医学の謎を解く原因ウイルス診断法
-
0:00 - 0:03どうしたら私たちの周りにある
-
0:03 - 0:08様々なウイルスを調べ
医学に役立てられるでしょうか? -
0:08 - 0:12また 膨大なウイルス学の知識を
-
0:12 - 0:16ひとつの ポータブルな検査に
まとめられるでしょうか? -
0:16 - 0:19ウイルスや
ウイルス検出知識の全てを -
0:19 - 0:21例えばこのような
-
0:21 - 0:24小さなチップに
凝縮したいと考えています -
0:24 - 0:26このようなプロジェクト—
-
0:26 - 0:29ひとつの検査で
-
0:29 - 0:32同時に 多種の病原体を
検知する考えには -
0:32 - 0:34通常 いくつかの問題があります
-
0:34 - 0:38ウイルスはかなり複雑な上
-
0:38 - 0:42急速に進化しています
-
0:42 - 0:43これはピコルナウイルスです
-
0:43 - 0:45ピコルナウイルスの仲間には
-
0:45 - 0:48感冒やポリオを
引き起こすものもあります -
0:48 - 0:50これはウイルスの外観です
-
0:50 - 0:53黄色い部分はウイルスの
-
0:53 - 0:55急速に進化している部分です
-
0:55 - 0:57青い部分は急激に
変化していません -
0:57 - 1:00幅広いウイルス検出の
試薬の開発では -
1:00 - 1:04ウイルスが常に
進化し続けていることが -
1:04 - 1:06問題になるものです
-
1:06 - 1:08しかし進化にはバランスがあり
-
1:08 - 1:12激しく進化する
部分がある一方で -
1:12 - 1:14ほとんど変化しない
部分もあります -
1:14 - 1:17そこで 我々は
ここに注目しました -
1:17 - 1:18データをお見せします
-
1:18 - 1:21普通のパソコンで
できるものです -
1:21 - 1:23感冒やポリオなどを引き起こす
-
1:23 - 1:25様々なピコルナウイルスを
-
1:25 - 1:29小さな部分に分けました
-
1:29 - 1:32まず コクサッキーウイルスの例ですが
-
1:32 - 1:34細かく分けた塩基配列の
-
1:34 - 1:36青で示した部分は
-
1:36 - 1:41他のウイルスのゲノム中にもある
同一の塩基配列です -
1:41 - 1:42他のウイルスのゲノム中にもある
同一の塩基配列です -
1:42 - 1:44ここの配列を見てください
-
1:44 - 1:46タンパク質をコードしてさえ
いませんが -
1:46 - 1:49この種のウイルス全体に
完全に一致しています -
1:49 - 1:53この塩基配列をマーカーとすれば
-
1:53 - 1:55個々のウイルスの検出を行わずに
-
1:55 - 1:58この種に属するウイルスを
幅広く検出できます -
1:58 - 2:00この辺は 配列が多様な
-
2:00 - 2:02急速に進化している場所です
-
2:02 - 2:06ゆっくり進化している部分では
多様性が少ないのです -
2:06 - 2:07一方で 例えば
-
2:07 - 2:10急性ミツバチ麻痺ウイルスには
-
2:10 - 2:12ミツバチの方は
避けたいウイルスですが -
2:12 - 2:17コクサッキーウイルスとの共通点は
ほとんど ありません -
2:17 - 2:21でも このような 共通性の少ない
画面右側のウイルスでも -
2:21 - 2:23保存されている領域は
-
2:23 - 2:26この部分であるはずです
-
2:26 - 2:29そこでウイルスが
どのように進化したかを示す -
2:29 - 2:32この進化上の「超保存領域」を
ひとまとめにして -
2:32 - 2:35この領域のDNAや
RNAの塩基配列を選んで -
2:35 - 2:39検出用試薬としてチップに
使うことができます -
2:39 - 2:42では どうやって
このチップを作ったか -
2:42 - 2:44大学院生だった頃から
-
2:44 - 2:47DNAチップの作成を
いろいろ試していました -
2:47 - 2:49DNAをガラスに
プリントするのです -
2:49 - 2:50小さな白い点が
-
2:50 - 2:53ガラス上のDNAです
-
2:53 - 2:56何千ものDNAスポットを
ガラスのチップにのせて -
2:56 - 2:58検出試薬として
使用できるのです -
2:58 - 3:00チップをヒューレット
パッカード社にある -
3:00 - 3:02原子間力顕微鏡を使って
見てみると -
3:02 - 3:04原子間力顕微鏡を使って
