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黎明期のゲーム業界は
ハイスコアが全てだった
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『パックマン』『ドンキーコング』などの名作アーケードは
永久にループするので終わりがなかった
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そのためミスってゲームオーバーになる前に
どれだけ高得点を出せるかが挑戦だった
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自己ベストの更新を目指して
努力していたのだ
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そして『スペースインベーダー』がハイスコアの
セーブ機能を導入すると、競争も生まれ
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近所のプレイヤー同士が
順位表の1位を争うようになった
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だが家庭用ゲーム機へ移行すると
関心は「終わり」がある作品へ向かった
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『ロックマン』や『悪魔城ドラキュラ』には
しばらくスコア表示があったが
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プレイヤーの興味はラスボス戦や
姫の救出や物語の結末の方へ向いていた
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競争に関しては、リアルタイムの対人戦の方が
順位表よりも面白くなった
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得点、ハイスコア、自己ベストの
全盛期は幕を閉じたのだ
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だがこの動画で調べたいのは——
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この「過去の遺物」が現代のゲームでも
まだ価値があるのかどうかだ
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2018 年でもハイスコアを
出せる場所はあるのか?
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答えは「イエス」だ
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ご視聴ありがとう
また次回
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アーケードをそのまま模倣した
ゲームもあるのだ
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例えば激闘ツインスティックシューター
『Tormenter X Punisher』では
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無限に押し寄せるデーモンから
できるだけ長く生き残った後で
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自分のスコアを
オンラインの順位表と比較する
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これでも楽しいが、かなりの上級者か
負けず嫌いの友人がいるか
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または自己ベスト中毒者に
ならない限り——
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こうした終わりのないアーケード風ゲームを
遊び続けることはないだろう
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だから現代的な設計の上に
レトロなスコアシステムを載せて
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素晴らしい利点を得たゲームに
興味がある
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例えば、スコアによって
難易度を増やすことができる
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例えば、不安になる悪夢のリズムゲーム
『Thumper』では
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ステージのクリアも1つの目標だが
Sランク相当の高得点を狙う場合は
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桁外れに難しくなるので
かなりの腕前が必要になる
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これはクールだ
本質的には複数の難易度を用意してるのに
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難易度選択画面の問題を
回避しているからだ
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よくあるだろ? まだ1秒も遊んでない段階で
難易度を選ばせるくせに
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「ハード」がどんな意味なのか
具体的な説明がないやつだ
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一方でスコア制では、どんな腕前でも
できる限り上手にプレイするだけで報われる
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僕は Zachtronics の最新作『Opus Magnum』で
この難易度のやり方を本当に楽しんだ
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ゲームの目標は
イカれたマシンを設計して
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原料を全自動で、ポーションや毒物などの
馬鹿げた錬金物質に変えることだ
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資金、空間、組み立てラインは
無限にあるので
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目的の製品が作れるなら
どんな形でも成功と見なされる
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どんなに非効率で
高額になったとしても
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そのレベルをクリアして
先へ進めるのだ
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だがここでスコア制が役に立つ
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3つの基準でマシンが採点されるのだ
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使った部品のコスト
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マシンの表面積
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そして完成までのサイクル数だ
これで作業効率が測定できる
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スコアは柱状グラフに表示され
自分の成績が——
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世界中の『Opus Magnum』プレイヤーの
平均スコアと比較されるのだ
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そして自分のマシンのサイクル数が
平均を下回ってるのを見たら
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ケツに火がついてゲームに戻り
やり方を見直して
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サイクル数を減らす必要があるだろう
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プレイヤー主導なのが最高だ
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マシンが良いかどうかはプレイヤー次第だし
その改善もプレイヤー次第だ
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小さく詰まったマシンを作るのは
楽しいかもしれない
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できるだけ安い部品で作ったり
効率性を追求したり
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3つの基準のバランスを
目指したりするだろう
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Zachtronics はクリア目標を
厳しくしてもよかった
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ステージのクリア条件が 200G 未満とか
60 サイクル未満とかだ
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努力目標がほしい人もいるだろう
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だが僕は自分のクソ成績が世界平均と比較されると
それが強い動機になり
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ゲームに戻って、ひどいマシンを改善し
もっと上を目指すようになったのだ
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だがスコア制は単にゲームを
難しくするだけではない
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スコアによって新しい遊び方が
見えてくるからだ
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プラチナの『ベヨネッタ』でハイスコアを出すには
単にミスを減らすだけでなく
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初心者の雑なボタン連打とは
根本的に異なるプレイが必要になる
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ピュアプラチナメダルは複雑なコンボ
(初心者は無視できる)が必要だ
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つまり高速に戦ってコンボを繋げるとか、挑発ポーズや
ダッジオフセットなどの複雑な技が必要なのだ
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僕はプラチナ作品のメダルに詳しくないし
正直あまり関心がない
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しかし僕はあるシリーズで
スコア制を完全に内面化して
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そのデザインについて
論文を書いたことがある
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それは『Tony Hawk's Pro Skater』シリーズだ
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本作では、ほとんどの目標で技や仕様の
基本的な理解が求められる
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ヒールフリップを駆使しなくても
工場長をプールに落とせるぞ
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ただの水だと良いけどね
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だが高得点を目指すなら、用意されたスケボーシステムを
使いこなす必要がある
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複数の技を繋げるためにリバートやマニュアルを使って
ステージ中でコンボを続けて
