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医学の謎を解く原因ウイルス診断法

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    どうしたら私たちの周りにある
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    様々なウイルスを調べ
    医療に役立てられるでしょうか?
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    また 膨大なウイルス学の知識を
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    ひとつの ポータブルな検査に
    まとめられるでしょうか?
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    ウイルスや
    ウイルス検出知識の全てを
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    例えばこのような
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    小さなチップに凝縮したいと考えています
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    このようなプロジェクト--
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    ひとつの検査で
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    同時に 多種の病原体を
    検知する考えには
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    通常 いくつかの問題があります
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    ウイルスはかなり複雑な上
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    急速に進化しています
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    これはピコルナウイルスです
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    ピコルナウイルスの仲間には
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    感冒やポリオを引き起こすものもあります
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    これはウイルスの外観です
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    黄色い部分はウイルスの
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    急速に進化している部分です
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    青い部分は急激に変化していません
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    幅広いウイルス検出の
    試薬の開発では
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    ウイルスが常に進化し続けていることが
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    問題になるものです
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    しかし進化にはバランスがあり
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    激しく進化する部分がある一方で
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    ほとんど変化しない部分もあります
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    そこで 我々は ここに注目しました
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    データをお見せします
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    皆さんも パソコンで
    できるものです
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    感冒やポリオなどを引き起こす
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    様々なピコルナウイルスの
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    ゲノムを細かく区分しました
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    まず コクサッキーウイルスの例ですが
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    細かく分けた塩基配列の
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    青で示した部分は
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    他のウイルスにも共通の
    ゲノム配列です
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    他のウイルスにも共通の
    ゲノム配列です
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    ここの配列を見てください
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    タンパク質のコードでは
    ありませんが
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    この種のウイルス全体に
    見られます
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    この配列をマーカーとすれば
  • 1:53 - 1:55
    個々のウイルスの検出を行わずに
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    この種に属するウイルスを
    幅広く検出できます
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    この辺は 配列が多様な
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    急速に進化している場所です
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    ゆっくり進化している部分では
    多様性が少ないのです
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    一方で 例えば
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    ミツバチ麻痺ウイルスには
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    ミツバチなら避けたいウイルスですが
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    コクサッキーウイルスとの共通点は
    ほとんど ありません
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    でも このような 共通性の少ない
    画面右側のウイルスでも
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    保存されている領域は
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    この部分であるはずです
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    そこでこの「保存されている領域」を取り出し
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    これらの 進化上 変化のごく少ない
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    DNA やRNA の領域を
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    検査用チップの検出に
    使うことができます
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    では どうやってこのチップを作ったか
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    大学院生だったころから
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    DNAチップの作成を
    いろいろ試していました
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    DNAをガラスにプリントするのです
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    小さな白い点が
  • 2:50 - 2:53
    ガラス上のDNAです
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    何千ものDNAをガラスのチップにのせて
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    検出試薬として使用できるのです
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    チップをヒューレットパッカード社にある