見てみると -
3:04 - 3:07DNA鎖がガラスの上に
ついているのが見えます -
3:07 - 3:10ガラスにDNAを
プリントしているのです -
3:10 - 3:14これらのDNA鎖が
病原体のマーカーとなります -
3:14 - 3:17チップを作る
小型ロボットも作っています -
3:17 - 3:20テクノロジーの普及は
とても大切だと思います -
3:20 - 3:23カムリ級の車を買う
お金があれば -
3:23 - 3:25このロボットが作れます
-
3:25 - 3:29ウェブ上に無料で
詳しい作り方を載せていますので -
3:29 - 3:31市販の部品を使って 皆さんも
-
3:31 - 3:34自宅のガレージで
DNAチップ製造機が作れるわけです -
3:34 - 3:37これは緊急停止ボタンのつくり方です
-
3:37 - 3:39(笑)
-
3:39 - 3:42どんな重要な機械も
大きな赤いボタンが必要です -
3:42 - 3:44とてもがっしりした機械です
-
3:44 - 3:47ガレージでDNAのチップが
作れるのです -
3:47 - 3:51遺伝子のプログラムをすばやく解読できて
とっても楽しいですよ -
3:51 - 3:52(笑)
-
3:52 - 3:56とても素晴らしい
プロジェクトです -
3:56 - 3:58呼吸器系ウイルスチップ の作製を
始めました -
3:58 - 4:00先に話しましたように
-
4:00 - 4:02病院に行っても
-
4:02 - 4:04診断がつかない時です
-
4:04 - 4:06そこで 呼吸器系の
ウイルス全てと -
4:06 - 4:09比較のためヘルペスウイルスも
のせました -
4:09 - 4:10邪魔にはなりません
-
4:10 - 4:12科学者として
まずすることは -
4:12 - 4:13実験がうまくいくのを
確かめることです -
4:13 - 4:16そこで 組織培養細胞に
-
4:16 - 4:18様々なウイルスに感染させ
-
4:18 - 4:22培養細胞から出て来る遺伝物質―
主にウイルス由来の核酸ですが -
4:22 - 4:25それを蛍光標識し
-
4:25 - 4:29ウイルスアレイの
どこに結合するか見ます -
4:29 - 4:31DNAの塩基配列が合えば
くっつくので -
4:31 - 4:33スポットを観察すると
-
4:33 - 4:35もし光るスポットがあれば
特定のウイルスの存在を示します -
4:35 - 4:37お見せしているのが
そのチップです -
4:37 - 4:40赤いスポットは
ウイルスからの信号です -
4:40 - 4:42それぞれのスポットは 違う科または種の
ウイルスを表しています -
4:42 - 4:44それぞれのスポットは 違う科または種の
ウイルスを表しています -
4:44 - 4:46これは手の込んだ観察法です
-
4:46 - 4:49ウイルスの科ごとに
短いバーコードで表示して -
4:49 - 4:52結果が直観的に
得られるようにします -
4:52 - 4:54アデノウイルスに感染させた
-
4:54 - 4:56組織培養細胞を調べてみると
-
4:56 - 5:00アデノウイルスの所に
黄色いバーコードが見えるでしょう -
5:00 - 5:04同様にパラインフルエンザ3型—
パラミクソウイルスですが その感染細胞は -
5:04 - 5:06ここの小さなバーコード
-
5:06 - 5:08RSウイルスでも試しました
-
5:08 - 5:10このウイルスは全国の保育所の
悩みの種です -
5:10 - 5:12このウイルスは全国の保育所の
悩みの種です -
5:12 - 5:13(笑)
-
5:13 - 5:16同じ科であっても
-
5:16 - 5:19重症になる
パラインフルエンザ3型とは -
5:19 - 5:21全く違うのがわかります
-
5:21 - 5:24ウイルスの指紋といえる
独特のサインが得られるのです -
5:24 - 5:27ポリオとライノは同科で
とても似ています -
5:27 - 5:30ライノウィルスは感冒の原因
ポリオはご存じのとおり -
5:30 - 5:32でも それぞれを
区別することができます -
5:32 - 5:35カポジ肉腫に合併する
ヘルペスウイルスが -
5:35 - 5:37独特のサインを示しています
-
5:37 - 5:39ひとつの縞模様ではなく
-
5:39 - 5:41バーコードを全体として
見ることで -
5:41 - 5:45ウイルスが特定できるのです
-
5:45 - 5:47さて 一種類のライノウイルス に
注目します -
5:47 - 5:49そのライノウイルスのバーコードを
