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汚れのない海の姿を見てみよう

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    今日私は2つのことについて話します
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    1つめは私たちは何を失ってしまったのか
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    2つめはそれを取り戻す方法です
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    まず最初に
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    これが私の基準となっています
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    地中海沿岸部です
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    魚がおらず 岩肌が露出し
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    海藻を好んで食べるウニが大量にいます
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    初めて潜った海は
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    このような海でした
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    スペインの地中海沿岸でした
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    もし宇宙人が地球に来たら
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    ―名前をジョーとしましょう―
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    ジョーは何をみるでしょう
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    ジョーがサンゴ礁に飛び込んだとしたら
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    数多くの生物を目にするでしょう
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    ジョーが手つかずのサンゴ礁に
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    飛び込むことはほとんどないでしょう
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    人跡未踏のサンゴ礁にはサンゴやサメ
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    ワニやマナティー
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    ハタやカメがたくさんいます
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    たぶんジョーが目にするのは
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    こちらの部分です
    緑色の側になります
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    死んだサンゴや
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    たくさんの微生物やクラゲがいます
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    ダイバーがいるのが
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    世界の大半のサンゴ礁の現状で
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    ほとんどサンゴはなく 
    藻がはびこり
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    大量のバクテリアがいます
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    大型生物は存在していません
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    多くの海洋学者がみてきた状況です
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    これが基準であり 
    海洋学者たちが考える自然です
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    私たちの現在の科学は
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    スキューバダイビングと共に始まりました
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    人間が海の生態系の破壊を始めてから
    ずっと後の話です
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    そこで皆さんをタイムマシーンに招待します
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    左側 ―過去に向かって進みます
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    海のかつての姿を見てみましょう
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    このタイムマシーンから始めましょう
    ライン島です
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    私たちは一連の
    ナショナル・ジオグラフィックの調査をしました
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    キリバスに属する多島海で
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    赤道を越えて広がり
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    いくつかは無人で
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    漁業が行われていない
    手つかずの島です
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    そして人の住む島がいくつかあります
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    最初の島です
    人口5千人あまりのクリスマス島です
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    サンゴ礁のほとんどが死滅し
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    サンゴが死に
    藻がはびこっています
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    ここにいる魚の大きさは
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    魚を数えるための使った鉛筆よりも小さいです
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    私たちは250時間潜りました
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    2005年のことです
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    一匹のサメも見ませんでした
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    1777年に島を発見したキャプテン・クックは
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    多数のサメがいたことを記しています
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    上陸する時に サメが小さなボートの舵や
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    オールに噛みついたのです
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    さらに過去にさかのぼってみましょう
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    2500人が住むファニング島です
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    サンゴ礁が元気で
    小さな魚が無数にいます
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    多くのダイバーが楽園だと思う姿です
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    フロリダキーズ連邦海洋保護区の大部分で
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    同じ様子を見ることができます
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    多くの人がとても美しいと感じます
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    これを基準とするならの話です
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    もし私たちが
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    パルミラ環礁のような海に戻ると
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    数年前にジェレミー・ジャクソンと
    訪れた場所ですが
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    サンゴの状況は輪をかけて良好で
    たくさんのサメがいました
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    潜るたびにサメに遭遇しました
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    現在のサンゴ礁では珍しいことです
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    しかしその一方で
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    ダイアルを200年や500年前に戻すと
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    私たちが到着するのは
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    サンゴが完全な状態で極めて美しく
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    目を見張るような様相をし
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    そこでは肉食魚が
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    最も目立つ生物となり
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    一度潜ると25から50頭のサメに出会います
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    これらの場所から何を学んだのでしょうか
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    私たちが考えてきた自然の姿です
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    バイオマスのピラミッドと呼びます
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    サンゴ礁のすべての魚を集めて
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    重さを量るとこうなります
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    食物連鎖の底辺の草食生物が
    バイオマスの大半を占めており
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    藻を食べるブダイやクロハギ
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    プランクトン食者の小さなスズメダイ
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    水中に漂う小さな生物たちです
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    肉食魚のバイオマスは小さくなり
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    頂点では
    さらに小さなバイオマスです
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    そこにはサメや
    大型のフエダイ類やハタ類が含まれます
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    それがこうなります
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    この世界観は
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    劣化したサンゴの研究の結果です
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    手つかずのサンゴ礁を訪れたとき
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    自然界は
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    真逆だと気づきました
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    このピラミッドは逆さになります
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    上位の生物がバイオマスの大半を占め
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    場所によっては85パーセントを占めます
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    現在保護されているキングマン礁で見られます
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    嬉しいことに
    肉食魚だけでなく
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    すべての個体数が増えています
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    この部分が大きくなります
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    サメの数が増え 
    フエダイのバイオマスが大きくなり
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    草食魚のバイオマスも大きくなります
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    このブダイは海のヤギのようで
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    サンゴをきれいにし
    見えるものを食べつくし
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    サンゴをきれいに保ち
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    サンゴが回復するのを助けます
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    ここに限らず
    原始で未踏の海域には
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    多くの魚が生息するだけでなく
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    生態系の重要な構成要素となる
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    大型の貝も生息しています
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    ラグーンのオオジャコガイは
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    1平方メートルに20から25体生息しています
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    人が入ったサンゴ礁から
    これらの貝は消滅しました
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    オオジャコガイは水をろ過し
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    微生物や病原体から
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    水をきれいに保ちます
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    しかし地球温暖化が起っています
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    サンゴが法律によって保護されたり
