電子政府とはどのようなものか
-
0:01 - 0:0330年ほど前に
-
0:03 - 0:07私の国はすべてを根底から作り直す
必要に迫られました -
0:07 - 0:10長年のソビエト支配の後
-
0:10 - 0:14エストニアは独立を回復しましたが
何も残されていなかったのです -
0:14 - 0:18インフラも 行政も
法律もありません -
0:18 - 0:20混とん状態でした
-
0:21 - 0:23必要に迫られた
当時の指導者たちは -
0:23 - 0:28私達の国にできる限りの
大胆な選択をしました -
0:28 - 0:31実験的なことや不確かなことが
たくさんありましたが -
0:31 - 0:33幸運な部分もありました
-
0:33 - 0:37頼りになる
優れたビジョナリーや -
0:37 - 0:40暗号専門家や
技術者がいたことです -
0:40 - 0:42私はまだ子供でした
-
0:42 - 0:47今日では私の国は 世界で最も
電子化された社会と言われています -
0:48 - 0:49私の国エストニアでは
-
0:49 - 0:542001年以来
税の申告はオンラインで行われています -
0:54 - 0:582002年以来
電子IDと電子署名が使われています -
0:58 - 1:022005年以来
投票はオンラインで行われています -
1:02 - 1:05今ではおよそ思い付く
あらゆる公共サービスが -
1:05 - 1:07オンラインで行われています
-
1:07 - 1:11教育 警察 裁判 起業
-
1:11 - 1:14手当の申請
自分の医療記録の参照 -
1:14 - 1:16駐車違反に対する申し立てまで
-
1:16 - 1:19オンラインで行え
-
1:19 - 1:25実際オンラインではできないことを
数え上げたほうが早いくらいです -
1:25 - 1:29出向く必要があるのは
自分の身分証の受け取りと -
1:29 - 1:31結婚・離婚
-
1:31 - 1:33不動産を売るとき
-
1:33 - 1:35それくらいのものです
-
1:36 - 1:40ですから 毎年確定申告のときを
-
1:40 - 1:43楽しみにしていると言っても
-
1:43 - 1:46驚かないでください
-
1:46 - 1:47(笑)
-
1:47 - 1:49しなきゃいけないのは
-
1:49 - 1:51ソファに座って携帯を取り出し
-
1:51 - 1:55所得と控除について記入済みのページを
何度かスワイプして -
1:55 - 1:57送信ボタンを押すことだけです
-
1:57 - 2:013分後には
還付金額を見ていて -
2:01 - 2:05何か得した気がします
-
2:05 - 2:07税理士も
-
2:07 - 2:10領収書集めも
-
2:10 - 2:12計算も必要ありません
-
2:13 - 2:17役所には7年間訪れていません
-
2:19 - 2:22今日の技術の可能性を考えれば
-
2:22 - 2:27迷路のように込み入った
役所の手続きなど -
2:27 - 2:30現代生活に存在すべきでは
ないでしょう -
2:30 - 2:32そのようなものは
エストニアでは -
2:32 - 2:37電子化された政府の協調的努力によって
ほぼ完全になくなりました -
2:37 - 2:42たとえば電子内閣の大臣の書類棚は
完全にペーパーレスです -
2:43 - 2:46そのような展開の
中心にある考えは -
2:46 - 2:49国の役割を変えるということと
-
2:49 - 2:52信用の電子化です
-
2:53 - 2:54考えてみてください
-
2:54 - 2:58ほとんどの国で
人々は政府を信用していません -
2:58 - 3:01政府も国民を信用していません
-
3:01 - 3:04紙ベースの煩雑な
形式的手続きが -
3:04 - 3:07その問題を解決するものと
されていますが -
3:07 - 3:09実際には解決しません
-
3:09 - 3:12生活を面倒にしているだけです
-
3:12 - 3:15エストニアの経験が
示しているのは -
3:15 - 3:19テクノロジーは
信用を取り戻す手段になり -
3:19 - 3:23効率的で利用者中心の
サービスを作って -
3:23 - 3:29市民のニーズに積極的に
応えられるようにできるということです -
3:30 - 3:34それが実現できたのは お役所仕事を
