[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:02.94,0:00:08.50,Default,,0000,0000,0000,,インターネット:暗号(あんごう)と公開カギ(こうかいかぎ) Dialogue: 0,0:00:08.99,0:00:14.15,Default,,0000,0000,0000,,はい、わたしはミラ ギルエプナー。UCバークレー校でコンピュータサイエンスを学び Dialogue: 0,0:00:14.15,0:00:18.08,Default,,0000,0000,0000,,情報の安全をまもるために、国防省で働いています。 Dialogue: 0,0:00:18.50,0:00:26.00,Default,,0000,0000,0000,,インターネットはオープンでパブリックなシステム。\N私たちはみな、回線を共有して、情報をやり取りしています。 Dialogue: 0,0:00:26.84,0:00:30.72,Default,,0000,0000,0000,,オープンシステムだとしても、多くのプライベートなデータをやりとりします。 Dialogue: 0,0:00:30.72,0:00:35.22,Default,,0000,0000,0000,,たとえば、クレジットカードの番号、銀行口座、パスワード、メール。 Dialogue: 0,0:00:35.89,0:00:38.22,Default,,0000,0000,0000,,これらのプライベートな情報は、どのように守られるでしょうか? Dialogue: 0,0:00:38.68,0:00:46.11,Default,,0000,0000,0000,,暗号(あんごう)によって、データは、まぜられ、おきかえられ、読めなくなり、秘密(ひみつ)にされます。 Dialogue: 0,0:00:46.11,0:00:51.09,Default,,0000,0000,0000,,複合(ふくごう)は、これを元にもどして、読めるようにすることです。 Dialogue: 0,0:00:51.66,0:00:55.56,Default,,0000,0000,0000,,これは、単純なアイデアで、人々は昔からこれを行ってきました。 Dialogue: 0,0:00:55.56,0:01:02.38,Default,,0000,0000,0000,,さいしょの有名な暗号は、「シーザー暗号」です。\Nシーザーは、ローマの将軍、ジュリアス・シーザーです。 Dialogue: 0,0:01:02.38,0:01:08.11,Default,,0000,0000,0000,,かれは、軍の指令が、敵に読まれないように、暗号を使いました。 Dialogue: 0,0:01:09.01,0:01:12.54,Default,,0000,0000,0000,,シーザー暗号のアルゴリズムは、それぞれの文字を Dialogue: 0,0:01:12.54,0:01:16.76,Default,,0000,0000,0000,,アルファベット表で、いくつか後の文字に置きかえるものです。 Dialogue: 0,0:01:16.76,0:01:22.11,Default,,0000,0000,0000,,送り手と受け手だけが知っている数を「カギ」と呼びます。 Dialogue: 0,0:01:22.11,0:01:26.77,Default,,0000,0000,0000,,「カギ」をつかって、受け手は秘密のメッセージを開けることができます。 Dialogue: 0,0:01:27.75,0:01:33.76,Default,,0000,0000,0000,,例えば、もとのメッセージが HELLO で、シーザー暗号のカギが5だと、\N暗号化されたメッセージは・・・ Dialogue: 0,0:01:38.37,0:01:43.26,Default,,0000,0000,0000,,メッセージの複合は、カギを使って、ぎゃくのことをします。 Dialogue: 0,0:01:45.71,0:01:48.79,Default,,0000,0000,0000,,しかしシーザー暗号には、もんだいがあります。\N Dialogue: 0,0:01:48.79,0:01:54.64,Default,,0000,0000,0000,,すべてのカギをためせば、だれでも、かんたんに、\N暗号を、やぶることができます。\N Dialogue: 0,0:01:54.64,0:02:02.13,Default,,0000,0000,0000,,アルファベットは26文字しかありません。\Nこれは、26通りカギをためせば、複合化できるのです。 Dialogue: 0,0:02:03.05,0:02:08.02,Default,,0000,0000,0000,,たった26通りのカギをためすのは難しくありません。