色の起源 | アンドリュー・パーカー | TEDxSydney
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0:12 - 0:16そもそも 外の世界に
色は存在しません -
0:17 - 0:20色は目のある生物の
心の中にだけ存在するものです -
0:20 - 0:22そして外界の映像が
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0:22 - 0:25どう作り上げられるのか
まだ十分には分かっていませんが -
0:25 - 0:27自然からすれば問題ではありません
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0:27 - 0:29自然は物事の仕組みを
理解する必要がありません -
0:29 - 0:34ただ試行錯誤やランダムな変異によって
物事を発明し続けているのです -
0:35 - 0:39どうやってこれらの2つの事実に気づき
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0:39 - 0:41バイオミメティクス(生体模倣)を
研究するようになったかお話しします -
0:41 - 0:44自然から学び 着想を得て
産業に応用する分野の研究です -
0:44 - 0:47自然から学び 着想を得て
産業に応用する分野の研究です -
0:49 - 0:5120年前にきっかけとなったのは
-
0:51 - 0:56ウミホタル あるいは貝虫と呼ばれる生物を
研究していたときのことです -
0:58 - 1:01トマトの種ほどの大きさの目立たない
生き物で あまり知られていませんが -
1:01 - 1:04オーストラリアの海岸では
とてもありふれています -
1:04 - 1:08また 生物発光によっても知られています
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1:08 - 1:11反射できる光が無い闇の中で
光を発するのです -
1:11 - 1:14シドニー近辺の海岸でも夜には見つかります
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1:14 - 1:16この写真のような感じです
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1:17 - 1:18ここまでは良く知られていました
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1:18 - 1:22私の研究は緑の閃光とともに始まったという
話をよくしています -
1:23 - 1:25緑ないし青色の光です
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1:26 - 1:31保存してあったウミホタルを顕微鏡で
観察していたときに -
1:31 - 1:34私が試料をつつきまわすと
青や緑の光が見えたのです -
1:34 - 1:38ウミホタルでは未知のことだったので
何が起きているんだろうと思いました -
1:38 - 1:43それから生きたウミホタルの求愛を
ビデオ撮影していると -
1:43 - 1:45この虹色の発光を利用して
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1:45 - 1:48相手を惹きつけていました
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1:48 - 1:53そこで どうなっているのか調べるために
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1:53 - 1:55ウミホタルを電子顕微鏡で
観察してみました -
1:55 - 1:59この写真が触角の表面に見られる
回折格子です -
1:59 - 2:00この写真が触角の表面に見られる
回折格子です -
2:00 - 2:03白色の光から
それを構成する色を分離することができます -
2:05 - 2:08回折格子は物理の分野や
産業界でよく目にするものです -
2:08 - 2:11工学的にさまざまに用いられます
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2:11 - 2:14しかしウミホタルや動物一般では
知られていませんでした -
2:15 - 2:17ここで面白いことは
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2:17 - 2:20これが求愛のための
ディスプレイに用いられるという点です -
2:20 - 2:21ある機能を有しているので
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2:21 - 2:24進化の結果
極めて効率的になりました -
2:24 - 2:27自然が何百万年もこの進化に携わり
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2:27 - 2:30最適に働くよう
微調整を加えてきました -
2:31 - 2:32私は自分が何を探しているのか
分かりました -
2:32 - 2:35自然界で他のどこに
回折格子はあるのだろうと考え -
2:35 - 2:37あらゆる種類の動物を調べたところ
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2:37 - 2:39様々な種類で見つかりました
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2:39 - 2:41ここに示すような蠕虫(ぜんちゅう)や
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2:41 - 2:45節足動物 ―コシオリエビ科の
ロブスターのはさみも -
2:46 - 2:49見る方向ごとに違った色を呈します
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2:49 - 2:52鮮やかで金属光沢のある色で
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2:52 - 2:55ハチドリや甲虫類も同じ色を示します
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2:56 - 2:59これは骨のような構造をしています
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2:59 - 3:02そこで化石の中にも
見つかるのではないかと考えました -
3:03 - 3:04そして確かにありました
