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「悪魔の子」から「バレリーナの星」へ | ミケーラ・デ・プリンス | TEDxAmsterdam 2014

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    私は ミケーラ・デ・プリンスといいます
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    スピーチの原稿を書き始めたとき
  • 0:22 - 0:26
    おとぎ話みたいなひねりを
    利かせられるかもと思いました
  • 0:26 - 0:30
    私の人生はおとぎ話のようだと
    よく言われるからです
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    でも 私自身はまったくそうは思いません
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    確かに夢は叶いましたが
    闘わねばなりませんでした
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    昔からミケーラ・デ・プリンスだったわけではなく
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    元の名前はマビンティ・バングラといいます
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    1995年 西アフリカのシエラレオネで生まれました
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    血みどろの内戦が終わった4年後のことです
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    何千もの人が難民となり
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    何千もの子供と女性がレイプされ
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    5万人以上の人が殺されました
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    私の両親もその中にいました
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    私は生まれつき
    白斑という皮膚病を患っており
  • 1:12 - 1:14
    体中に白いまだらとなって残りました
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    みんなと違っていたのです
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    シエラレオネでは
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    白い斑点を持って生まれてきた
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    というだけで
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    呪われている子なのだと思われました
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    そして「悪魔の子」と呼ばれるようになりました
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    こんな見た目ならば
    悪魔の子に違いないからです
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    見た目が違うという理由で
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    人々から虐げられました
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    両親は私をできる限り
    守ろうとしてくれましたが
  • 1:42 - 1:45
    こんな姿の私には
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    一生結婚できないと考えました
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    私に教育を受けさせようと
    読み方を教えてくれ
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    学校へ行くための貯金も始めました
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    しかし 両親が亡くなると
    私は無力で孤独になりました
  • 1:58 - 2:01
    これほど恐ろしかったことはありません
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    叔父は花嫁として
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    高く売れない私を孤児院に連れて行き
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    私を迎えに戻ることはありませんでした
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    孤児院ではおばさんたちが
    お世話をしてくれました
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    といっても 家庭にいる
    愛情あふれるおばさんではありません
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    そういうおばさんは
    何をしても大切にしてくれます
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    孤児院のおばさんは教養のない女性たちで
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    自分の家族を養うために
    私たちの世話をするのです
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    私たちの洋服を洗濯し ご飯を作ってくれます
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    しかし そんな彼女らにも「お気に入り」がいました
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    孤児院には27人の子供が住んでいました
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    「1番」が1番たくさん食べ物をもらい
    洋服も1番最初に選べます
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    「27番」がもらえる食べ物は1番少なく
    洋服も1番最後に選びます
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    私は「27番」でした
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    孤児院では始終お腹を空かせていました
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    こんなに寂しい思いをしたのは初めてでした
  • 3:02 - 3:04
    どうして私がこんな目に遭うのでしょう?
  • 3:04 - 3:08
    この時 誰のことも大切に思わない方が
    楽だと悟りました
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    なぜなら 結局みんな
    私を置き去りにするからです
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    そのうち私にも孤児院で友達ができました
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    彼女の名前はマビンティ・スーマ
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    「26番」は病気がちだったけれど
    いつも優しくて
  • 3:25 - 3:28
    いつも明るさいっぱいでした
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    「26番」はいつも私の心配事や
    夢に耳を傾けてくれました
  • 3:32 - 3:35
    私が怖がると 歌を歌ってくれました
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    眠れない時は お話を聞かせてくれました