\N1~2時間もあれば、じゅうぶんです。 Dialogue: 0,0:02:08.02,0:02:13.05,Default,,0000,0000,0000,,もっと難しくしましょう。すべての文字を同じだけ動かすのではなく、 Dialogue: 0,0:02:13.05,0:02:16.40,Default,,0000,0000,0000,,それぞれを、べつべつの数、動かします。 Dialogue: 0,0:02:16.40,0:02:23.50,Default,,0000,0000,0000,,この例では、10ケタのカギが、それぞれの文字をどれだけ変えるかを表します。 Dialogue: 0,0:02:25.75,0:02:34.16,Default,,0000,0000,0000,,このカギは本当に安全でしょうか?\N10ケタの暗号は、10億通りのカギになります。 Dialogue: 0,0:02:34.16,0:02:39.17,Default,,0000,0000,0000,,これは人間には解読できません。数100年かかるでしょう。 Dialogue: 0,0:02:39.86,0:02:45.45,Default,,0000,0000,0000,,しかし今日のコンピュータは、10億通りを試すのに数秒しかかかりません。 Dialogue: 0,0:02:46.03,0:02:51.24,Default,,0000,0000,0000,,現代では、悪い人も、エンピツではなく、コンピュータを使います Dialogue: 0,0:02:51.24,0:02:56.04,Default,,0000,0000,0000,,かれらに破られない「難しい」暗号メッセージはどのように作るのでしょうか? Dialogue: 0,0:02:56.04,0:03:02.18,Default,,0000,0000,0000,,ここで「難しい」とは、ふつうの時間では計算がまにあわない、と言うい意味です。 Dialogue: 0,0:03:02.99,0:03:08.80,Default,,0000,0000,0000,,こんにち、安全な通信には、「256ビットのカギ」を使います。\Nこれは、悪い人が、あなたのメッセージを読もうとしても Dialogue: 0,0:03:08.80,0:03:18.36,Default,,0000,0000,0000,,暗号を破るには、カギの組み合わせが多すぎて、カギをやぶることができないのです Dialogue: 0,0:03:19.50,0:03:24.04,Default,,0000,0000,0000,,たとえ 100,000 のスーパーコンピュータがあって、\N Dialogue: 0,0:03:24.04,0:03:31.53,Default,,0000,0000,0000,,1秒で何億のカギを試すことができても、\Nすべてのカギを計算するには、何兆もの年数がかかるのです。 Dialogue: 0,0:03:32.50,0:03:37.69,Default,,0000,0000,0000,,たった一つの、256ビット暗号メッセージを、やぶるだけでも。 Dialogue: 0,0:03:37.69,0:03:43.32,Default,,0000,0000,0000,,コンピュータは、毎年、2倍の速さになり、半分の大きさになっています Dialogue: 0,0:03:43.32,0:03:48.40,Default,,0000,0000,0000,,このペースが続けば、こんにち、不可能な計算も、何年かすれば、 Dialogue: 0,0:03:48.40,0:03:54.17,Default,,0000,0000,0000,,たった数100年で解決でき、256ビットでは、安全ではなくなるでしょう。 Dialogue: 0,0:03:54.17,0:04:00.30,Default,,0000,0000,0000,,じっさい、コンピュータの計算スピードに合わせて、カギも長くなっています。 Dialogue: 0,0:04:01.07,0:04:05.54,Default,,0000,0000,0000,,よいニュースは、長いキーを使うことは暗号メッセージを「難しく」するだけでなく、\N Dialogue: 0,0:04:05.54,0:04:10.45,Default,,0000,0000,0000,,暗号を破るための試行回数を指数関数的に増やすことです。 Dialogue: 0,0:04:11.21,0:04:16.78,Default,,0000,0000,0000,,暗号と複合のために、送り手と受けてが、同じカギを使うことを Dialogue: 0,0:04:16.78,0:04:23.13,Default,,0000,0000,0000,,「対称(たいしょう)カギ暗号」といいます。