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3:04 - 3:05化石を調べてみると
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3:05 - 3:094500万年前の
石から出てきた甲虫は -
3:09 - 3:12あたかも生きているかのような
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3:12 - 3:14金属的な光沢を示しました
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3:14 - 3:18ここに示した8500万年前の
アンモナイトもそうです -
3:18 - 3:21ご覧のように層状の反射体から
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3:21 - 3:23光が反射するのです
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3:23 - 3:26それぞれの層は髪の毛の
100分の1ほどの厚みで -
3:26 - 3:30極めて微細なナノ構造にすぎません
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3:31 - 3:34もっとも古いものはバージェス頁岩の化石で
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3:34 - 3:375億8百万年前のカンブリア紀の化石です
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3:38 - 3:42そこでこんなことを考えました
色の歴史をここまで辿れたが -
3:42 - 3:44どれほど昔まで遡ることができるのだろう
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3:44 - 3:47地球上で色が登場したのはいつなのか
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3:47 - 3:50こうして 最初に誕生した眼を
探すことにしました -
3:51 - 3:55そして ある種の三葉虫が
まさに初期の眼を持っていたことがわかりました -
3:55 - 3:57ここに示すような種類です
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3:57 - 3:59この尾根状の形態の一つが
眼の上を通っています -
3:59 - 4:01実際かなり良い眼で
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4:01 - 4:04今の我々と同じように像を結ぶことができます
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4:04 - 4:07ただこの生物は5億2100万年前に
生きていたものです -
4:09 - 4:13それ以前には視覚は存在せず
色は意味がありませんでした -
4:13 - 4:16色などというものはなく
光の波長だけがありました -
4:16 - 4:19その時代に生きていた生物を見てみると
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4:19 - 4:22三葉虫は固い殻で武装しており
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4:22 - 4:24非常に進んだスタイルの生き物でした
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4:24 - 4:26素早く移動し
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4:26 - 4:28生物を切り裂く固い武器を
備えていました -
4:28 - 4:29捕食者だったのです
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4:29 - 4:31周りの生物を見ることができました
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4:31 - 4:34これより少し前までは
すべての生物の体はやわらかく -
4:34 - 4:36三葉虫の祖先もやわらかい生き物でした
-
4:36 - 4:39全ての生物は海底をゆっくりと動き回り
周囲にはぶつかるだけでした -
4:39 - 4:42反応しあうことは
たいして起こりません -
4:42 - 4:44光センサーはありましたが
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4:44 - 4:47その当時のもっとも進んだ光センサーで
捉えた映像も -
4:47 - 4:50こんな様子だったでしょう
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4:50 - 4:53当時のセンサーで環境を眺めたら
良くてこの程度です -
4:53 - 4:54当時のセンサーで環境を眺めたら
良くてこの程度です -
4:55 - 4:57光がどちらの方向からやってくるか
わかるので -
4:57 - 5:00水中でどちらが上でどちらが下かぐらいは
わかります -
5:00 - 5:04しかし身の回りの敵も味方もわかりません
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5:04 - 5:07他の生物を特定することはできず
何がいるかも分かりません -
5:07 - 5:11そして 生命の歴史上
最も劇的な出来事が起きたのでしょう -
5:12 - 5:15光センサーが進化してレンズを獲得したのです
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5:15 - 5:19像が眼底に投影されるようになりました
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5:19 - 5:22地球で初めての像です
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5:22 - 5:24こんな世界が見えたのでしょう
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5:24 - 5:26周りの生物が全て見えます
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5:26 - 5:28餌になりそうな生物を見分けられます
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5:28 - 5:33すると 選択圧つまり淘汰圧が