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    そして「26番」は 15年経った今でも
    妹 ミアとしてそばにいてくれます
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    そしてある日―
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    強風で1冊の雑誌が
    孤児院の門の前に吹き飛ばされてきました
  • 3:53 - 3:56
    手を伸ばし 掴んでみると
  • 3:56 - 3:58
    何かが見えました
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    それはとても美しく
    今まで見たことのないような人でした
  • 4:01 - 4:05
    彼女はつま先立ちで
    ピンクのチュチュに包まれていました
  • 4:05 - 4:10
    しかし 何より私の心を打ったのは
    彼女がとても幸せそうに見えたことです
  • 4:10 - 4:13
    私は長い間幸せではありませんでした
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    そこで こう思ったのです
    「もし彼女が幸せなのは やっていることのおかげなら
  • 4:18 - 4:21
    私もいつか幸せになれるかもしれない
  • 4:21 - 4:23
    今の私とは違う誰かになるために
  • 4:23 - 4:25
    何が何でも この人にならなくちゃ」
  • 4:26 - 4:30
    私はその雑誌の表紙をちぎって
    下着の中に入れました
  • 4:30 - 4:32
    他には隠す場所がなかったのです
  • 4:32 - 4:35
    「27番」だった私は何もすることがなく
  • 4:35 - 4:38
    おもちゃも洋服ももらえなかったのです
  • 4:38 - 4:40
    下着の中以外 どこへ隠せたでしょうか?
  • 4:41 - 4:45
    それから 英語を教えるために
    孤児院に先生がやってきました
  • 4:45 - 4:48
    彼女はその時妊娠していました
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    サラ先生に雑誌の表紙を見せると
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    その人はバレエを踊っているのだと教えてくれました
  • 4:53 - 4:55
    彼女はバレリーナだったのです
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    このバレリーナにならなくちゃ
    何が何でも
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    バレリーナのように 毎日
    つま先立ちになって練習をしました
  • 5:05 - 5:07
    すべて順調で
    私を気にかけてくれる人も現れたので
  • 5:07 - 5:10
    もしかしたら いつか
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    バレリーナにもなれるかもしれないと思いました
  • 5:14 - 5:16
    サラ先生は私にとても良くしてくれました
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    彼女はよい教育を受けることが
    いかに大切か知っていたので
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    いつでも私に特別レッスンをしてくれました
  • 5:22 - 5:27
    何回目かの特別レッスンの後
    サラ先生と私は二人で門へと向かいました
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    私は雑誌のバレリーナのように
    くるくる回りながら歩いていました
  • 5:31 - 5:35
    すると突然 二人の反乱軍兵士と
    後ろから遅れて少年兵が1人
  • 5:35 - 5:37
    門の方へやってきました
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    すぐそこの角にはトラックに乗った沢山の反乱軍が
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    声を上げながら笑っていました
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    きっと彼らは酔っていたか
    薬をやっていたかでしょう
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    彼らは私たちを見つけると
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    先生が妊婦であることに気づきました
  • 5:52 - 5:55
    彼らはお腹の子が
    男の子か女の子かで賭けを始め
  • 5:55 - 5:58
    どっちであるかを調べることにしました
  • 5:58 - 6:02
    ナイフを取り出して
    先生のお腹を切り裂いたのです
  • 6:02 - 6:04
    赤ちゃんは女の子でした
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    もし男の子だったら 大きくなってから
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    反乱軍になるよう教えこめるから
    生きられたかもしれません
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    実際は女の子だったので兵士は
    私の前でその子の腕と足を切り落としました
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    私は赤ちゃんを助けようと
    門の下をくぐろうとしました
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    すると 少年兵が大人のまねをしようと
  • 6:21 - 6:25
    ナイフを取り出して 私のお腹を切ったのです
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    さて ここまでの
    私の人生の始まりの話を聞いて
  • 6:33 - 6:35
    おとぎ話だと思いますか?
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    でも やがて私の人生に転機が訪れます
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    まもなく いいことが私の人生に起きるのです
  • 6:43 - 6:46
    私はアメリカ人の家族に
    引き取られることを知りました
  • 6:47 - 6:50
    受け入れ先までの道は長かったです
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    孤児院の子供はみな
    歩かなければいけません
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    シエラレオネのマケニから
    はるばるギニアまで
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    そしてギニアからは
    飛行機でガーナのアクラまで行きました
  • 7:05 - 7:10
    飛行機から降りた時
    私はかなり気分が悪く 惨めなだけでした
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    私の人生が良くなるというのでしょうか?
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    私は「悪魔の子」であり
    いい事がある訳がないのです
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    惨めに感じた もうひとつの理由は
    親友にもう会えないと思ったからです
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    でも その時あの人に会ったのです
    真っ赤な靴をはいて
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    見たことのないほど真っ白な髪をした女性でした
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    彼女が私の新しいママでした
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    彼女は手を差し伸べ
