この「永遠回帰」の思想を人間にとっての
[最大の重し]
-
最大の重石であると表現しています。
[最大の重し]
-
要するに、人間というのは、
[最大の重し]
-
余ほど幸せで恵まれた人でない限り、
[最大の重し]
-
忘れ去りたい過去のトラウマ、
[最大の重し]
-
失敗・過ちが、1つや2つあるでしょうと。
[最大の重し]
-
それを無限に経験し続けるのは、
[最大の重し]
-
過去の記憶が消去されているとはいえ
[最大の重し]
-
誰だって嫌でしょうと、そう言ってるんですね。
[最大の重し]
-
ただ、この思想というのは
[最大の重しだが、最強の武器でもあるのだ]
-
その人の捉え方次第で
[最大の重しだが、最強の武器でもあるのだ]
-
人生を大きく変えるくらいの
[最大の重しだが、最強の武器でもあるのだ]
-
強力な「武器」にもなるんです。
[最大の重しだが、最強の武器でもあるのだ]
-
仮に本当にループし続けると
[最大の重しだが、最強の武器でもあるのだ]
-
真剣に想像してみてください。
[最大の重しだが、最強の武器でもあるのだ]
-
どうでしょうか?
-
永遠にネガティブで否定的で
不幸な人生か。
-
永遠にポジティブで肯定的で
幸福な人生か。
-
極端な2つの選択肢が
目の前に浮かび上がってくるはずです。
-
さぁ、選びたいのはどっちですか?
-
そう聞かれれば、どう考えても後者しかありません。
[永遠回帰は、人生を好転させる思考法]
-
そしてもし後者を選べば、永遠に繰り返しても
[永遠回帰は、人生を好転させる思考法]
-
良いと思えるような人生にしようと
[永遠回帰は、人生を好転させる思考法]
-
前を向いて生きていくしかなくなるんです。
[永遠回帰は、人生を好転させる思考法]
-
つまり、「永遠回帰」というのは、
[永遠回帰は、人生を好転させる思考法]
-
神が死んだ後の世界。
[永遠回帰は、人生を好転させる思考法]
-
絶対的に信じるものが失われた世界で、
[永遠回帰は、人生を好転させる思考法]
-
[末人]に陥ることなく人生を肯定的に
-
力強く前向きに歩んでいく為の
思考法と言えるわけです。
-
では、一体どうすれば「永遠回帰」の思想を
-
受け入れることが出来るようになるのでしょうか?
-
頭で理屈は分かっても
[理屈は分かるけど・・・難しそうだ・・・]
-
なかなか自分のものにするのは、難しそうです。
[理屈は分かるけど・・・難しそうだ・・・]
-
そこでニーチェは、「永遠回帰」を
[理屈は分かるけど・・・難しそうだ・・・]
-
自分のものとする条件として
[理屈は分かるけど・・・難しそうだ・・・]
-
「ニヒリズム」を克服する必要があると説きました。
[ニヒリズムの克服が前提となる]
-
イメージしづらいと思いますので、
[ニヒリズムの克服が前提となる]
-
今から実際に「ニヒリズム」を克服し
[ニヒリズムの克服が前提となる]
-
「永遠回帰」を受け入れた人間を描いている
[永遠回帰を受け入れた者の物語]
-
「ツァラトゥストラ」の重要な
[永遠回帰を受け入れた者の物語]
-
ワンシーンを紹介いたします。
[永遠回帰を受け入れた者の物語]
-
どんな場面かというと、
[永遠回帰を受け入れた者の物語]
-
1人の若い牧人が倒れているところを
[ツァラトゥストラと牧人]
-
ツァラトゥストラが発見するというシーンです。
[ツァラトゥストラと牧人]
-
牧人というのは、馬とか牛とか
[ツァラトゥストラと牧人]
-
羊などのお世話をする人です。
[ツァラトゥストラと牧人]
-
その主人が倒れている横で
[ツァラトゥストラと牧人]
-
犬がギャンギャンと鳴いています。
[ツァラトゥストラと牧人]
-
そして、その声にツァラトゥストラが気付き
[ツァラトゥストラと牧人]
-
「何事だ」と言って、近づいて行くんです。
[ツァラトゥストラと牧人]
-
そこで彼は、とんでもない光景を
目の当たりにします。
-
なんと!