その動物にはたらいて -
5:33 - 5:35行きたいところへ泳げるような運動器官や
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5:35 - 5:37餌を食いちぎるための固い器官を獲得し
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5:37 - 5:39体の柔らかい動物を全て
餌とするようになります -
5:39 - 5:43要するに食べられるのを待っている
タンパク質の塊というわけです -
5:43 - 5:45このことがカンブリア紀の生物大爆発という
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5:45 - 5:46進化のビッグバンを促し
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5:46 - 5:48ここであらゆる生物が
蠕虫やクラゲのような軟体から進化して -
5:48 - 5:50ここであらゆる生物が
蠕虫やクラゲのような軟体から進化して -
5:50 - 5:54今 目にするような
様々な体を持ち -
5:54 - 5:55様々な行動をするようになりました
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5:55 - 5:57生命は突然複雑になりました
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5:57 - 6:00世界に視覚が与えられ
それは今も残っています -
6:01 - 6:04今では 95%の動物が目を持っています
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6:04 - 6:06視覚は地上で最も強力な刺激です
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6:06 - 6:08どこに行っても
そのイメージを網膜に写し取ります -
6:08 - 6:11そうなると
動物は適応しなければなりません -
6:11 - 6:15いつ何時でも捕食者に捕らえられる
可能性が出てきたのです -
6:15 - 6:21進化によるデザインプロセスは
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6:21 - 6:25何兆ものDNAの鎖の変異の中から
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6:25 - 6:29無限の組み合わせを試して
新しい色を作り出してきました -
6:30 - 6:33何百万年もかけた取り組みです
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6:33 - 6:36何億年もかけて最適な色を作り出してきました
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6:36 - 6:39産業的な設計だったら
新しい色を開発するのに -
6:39 - 6:401年もあれば恵まれています
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6:41 - 6:44それなら 自然界を探して
何かコピーできるものがあるかどうか -
6:44 - 6:46見てみようじゃないですか
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6:46 - 6:49その色が生じる仕組みが分からなくても
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6:49 - 6:51それは問題ではありません
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6:51 - 6:54自然の中にあるナノ構造を
ただ模倣すれば良いのです -
6:54 - 6:57そうすれば同じ色が手に入るでしょう
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6:57 - 7:01結局 どちらも目指すゴールは同じです
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7:01 - 7:03視覚に及ぼす効果です
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7:03 - 7:06まず 産業の面から考えてみましょう
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7:06 - 7:08どんな種類の色がお望みでしょうか
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7:08 - 7:11暗いところでも鮮やかに目立つ色で
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7:11 - 7:14陽の光が無くても光を生じるタイプは
いかがですか -
7:15 - 7:17例えばケミカルライトとして
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7:17 - 7:20あるいは農業分野での応用もあります
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7:20 - 7:24作物がウイルスに感染すると
夜になって光を放ち -
7:24 - 7:27どこが感染しているかを
農家に伝えることができます -
7:27 - 7:30私たちが生体発光の材料で
取り組んでいることです -
7:30 - 7:35生体発光では2種類の化学物質が
有酸素の条件で相互作用して -
7:35 - 7:37その際の副産物として光を生じます
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7:37 - 7:38これは大変効率的な光です
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7:38 - 7:41ほとんどすべてのエネルギーが光に変換され
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7:41 - 7:44たとえば白熱電球と違って
熱はほとんど生じません -
7:45 - 7:50生物発光はホタルなど発光性の生物が
光を出す仕組みです -
7:50 - 7:52深海ではありふれた現象で
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7:52 - 7:55深海生物の90パーセント以上は
生物発光をします -
7:55 - 7:58産業界は色素を求めているでしょうか?
