私のヒーロー、ハリケーンに向かってボートを漕いだ女性に贈る歌
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0:01 - 0:031998年6月
トリ・マーデン・マクルアは -
0:03 - 0:08ノースカロライナ州ナグスヘッドを
出発してフランスを目指しました -
0:08 - 0:10これが彼女のボート
アメリカン・パール号です -
0:10 - 0:13全長は7m
幅は一番広い部分でも -
0:13 - 0:151.8mしかありません
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0:15 - 0:20デッキの広さは
ピックアップトラックの荷台ほどでした -
0:20 - 0:22トリは友人たちとボートを自作しました
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0:22 - 0:25重さはおよそ800kg
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0:25 - 0:27単独でボートを漕いで
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0:27 - 0:29大西洋を横断する計画でした
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0:29 - 0:32エンジンも帆も使いません
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0:32 - 0:35これまで成功した女性も
アメリカ人もいませんでした -
0:35 - 0:37これが予定ルートで
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0:37 - 0:41広大な北大西洋を横断する
5,800kmを超えるルートです -
0:41 - 0:44トリの職業は 彼女の故郷 ―
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0:44 - 0:45ケンタッキー州ルイビル市の
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0:45 - 0:47プロジェクト管理者でしたが
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0:47 - 0:50情熱を傾けていたのは冒険でした
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0:50 - 0:52彼女にとって
大規模な探検は初めてではなく -
0:52 - 0:57その数年前には女性で初めて
スキーで南極点に到達しました -
0:57 - 0:59大学では優秀なボートの選手で
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0:59 - 1:021992年のオリンピックで
アメリカチームの座を争ったほどでしたが -
1:02 - 1:06それでも この挑戦は別物でした
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1:06 - 1:13(トリ・マーデン・マクルア)
今日は7月5日 日曜日 ― -
1:13 - 1:15セクター時間は午前9時
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1:15 - 1:18ケンタッキー時間よ
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1:18 - 1:20(ドーン・ランデス)トリはボートを
漕ぎながらビデオを撮っていました -
1:20 - 1:23これは航海21日目です
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1:23 - 1:25この時点で進んだ距離は1,600km以上
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1:25 - 1:28無線での連絡は
2週間以上 取れていませんでした -
1:28 - 1:31嵐のため わずか5日で
長距離通信システムは -
1:31 - 1:33すべて使えなくなったからです
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1:33 - 1:35ほぼ毎日が このような状況でした
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1:35 - 1:39この時点で彼女は
海流と風に抗いながら -
1:39 - 1:4120万回以上漕いでいました
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1:41 - 1:45たった5mしか
進めない日もありました -
1:45 - 1:46本当です
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1:46 - 1:49そんな時は いらだちましたが
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1:49 - 1:52そうでない日は
こんな風に過ぎていきました -
1:52 - 1:55(トリ)可愛い友達を紹介します
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1:56 - 2:00(ドーン)魚やイルカ ―
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2:00 - 2:02クジラやサメ
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2:02 - 2:05時にはウミガメにも遭遇しました
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2:05 - 2:08誰にも連絡できなくなって2週間後
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2:08 - 2:10トリは地元の貨物船と
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2:10 - 2:13VHF無線で交信できました
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2:13 - 2:17(トリ)今後の天気予報は
わかりますか どうぞ -
2:17 - 2:20(男性)そちらは
前方の低気圧に向かっているが -
2:20 - 2:22低気圧は移動中
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2:22 - 2:24そちらの進路は北東のようだが
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2:24 - 2:26こちらの後方に高気圧があって
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2:26 - 2:28この高気圧も
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2:28 - 2:30東北東に進行中
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2:30 - 2:32(トリ)了解
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2:32 - 2:36(ドーン)トリは
誰かと話せて嬉しそうです -
2:36 - 2:38(トリ)予報によると
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2:38 - 2:41急な天候の変化はなさそうね
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2:41 - 2:43(ドーン)ただ予報から
わからなかったのは -
2:43 - 2:46ハリケーン・ダニエルの進路に向かって
漕いでいたことです -
2:46 - 2:50北大西洋における史上最悪の
ハリケーン・シーズン中のことでした -
2:52 - 2:55(トリ)足をくじいたわ
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2:55 - 2:59今 東からとても強い風が吹いている
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2:59 - 3:01風が吹きまくっているわ
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3:01 - 3:04大荒れよ
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3:04 - 3:0712日も嵐が続いていて