拡大したものです -
5:49 - 5:51異なるライノウイルスでは
どうでしょう -
5:51 - 5:53どの種に感染しているか
分かるでしょうか? -
5:53 - 5:56研究者が集めた限りでは
-
5:56 - 5:59感冒には102もの類似種が
関連しています -
5:59 - 6:01毎年 新しいウイルスが
見つかります -
6:01 - 6:03ここには4種類の
ライノウイルスがあります -
6:03 - 6:05肉眼でも
-
6:05 - 6:07パターン照合を行う
複雑なコンピューターの -
6:07 - 6:09認識ソフトアルゴリズムがなくても
-
6:09 - 6:12バーコードを
識別することができます -
6:12 - 6:14これはちょっと
ズルをしています -
6:14 - 6:16これらのライノウイルス遺伝子の
塩基配列を -
6:16 - 6:18全部知っていたので
それを使って -
6:18 - 6:20チップをデザインすれば
良かったからです -
6:20 - 6:24では 遺伝子の塩基配列が
分からないものではどうでしょう? -
6:24 - 6:26新しく見つかったものの配列は
わかりません -
6:26 - 6:28この4つのライノウイルスは
-
6:28 - 6:30未知のもので
-
6:30 - 6:33塩基配列も解析されていませんが
-
6:33 - 6:35それぞれ独特のパターンを
持っています -
6:35 - 6:38全てのウイルスの「指紋」を収集し
-
6:38 - 6:40情報ライブラリーが
できるかもしれません -
6:40 - 6:43でもこれもまだ いけすで魚釣りをする程
簡単すぎます -
6:43 - 6:45組織培養から得られた
ウイルスではなく -
6:45 - 6:47実際の人間でも
この方法は使えるでしょうか? -
6:47 - 6:49人間の状況はそれぞれ違い
-
6:49 - 6:53採取する唾液や痰などにも
何が混じっているかわかりません -
6:54 - 6:56しかも とても複雑です
-
6:56 - 6:59たくさんのウイルスや細菌
-
6:59 - 7:01また人間の遺伝物質も
混ざっています -
7:01 - 7:02では どうすれば
-
7:02 - 7:04テストの陽性コントロールを
作れるか? -
7:04 - 7:06実は簡単です
-
7:06 - 7:08私が鼻洗浄を
受けているところです -
7:08 - 7:13要は 実験的にウイルスを
感染させてみようということです -
7:13 - 7:18治験審査委員会の承認済みですし
被験者に報酬も払っています -
7:18 - 7:21基本的には 感冒ウイルスを
-
7:21 - 7:22実験的に感染させます
-
7:22 - 7:24もっと良いのは
患者を救急室から -
7:24 - 7:25連れてくることです
-
7:25 - 7:29原因不明の市中で感染した
気道感染症の患者です -
7:29 - 7:32本当にどんな患者が
病院にやってくるか分かりません -
7:32 - 7:34ではウイルスを感染させた人から
始めましょう -
7:34 - 7:36健康な人の
-
7:36 - 7:38鼻からウイルスを注入すると
-
7:38 - 7:39どうなるか見てみましょう
-
7:39 - 7:41初日:何も起こっていません
-
7:41 - 7:43健康でウイルスも
見つかりません -
7:43 - 7:44健康そうにしていても
-
7:44 - 7:46注入したのでウイルスが
いっぱいと思っていたのに -
7:46 - 7:48ほとんど何もありません
まったく健康そうです -
7:48 - 7:522日目:はっきりした
ライノウイルスのパターンが見られます -
7:52 - 7:54研究室の組織培養実験のものと
とても似ています -
7:54 - 7:55はっきりしたパターンが見える
-
7:55 - 7:58でも まだこれも 実験としては
ずるをしているようなものです -
7:58 - 8:00膨大な量のウイルスを
注入したんですから -
8:00 - 8:02(笑)
-
8:02 - 8:05実験成功のためでしたが
実際 彼は風邪をひいてしまいました -
8:05 - 8:09では 病院に来る患者は
どうでしょう -
8:09 - 8:11匿名IDで識別される
2名の患者です -
8:11 - 8:152人ともライノウイルスに
感染しています -
8:15 - 8:17かつて誰も見たことのない
-
8:17 - 8:20新しいライノウイルスです
-
8:20 - 8:22先ほどの 進化の中で
保持された配列 -
8:22 - 8:24この配列を使えば
