コモンズの悲劇って何?― ニコラス・アメンドラーレ
-
0:08 - 0:12思考実験として想像してみましょう
あなたは小さな村に住んでいます -
0:12 - 0:15食事は村にある
養魚池の魚がたよりです -
0:15 - 0:18その池を他の3人の村人と共有します
-
0:18 - 0:2312匹の魚から始まって
魚が繁殖します -
0:23 - 0:28毎晩 2匹ごとに1匹の子魚が増えます
-
0:28 - 0:30では 食料の供給を最大にするためには
-
0:30 - 0:341日何匹の魚を捕まえるべきなのでしょうか
-
0:34 - 0:37少し考えてみてください
-
0:37 - 0:40小魚もすぐに大きく成長して
-
0:40 - 0:43池はいっぱいになると仮定します
-
0:43 - 0:47捕る魚の性別などは
無視するとしましょう -
0:47 - 0:51答えは? 1匹です
あなただけではありません -
0:51 - 0:54各村人への食料供給を
最大化するベストな方法は -
0:54 - 0:58各漁師が1日に1匹だけ捕る方法です
-
0:58 - 1:00こうすれば数学的にうまくいきます
-
1:00 - 1:05もし各村人が魚1匹を捕れば
翌日には魚は8匹になります -
1:05 - 1:071組の魚が小魚1匹を産み
-
1:07 - 1:12次の日には 12匹になり
池は元どおり 魚が補充されるのです -
1:12 - 1:17誰かが1匹以上捕れば
繁殖ペアの数は減少します -
1:17 - 1:21魚の数が回復することはありません
-
1:22 - 1:25結局 池に魚はいなくなってしまい
-
1:25 - 1:294人の飢えた村人たちが残るのです
-
1:29 - 1:32この魚が住む池は
ある古典的問題の一例にすぎません -
1:32 - 1:35「コモンズの悲劇」と呼ばれるものです
-
1:35 - 1:38この現象については
1833年に初めて小論文で記述されています -
1:38 - 1:42経済学者ウィリアム・
フォースター・ロイドによるものです -
1:42 - 1:45村の共有地における
-
1:45 - 1:48牛の過放牧について論じています
-
1:48 - 1:53100年以上後になって 環境学者の
ギャレット・ハーディンがその概念を復活させ -
1:53 - 1:55限りある資源を 多くの個人で
共有するとどうなるか -
1:55 - 1:58説明しました
-
1:58 - 2:00例えば 放牧地や
-
2:00 - 2:01漁業水域
-
2:01 - 2:02居住地
-
2:02 - 2:04さらには清浄な空気に至るまでです
-
2:04 - 2:08ハーディンはこれらの状況は
短期的な自己利益のために -
2:08 - 2:10公益を犠牲にするものだと
主張しました -
2:10 - 2:13万民にとって悪い結末―
-
2:13 - 2:14過放牧や
-
2:14 - 2:15魚の乱獲
-
2:15 - 2:16人口過剰
-
2:16 - 2:18汚染
-
2:18 - 2:21その他の社会問題や
環境問題になってしまうのです -
2:21 - 2:23「コモンズの悲劇」の重要な特徴は
-
2:23 - 2:29個人が利益を得る機会を生む一方で
-
2:29 - 2:34より大きな集団に対して
あらゆる悪影響を及ぼすことです -
2:34 - 2:37その意味を理解するために
もう一度 養魚池に戻りましょう -
2:37 - 2:40個々の漁師が自分のために
-
2:40 - 2:43できるだけ多くの魚を
捕ろうしたとしましょう -
2:43 - 2:46一方で 魚の繁殖の減少も
-
2:46 - 2:49村全体で分け合うことになります
-
2:49 - 2:51隣人に取り分を奪われないように
-
2:51 - 2:56漁師は余分に魚を獲ることが
最優先だと考え 1匹— -
2:56 - 2:572匹—
-
2:57 - 2:593匹と余分に捕ります
-
2:59 - 3:03残念ながら 他の漁師たちも
同じ結論に達します -
3:03 - 3:04それが悲劇なのです
-
3:04 - 3:10自分にとっての短期的な最適化は
長期的には誰にとっても最適にはなりません -
3:10 - 3:13これは単純化された例ですが
「コモンズの悲劇」は -
3:13 - 3:18日常生活のさらに複雑なシステムにおいて
見られるものなのです -
3:18 - 3:23抗生物質の過剰使用は
短期的には 畜産物の増産や -
3:23 - 3:25ありふれた病気に対する治療に
利をもたらしますが -
3:25 - 3:30種全体を脅かすような