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3:07 - 3:09風は弱まらないのに
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3:09 - 3:114時間も漕がなきゃならない
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3:11 - 3:13とても憂鬱よ
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3:13 - 3:14今朝は 気分が良かったのに
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3:14 - 3:18今は最悪
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3:20 - 3:22(ドーン)約3か月の航海で
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3:22 - 3:254,800km以上 前進していました
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3:25 - 3:27全行程の3分の2の地点にいましたが
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3:27 - 3:30嵐の中で 波の高さは
7階建のビルほどにもなり -
3:30 - 3:33ボートは転覆を繰り返しました
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3:33 - 3:36何度か仰向けに転覆し
彼女は投げ出されて転がり -
3:36 - 3:38ボートを漕ぐのは無理でした
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3:38 - 3:41(トリ)午前6時30分 ―
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3:42 - 3:45今 巨大で最悪な
嵐のまっただ中よ -
3:45 - 3:482回転覆した
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3:48 - 3:53さっき転覆した時
背中がぶつかって天井の肋材がとれた -
3:56 - 4:00もう6回は転覆している
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4:00 - 4:02さっきは仰向けにひっくり返った
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4:02 - 4:05アルゴスビーコンは持っている
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4:05 - 4:07遭難信号は出せるけれど
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4:07 - 4:11正直に言って こんな小さなボートが
発見されるとは思えない -
4:11 - 4:13もうかなり水没していて
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4:13 - 4:17見えるのは甲板の一部だけ
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4:17 - 4:20今 午前10時くらい
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4:20 - 4:23もう何度転覆したかわからない
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4:23 - 4:2615分に1回は転覆していると思う
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4:26 - 4:30左腕が折れたかもしれない
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4:33 - 4:35波で
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4:35 - 4:37ボートがバラバラになりそう
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4:38 - 4:40ずっと祈っている
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4:40 - 4:43生きて帰れるかどうか
わからないから -
4:43 - 4:45(ドーン)トリは遭難信号を発して
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4:45 - 4:48近くを通った貨物船に
救助されました -
4:48 - 4:522か月後 フランス沿岸で
漂っていたボートが見つかりました -
4:52 - 4:56私は新聞で読みました
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4:56 - 5:001998年当時 私はケンタッキー州
ルイビルに住む高校生でした -
5:00 - 5:02今はニューヨークで
ソングライターをしています -
5:02 - 5:06彼女の勇気が
頭から離れなかった私は -
5:06 - 5:09その物語を元に
ミュージカル『ROW』を作りました -
5:13 - 5:15家に帰ったトリは
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5:15 - 5:16気力を失い
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5:16 - 5:18無一文でした
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5:18 - 5:20文明社会に戻るのに ―
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5:20 - 5:22苦労していました
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5:24 - 5:27この場面では
彼女が自宅で座っていて -
5:27 - 5:29電話が鳴っています
友達からです -
5:29 - 5:31でも 何をどう話せばいいか
わかりません -
5:31 - 5:34彼女は歌い始めます
タイトルは『Dear Heart』 -
5:34 - 5:38(ギター)
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5:40 - 5:44夢を見ていた私は
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5:44 - 5:47出かけていった
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5:47 - 5:51見たこともないような
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5:51 - 5:54美しい場所へ
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5:54 - 5:57私はジブラルタルや
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5:57 - 6:01月明かりの中で輝く
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6:01 - 6:04ケンタッキーの星を見て
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6:04 - 6:07微笑んだ
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6:07 - 6:11目を覚ますと
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6:11 - 6:14空はどんよりと曇っていた
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6:14 - 6:18歩いてパーティーに出かけると
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6:18 - 6:21知り合いが
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6:21 - 6:24私のことを理解しようと
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6:24 - 6:27どこに行っていたか