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    原子間力顕微鏡を使って
    見てみると
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    原子間力顕微鏡を使って
    見てみると
  • 3:04 - 3:07
    DNA鎖がガラスの上に
    並んでいるのが見えます
  • 3:07 - 3:10
    ガラスにDNAをプリントしているのです
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    これらのDNA鎖が
    病原体のマーカーとなります
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    チップを作る小型ロボットも作っています
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    テクノロジーの普及は
    とても大切だと思います
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    カムリ級の車を買う
    お金があれば
  • 3:23 - 3:25
    このロボットがつくれます
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    ウェブ上に無料で
    詳しい作り方を載せていますので
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    市販の部品を使って 皆さんも
  • 3:31 - 3:34
    自宅のガレージで
    DNAチップ製造機が作れるわけです
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    これは緊急停止ボタンのつくり方です
  • 3:37 - 3:39
    (笑)
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    どんな重要な機械も大きな赤いボタンが必要です
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    とてもがっしりした機械です
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    ガレージでDNAのチップが作れるのです
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    遺伝子のプログラムをすばやく解読できて
    とっても楽しいですよ
  • 3:51 - 3:52
    (笑)
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    とても素晴らしい プロジェクトです
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    呼吸器系ウイルスチップ の作製も
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    始めました
  • 4:00 - 4:04
    病院に行っても 診断がつかないことが
    ありますよね
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    そこで 呼吸器ウイルス全てと
  • 4:06 - 4:10
    念のためにヘルペスウイルスも
    ひとつのチップにのせました
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    科学の研究でまず大切なのが
  • 4:12 - 4:13
    実験の有効性を確かめることです
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    そこで 組織培養細胞を
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    様々なウイルスに感染させ
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    培養細胞から取り出した
    ウイルスの遺伝物質である
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    核酸に蛍光のラベルをつけ
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    DNAチップのどこにくっつくか
    調べました
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    DNA配列が合えば くっつくので
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    チップ上の点を見て
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    光っていれば特定のウイルスがあることがわかります
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    これがそのチップです
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    赤い点はウイルスからの信号です
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    それぞれの点は
    違う種のウイルスを表しています
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    これを見ても解りにくいので
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    ウイルスの種ごとに
    短いバーコードで表示して
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    結果が直観的に得られるようにします
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    アデノウイルスに感染させた
  • 4:54 - 4:56
    組織培養細胞を調べてみると
  • 4:56 - 5:00
    アデノウイルスの所に黄色いバーコードが見えるでしょう
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    パラインフルエンザ3型の感染細胞の場合は
  • 5:03 - 5:05
    ここに小さなバーコード
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    RSウイルスでも試しました
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    このウイルスは全国の保育所の
    悩みの種です
  • 5:10 - 5:12
    このウイルスは全国の保育所の
    悩みの種です
  • 5:12 - 5:13
    (笑)
  • 5:13 - 5:17
    同じ仲間であっても
  • 5:17 - 5:21
    重症になる パラインフルエンザ3型とは
    全く違うのがわかります
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    ウイルスの指紋といえる
    独特のサインが得られるのです
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    ポリオとライノウイルスも仲間で
    とても似ています
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    ライノウィルスは感冒の原因
    ポリオはご存じのとおり
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    でも それぞれを区別することができます
  • 5:32 - 5:35
    カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスが
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    独特のサインを示しています
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    ひとつの縞模様ではなく
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    バーコードひとかたまりを見ることで
  • 5:41 - 5:45
    ウイルスの全体像がわかるのです
  • 5:45 - 5:47
    さて ライノウイルス に注目します
  • 5:47 - 5:49
    ライノウイルスのバーコードを
    拡大したものです
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    異なるライノウイルスはどうでしょう
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    どの種に感染しているか
    分かるでしょうか?
  • 5:53 - 5:56
    研究者が集めた限りでは
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    感冒には102種類ものウイルスが関連しています
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    毎年 新しいウイルスが見つかります
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    ここには4種類のライノウイルスがあります
  • 6:03 - 6:05
    肉眼でも
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    パターン照合を行う複雑なコンピューターの
  • 6:07 - 6:09
    認識ソフトアルゴリズムがなくても
  • 6:09 - 6:12
    バーコードを識別することができます
  • 6:12 - 6:14
    でも これでは研究として
    十分とは言えません
  • 6:14 - 6:17
    ここにある ライノウイルスの
    遺伝子配列を知っているので
  • 6:17 - 6:18
    特にそれらの識別用に
  • 6:18 - 6:20
    チップをデザインすれば良かったからです
  • 6:20 - 6:24
    では 遺伝子配列が解析されていない
    ものではどうでしょう?