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スコア乗数(得点を大幅に増やす)を
稼ぐ必要がある
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同じ技を繰り返すたびに得点が減っていくので
色々なトリックを使う必要がある
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得点が上がるので
スピンやスタンス変化も加えたい
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またステージ各地のギャップには得点ボーナスがあるので
あちこち動き回りたいだろう
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基本的に『Tony Hawks』で高得点を出すには
トリックシステムの全てを完璧に理解し
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カジュアルプレイヤーとは違う方法で
取り組む必要がある
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そして、こざかしいことに
ハイスコアを目指す覚悟ができた時
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自分が開発者の意図通りに
プレイしてることに気付くだろう
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得点が与えられるのは『Tony Hawks』の
一番面白い遊び方を促すためだからだ
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技を繰り返すと得点が減るので
多彩なプレイをするようになる
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ボーナスのためにコンボを繋げると
転倒のリスクが高くなる
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ギャップを使えば
ステージを移動できる
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スコア制は意図した体験を
促すことができるのだ
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『MGS V』では
ほぼ好きなようにプレイできる
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草むらでこっそり忍び寄ったり
攻撃ヘリを呼んで敵を殺戮したりできる
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遊び方はプレイヤー次第だし
ゲームは特定のやり方を強制しない
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でも高ランクに興味があるなら
やり方を変えた方がいいかもしれない
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ミッションが終わるたびスコアが表示され
命中率、クリア時間、救出した捕虜などで加算されるが
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発見や被ダメージで減点される
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つまり熱心にランボーっぽく遊んでも
罰は無いが
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コソコソとスネークっぽくプレイした方が
報われるのだ
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だからスコア制は単なるアーケード時代の
遺物ではない
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コイン式の感覚を再現する
懐古ゲーム用の仕様でもない
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現代のデザインと調和して
色んな利点を発揮できるのだ
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だが絶対確実ではない
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プラチナ作品で
大勢がやる気をなくしたのが——
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ステージを上手くクリアしたと思ったのに
最後に低評価を叩きつけられた時だ
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これは落胆するだろ
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またスコアが任意だと、プレイヤーが
真の体験をしてくれないリスクがある
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もしボタン連打で『ベヨネッタ』をクリアできるなら
プレイヤーがコンボ一覧を調べたり
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連続コンボやダッジオフセットを使ったりする
理由などないのだ
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だがこの2つの問題を解決するゲームがある
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やんちゃなツインスティック・シューター
『アサルトアンドロイド・カクタス』だ
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本作では各ステージの敵を全滅させるだけでも
ゲームが進行する
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それで勝ったと見なされ
これでも十分クリアできる
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だが十分なポイントを稼いで
高ランクを狙うこともできる
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ステージを素早くクリアし、死ぬのを避け
そして何より重要なのが
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敵を連続で倒すことだ
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敵を倒すたびにチェインが始まり
数秒以内に別の敵を倒せばチェインが続いていく
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チェインが増えると
敵を倒したスコアが倍増する
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10 体以上の敵のチェインすると
最大で 10 倍になるのだ
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ステージの全ての敵をチェインして倒すと
1つ上の「S+ランク」を獲得できる
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チェインの維持は難しい
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攻撃的にプレイし、敵に優先順位を付け
スペシャル武器をよく考えて使う必要がある
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そして赤い敵は、通常武器で倒すのに
2秒以上かかるので
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チェインを続けるために
慎重に対処する必要がある
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つまり『カクタス』はスコア制によって
さらなる挑戦を用意して
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根本的に異なる遊び方を提供し
ゲームを最高の状態で体験させるのだ
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だが開発の Witch Beam は賢い方法で
スコア制の大きな欠点を回避した
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まず開発者は、中心的な体験を
誰でも得られるようにした
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ハイスコアに没頭しなくても
体験できるのだ
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死の仕様はクールだ 常に電池が減り続けるので
動力を満タンにしておくために——
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敵を倒して電池を拾う必要がある
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つまり初心者の体験
「電池を拾うために敵を必死で倒す」は
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ベテランの体験「スコアチェイン維持のために
敵を必死で倒す」を見事に再現している
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どちらも、遊びの一瞬一瞬で
かなり慌てることになる
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一方は死ぬ瀬戸際にあり、もう一方は
完璧プレイが台無しになる瀬戸際にある
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またスコアは『ベヨネッタ』と同様
ステージの最後に表示されるが
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特別なプロモード(S+メダルが画面に出て
チェインが途切れるとすぐに砕ける)は
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1ステージの敵を全てチェインした後にのみ
解放される
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自分で解放するまでは
この追加モードの存在に気付かないだろう
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プレイヤーが実力を証明するまで
追加モードを隠しておけば
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最初にクソメダルを貰って士気が下がるのを
防げるのだ
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だからこの設計によって『カクタス』は
初心者にとっては遊びやすくてスリルがあるが
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上級者用の隠しモードも備えた
ゲームになっている
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難易度を変える必要すらない
他人とは違う方法で上手くプレイするだけだ
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「大したことじゃないわ
いつもやってることだし」
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だからスコア制は 2018 年の
全ゲームに合うとは限らないが
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慎重に使えばゲーム開発者に
真の恩恵をもたらしてくれる
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コイン投入型の順位表に下品な言葉を書く時代は
とっくに過ぎ去ったが
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ハイスコアを追いかけるスリルは
現代のゲーム設計でも健在なのだ
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(字幕翻訳:Nekofloor)
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ご視聴ありがとう
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もし気付いてなかったら、このエンドロール画面で
クールな動画をお勧めし始めたから
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広告が無いのは支援者のおかげだ! 乾杯!