-
8:24 - 8:26新しく未研究なウイルスも
検知できます -
8:26 - 8:30進化を通じて保持された部分を
調べるからです -
8:30 - 8:33ちょっと診断ゲームを
してみましょう -
8:33 - 8:35ここに示したウィルスたちは
-
8:35 - 8:37パラミクソウイルスの仲間です
-
8:37 - 8:38それぞれのウイルスの
-
8:38 - 8:40どれに反応が出ているでしょうか
-
8:40 - 8:43幸い 犬ジステンパーではない様です
-
8:43 - 8:45(笑)
-
8:45 - 8:47しかし9番ブロックを見てみると
-
8:47 - 8:49RSウイルスであるのが分かります
-
8:49 - 8:52家に小さなお子さんが
いるのかもしれません -
8:52 - 8:54また 関連したウイルスの
RSVBも見つかりました -
8:54 - 8:55すばらしいです
-
8:55 - 8:58こちらの患者から別々の日に
-
8:58 - 9:002回サンプルを採取しました
-
9:00 - 9:03パラインフルエンザ1型に
患っていました -
9:03 - 9:05ここに見える 縞でわかるのは
-
9:05 - 9:08センダイウイルス
マウスパラインフルエンザの一種です -
9:08 - 9:12遺伝的関連性が非常にあり
面白いでしょう -
9:12 - 9:13今まで
-
9:13 - 9:17発見された全てのウイルス
-
9:17 - 9:20植物ウイルス 昆虫ウイルス
海洋ウイルス -
9:20 - 9:22国の遺伝子データバンクから
得られる -
9:22 - 9:24すべての配列を
このチップに収めました -
9:24 - 9:27このようなチップの用途を
説明します -
9:27 - 9:29この様な膨大なチップは
-
9:29 - 9:31インフォーマティクスが
必要になってきます -
9:31 - 9:33自動診断をするシステムを
考案しました -
9:33 - 9:36仮想のパターンを
使うシステムです -
9:36 - 9:38全てのウイルスの
サンプルを得るのは -
9:38 - 9:41不可能ですが
仮想パターンを使って -
9:41 - 9:43実際の結果と比較し
-
9:43 - 9:47とても複雑なパターンを
点数化するわけです -
9:47 - 9:50それがライノウイルスである
可能性はどれくらいか? -
9:50 - 9:52という具合にです
-
9:52 - 9:54例えばパピローマウイルスに
-
9:54 - 9:56慢性感染している
培養細胞を使い -
9:56 - 9:58コンピューター解析してみます
-
9:58 - 10:02アルゴリズムが示したのは
パピローマ18型 -
10:02 - 10:04まさに この培養細胞が
-
10:04 - 10:06感染しているウイルスでした
-
10:06 - 10:08少々難しい課題に
挑戦しましょう -
10:08 - 10:10私たちは 診断がつかない患者が
-
10:10 - 10:12病院に来た時に
連絡するよう -
10:12 - 10:14サンフランシスコ近郊の病院に
-
10:14 - 10:16頼んであります
-
10:16 - 10:183週間前にあったケースです
-
10:18 - 10:21喫煙も飲酒もしない
-
10:21 - 10:24旅行歴のない健康な
28歳の女性です -
10:24 - 10:28症状は 10日間の発熱
寝汗に血痰 -
10:28 - 10:30喀血や筋肉痛もありました
-
10:30 - 10:34病院へ行き 抗生物質を
処方されました -
10:34 - 10:35そして帰宅
-
10:35 - 10:39ところが熱は下がらず
10日後 再び病院へ行くと -
10:39 - 10:42低酸素血症―
肺に十分な酸素がありません -
10:42 - 10:43CTスキャンの結果です
-
10:43 - 10:47健康な肺は全体的に
黒っぽく写ります -
10:47 - 10:49白いところはすべて
良くない所です -
10:49 - 10:52この木とつぼみのような影は
炎症のあることを示します -
10:52 - 10:54感染の可能性大です
-
10:54 - 10:57第3世代セファロスポリン系
抗生物質や -
10:57 - 11:01ドキシサイクリンを
投与し3日経っても -
11:01 - 11:05効果がなく
呼吸不全に陥り -
11:05 - 11:07挿管が必要となり
-
11:07 - 11:09人工呼吸機器を装着しました
-
11:09 - 11:11自分では呼吸できない
状態だったのです -
11:11 - 11:13次の手段は?