  • 6:24 - 6:26
    新しく見つかったものの配列は
    わかりません
  • 6:26 - 6:28
    この4つのライノウイルスは
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    未知のもので
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    配列も解析されていませんが
  • 6:33 - 6:35
    それぞれ独特のパターンを
    持っています
  • 6:35 - 6:38
    全てのウイルスの「指紋」を収集し
  • 6:38 - 6:40
    ネット上などにまとめることが
    できるかもしれません
  • 6:40 - 6:43
    でもこれもまだ生簀で魚釣りをする程
    簡単すぎます
  • 6:43 - 6:45
    組織培養したウイルスではなく
  • 6:45 - 6:47
    実際の人間にも
    この方法は有効でしょうか?
  • 6:47 - 6:49
    人間の状況はそれぞれ違い
  • 6:49 - 6:53
    採取する唾液や痰などにも
    何が混じっているかわかりません
  • 6:53 - 6:56
    しかも とても複雑です
  • 6:56 - 6:59
    たくさんのウイルスや細菌
  • 6:59 - 7:01
    またホスト遺伝物質も持っています
  • 7:01 - 7:02
    では どうすれば
  • 7:02 - 7:04
    テストの有効性を
    証明する人間が作れるか?
  • 7:04 - 7:06
    実は簡単です
  • 7:06 - 7:08
    私が鼻洗浄を受けているところです
  • 7:08 - 7:13
    要は 試験的にウイルスを植え付けるのです
  • 7:13 - 7:18
    治験審査委員会の承認済みですし
    報酬も払っています
  • 7:18 - 7:21
    基本的には 感冒ウイルスを
  • 7:21 - 7:22
    植え付けます
  • 7:22 - 7:24
    もっと良いのは 患者を救急室から
  • 7:24 - 7:25
    連れてくることです
  • 7:25 - 7:29
    原因不明の気道感染症の患者です
  • 7:29 - 7:31
    本当にいろいろなものが
    病院にはやってきます
  • 7:31 - 7:34
    では菌を植えつけた人から始めましょう
  • 7:34 - 7:36
    健康な人の
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    鼻からウイルスを注入すると
  • 7:38 - 7:39
    どうなるか見てみましょう
  • 7:39 - 7:41
    初日:何も起こっていません
  • 7:41 - 7:43
    健康でウイルスもみつかりません
  • 7:43 - 7:45
    健康な人でも鼻道には様々なウイルスが
    あると思っていたのに
  • 7:45 - 7:46
    健康な人でも鼻道には様々なウイルスが
    あると思っていたのに
  • 7:46 - 7:48
    ほとんど何もありません
    健康な人は健康なんです
  • 7:48 - 7:52
    2日目:はっきりした
    ライノウイルスのパターンが見られます
  • 7:52 - 7:54
    研究室の組織培養のものと
    とても似ています
  • 7:54 - 7:55
    素晴らしいパターンが見える
  • 7:55 - 7:58
    でも まだこれも 実験としては
    ずるをしているようなものです
  • 7:58 - 8:00
    膨大な量のウイルスを
    植えつけたんですから
  • 8:00 - 8:01
    (笑)
  • 8:01 - 8:05
    実験成功のためでしたが
    実際 彼は風邪をひいてしまいました
  • 8:05 - 8:09
    では 病院に来る患者はどうでしょう
  • 8:09 - 8:11
    匿名IDで識別される2名の患者です
  • 8:11 - 8:15
    2人ともライノウイルスに感染しています
  • 8:15 - 8:17
    かつて誰も見たことのない
  • 8:17 - 8:20
    新しいライノウイルスです
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    先ほどの 進化の中で保持された配列
  • 8:22 - 8:24
    この配列を使えば
  • 8:24 - 8:26
    稀で未知なウイルスも検知できます
  • 8:26 - 8:30
    進化を経ても保持された部分を調べるからです
  • 8:30 - 8:33
    ちょっと診断ゲームをしてみましょう
  • 8:33 - 8:35
    ここに示したウィルスたちは
  • 8:35 - 8:37
    パラミクソウイルスの仲間です
  • 8:37 - 8:38
    それぞれのウイルスの
  • 8:38 - 8:40
    どれに反応が出ているでしょうか
  • 8:40 - 8:43
    幸い犬ジステンパーではない様です
  • 8:43 - 8:45
    (笑)
  • 8:45 - 8:47
    しかし9番を見てみると
  • 8:47 - 8:49
    RSウイルスが発見できます
  • 8:49 - 8:52
    家に小さなお子さんが
    いるのかもしれません
  • 8:52 - 8:54
    また 関連したウイルスのRSVBも見つかりました
  • 8:54 - 8:55
    すばらしいです
  • 8:55 - 8:58
    こちらの患者から別々の日に
  • 8:58 - 9:00
    2回サンプルを採取しました
  • 9:00 - 9:03
    パラインフルエンザ1型を患っていました
  • 9:03 - 9:05
    ここに見える 縞でわかるのは
  • 9:05 - 9:08
    センダイウイルス
    マウスパラインフルエンザの一種です