そのまま電子化することによってではなく -
3:34 - 3:38いくつかの強い一般原則を定め
-
3:38 - 3:41規則や手順を作り直し
-
3:41 - 3:45不要なデータ収集や
タスクの重複を除き -
3:45 - 3:49オープンにし
透明化することによってでした -
3:49 - 3:52今日のeエストニアの
基本原則について -
3:52 - 3:54簡単にお話ししましょう
-
3:56 - 3:59まずデータや情報について
-
3:59 - 4:03プライバシーと機密性を
保証する必要があります -
4:03 - 4:05これは国が発行し
-
4:05 - 4:07どこでも使うことができる
-
4:07 - 4:11強力な電子IDによって
実現されています -
4:11 - 4:13エストニア国民は
全員持っています -
4:14 - 4:19このIDには電子署名があって
-
4:19 - 4:23エストニアとEUの両方で
受け入れられ 使用でき -
4:23 - 4:26法的拘束力があります
-
4:27 - 4:32システムで利用者が誰であるかが
安全で適切な方法で確認されると -
4:32 - 4:37その人の個人データや
公共サービスがすべて -
4:37 - 4:411つのアプリから
利用できるようになり -
4:41 - 4:45電子的な署名で
あらゆる手続きができます -
4:47 - 4:502つ目の原則は
最も影響が大きかったもので -
4:50 - 4:53「一度きり」の原則と
呼ばれています -
4:53 - 4:56これは国が同じデータを
-
4:56 - 4:592度以上要求することも
-
4:59 - 5:032か所以上に保存することも
できないというものです -
5:03 - 5:07たとえば出生証明書や
結婚証明書を -
5:07 - 5:09当該登記所に提出していれば
-
5:09 - 5:12そこが そのデータの保管される
唯一の場所であり -
5:12 - 5:17他の役所から再び提出を
求められることはありません -
5:18 - 5:21一度きりの原則は
とても強い規則であり -
5:21 - 5:24国のデータ収集の仕組みの全体や
-
5:24 - 5:29何の情報を集め
その維持に誰が責任を持つかを定めていて -
5:29 - 5:34データの集中化や
重複を避けさせ -
5:34 - 5:38データが最新状態に
保たれることを保証しています -
5:39 - 5:41この分散的アプローチは
-
5:41 - 5:45単一障害点の問題を
避けることにもなります -
5:45 - 5:48一方で データは複製することも
-
5:48 - 5:502度以上収集することも
できないので -
5:50 - 5:53公的機関のサービス提供のために
-
5:53 - 6:00情報に常時 安全確実にアクセスできるような
仕組みが必要になります -
6:01 - 6:08それが X-Road と呼ばれる
データ交換プラットフォームの役割で -
6:08 - 6:112001年から稼働しています
-
6:12 - 6:13幹線道路のように
-
6:13 - 6:20公的なデータベースや登録簿と
地方自治体や企業を結び -
6:20 - 6:25リアルタイムで 安全な管理された
データ交換ができるようにし -
6:25 - 6:30それぞれの活動について
監査可能な記録を残します -
6:32 - 6:34こちらはX-Road上のデータ要求や
-
6:34 - 6:38接続されているサービスの
状況を示している -
6:38 - 6:40画面イメージです
-
6:42 - 6:46こちらは公共データベースや
企業データベースの -
6:46 - 6:49実際の接続状況を表した図です
-
6:49 - 6:50ご覧のように
-
6:50 - 6:53中心になるデータベースというのは
存在しません -
6:54 - 6:58機密性とプライバシーは
非常に重要ですが -
6:58 - 6:59デジタルの世界では
-
6:59 - 7:02情報の信頼性と完全性も
-
7:02 - 7:05運営上重要になります
-
7:05 - 7:09たとえば誰かが皆さんの
アレルギーに関する医療記録を -
7:09 - 7:14医師や本人の知らないところで
改変したとすると -
7:14 - 7:16治療が致命的なものに
なりかねません -
7:17 - 7:20ですからエストニアのような
デジタル社会で -
7:20 - 7:23紙の原本がなく