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7:58 - 8:02これは自然界ではありふれたもので
たとえばこのミルクスネークにも色素があります -
8:02 - 8:07この場合にはオレンジ色の色素です
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8:07 - 8:12ここで何が起きているかというと
あらゆる波長の光を含む白色光が -
8:12 - 8:14色素分子にあたります
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8:14 - 8:17大半の波長は吸収されて熱に変換されますが
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8:18 - 8:21吸収されなかった残りのエネルギーが
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8:21 - 8:24逆向きの反射や散乱によって
周りに放出されます -
8:24 - 8:25その色が見えるわけです
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8:26 - 8:29また自然が産業界に色素を提供する
別の方法もあります -
8:29 - 8:32それは色素胞あるいは色素細胞と
呼ばれるものです -
8:32 - 8:34これは拡大したり縮小したりできる細胞で
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8:34 - 8:36色素をたくさん含んでいます
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8:36 - 8:37これが広がると
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8:37 - 8:40画素として見えるほど大きくなり
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8:40 - 8:43これが縮むと
見えなくなります -
8:43 - 8:48カメレオンやコウイカなどイカの仲間が
色を変える仕組みです -
8:48 - 8:51赤や青や緑の色素胞を並べて
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8:51 - 8:56これを拡張させたり縮小させたりすれば
どんな所望の色でも作れるでしょう -
8:56 - 8:58今 ジョージア工科大と共同で
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8:58 - 9:01色変化をする表面と材料を研究しています
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9:01 - 9:03例えば迷彩色として役立つでしょう
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9:04 - 9:07また多く見つかる蛍光色素も
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9:07 - 9:08産業界に提供できるでしょう
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9:08 - 9:12例えばオーストラリアのインコの
蛍光色素を見てみましょう -
9:13 - 9:16こちらはキバタンの冠羽で蛍光を発します
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9:16 - 9:17こちらはキバタンの冠羽で蛍光を発します
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9:18 - 9:22黄色の色素を示した写真と
蛍光だけを示した写真です -
9:22 - 9:25黄色の色素を示した写真と
蛍光だけを示した写真です -
9:25 - 9:27どういうことかというと
蛍光もまた黄色で -
9:27 - 9:31黄色の色素の効果を増強しているのです
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9:31 - 9:36蛍光を示す羽根と示さない羽根とが
あることがわかりました -
9:36 - 9:37蛍光を示す羽根と示さない羽根とが
あることがわかりました -
9:37 - 9:39求愛行動で使われる羽根
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9:39 - 9:42つまり羽根飾りの部分で
メスにアピールするのですが -
9:42 - 9:44この羽根には蛍光色素があります
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9:44 - 9:47つまり偶然によって
黄色の蛍光を発するのではありません -
9:47 - 9:49ここには進化がはたらいていて
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9:49 - 9:52極めて効率良く黄色の光を
発するようになっているのです -
9:53 - 9:57蛍光は原子レベルの機構によるもので
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9:58 - 10:01紫外線を含んだ白色光が来たときに生じます
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10:02 - 10:04紫外線は目に見えませんが
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10:04 - 10:09色素分子に吸収されて
長い波長の光が返ってくるのです -
10:09 - 10:13紫外線の持っている
大きなエネルギーの一部を使って -
10:13 - 10:17電子は
より外側の軌道に移ります -
10:17 - 10:18すぐに電子は元の軌道に落ちてきますが
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10:18 - 10:21そのときにエネルギーを光として放射します
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10:21 - 10:24一部は熱として失われるので
エネルギーは小さくなり -
10:24 - 10:27波長の長い光
例えば黄色の光が出てきます -
10:27 - 10:29目に見えない紫外線から
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10:29 - 10:31目に見える黄色の光になるのです
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10:31 - 10:35さて 次は私の好きなテーマの
構造色です -
10:35 - 10:38自然のナノテクノロジーと
言ってもよいでしょう -
10:39 - 10:44これは完全に透明な物質で作られた
物理的な構造です -
10:44 - 10:47ナノスケールの構造が重要で
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10:47 - 10:50これでどんな色が反射されるか