たずねるけれど -
6:27 - 6:31私が見てきたものは
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6:31 - 6:34言葉で説明なんかできない
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6:34 - 6:41ねえ 聞いて
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6:41 - 6:44しっかり聞いて
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6:44 - 6:48始めから
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6:48 - 6:54ねえ 聞いて
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6:54 - 6:57海の彼方へ姿を消したって
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6:57 - 7:00きっと立ち直れる
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7:14 - 7:18私が航海していた時
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7:18 - 7:21海が私を包み
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7:21 - 7:24私を揺らし 投げ出した
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7:24 - 7:28子どもみたいに 軽々と
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7:28 - 7:31でも今の私は重すぎる
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7:31 - 7:34慰めてくれるものもない
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7:34 - 7:38私の心は 流木のように漂う
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7:38 - 7:41激しく 気まぐれに
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7:41 - 7:48ねえ 聞いて
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7:48 - 7:51しっかり聞いて
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7:51 - 7:54始めから
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7:54 - 8:01ねえ 聞いて
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8:01 - 8:04海の彼方へ姿を消したって
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8:04 - 8:08きっと立ち直れる
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8:15 - 8:18その後 トリは落ち着きを
取り戻しました -
8:18 - 8:21再び友達と出かけるようになりました
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8:21 - 8:24ある男性と出会い
初めて恋に落ちました -
8:24 - 8:28新しい職を得ました
雇い主は 彼女と同じルイビル出身の -
8:28 - 8:30モハメド・アリです
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8:30 - 8:33ある日 アリと昼食をとっている時
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8:33 - 8:35トリは ある2人の女性が
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8:35 - 8:38ボートで大西洋を
渡ろうとしていると話しました -
8:38 - 8:41彼女が命を落としかけた挑戦です
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8:41 - 8:45アリの答えは
いかにも彼らしいものでした -
8:45 - 8:46「これから死ぬまで
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8:46 - 8:50大西洋を横断できなかった女のままで
いたくないだろう」 -
8:50 - 8:52彼の言う通りです
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8:52 - 8:54トリはアメリカン・パール号を再建し
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8:54 - 8:561999年12月に
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8:56 - 8:58成功しました
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8:58 - 9:01(拍手)(ギター)
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9:05 - 9:07ありがとう
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9:07 - 9:10(拍手)
- Title:
- 私のヒーロー、ハリケーンに向かってボートを漕いだ女性に贈る歌
- Speaker:
- ドーン・ランデス
- Description:
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シンガーソングライターのドーン・ランデスが、トリ・マーデン・マクルアの話を語ります。トリには小さなボートを漕いで大西洋を横断するという夢がありました。でもその夢は、7階建のビルほどもある波に飲み込まれる寸前でした。実際のビデオと語りと歌で、ランデスは大海原の真ん中で独りぼっちになった女性の心の奥に思いを馳せます。(このトークは、ゲスト・キュレーターにPop-Up Magazineを迎えたTED2015のセッションの一部です。Pop-Up MagazineのURLはpopupmagazine.com、Twitterアカウントは@popupmagです。)
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 09:26
Retired user approved Japanese subtitles for A song for my hero, the woman who rowed into a hurricane | ||
Retired user edited Japanese subtitles for A song for my hero, the woman who rowed into a hurricane | ||
Retired user edited Japanese subtitles for A song for my hero, the woman who rowed into a hurricane | ||
Retired user edited Japanese subtitles for A song for my hero, the woman who rowed into a hurricane | ||
Mari Arimitsu edited Japanese subtitles for A song for my hero, the woman who rowed into a hurricane | ||
Mari Arimitsu edited Japanese subtitles for A song for my hero, the woman who rowed into a hurricane | ||
Mari Arimitsu accepted Japanese subtitles for A song for my hero, the woman who rowed into a hurricane | ||
Mari Arimitsu edited Japanese subtitles for A song for my hero, the woman who rowed into a hurricane |