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    遺伝的関連性が非常にあり 面白いでしょう
  • 9:12 - 9:13
    今まで
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    発見された全てのウイルス
  • 9:17 - 9:20
    植物ウイルス 昆虫ウイルス 海洋ウイルス
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    国の遺伝子データバンクから得られる
  • 9:22 - 9:24
    すべての配列を
    このチップに収めました
  • 9:24 - 9:27
    このようなチップの用途を説明します
  • 9:27 - 9:29
    この様な膨大なチップは
  • 9:29 - 9:31
    調べるのも大変なので
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    自動診断ができるシステムを考案しました
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    仮想のパターンを使うシステムです
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    全てのウイルスのサンプルを得るのは
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    不可能ですが
    仮想パターンを使って
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    実際の結果と比較し
  • 9:43 - 9:47
    とても複雑なパターンを
    点数化するわけです
  • 9:47 - 9:50
    それがライノウイルスである可能性はどれくらいか?
  • 9:50 - 9:52
    という具合にです
  • 9:52 - 9:54
    例えばパピローマウイルスに
  • 9:54 - 9:56
    感染している培養細胞を使い
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    コンピューター解析してみます
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    アルゴリズムが示したのは
    パピローマ18型
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    まさに この培養細胞が
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    感染しているウイルスでした
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    少々難しい課題に挑戦しましょう
  • 10:08 - 10:09
    私たちは 診断がつかない患者が
  • 10:09 - 10:12
    病院に来た時に連絡するよう
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    サンフランシスコ近郊の病院に
  • 10:14 - 10:16
    頼んであります
  • 10:16 - 10:18
    3週間前にあったケースです
  • 10:18 - 10:21
    喫煙も飲酒もしない
  • 10:21 - 10:24
    旅行歴のない健康な28歳の女性です
  • 10:24 - 10:28
    症状は 10日間の発熱
    寝汗に血痰
  • 10:28 - 10:30
    血痰を伴う咳や
    筋肉痛もありました
  • 10:30 - 10:34
    病院へ行き 抗生物質を処方されました
  • 10:34 - 10:35
    そして帰宅
  • 10:35 - 10:39
    ところが熱は下がらず
    10日後 再び病院へ行くと
  • 10:39 - 10:42
    肺に十分な酸素が取り込めなくなっていました
  • 10:42 - 10:43
    CTスキャンの結果です
  • 10:43 - 10:47
    健康な肺は全体的に黒っぽく写ります
  • 10:47 - 10:49
    白い影は良くない所です
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    この木とつぼみのような影は 炎症です
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    感染を示唆しています
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    第3世代セファロスポリン系抗生物質や
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    ドキシサイクリンを投与し3日経っても
  • 11:01 - 11:05
    効果がなく
    呼吸不全に陥り
  • 11:05 - 11:08
    喉から管を入れて
  • 11:08 - 11:09
    人工呼吸機器を装着しました
  • 11:09 - 11:11
    自分では呼吸できない状態だったのです
  • 11:11 - 11:13
    次の手段もわからないまま
  • 11:13 - 11:16
    さらに抗生物質を変えた末
  • 11:16 - 11:18
    なぜインフルエンザだと
  • 11:18 - 11:20
    思ったのかわかりませんが
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    タミフルが処方されました
  • 11:22 - 11:24
    6日目には最後の手段である
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    死亡率8%の
  • 11:28 - 11:30
    開胸肺生検が行われました
  • 11:30 - 11:33
    何がわかったのでしょうか?