-
7:23 - 7:27電子的な原本しか
ないというとき -
7:27 - 7:32データや データ交換規則 ソフトウェア
ログファイルの完全性は -
7:32 - 7:34きわめて重要です
-
7:36 - 7:40ブロックチェーンが話題になる
ずっと以前の -
7:40 - 7:442007年に考案された
一種のブロックチェーンを使って -
7:44 - 7:49データの完全性の確認と保証を
リアルタイムで行っています -
7:49 - 7:52ブロックチェーンは
私達の監査役であり -
7:52 - 7:55データへのアクセスや操作が
-
7:55 - 7:59記録を残さずに行われることが
ないようにしています -
8:02 - 8:07データの所有権はシステムを設計する上で
もう1つの重要な原則です -
8:08 - 8:12政府や技術系そのほかの
世界の企業が -
8:12 - 8:15皆さんについて集めたデータを
自分のものにしていることに -
8:15 - 8:17不安を感じませんか?
-
8:17 - 8:21データにアクセスさせてはくれないし
-
8:21 - 8:25それがどう使われ
どう第三者に共有されているのか -
8:25 - 8:27ちゃんと示されていません
-
8:28 - 8:32私にはすごく
気にかかる状況です -
8:34 - 8:36エストニアのシステムは
-
8:36 - 8:42集められた個人データは本人のもの
という原則に基づいています -
8:42 - 8:47だから本人はどんなデータが集められ
誰がそれにアクセスしたかを知る -
8:47 - 8:50絶対的な権利を有しています
-
8:50 - 8:54警察や医者や政府関係者が
-
8:54 - 8:58市民の個人データを見るときには
-
8:58 - 9:01必ずログインした上で
-
9:01 - 9:06職務上必要と認められた情報にのみ
アクセスします -
9:06 - 9:10また情報へのアクセスを
要求すると -
9:10 - 9:12必ずログに記録されます
-
9:15 - 9:19この詳細なログは
国の公共サービスの一部で -
9:19 - 9:21真の透明性を実現し
-
9:21 - 9:27プライバシー侵害があれば
本人に分かるようになっています -
9:28 - 9:29もちろんこれは
-
9:29 - 9:36eエストニアの設計原則の
単純化した要約です -
9:38 - 9:42今政府は人工知能を活用できる
-
9:42 - 9:49新世代の公共サービスの構築に
取り組んでいます -
9:49 - 9:52出産 失業 起業といった
-
9:52 - 9:56その人の人生における
状況に応じて -
9:56 - 10:01自動的に起動される
一貫したサービスです -
10:03 - 10:08紙の写しがない
デジタル社会では -
10:08 - 10:10問題が起き得ます
-
10:10 - 10:14私達はシステムの堅牢性を
信頼していますが -
10:14 - 10:192007年の経験があり
用心にこしたことはありません -
10:19 - 10:23最初のサイバー事件があって
-
10:23 - 10:25ネットワークの一部が
ブロックされ -
10:25 - 10:29何時間もサービスが
利用不可になりました -
10:30 - 10:31私達は乗り越えましたが
-
10:31 - 10:34この出来事から
サイバーセキュリティは -
10:34 - 10:41プラットフォームの強化と バックアップの
両面で 最重要課題になりました -
10:42 - 10:46何もかもが近くにある
小さな国で -
10:46 - 10:49全国規模のシステムを
どうバックアップしたものでしょう -
10:50 - 10:55たとえば国外の
治外法権のある大使館に -
10:55 - 11:00データのコピーを
取っておくことができます -
11:01 - 11:05現在 そのようなエストニアの
最も重要なデジタル資産を保持する -
11:05 - 11:08データ大使館がいくつもあり
-
11:08 - 11:11たとえ国土が攻撃に
さらされた場合でも -
11:11 - 11:15途切れることのない行政
データの保護 -
11:15 - 11:20そして最も重要な主権の維持を
可能にしています -
11:22 - 11:26その短所は何かと
思っている人もいるでしょう -
11:27 - 11:30完全にデジタル化することは