\N対称カギ暗号では、シーザー暗号と同じく Dialogue: 0,0:04:23.13,0:04:27.90,Default,,0000,0000,0000,,ひみつのカギを、手わたしして、2人が知っている必要があります。 Dialogue: 0,0:04:27.90,0:04:36.19,Default,,0000,0000,0000,,人は、これで良いですが、インターネットでは、2台のコンピュータが、こっそり会って、カギを教える、ことはできません。 Dialogue: 0,0:04:37.39,0:04:40.43,Default,,0000,0000,0000,,そのかわり、コンピュータは、「非対称(ひたいしょう)カギ暗号」を使います Dialogue: 0,0:04:40.43,0:04:45.83,Default,,0000,0000,0000,,公開カギは、みんなに教えますが、\N秘密カギは、ひみつです。だれにも教えません。 Dialogue: 0,0:04:47.00,0:04:58.69,Default,,0000,0000,0000,,公開カギは、だれでも知っていて、暗号で秘密のメッセージが作れます。\N秘密カギは、複合して、読むときだけ使います。 Dialogue: 0,0:04:58.69,0:05:03.19,Default,,0000,0000,0000,,どのような数学を使っているのか、ここでは説明は省きますが、 Dialogue: 0,0:05:03.19,0:05:06.13,Default,,0000,0000,0000,,たとえば、あなたのメールボックスがあって、 Dialogue: 0,0:05:06.13,0:05:09.64,Default,,0000,0000,0000,,だれでも、「公開カギ」があれば、メールを預けることができる Dialogue: 0,0:05:09.64,0:05:16.51,Default,,0000,0000,0000,,「公開カギ」は、好きなだけコピーを作って、友だちに送ったり、公開して自由につかえます Dialogue: 0,0:05:16.51,0:05:22.06,Default,,0000,0000,0000,,あなたの友だちは、知らない人でも、公開カギでメッセージを預けます Dialogue: 0,0:05:22.06,0:05:26.31,Default,,0000,0000,0000,,預けられたメッセージを取り出して、読むことができるのは、\N Dialogue: 0,0:05:26.31,0:05:30.10,Default,,0000,0000,0000,,「秘密カギ」をもっている、あなただけです。 Dialogue: 0,0:05:30.10,0:05:35.51,Default,,0000,0000,0000,,あなたは、メールボックスに預けられた、公開カギをつかって\Nメッセージを安全に、友人に返信できます。 Dialogue: 0,0:05:35.51,0:05:41.53,Default,,0000,0000,0000,,前もって、秘密カギを決めなくても、\N安全なメッセージをやり取りできます。 Dialogue: 0,0:05:41.53,0:05:47.46,Default,,0000,0000,0000,,公開カギ暗号は、開かれたインターネットで、\N安全にメッセージを送るために、ひつようなものです。 Dialogue: 0,0:05:47.46,0:05:54.30,Default,,0000,0000,0000,,ウェッブをブラウズするとき、\NSSLやTLSといったセキュアプロトコルが、私たちを守っています。 Dialogue: 0,0:05:54.30,0:06:01.40,Default,,0000,0000,0000,,ブラウザのアドレスバーに、カギのマークや https が表示されていれば、\Nあなたのコンピュータは、これを使っています。 Dialogue: 0,0:06:01.40,0:06:09.74,Default,,0000,0000,0000,,コンピュータが、公開カギ暗号を使って、\Nデータを安全に、やり取りしている、という意味です Dialogue: 0,0:06:09.74,0:06:15.66,Default,,0000,0000,0000,,ますます、多くの人がインターネットを使い\Nプライベートなデータがもっともっと増え、 Dialogue: 0,0:06:15.66,0:06:19.08,Default,,0000,0000,0000,,データを守ることが、ますます必要です。 Dialogue: 0,0:06:19.08,0:06:25.82,Default,,0000,0000,0000,,コンピュータは、どんどん早くなるので、破られない\N難しい、新しい暗号を、開発しなければなりません Dialogue: 0,0:06:25.82,0:06:29.77,Default,,0000,0000,0000,,これが、私の仕事です。つねに変化しつづけます。