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10:50 - 10:53あるいはどんな光の効果が生じるかが
決まります -
10:53 - 10:56これはシドニーの海辺で見つかる
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10:56 - 11:00コガネウロコムシのトゲです
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11:00 - 11:04奇妙な恰好の動物で
小さな虹色のマウスにも見えます -
11:04 - 11:06しかしこれは海の生き物で
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11:06 - 11:08虹色のトゲに覆われています
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11:08 - 11:09このトゲの断面を見ると
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11:09 - 11:12これらのナノチューブが
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11:12 - 11:15フォトニック結晶の線維と
なっていることが分かります -
11:15 - 11:19物理の分野でフォトニック結晶が
発見されたのは1980年代ですが -
11:19 - 11:23それ以来
さまざまな技術に応用されてきました -
11:23 - 11:25未来のコンピューターは
電子素子の代わりに -
11:25 - 11:28光素子を使って
革命をもたらすことでしょう -
11:28 - 11:30このタイプのフォトニック結晶は
すでに通信産業で使われています -
11:30 - 11:33このタイプのフォトニック結晶は
すでに通信産業で使われています -
11:35 - 11:37しかし自然が行ったデザインには
物理学で未知のものがあり -
11:37 - 11:40どういう仕組みか
その物理が完全にはわかっていません -
11:40 - 11:44とりあえず
自然が作った物を真似すれば良いのです -
11:44 - 11:46これは私が見つけたのではありません
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11:46 - 11:48自然界で見つかった最初のフォトニック結晶は
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11:48 - 11:51私が2000年に見つけました
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11:51 - 11:53もしもっと早くから自然界を
調べ始めていたら -
11:53 - 11:55ずいぶんと時間を節約できたかもしれません
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11:57 - 12:01蝶もフォトニック結晶の良い例です
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12:01 - 12:04蝶の羽根には10万枚もの鱗粉が
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12:04 - 12:06屋根の瓦のように並んでいます
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12:06 - 12:09それぞれの鱗粉はナノ構造でできていて
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12:09 - 12:12光の波とさまざまな相互作用を示します
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12:13 - 12:15スライドでは
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12:15 - 12:20この鱗粉の詳細を捉えた
電子顕微鏡の画像をお見せします -
12:20 - 12:23これもまた 髪の毛の100分の1サイズです
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12:23 - 12:25これらの構造の多様性は
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12:25 - 12:28建物の形のように多種多様です
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12:28 - 12:32光の波長程度のサイズの
ナノスケールの構造によって -
12:33 - 12:35光学的な効果が変わります
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12:36 - 12:40さまざまな構造体によって
別の色を生じたり -
12:40 - 12:44その色の変化の仕方が違ったりします
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12:44 - 12:46この鱗粉を違った角度から見ると
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12:46 - 12:49色が変化する構造も
一定の色が見える構造もあります -
12:49 - 12:53彩度の高い鱗粉も
濁った色の鱗粉もあります -
12:58 - 13:01フォトニック結晶の良い例はオパールです
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13:02 - 13:06左上の写真は宝石のオパールです
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13:06 - 13:10オパールにはナノサイズの球体が
詰まっています -
13:10 - 13:12ぎっしりと詰まっています
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13:12 - 13:13入ってきた光線は
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13:13 - 13:16この構造の中であちこちで反射し
互いに作用して -
13:16 - 13:18虹色の光を生み出します
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13:19 - 13:252005年には 面白いことに
ゾウムシでオパール構造を見つけました -
13:25 - 13:27生物がオパールを作るのです
-
13:28 - 13:31オパールも多くの応用技術で使われます
-
13:31 - 13:33例えばコンピューターの素子です
-
13:33 - 13:35工業的にはエネルギーを
たくさん費やして製造します -
13:35 - 13:38高温と高圧が必要なのです
-
13:38 - 13:43しかし自然界の動物は
室温と常圧でこれを作っています -
13:43 - 13:45魔法のように化学材料を混ぜ合わせると
-
13:45 - 13:49とてもわずかなエネルギー消費で
この完璧なオパール構造ができるのです -
13:49 - 13:51今私たちもこれを目指しています
-
13:51 - 13:54生きたゾウムシの鱗粉を観察して