-
倒れ込んでいる牧人の口から
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
黒い蛇の尻尾がニョロッと出ていたんです。
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
牧人は、余りの苦しさにのたうち喘ぎ、
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
痙攣を起しています。
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
そこで、ツァラトゥストラは、
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
その牧人を助けなければとうわぁっ!と近づいて行き
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
蛇の尻尾をギュッと掴み、
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
力いっぱい引っ張って口から出そうとします。
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
ところが全く蛇を引きずり出すことができません。
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
何度やっても同じでした。
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
そこで、ツァラトゥストラは絶叫します。
[蛇に窒息させられそうな牧人]
-
「蛇の頭ごと、噛みちぎってしまえ!」
[牧人よ、蛇を噛め!]
-
「さぁ!噛むんだ!噛んでしまえ!」
[牧人よ、蛇を噛め!]
-
すると、牧人は言われるがままに
[牧人よ、蛇を噛め!]
-
蛇をガブッと噛みちぎり
[牧人よ、蛇を噛め!]
-
その頭を吐き捨て
[牧人よ、蛇を噛め!]
-
それと同時にパッと立ち上がります。
[牧人よ、蛇を噛め!]
-
そして、この様子を見たツァラトゥストラは、
[あれ?ぼ・・・牧人さん]
-
次のように語ります。
[あれ?ぼ・・・牧人さん]
-
「私の目の前にいた男は、
[もはや、牧人ではない]
-
もはや牧人ではなかった。
[もはや、牧人ではない]
-
イヤ、人間でもなかった。
[もはや、牧人ではない]
-
一人の変容した者。
[もはや、牧人ではない]
-
光りに包まれた者だった。
[もはや、牧人ではない]
-
そして彼は、高らかに笑った。
[もはや、牧人ではない]
-
今まで地上のどんな人間も
[もはや、牧人ではない]
-
笑ったことがないほど高らかに。
[もはや、牧人ではない]
-
いかがでしょうか、このシーン。
[・・・意味が分かりません!]
-
非常に重要な場面なんですが
[・・・意味が分かりません!]
-
言わんとしていること分かりましたでしょうか。
[・・・意味が分かりません!]
-
要するにこの、七転八倒している牧人というのは、
[・・・意味が分かりません!]
-
ニヒリズムに囚われた人間のことを
[牧人は、ニヒリズムに囚われ苦しむ人間]
-
描いているんです。
-
もうちょっと分かりやすく言いますと、
-
こんな希望もない世界に生きている意味なんか
[牧人は、ニヒリズムに囚われ苦しむ人間]
-
ないじゃないか!
-
頑張ったってどうせ報われないじゃないか!