  • 11:33 - 11:35
    これが検査結果です
  • 11:35 - 11:37
    多くの腫脹や炎症があることしか
  • 11:37 - 11:40
    分かりませんでした
  • 11:40 - 11:43
    結論は「原因不明」
  • 11:43 - 11:46
    病院独自の検査で
  • 11:46 - 11:47
    70種類以上の分析が
  • 11:47 - 11:50
    行われました
  • 11:50 - 11:53
    細菌・カビ類・ウイルスに関する
  • 11:53 - 11:55
    既存の検査の全てです
  • 11:55 - 11:58
    SARS、メタニューモウイルス、HIV、RSVもです
  • 11:58 - 12:02
    10万ドル以上かかりましたが 全て「陰性」でした
  • 12:02 - 12:05
    病院側としては
    出来る限りのことをしたのです
  • 12:05 - 12:08
    8日目に 私たちに連絡があり
  • 12:08 - 12:10
    気管内吸引のサンプルを受け取りました
  • 12:10 - 12:12
    チューブを喉の奥まで通して
  • 12:12 - 12:14
    採取した液体です
  • 12:14 - 12:19
    その液体をチップに載せたところ なんと
  • 12:19 - 12:21
    パラインフルエンザ4型が現れました
  • 12:21 - 12:24
    普通 パラインフルエンザ4型の
    テストはしません
  • 12:24 - 12:27
    配列も解明されておらず
  • 12:27 - 12:29
    疫学的にも
  • 12:29 - 12:31
    ほとんど研究されていなかった
  • 12:31 - 12:33
    誰もそれが呼吸不全を起こすとは
  • 12:33 - 12:36
    思わなかったからです
  • 12:36 - 12:39
    このウイルスに関する
  • 12:39 - 12:43
    データがなかったからです
  • 12:43 - 12:46
    でも 今回 健康な人でも
    重症になることがわかりました
  • 12:46 - 12:49
    ひとつの症例報告です
  • 12:49 - 12:51
    さて 最後の2分間で
  • 12:51 - 12:54
    明日 発表される研究についてお話します
  • 12:54 - 12:57
    このチップが 新たな発見のために
  • 12:57 - 12:59
    応用しうることを示したケースです
  • 12:59 - 13:03
    「前立腺がん」については
  • 13:03 - 13:06
    皆さんよくご存じでしょう
  • 13:06 - 13:08
    米国でのがん死因の第3位
  • 13:08 - 13:10
    多くの危険因子のうちの一つが
  • 13:10 - 13:14
    「遺伝的要因」です
  • 13:14 - 13:16
    前立腺がんの約10%は
  • 13:16 - 13:18
    遺伝が関わっています
  • 13:18 - 13:22
    早期発症型の前立腺がんには
  • 13:22 - 13:26
    RNASELという遺伝子が関わっています
  • 13:26 - 13:29
    抗ウイルス防衛酵素を作るものです
  • 13:29 - 13:31
    そこで考えました
  • 13:31 - 13:33
    抗ウイルス防衛システムに欠陥があると
  • 13:33 - 13:38
    なぜ前立腺がんを患うのか?
  • 13:38 - 13:41
    ウイルスの影響があるのでしょうか?