    「私があなたの新しいママよ」と言いました
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    彼女は私と親友の手をとり
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    一緒に連れて行ってくれました
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    私は親友と一緒に養子になったのです
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    ホテルにつき
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    ママが荷物を置くと
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    私は隅から隅まで くまなく
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    トゥシューズとティアラと
    チュチュがないか探しました
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    おとぎ話だったら いつだって
    そうなるはずでしたから
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    でも 何もありませんでした
  • 8:08 - 8:10
    英語が話せなかったので
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    雑誌を見せればわかってくれるかもと思い
  • 8:14 - 8:16
    下着から雑誌の表紙を取り出し
    彼女に見せました
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    彼女はすぐに理解し
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    「踊れるわよ」と言ってくれました
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    アメリカに着くと
    バレエのクラスを受け始めました
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    毎日ママが送り迎えしてくれました
  • 8:28 - 8:30
    初めてのバレエのレッスンの前は
  • 8:30 - 8:34
    肌にある斑点を見て
    クラスの子にからかわれるのが怖くて
  • 8:34 - 8:39
    斑点が隠れるレオタードを買ってと
    ママにお願いしました
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    長袖で首まで隠れるレオタードです
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    とっても暑苦しく
    すぐに脱がされました
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    そしてピンクのレオタードとタイツをはくことにしました
  • 8:49 - 8:52
    週に1回通っていたのが 2回になり
  • 8:52 - 8:54
    10歳になる頃には
  • 8:55 - 8:57
    週に5回はレッスンするようになりました
  • 8:57 - 9:01
    あのバレリーナになるため
    一生懸命に練習しました
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    それが幸せになれる唯一の道でした
  • 9:05 - 9:08
    しかし私はその間に
    ある人を亡くしました
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    24歳の兄 テディーです
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    兄は男性不信を克服させてくれた人です
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    怒鳴り散らす黒人男性や
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    男性一般や父親への恐怖心を和らげてくれた人です
  • 9:27 - 9:30
    また誰かを大切に思ったがゆえに
    起こってしまったことでした
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    大切な人は死に 私の元から去っていきます
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    家族が死んで ひとりになったら
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    どうしていいかわからないので
    家族と距離を置くことにしました
  • 9:39 - 9:42
    大切に思うがゆえに
    彼らを死なせたくなかったのです
  • 9:43 - 9:45
    しかし 両親はこう言いました
  • 9:45 - 9:48
    愛する人が死んだとしても
  • 9:48 - 9:51
    その愛情は私の心に残るのだと
  • 9:51 - 9:54
    愛する人々の愛があってこそ
    今の私があります
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    何年もの間 練習を頑張り
    ついにその努力が報われました
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    プロのバレエ団への入団が決まったのです
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    ずっと夢に見ていたバレリーナになれたのです
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    信じられませんでした
  • 10:12 - 10:16
    どうして私にこんなことが起こりうるのでしょう?
    「悪魔の子」だった私に
  • 10:18 - 10:20
    この努力をすべてもってしても
  • 10:21 - 10:25
    まさかこの夢が叶うなんて
    思いもしませんでした
  • 10:26 - 10:29
    私はついにとても幸せになりました
    初めて幸せをかみしめました
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    今日私がここに立っている理由―
    私の物語をお話しする理由は
  • 10:35 - 10:39
    夢を追う若者を応援したいからです
  • 10:39 - 10:43
    人と違ってもいい―
    目立ってもいいのだということを
  • 10:43 - 10:45
    知ってもらいたいです
  • 10:45 - 10:47
    私は周りの人と違います
  • 10:47 - 10:50
    自分に才能がないと思っても
  • 10:50 - 10:54
    才能を秘めている自分を
    信じてほしいのです
  • 10:54 - 10:56
    あなたがどんな状況にあろうと
  • 10:56 - 10:59
    どんなに貧しくて惨めな時でも
  • 10:59 - 11:01
    信じてください
  • 11:01 - 11:04
    大きな夢を抱き
    自分を超えていくのです
  • 11:04 - 11:09
    あえて他の人とは違うあなたになって
    周りを気にせず あえて目立っていいのです
  • 11:09 - 11:14
    最後に1番大切なのは
    生きることと人を愛することを恐れないことです
  • 11:14 - 11:18
    私が自分自身を表現する方法
    それがバレエです
  • 11:23 - 11:26
    (バレエを踊る様子)
  • 12:24 - 12:26
    (拍手)
Title:
「悪魔の子」から「バレリーナの星」へ | ミケーラ・デ・プリンス | TEDxAmsterdam 2014
Description:

1995年にマビンティ・バングラとして生まれたミケーラ・デ・プリンスは、たくさんの顔を持っています。彼女の人生の物語は努力や困難、苦悩の連続で、大切な人を失いもしましたが、達成や愛情、喜び、そして大きな夢もあります。ミケーラのメッセージは、大きくはっきりとしています:自分の才能を信じて夢を抱くこと、そして勇気をもって愛し生きることです。生きることと愛することを決して恐れないで、と彼女は伝えています。

このビデオはTEDカンファレンスとは独立して運営されるTEDxイベントにおいて収録されたものです。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
12:32

Japanese subtitles

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