[牧人は、ニヒリズムに囚われ苦しむ人間]
-
「どうせ私なんか!」
「どうせ私なんか!!」
-
こういったニヒリズムに陥ってしまいますと
[牧人は、ニヒリズムに囚われ苦しむ人間]
-
私たちはあの牧人のように息苦しい人生を
[牧人は、ニヒリズムに囚われ苦しむ人間]
-
送ることになってしまいますよと
言っているわけですね。
-
しかし牧人は、自分を苦しめる蛇を噛みちぎり、
[牧人は弱い己を殺しニヒリズムを克服]
-
窮地を脱しましたよね。
[牧人は弱い己を殺しニヒリズムを克服]
-
すなわち、これこそがニヒリズムの克服なんです。
[牧人は弱い己を殺しニヒリズムを克服]
-
もっと、具体的に言えば
-
「不安」「恐怖」「嫉妬」「失望」「自己不信」
といった色んなことに囚われ
-
人生を悲観的に捉えることしかできなかった
弱い自分を自ら噛み殺したんです。
-
そして、新たな力強い自分に生まれ変わる覚悟を決め
[新たな力強い自分に生まれ変わる覚悟を決めよ]
-
自分の人生を否定的なものから
[新たな力強い自分に生まれ変わる覚悟を決めよ]
-
肯定的に捉え直すことに成功し
[新たな力強い自分に生まれ変わる覚悟を決めよ]
-
高らかに笑った。
-
これこそが「永遠回帰」の思想を受け入れ、実践し
-
自らの全生涯を肯定した者の
姿であるというわけです。
-
また、ニーチェは「永遠回帰」の実践的態度として
[永遠回帰の実践的態度]
-
最も重要なのは、苦しい人生を目の前にし
[永遠回帰の実践的態度]
-
死にたくなるほど絶望したとしても
[永遠回帰の実践的態度]
-
”これこそが、人生なのか!
だったらもう一度
-
掛かってこい!と勇気を持って
立ち向かうことであると説きます。
-
今、生きているこの瞬間を
-
「これこそ、私の人生なのだ!」と
自信を持って肯定できる人は、
-
これまで、歩んできた過去を振り返っても
-
「これで良かったんだ」と、
肯定することが出来ます。
-
そして、未来に対しても臆することなく
-
前向きに肯定的に歩んで行くことが出来ます。
-
更にこれが、永遠にループするとなれば
-
「自分が生きる世界」
-
「自分の命」
-
「自分の人生」そのすべてが
-
永遠に肯定され続けることを意味するわけです。
-
つまり今!この瞬間を肯定さえしてしまえば
-
永遠の肯定ループが生まれる、というお話です。
-
それ故ニーチェは、
-
「永遠回帰」の思想を
-
[およそ到達しうる限りの
最高の肯定の定式]と名付けました。
-
そして、この思想を受け入れた者が
辿り着く思考の領域。
-
それが[超人]なんです。
-
勿論、そこに至る道は決して楽ではありません。
-
1本の綱を渡るように
-
大きな危険を伴います。
-
しかし、「絶対に安全な道がある」と
-
頑なに信じ、何もせず
時が経つのをただ待っているだけでは
-
あの牧人のように苦しむしかないんです。
-
であれば、自分の弱さを思い切って断ち切って
-
勇気をもって前進しましょう。
-
そして、やれるだけのことを全部やって
-
自分の何もかもを肯定してしまえ!
と言っているわけです。
-
さぁ、いかがでしたでしょうか。
[ツァラトゥストラはここでお終い]
-
端折りに端折って進めてきましたが
[ツァラトゥストラはここでお終い]
-
[ツァラトゥストラ]に関しては
ここでお終いです。
-
作品の肝となっている「超人思想」
[ツァラトゥストラはここでお終い]
-
そして、「永遠回帰」
-
ざっくりイメージいただけたでしょうか?
-
最後にニーチェが提唱した
-
[運命愛]について簡単に触れて
終わりたいと思います。
-
[運命愛]というのは、一言で言ってしまえば
-
自分の運命を全て受け入れ、肯定し
-
愛する心の態度のことを意味しています。
-
ニーチェの思想に基づくならば
[部分的に受け入れず全て受入れ肯定せよ]
-
この世界に絶対的な善も悪も
[部分的に受け入れず全て受入れ肯定せよ]
-
存在しないということになります。
[部分的に受け入れず全て受入れ肯定せよ]
-
であれば、自分の人生で起こる様々な出来事
[部分的に受け入れず全て受入れ肯定せよ]
-
一つ一つにこれは楽しかったから「〇(まる)」
[部分的に受け入れず全て受入れ肯定せよ]
-
これは、キツかったから「×(バツ)」
[部分的に受け入れず全て受入れ肯定せよ]
-
と部分的に受け入れるのではなく
-
その全てを愛することの大切さを説いたわけです。
-
ただ、そうやって綺麗サッパリ
気持ちの整理がつけばいいんですが
-
それが出来なくて悩むのが
我々人間でございます。
-
自分の存在。
自分の人生に価値を見出せず
-
できることならもう一回
過去に戻ってやり直したい。
-
そんな気持ちが、夜な夜な
出てきてしまうことだってある訳です。
-
しかしニーチェは、次のように言います。
-
[たった1度でいい]
-
[本当に魂が震えるほどの悦びを味わったのなら]
-
[その人生は生きるに値する]
-
つまり生きている間に、言葉では
言い表せないような歓びを手に入れさえすれば
-
全ての苦しみ
全ての悲しみを引き連れてでも
-
あなたは自分の人生をもう一度
生きることを望むはずだ!