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13:54 - 13:56この素子がどうやって作られるのか
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13:56 - 14:00そしてその仕組みをまねて
工業的に使えないか 研究しています -
14:02 - 14:06また自然の光学素子の中には
まったく色を生じないものもあります -
14:06 - 14:07それどころか あらゆる反射を防ぎ
-
14:07 - 14:09それどころか あらゆる反射を防ぎ
-
14:09 - 14:11全ての光が表面を透過するようにします
-
14:11 - 14:14この琥珀の中から見つかった
4500万年前のハエの眼の構造がそうです -
14:14 - 14:16この琥珀の中から見つかった
4500万年前のハエの眼の構造がそうです -
14:16 - 14:18電子顕微鏡で捉えた微細構造は
-
14:18 - 14:21写真で見えるか見えないかの
非常に細い縞模様です -
14:21 - 14:26この構造を右下の写真のように
アクリル樹脂の表面に作りました -
14:26 - 14:28中央部には
この構造が作られているのです -
14:28 - 14:31反射が低減していることがわかります
-
14:31 - 14:34光が反射されないで
すべて透過するのです -
14:34 - 14:36これでガラス窓を処理すれば
-
14:36 - 14:38自分の姿が写り込んだりしません
-
14:38 - 14:43また太陽電池パネルを処理すれば
エネルギー効率が10パーセント向上します -
14:46 - 14:47さて数年前に
-
14:47 - 14:50生体模倣分野の狙いを
光学や色だけでなく -
14:50 - 14:52他の分野に広げ始めました
-
14:52 - 14:56甲虫やシャコ類の持つ強い材料
-
14:56 - 14:59水中でも機能する接着剤とか
-
14:59 - 15:04自然の動物や植物に基づいた建物
-
15:04 - 15:07アリ塚に見られるような
ほとんどエネルギーの要らない空調システムは -
15:07 - 15:09アリ塚に見られるような
ほとんどエネルギーの要らない空調システムは -
15:09 - 15:10ビルで使えます
-
15:11 - 15:14水の問題も私を捕らえました
-
15:14 - 15:15手短に話します
-
15:15 - 15:18例えばナミブ砂漠の
甲虫(サカダチゴミムシダマシ)は -
15:18 - 15:21砂漠の霧から水を集める実に効率的な構造を
持っていることを見つけました -
15:21 - 15:23この構造は空調機に用いられ
-
15:23 - 15:26水分を取り出してリサイクルするために
使われています -
15:26 - 15:28自然が教えてくれたことは
-
15:28 - 15:32空中の水という水源があり
-
15:32 - 15:34砂漠の動物や植物は
それを利用しているということです -
15:34 - 15:38この技術については
MIT と共同研究しており -
15:38 - 15:42もうじき最初の装置をアフリカに届けて
-
15:42 - 15:47飲料水や医療用の水を
集められるようになるでしょう -
15:48 - 15:52残念ながら今後の計画について
詳細をお話しすることはできませんが -
15:52 - 15:55来年には 大変おもしろいものが
登場するはずです -
15:55 - 15:58この研究分野についてご紹介してきました
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15:58 - 16:00全ての始まりは と言えば
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16:00 - 16:035億2千万年前のできごとだったのです
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16:03 - 16:04ありがとうございました
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16:04 - 16:07(拍手)
- Title:
- 色の起源 | アンドリュー・パーカー | TEDxSydney
- Description:
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アンドリュー・パーカーは、オーストラリア博物館とマッコーリー大学で海洋生物学と物理学を研究し、後にオックスフォード大学に移りました。眼の進化がきっかけになって進化のビッグバンが起きたという「光スイッチ説」を確立したのちに、設計原理を自然界に求める生体模倣技術の研究を進めています。例えば、ハチドリと同じ発色の塗料や、昆虫の眼に倣った太陽電池用の無反射表面構造、ナミブ砂漠のサカダチゴミムシダマシを手本にした水回収デバイスでアフリカにきれいな飲料水を提供することなどを試みています。
アンドリュー・パーカーはロンドンの Royal Institution によって「新世紀の科学者」に選ばれており、一般向けの科学解説書として『眼の誕生』と ”Seven Deadly Colours” の著者でもあります。現在は、ロンドン自然史博物館とオックスフォード大学のグリーン・テンプルトン・カレッジで研究リーダーを勤めています。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 16:57
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Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for Does colour exist? | Andrew Parker | TEDxSydney | |
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Masaki Yanagishita accepted Japanese subtitles for Does colour exist? | Andrew Parker | TEDxSydney | |
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Masaki Yanagishita edited Japanese subtitles for Does colour exist? | Andrew Parker | TEDxSydney | |
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Does colour exist? | Andrew Parker | TEDxSydney | |
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Does colour exist? | Andrew Parker | TEDxSydney | |
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Does colour exist? | Andrew Parker | TEDxSydney | |
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Does colour exist? | Andrew Parker | TEDxSydney | |
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Does colour exist? | Andrew Parker | TEDxSydney |