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男性用の避妊薬のしくみ

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    私が 誰かに
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    男性用の 避妊ピルの
    開発をしていると言うと
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    通常その反応は
    相手の性別によって分かれます
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    女性の反応はこんな感じ —
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    「素敵 そろそろ出る頃だと思った
    いつ使えるようになりますか？」
  • 0:16 - 0:18
    （笑）
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    男性の反応は 次の二つに大別されます
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    そのアイデアを気にいるか
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    少し 用心深げに 私を見て
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    自分の睾丸に何を
    するつもりかと聞きます
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    （笑）
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    では なぜ この世の中で
    男性用のピルが必要なのか？
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    こう言ったらどうでしょう
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    合衆国では１年間に
    600万件の妊娠があります
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    そのうち 300万件が
    意図しなかった妊娠です
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    半数です
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    これは非常に驚くべき数値です
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    その300万件の
    意図しなかった妊娠が
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    毎年合衆国で行われる
    100万件以上の中絶の
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    大多数を占めています
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    幸い ここ数年で
    意図せぬ妊娠の割合は
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    10％くらい減少しています
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    これは 以前よりも多くの女性が
    効果的で 作用時間の長い
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    可逆的な避妊を行なっているおかげです
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    でも まだまだ道のりは長いです
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    ついに実現可能になってきた
    アプローチの１つは
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    男性にとって より良い避妊の選択肢です
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    それについて考えてみましょう
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    女性のための避妊法は
    10以上あります
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    避妊ピル、パッチ、IUD
    注射、スポンジ、リング、などなどです
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    ところが男性の場合は
    100年以上ずっと
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    同じ２つの選択肢しかありません
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    コンドームと パイプカットです
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    たった２つの選択肢しかないにもかかわらず
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    その２つとも はっきりした欠点があります
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    現在行われている避妊のうち
    男性側の避妊は 30％で
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    カップルの10％が
    パイプカットに頼り
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    20％が コンドームを使っています
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    なぜ20％ものカップルが コンドームによる
    避妊に頼っているのでしょうか？
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    １年間の失敗率が 15％もあるというのにです
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    その理由は 多くの女性が
    現在利用できる女性用の避妊ピルを
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    血栓症などが起こるせいで
    安全に使えないか
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    副作用に耐えられないからです
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    男性用の避妊薬が有効だと考えるなら
    次にこんな疑問がおこります
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    「その避妊法をどう開発するか？」
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    ２つの一般的アプローチがあります
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    １つは 精子が卵子に
    向かって泳いだり
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    卵子と結合しようとするのを
    阻止しようとするものです
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    この方法は 実に難しいことが分かっています
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    なぜなら わずかな量の精液に
    十分な量の薬品を注入して
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    それでも女性の生殖器内で
    作用させることが難しいからです
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    ですから ２番目の方法に対しての方が
    より多くの取り組みがなされてきました
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    その方法とは 精子が作られるのを
    完全に止めるというものです
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    この方法もまた難度が高いです
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    なぜかというと 男は多くの
    精子を作るからです
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    （笑）
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    男性は 毎秒 1000個の精子を作ります
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    効果的な避妊薬を作るには
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    精子生産を 通常の１％まで
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    低下させる必要があるからです
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    幸いにも それは可能です
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    ほとんど可能です
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    最も研究が進んでいるアプローチは
    ホルモンを使って精子形成を抑制するものです
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    テストステロンとプロゲステロンを
    一緒に投与すると
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    脳から睾丸への 精子を形成しろ
    というシグナルを抑制し
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    男性の90％において
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    ３、４ヵ月後には
    精子の形成がストップします
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    あいにく このホルモン療法は
    10％の男性には効きません
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    その原因は分かっていませんが
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    この数年 私は同僚たちと
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    男性用の避妊薬の開発において
    別のアプローチを試みてきました
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    それは ホルモンの投与を
    含まないアプローチです
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    具体的に言うと 精巣における
    ビタミンA機能の阻止です
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    なぜかというと 90年以上前から
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    精子の形成には ビタミンAが必要だと
    知られているからです
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    動物実験で 食餌から
    ビタミンAを取り除くと
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    精子の形成が止まり
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    ビタミンAを再び導入すると
    精子の形成が再開します
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    私たちが摂取する ビタミンAは
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    一群の酵素によって
    レチノイン酸に変化します
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    この酵素の１つは
    精巣の中にしかありません
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    私たちがブロックしようとしているのは
    この酵素です
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    この酵素をブロックすれば
    精巣内にレチノイン酸がなくなるので
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    精子の形成が止まり
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    体の他の場所では
    ビタミンAの機能に影響が出ないはずです
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    この方法は動物実験で検証中であり
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    人体での治験への移行は
    間近だと思っています
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    当然 このような男性用避妊薬には
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    生殖生物学を越えた影響があります
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    興味深いのは この方法が
    男女の関係に及ぼす影響について
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    推測することです
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    一つ魅力的な可能性は
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    男性が 自分の避妊状況を 一定期間
    モニターできるようになるというものです
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    ここ数年の間に
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    ２つのグループが 家庭で使える
    精子検査装置を発表しています
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    iPhoneを使った装置で
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    簡単に使えるものです
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    男性は 精子を検査して 結果を
    パートナーと共有できるようになります
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    もし男性の精子数がゼロだったら
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    その人とパートナーは
    ごく安心して
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    男性側の避妊薬に頼れるでしょう
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    このようなツールを
    男性用の避妊薬と併用すれば
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    意図せぬ妊娠を回避するにあたり
    男性が果たす役割は大きく増えるでしょう
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    男性用の避妊法に
    取り組んでいる研究者たちは
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    カップルにとっての より良い未来を
    構築しようとしています
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    避妊をすることは
    もはや単に「女性の問題」ではなく
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    両性が一緒に決める問題だと
    受け止められる未来です
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    なぜ 世界は 男性用のピルを
    必要としているのでしょうか？
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    男性用ピルは
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    なかなか下がらない
    意図せぬ妊娠や中絶を減らすのに役立ち
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    女性と同様に 男性も
    避妊に協力するようになると
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    私は思っています
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    ありがとうございました
  • 6:06 - 6:11
    （拍手）
Title:
男性用の避妊薬のしくみ
Speaker:
ジョン・エイモリー
Description:

男性科専門医のジョン・エイモリーは、意図せぬ妊娠の回避に責任を負うための新しい選択肢を男性に与える、革新的な男性用の避妊法の開発をしています。エイモリーは、開発中の方法の科学的背景、世の中に男性用ピルが必要な理由について、詳しく語ります。
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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
06:23

Japanese subtitles

Revisions

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