  • 13:41 - 13:47
    そこで100例を超える腫瘍を
    我々のチップにのせてみました
  • 13:47 - 13:50
    RNASELの欠陥者のものがどれか
    わかっています
  • 13:50 - 13:53
    チップが示したのは
  • 13:53 - 13:57
    レトロウイルスの断片でした
  • 13:57 - 13:59
    抗ウイルス防衛システムに欠陥があり
  • 13:59 - 14:03
    がんを患った男性からは
  • 14:03 - 14:07
    40%の確率で
  • 14:07 - 14:11
    未知の レトロウイルスの
    サインが見つかりました
  • 14:11 - 14:14
    ちょっとした発見と思いませんか?
  • 14:14 - 14:15
    そこで このウイルスをクローンしました
  • 14:15 - 14:19
    コンピューターの自動解析では
  • 14:19 - 14:21
    ネズミのウイルスと非常に似ているということしか
  • 14:21 - 14:22
    わかりませんでした
  • 14:22 - 14:24
    そこでウイルス全体をクローンしたのです
  • 14:24 - 14:26
    これがウイルスのゲノムです
  • 14:26 - 14:29
    典型的な ガンマレトロウイルスですが
  • 14:29 - 14:30
    誰も見たことのないものです
  • 14:30 - 14:33
    一番似ているのはマウスのウイルスです
  • 14:33 - 14:37
    そこでこのウイルスを
    マウス以外の動物に感染するので
  • 14:37 - 14:40
    「異種指向性レトロウイルス」と
    呼ぶことにしました
  • 14:40 - 14:42
    これは 他のウイルスとの関係を表す
  • 14:42 - 14:44
    進化系統樹です
  • 14:44 - 14:47
    数多くの患者で調べた結果
  • 14:47 - 14:50
    感染源は独立したものだと言えます
  • 14:50 - 14:51
    同じウイルスですが
  • 14:51 - 14:54
    異なり方から
  • 14:54 - 14:56
    個別に感染したと考えられます
  • 14:56 - 14:58
    このウイルスは 本当にがんの中にあったのか?そうです
  • 14:58 - 15:01
    がんを取り出し 組織を薄く切って
  • 15:01 - 15:03
    場所を特定する物質を使ったところ
  • 15:03 - 15:07
    ウイルス粒子を持つ
    細胞が見つかりました
  • 15:07 - 15:09
    患者はまさに ウイルスに感染していたのです
  • 15:09 - 15:11
    このウイルスが前立腺がんの原因なのでしょうか?
  • 15:11 - 15:15
    まだ 詳しくは分かりません
  • 15:15 - 15:17
    発がんと関連があるかはわかりません
  • 15:17 - 15:21
    ウイルスに侵されやすい人が
    いるというのでしょうか?
  • 15:21 - 15:24
    その可能性はあります
  • 15:24 - 15:25
    しかし あくまで可能性です
  • 15:25 - 15:28
    現段階では ウイルスの存在と
  • 15:28 - 15:31
    がんに関連する遺伝子の変異に
    強い繋がりがある
  • 15:31 - 15:32
    それしかわかりません
  • 15:32 - 15:36
    調べれば調べるほど疑問が膨らむ
  • 15:36 - 15:38
    それが科学の宿命なのです
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    これは研究室にいる
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    皆の努力の成果
  • 15:41 - 15:42
    これは私と ドンの共同研究
  • 15:42 - 15:45
    これはこのプロジェクトを始めた仲間
  • 15:45 - 15:47
    これは前立腺関係の研究をしている仲間です
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    ありがとうございました(拍手)
Title:
医学の謎を解く原因ウイルス診断法
Speaker:
ジョー・デリシ
Description:

生化学者 ジョー・デリシがDNAを使った驚くべきウィルス診断法そして病気の治療法を紹介します。デリシ博士の研究はマラリア、 SARS、 鳥インフルエンザの研究や、60%を占める通常の原因不明のウイルス感染の解明に役立つことが期待されます。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
15:48

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