分かりません -
11:13 - 11:16さらに抗生物質を変えました
-
11:16 - 11:18なぜインフルエンザだと
-
11:18 - 11:20思ったのかわかりませんが
-
11:20 - 11:22タミフルに変更されました
-
11:22 - 11:246日目には他に手立てがなく
-
11:24 - 11:28開胸肺生検が行われました
-
11:28 - 11:30検査だけでも8%の死亡率です
-
11:30 - 11:33何がわかったのでしょうか?
-
11:33 - 11:35これが検査結果です
-
11:35 - 11:37病理医でなくとも
-
11:37 - 11:40多くの腫脹を伴う
気管支炎のあることが分かります -
11:40 - 11:43結論は「原因不明」
-
11:43 - 11:46病院独自の検査で
-
11:46 - 11:4870種類以上の分析が
-
11:48 - 11:50行われました
-
11:50 - 11:53細菌・カビ類・
ウイルスに関する -
11:53 - 11:55既存の検査の全てです
-
11:55 - 11:58SARS、メタニューモウイルス、
HIV、RSVもです -
11:58 - 12:0210万ドル以上かかりましたが
全て「陰性」でした -
12:02 - 12:05病院側としては
出来る限りのことをしたのです -
12:05 - 12:088日目に 私たちに連絡があり
-
12:08 - 12:10気管内吸引のサンプルを
受け取りました -
12:10 - 12:12挿管チューブから
採取した液体です -
12:12 - 12:14挿管チューブから
採取した液体です -
12:14 - 12:18その液体をチップに
載せたところ なんと -
12:18 - 12:21パラインフルエンザ4型が
現れました -
12:21 - 12:24普通 パラインフルエンザ4型の
テストはしません -
12:24 - 12:27塩基配列も
ほんの少ししか解明されておらず -
12:27 - 12:29疫学的にも
-
12:29 - 12:31ほとんど研究されていなかった
-
12:31 - 12:33誰もそれが呼吸不全を
起こすとは -
12:33 - 12:36思わなかったからです
-
12:36 - 12:39どうしてでしょう?
この例も一つの逸話にすぎません -
12:39 - 12:43病気が軽症であるとも
重症化するともデータがありません -
12:43 - 12:46でも 今回 健康な人でも
重症になることがわかりました -
12:46 - 12:49でも 一つの症例報告にすぎません
-
12:49 - 12:51さて 最後の2分間で
-
12:51 - 12:54明日 発表される研究について
お話します -
12:54 - 12:57このチップが
新たな発見のために -
12:57 - 12:59応用しうることを
示したケースです -
12:59 - 13:02「前立腺がん」については
-
13:02 - 13:06皆さんよくご存じでしょう
-
13:06 - 13:08米国でのがん死因の第3位
-
13:08 - 13:10多くの危険因子がありますが
-
13:10 - 13:14その一つが「遺伝的要因」です
-
13:14 - 13:16前立腺がんの約10%は
-
13:16 - 13:18遺伝が関わっています
-
13:18 - 13:22早期発症型の前立腺がんには
-
13:22 - 13:26RNASELという
遺伝子が関わっています -
13:26 - 13:29抗ウイルス防衛酵素を
作るものです -
13:29 - 13:31そこで考えました
-
13:31 - 13:33抗ウイルス防衛システムに
欠陥があると -
13:33 - 13:38なぜ前立腺がんを患うのか?
