月の錯視/アンドリュー・ヴァンデン・ヒューヴェル
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0:10 - 0:13月を見て 不思議に
思ったことはありますか? -
0:13 - 0:14なぜ地平線近くの月は大きく
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0:14 - 0:16空高く昇る月は小さいのかと
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0:16 - 0:18そう感じる人は他にもいます
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0:18 - 0:20古くより人々は
この不思議な現象に -
0:20 - 0:21頭をひねってきたのです
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0:21 - 0:24驚くことに 未だ明確な答えは
出ていませんが -
0:24 - 0:26努力はしてきました
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0:26 - 0:29歴史に名を残す哲学者たち ―
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0:29 - 0:29アリストテレス
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0:29 - 0:30プトレマイオス
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0:30 - 0:31ダ・ヴィンチ
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0:31 - 0:32デカルト
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0:32 - 0:33彼らも現象の解明に取り組みましたが
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0:33 - 0:37十分な説明には至りませんでした
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0:37 - 0:38まず唱えられた説の1つに
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0:38 - 0:40空に浮かぶ月は 地平線近くにある時
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0:40 - 0:43実際に大きく見える
という説があります -
0:43 - 0:46月の出入り時 地球の大気が
巨大なレンズのような働きをし -
0:46 - 0:48月が大きく見えるのだろう
という考えです -
0:48 - 0:51しかし この説は
妥当性に欠けるものでした -
0:51 - 0:53大気の屈折があった場合
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0:53 - 0:55月はむしろ少し小さく
見えるはずだからです -
0:55 - 0:59それに 実際に月の大きさを
異なる位置で測ってみても -
0:59 - 1:01月の大きさは変わりません
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1:01 - 1:02では なぜ月は出入りする時に
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1:02 - 1:04大きく見えるのでしょう
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1:04 - 1:06きっと一種の目の錯覚に違いありません
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1:06 - 1:08では どんな錯覚なのでしょうか
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1:08 - 1:11まず「エビングハウス錯視」が
挙げられます -
1:11 - 1:132つの全く同じ物体が
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1:13 - 1:15周囲との相対的な大きさにより
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1:15 - 1:17異なる大きさに見えるという現象です
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1:17 - 1:21中心にある2つの円は
実は同じ大きさです -
1:21 - 1:23地平線近くの月が
大きく見えるのは -
1:23 - 1:25遠くにあって小さく見える ―
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1:25 - 1:28木や家 塔が
月の近くにあるためです -
1:28 - 1:29一方 空高く昇る月は
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1:29 - 1:32果てしなく広がる
夜空の闇に包まれているので -
1:32 - 1:34相対的に月は小さく見える
というわけです -
1:34 - 1:37他に考えられる説として
「ポンゾ錯視」も有名です -
1:37 - 1:40遠近法を使って絵を描くとき
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1:40 - 1:42地平線に近いものほど
小さく描くことは -
1:42 - 1:44ご存じでしょう
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1:44 - 1:47私たちの脳は 無意識的に
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1:47 - 1:49地平線近くにある物を
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1:49 - 1:51実際より大きく捉えるのです
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1:51 - 1:53描かれた2本の黄色い線は
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1:53 - 1:54同じ長さですが
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1:54 - 1:56上の線の方が長く見えるのは
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1:56 - 1:57地平線に より近いと
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1:57 - 1:59脳が解釈するからです
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1:59 - 2:01「エビングハウス錯視」と
「ポンゾ錯視」により -
2:01 - 2:04「月の錯視」の謎が
解けたかに思えますが -
2:04 - 2:07残念ながらこれらの説では
説明しきれない事象が -
2:07 - 2:08残っています
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2:08 - 2:11もし単に「エビングハウス錯視」の
影響だとしたら -
2:11 - 2:13雲の上を飛ぶパイロットには
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2:13 - 2:16「月の錯視」は起こらないでしょう
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2:16 - 2:20地平線近くに
月より小さな物体がないからです -
2:20 - 2:23しかし 実際
パイロットや洋上の船員にも -
2:23 - 2:25「月の錯視」は起こるのです
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2:25 - 2:28さらに地平線近くの物体の大きさを
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2:28 - 2:30脳が勝手に修正するとしたら
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2:30 - 2:34プラネタリウムでも
「月の錯視」が起こるはずです -
2:34 - 2:35プラネタリウムでは
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2:35 - 2:36水平線を含む空全体が
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2:36 - 2:39頭上の球状のドームに
投影されているからです -
2:39 - 2:41しかし多くの研究により
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2:41 - 2:42錯視はないことが示されています
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2:42 - 2:44さらに 困ったことに
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2:44 - 2:48腰をかがめて脚の間から
月を見た場合には -
2:48 - 2:50「月の錯視」が全く起こらないようです
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2:50 - 2:52途方もない話になってきましたね
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2:52 - 2:55現在 有力とされている説に
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2:55 - 2:57「輻輳(ふくそう)による
小視説」があります -
2:57 - 3:00私たちの脳は
目の焦点を合わせることで -
3:00 - 3:01物体までの距離と
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3:01 - 3:03見かけの大きさを判断します
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3:03 - 3:05地平線を見る時
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3:05 - 3:07目の焦点は遠くに合うため
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3:07 - 3:09脳はあなたが
遠くを見ていると認識します -
3:09 - 3:11そこに ある一定の大きさで
月が現れます -
3:11 - 3:15すると脳は月が遠くにある ―
すなわち -
3:15 - 3:17月は大きいはずだと
結論づけるのです -
3:17 - 3:19しかし 夜空を見上げる時には
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3:19 - 3:21焦点を合わすものがないので
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3:21 - 3:22眼は「調節安静位」
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3:22 - 3:25つまり数メートル先に
焦点が合っている状態になります -
3:25 - 3:28その結果
脳は月が実際より近くにある ― -
3:28 - 3:30つまり その月は
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3:30 - 3:32思ったほど 大きくはないと
結論づけるのです -
3:32 - 3:34月が地平線近くにある時に
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3:34 - 3:36大きく見える説明ではなく
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3:36 - 3:37「輻輳による小視説」は
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3:37 - 3:40月が頭上にある時
小さく見える理由を説明しています -
3:40 - 3:42まだ納得できませんか?
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3:42 - 3:45実際 腑に落ちない
科学者も多いようで -
3:45 - 3:48「月の錯視」をめぐる議論は尽きません
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3:48 - 3:49月が夜空に輝き続ける限り
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3:49 - 3:51議論は続くでしょう
- Title:
- 月の錯視/アンドリュー・ヴァンデン・ヒューヴェル
- Speaker:
- アンドリュー・ヴァンデン・ヒューヴェル
- Description:
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地平線近くの月は大きく、空高く昇る月は小さく見えるのはなぜか不思議に思ったことはありますか?実際どちらの月も全く同じ大きさなのですが、なぜ異なって見えるのでしょう。科学者による解明には至っていませんが、興味深い学説は多くあります。錯視の要因である焦点、距離に着目し、アンドリュー・ヴァンデン・ヒューヴェルが錯視の謎を解き明かします。
講師:アンドリュー・ヴァンデン・ヒューヴェル
アニメーション:Kozmonot Animation Studio
*このビデオの教材:http://ed.ted.com/lessons/the-moon-illusion-andrew-vanden-heuvel - Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:09
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