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インターネット:暗号(あんごう)と公開カギ(こうかいかぎ)
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はい、わたしはミラ ギルエプナー。UCバークレー校でコンピュータサイエンスを学び
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情報の安全をまもるために、国防省で働いています。
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インターネットはオープンでパブリックなシステム。
私たちはみな、回線を共有して、情報をやり取りしています。
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オープンシステムだとしても、多くのプライベートなデータをやりとりします。
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たとえば、クレジットカードの番号、銀行口座、パスワード、メール。
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これらのプライベートな情報は、どのように守られるでしょうか?
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暗号(あんごう)によって、データは、まぜられ、おきかえられ、読めなくなり、秘密(ひみつ)にされます。
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複合(ふくごう)は、これを元にもどして、読めるようにすることです。
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これは、単純なアイデアで、人々は昔からこれを行ってきました。
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さいしょの有名な暗号は、「シーザー暗号」です。
シーザーは、ローマの将軍、ジュリアス・シーザーです。
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かれは、軍の指令が、敵に読まれないように、暗号を使いました。
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シーザー暗号のアルゴリズムは、それぞれの文字を
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アルファベット表で、いくつか後の文字に置きかえるものです。
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送り手と受け手だけが知っている数を「カギ」と呼びます。
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「カギ」をつかって、受け手は秘密のメッセージを開けることができます。
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例えば、もとのメッセージが HELLO で、シーザー暗号のカギが5だと、
暗号化されたメッセージは・・・
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メッセージの複合は、カギを使って、ぎゃくのことをします。
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しかしシーザー暗号には、もんだいがあります。
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すべてのカギをためせば、だれでも、かんたんに、
暗号を、やぶることができます。
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アルファベットは26文字しかありません。
これは、26通りカギをためせば、複合化できるのです。
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たった26通りのカギをためすのは難しくありません。
1~2時間もあれば、じゅうぶんです。
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もっと難しくしましょう。すべての文字を同じだけ動かすのではなく、
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それぞれを、べつべつの数、動かします。
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この例では、10ケタのカギが、それぞれの文字をどれだけ変えるかを表します。
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このカギは本当に安全でしょうか?
10ケタの暗号は、10億通りのカギになります。
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これは人間には解読できません。数100年かかるでしょう。
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しかし今日のコンピュータは、10億通りを試すのに数秒しかかかりません。
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現代では、悪い人も、エンピツではなく、コンピュータを使います
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かれらに破られない「難しい」暗号メッセージはどのように作るのでしょうか?
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ここで「難しい」とは、ふつうの時間では計算がまにあわない、と言うい意味です。
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こんにち、安全な通信には、「256ビットのカギ」を使います。
これは、悪い人が、あなたのメッセージを読もうとしても
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暗号を破るには、カギの組み合わせが多すぎて、カギをやぶることができないのです
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たとえ 100,000 のスーパーコンピュータがあって、
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1秒で何億のカギを試すことができても、
すべてのカギを計算するには、何兆もの年数がかかるのです。
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たった一つの、256ビット暗号メッセージを、やぶるだけでも。
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コンピュータは、毎年、2倍の速さになり、半分の大きさになっています
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このペースが続けば、こんにち、不可能な計算も、何年かすれば、
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たった数100年で解決でき、256ビットでは、安全ではなくなるでしょう。
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じっさい、コンピュータの計算スピードに合わせて、カギも長くなっています。
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よいニュースは、長いキーを使うことは暗号メッセージを「難しく」するだけでなく、
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暗号を破るための試行回数を指数関数的に増やすことです。
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暗号と複合のために、送り手と受けてが、同じカギを使うことを
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「対称(たいしょう)カギ暗号」といいます。
対称カギ暗号では、シーザー暗号と同じく
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ひみつのカギを、手わたしして、2人が知っている必要があります。
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人は、これで良いですが、インターネットでは、2台のコンピュータが、こっそり会って、カギを教える、ことはできません。
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そのかわり、コンピュータは、「非対称(ひたいしょう)カギ暗号」を使います
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公開カギは、みんなに教えますが、
秘密カギは、ひみつです。だれにも教えません。
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公開カギは、だれでも知っていて、暗号で秘密のメッセージが作れます。
秘密カギは、複合して、読むときだけ使います。
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どのような数学を使っているのか、ここでは説明は省きますが、
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たとえば、あなたのメールボックスがあって、
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だれでも、「公開カギ」があれば、メールを預けることができる
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「公開カギ」は、好きなだけコピーを作って、友だちに送ったり、公開して自由につかえます
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あなたの友だちは、知らない人でも、公開カギでメッセージを預けます
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預けられたメッセージを取り出して、読むことができるのは、
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「秘密カギ」をもっている、あなただけです。
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あなたは、メールボックスに預けられた、公開カギをつかって
メッセージを安全に、友人に返信できます。
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前もって、秘密カギを決めなくても、
安全なメッセージをやり取りできます。
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公開カギ暗号は、開かれたインターネットで、
安全にメッセージを送るために、ひつようなものです。
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ウェッブをブラウズするとき、
SSLやTLSといったセキュアプロトコルが、私たちを守っています。
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ブラウザのアドレスバーに、カギのマークや https が表示されていれば、
あなたのコンピュータは、これを使っています。
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コンピュータが、公開カギ暗号を使って、
データを安全に、やり取りしている、という意味です
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ますます、多くの人がインターネットを使い
プライベートなデータがもっともっと増え、
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データを守ることが、ますます必要です。
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コンピュータは、どんどん早くなるので、破られない
難しい、新しい暗号を、開発しなければなりません
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これが、私の仕事です。つねに変化しつづけます。