-
13:38 - 13:41ウイルスの影響が
あるのでしょうか? -
13:41 - 13:47そこで100例を超える腫瘍由来DNAを
チップで分析してみました -
13:47 - 13:50RNASELの欠陥者のものがどれか
わかっています -
13:50 - 13:53信号が陽性となる
チップの部分は -
13:53 - 13:57レトロウイルスの
塩基配列でした -
13:57 - 13:59抗ウイルス防衛システムに
欠陥があり -
13:59 - 14:03がんを患った男性からは
-
14:03 - 14:0740%の確率で
-
14:07 - 14:10未知の レトロウイルスが
陽性になりました -
14:10 - 14:13ちょっとした発見と
思いませんか? -
14:13 - 14:16そこで このウイルスを
クローン化しました -
14:16 - 14:18コンピューターの自動解析では
-
14:18 - 14:21ネズミのウイルスと非常に
似ているということしか -
14:21 - 14:22わかりませんでした
-
14:22 - 14:24そこでウイルス全体を
クローン化したのです -
14:24 - 14:26これがウイルスのゲノムです
-
14:26 - 14:28典型的な ガンマレトロウイルスですが
-
14:28 - 14:30誰も見たことのないものです
-
14:30 - 14:33一番似ているのは
マウスのウイルスです -
14:33 - 14:37そこで このウイルスを
マウス以外の動物に感染するので -
14:37 - 14:40「異種指向性レトロウイルス」と
呼ぶことにしました -
14:40 - 14:42これは 他のウイルスとの関係を表す
-
14:42 - 14:44進化系統樹です
-
14:44 - 14:47数多くの患者で調べた結果
-
14:47 - 14:50感染源はすべて
個々のものだと言えます -
14:50 - 14:51同じウイルスですが
-
14:51 - 14:53異なり方から
-
14:53 - 14:56個別に感染したと考えられます
-
14:56 - 14:58このウイルスは 本当に
がんの中にあったのか? そうです -
14:58 - 15:01がんを取り出し
組織を薄く切って -
15:01 - 15:03ウイルスの存在場所を
特定したところ -
15:03 - 15:07ウイルス粒子を持つ
細胞が見つかりました -
15:07 - 15:09患者はまさに ウイルスに
感染していたのです -
15:09 - 15:11このウイルスが前立腺がんの
原因なのでしょうか? -
15:11 - 15:15まだ 因果関係は分かりません
-
15:15 - 15:17発がんとの関連はわかりません
-
15:17 - 15:21これらの患者が
ウイルスに侵されやすいのでしょうか? -
15:21 - 15:24可能性はありますが
がんとは無関係かも知れません -
15:24 - 15:25しかし あくまで可能性です
-
15:25 - 15:28現段階では ウイルスの存在と
-
15:28 - 15:31がんに関連する遺伝子の変異に
強い繋がりがある -
15:31 - 15:32それしかわかりません
-
15:32 - 15:36調べれば調べるほど
疑問が膨らむ -
15:36 - 15:38そこが科学の強いところです
-
15:38 - 15:40これは研究室にいる
-
15:40 - 15:41皆の努力の成果です
-
15:41 - 15:43これは私と ドンの共同研究
-
15:43 - 15:45これがこのプロジェクトを
始めた仲間 -
15:45 - 15:47これが前立腺関係の
研究をしている仲間です -
15:47 - 15:50ありがとうございました(拍手)
- Title:
- 医学の謎を解く原因ウイルス診断法
- Speaker:
- ジョー・デリシ
- Description:
-
生化学者 ジョー・デリシがDNAを使った驚くべき原因ウィルス診断法そして病気の治療法を紹介します。デリシ博士の研究はマラリア、 SARS、 鳥インフルエンザの研究や、通常の診療で診断できない60%のウイルス感染症の解明に役立つことが期待されます。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 15:48
![]() |
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Solving medical mysteries | |
![]() |
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Solving medical mysteries | |
![]() |
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Solving medical mysteries | |
![]() |
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Solving medical mysteries | |
![]() |
Yuko Yoshida edited Japanese subtitles for Solving medical mysteries | |
![]() |
Yuko Yoshida edited Japanese subtitles for Solving medical mysteries | |
![]() |
Yuko Yoshida edited Japanese subtitles for Solving medical mysteries | |
![]() |
Akiko Hicks approved Japanese subtitles for Solving medical mysteries |