抗生物質への耐性をもった -
3:30 - 3:33バクテリアの進化にもつながります
-
3:33 - 3:36石炭火力発電所は消費者に安い電力を供給し
-
3:36 - 3:39オーナーに利益をもたらします
-
3:39 - 3:41こういう局所的な利益は
短期的には役立ちますが -
3:41 - 3:47石炭の採掘や燃焼による汚染は
大気全体に広がり -
3:47 - 3:50何千年にも渡って残り続けるのです
-
3:50 - 3:52例は他にも
-
3:52 - 3:53ゴミのポイ捨て
-
3:53 - 3:54水不足
-
3:54 - 3:55森林破壊
-
3:55 - 3:57交通渋滞
-
3:57 - 4:00さらにペットボトルに入った
水の購入などもあります -
4:00 - 4:05でも 人間の文明には優れたことを
実現する力があることは明らかです -
4:05 - 4:07社会契約を作り
-
4:07 - 4:09共同社会での協定を作り
-
4:09 - 4:10政府を選挙で決め
-
4:10 - 4:12法律を可決します
-
4:12 - 4:18どれも 個人の衝動的な行動から
集団を守るためのものです -
4:18 - 4:22簡単ではありませんし
もちろん 大抵の場合 決着がつきませんが -
4:22 - 4:27ハーディンの教えを忘れなければ
人類が最善を尽くすことで -
4:27 - 4:31どの問題も解決できるし
これからも解決していけます -
4:31 - 4:34「コモンズの悲劇」があてはまるときは
-
4:34 - 4:37私たち全体にとって良いことが
私たち個人にとっても良いことなのです
- Title:
- コモンズの悲劇って何?― ニコラス・アメンドラーレ
- Description:
-
魚の乱獲、スーパー耐性菌、そして地球温暖化はすべて同じことに起因しているのでしょうか。1968年、ギャレット・ハーディンという人が人口過剰についての論文の執筆に取り掛かりました。その論文で、彼は歴史上起きた大きな問題のいくつかを説明する人間の行動パターンを見つけました。ニコラス・アメンドラーレが「コモンズの悲劇」を語ります。
講師:ニコラス・アメンドラーレ、監督:TED-Ed
*このビデオの教材 :https://ed.ted.com/lessons/what-is-the-tragedy-of-the-commons-nicholas-amendolare - Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:58
![]() |
Retired user approved Japanese subtitles for What is the tragedy of the commons? - Nicholas Amendolare | |
![]() |
Retired user edited Japanese subtitles for What is the tragedy of the commons? - Nicholas Amendolare | |
![]() |
Retired user edited Japanese subtitles for What is the tragedy of the commons? - Nicholas Amendolare | |
![]() |
Tomoyuki Suzuki accepted Japanese subtitles for What is the tragedy of the commons? - Nicholas Amendolare | |
![]() |
Tomoyuki Suzuki edited Japanese subtitles for What is the tragedy of the commons? - Nicholas Amendolare | |
![]() |
Yurie Yamane edited Japanese subtitles for What is the tragedy of the commons? - Nicholas Amendolare | |
![]() |
Yurie Yamane edited Japanese subtitles for What is the tragedy of the commons? - Nicholas Amendolare | |
![]() |
Tomoyuki Suzuki declined Japanese subtitles for What is the tragedy of the commons? - Nicholas Amendolare |