-
11:30 - 11:35管理の上でも コストの上でも
より効率的です -
11:35 - 11:39コンピューターを通して
やるというのは -
11:39 - 11:40人間的要因や
-
11:40 - 11:42政治家や
-
11:42 - 11:44民主プロセスへの参加の重要性が
-
11:44 - 11:47下がるような印象を
持つかもしれません -
11:47 - 11:49テクノロジーが行き渡ることで
-
11:49 - 11:51自分のスキルが古びることを
-
11:51 - 11:55脅威に感じる人もいるでしょう
-
11:56 - 12:00残念ながら国の運営を
デジタルシステムに移しても -
12:00 - 12:06政治権力争いや 社会における対立が
なくなるわけではなく -
12:06 - 12:09それは前回の選挙で
目にしたことです -
12:09 - 12:12人間がいる限り
なくならないでしょう -
12:14 - 12:17最後になりますが
-
12:17 - 12:23世界のどこからでも
すべてのサービスにアクセスできるのであれば -
12:23 - 12:26エストニアに住んでいない
外国の方にも -
12:26 - 12:29一部のサービスを
利用可能にしてはどうでしょう? -
12:30 - 12:315年前に
-
12:31 - 12:36eレジデンシー(電子居住者)プログラムという
国営事業が立ち上げられ -
12:36 - 12:40今では何万人もの人が
加入しています -
12:40 - 12:46136か国のビジネスパーソンが.
-
12:46 - 12:49電子的に会社を作り
-
12:49 - 12:51オンラインで取引し
-
12:51 - 12:57EUの法的枠組みの下
eエストニアのシステム上で -
12:57 - 13:01仮想的に会社を運営しており
-
13:01 - 13:05私のIDと同様のeIDカードを使って
-
13:05 - 13:08それを世界のどこからでも行えます
-
13:10 - 13:11エストニアのシステムは
-
13:11 - 13:15人間中心で
場所に縛られません -
13:15 - 13:20すべての人が使え オープンで
信頼性があることに重きを置いています -
13:20 - 13:24セキュリティと透明性を
中心にしています -
13:24 - 13:31データはその対象である
正当な所有者の手にあります -
13:31 - 13:33私の話を聞くだけでなく
-
13:33 - 13:34やってみてください
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13:34 - 13:36ありがとうございました
-
13:36 - 13:40(拍手)
- Title:
- 電子政府とはどのようなものか
- Speaker:
- アンナ・ピペラル
- Description:
-
諸手続きのための紙の書類への記入が不要になったとしたらどうでしょう? エストニアではそれが現実になっています。eエストニアと呼ばれるソビエト後の野心的なデジタル化への移行のおかげで、市民は起業からパソコンでの投票まで、ほとんどすべての公共サービスをネットから利用できます。このプログラムの専門家であるアンナ・ピペラルが、エストニアの電子政府を支える主要な設計原則について解説し、他の国もこれに倣って旧態依然とした役所仕事を払拭し、市民の信頼を取り戻すべきである理由を示します。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 13:53
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Noriko Yasumoto accepted Japanese subtitles for What a digital government looks like | ||
Yasushi Aoki rejected Japanese subtitles for What a digital government looks like | ||
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Noriko Yasumoto accepted Japanese subtitles for What a digital government looks like |