-
だから、どんな運命だろうと愛し
自分の人生を前向きに
-
肯定的に生きれば良いのだ、と
言っている訳です。
-
ニーチェ哲学のテーマは「生の肯定」ですが
-
この「運命愛」は、正に
その象徴的な概念と言えます。
-
しかし、そんな非常に前向きで
パワフルな思想の持主であるニーチェですが
-
彼自身の人生と言えば
実に「苦悩」と「悲哀」に満ちたものでした。
-
才能があっても、仕事は評価されず
-
発狂するほど苦しみ、精神を病んで
この世を去るんです。
-
これが、永遠に回帰するのかと考えますと
正直、ゾッとしてしまいます。
-
ただ彼は、晩年に書いた『自叙伝』において
自身の人生を次のように、振り返っています。
-
[どうして私は]
-
[私の全生涯を感謝せずにおれようか?]
-
[そして、だからこそ私は私自身に]
-
[私の生涯を、語り聞かせようとしているのである]
-
ニーチェの精神が崩壊するのは
この言葉を残した
-
わずか数ヶ月後と言われています。
つまり彼は、最後の最後まで
-
苦悩に満ちた、自分自身の運命を愛し
-
「生の肯定」という自分の哲学を貫き通し
-
その人生を全うしたのです。
-
そして、ニーチェは自分の死後
何百年か先に
-
きっと、ニヒリズムが世界を覆い尽くし
人々から希望を奪い
-
生きる意味を失わせてしまうだろうと
予見していました。
-
だからこそ彼は、自分の魂と声を宿した人格。
[ツァラトゥストラ]を作り上げ
-
絶望の前に立ち尽くす
未来の人類への「贈り物」としたのです。
-
どこまでも生を肯定し
運命を愛した天才哲学者。
-
フリードリヒ・ニーチェ。
-
彼の贈り物が開かれるべき時は
正に、今なのかもしれません。
-
...というわけで
ニーチェの[ツァラトゥストラ]
-
以上でございます。
いかがでしたでしょうか?
-
ニーチェ哲学は、やはり
パワーが凄いですね。
-
圧倒されてしまいます。
もし、この後お時間があるようでしたら
-
概要欄に貼ってあるリンクから
岡本太郎さんの[自分の中に毒を持て]
-
こちらをチェックしていただきますと
また、新たな発見があると思います。
-
...と言いますのも、岡本太郎さんの思想に
最も影響を与えたのは
-
フランスの哲学者
「バタイユ」という人物なんですが
-
このバタイユに影響を与えたのが
ニーチェなんです。
-
...ですから、岡本太郎さんの力強い言葉には
何処かニーチェっぽさがあります。
-
そういったところに、注目して観ていただきますと
今日の内容の解釈の幅が広がって
-
更に、気持ちを高めて
いただけるのではないかな、と思います。
-
面白かった、参考になったという方は
高評価・コメントなどいただけますと嬉しいです。
-
また、チャンネル登録も
よろしくお願い致します。
-
ではまた、次の動画でお会いいたしましょう。
-
ありがとうございました。