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    遠すぎて漁場にならないのは良いことですが
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    長期に渡り海水温度が上昇すると
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    サンゴは死んでしまいます
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    これらの魚や
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    肉食魚がどのように役立つのでしょうか
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    私たちが目撃したのは
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    ある地域の
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    1997年と98年のエルニーニョの年の様子です
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    長い間
    海水が温かくなり過ぎ
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    多くのサンゴが白化し
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    多くが死んでしまいました
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    クリスマス島では
    食物網が縮小し
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    大型生物がいなくなりました
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    サンゴは回復していません
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    ファニング島でもサンゴは回復していません
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    見ての通り
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    大きなテーブルサンゴが死んで
    崩壊しています
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    魚が藻を食べているため
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    藻が生えている部分は少ないです
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    パルミラ環礁を見てみましょう
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    草食魚のバイオマスが大きく
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    死んだサンゴはきれいになり
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    サンゴが回復しつつあります
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    手つかずの海をみてみましょう
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    これがかつて白化したのでしょうか
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    ここでもサンゴは白化しましたが
    早く回復しました
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    食物網に損傷がなく
    完全に近く
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    より複雑であれば
  • 6:02 - 6:05
    より回復力が強いのです
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    温暖化の短期的な影響から
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    回復しやすいシステムとなっています
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    これは朗報です
    この構造を復活させることが必要です
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    生態系のすべてが揃っていることを
    確認する必要があります
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    そうすれば
    生態系は
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    地球温暖化の影響に適応可能となります
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    基準をリセットし
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    生態系を過去に戻す必要があるなら
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    どうすれば可能でしょうか
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    いくつかの方法があります
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    確かな方法の一つは海洋保護区です
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    特に禁漁の保護区です
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    私たちは
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    海洋生物が回復するのを待つのです
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    地中海の写真に
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    戻ってみましょう
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    子どもの時に見た私の基準となる海です
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    その頃見ていた
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    ジャック・クストーの番組では
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    豊かで多種多様な生物がいる海が
    紹介されていました
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    この豊かな海は
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    熱帯の海に違いないと思い
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    地中海は元々貧弱な海だと思っていました
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    初めて海洋保護区で潜るまでは
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    知る由もなかったのです
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    そこで無数の魚を目にしました
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    数年で
    ―5年か7年くらいで
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    魚が戻り 魚はウニを食べ
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    藻が育ち始めました
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    小さな藻場があれば
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    ノートパソコンほどの広さの中に
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    藻は100種類以上見つかります
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    ほとんど顕微鏡でしか見えません
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    何百もの小さな生物が
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    魚のエサとなり
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    システムが回復します
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    メデス諸島海洋保護区です
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    94ヘクタールしかありませんが
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    地域経済に600万ユーロをもたらしています
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    漁業の20倍で
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    観光収入の
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    88パーセントを占めています
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    保護区は生態系を救うだけでなく
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    人々の役に立ち
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    人々は生態系から恩恵を受けます
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    禁漁保護区の役割を
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    まとめてみましょう
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    これらの場所を保護することによって
  • 7:57 - 8:00
    保護しない周辺の場所と比べると
    次のようなことが起ります
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    生物の種類が21パーセント増加します
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    1000種の生物がいるとすれば
  • 8:04 - 8:06
    保護区では200種増えます
  • 8:06 - 8:08
    これは相当な数です
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    生物の大きさが3割大きくなり
  • 8:11 - 8:13
    魚はこの大きさになります
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    存在量 ―1平方メートルあたりの魚の密度は
  • 8:16 - 8:19
    170パーセント増加します
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    バイオマスに最も大きな変化が現れ
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    4.5倍に増加します
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    平均5年から7年の間にです
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    場所によっては保護区のバイオマスが
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    10倍にもなります
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    保護区内で育った生物は
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    どのように役立つのでしょうか
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    集団生物学の基本ですが 繁殖します
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    魚を殺さなければ 魚の寿命は延び
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    より大きく育ち より繁殖します
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    無脊椎生物でも同じです
    ここに例があります
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    卵のうです
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    チリの沿岸部で巻貝が産卵したものですが
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    海底に無数の卵が産みつけられています
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    保護区の外では
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    見つけることさえできません
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    保護区内には1平方メートルに
    130万個の卵があり
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    巻貝がたくさん生息しています
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    これらの生物は繁殖し
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    小さな幼生が溢れ出し
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    すべてが溢れ出し
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    保護区外の人も恩恵を受けます
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    バハマのナッソー・グルーパーです
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    保護区には多数のグルーパーが生息し
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    保護区に近づくについれて
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    グルーパーの数は増えます
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    漁師の釣る魚が増えます
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    保護区の境界には
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    ボートが並び一目瞭然です
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    溢れ出した魚が
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    保護区の外にも利益をもたらし
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    周辺の人々に役立っています
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    同時に
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    保護区ではすべての生物を保護し
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    回復力を増します
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    現在の状況は
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    つまり保護区のない世界は
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    引き落とし口座のようで
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    いつも引き出すだけで
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    預金することがありません
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    保護区は定期預金口座のようなものです
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    手を付けない元金が
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    利益を生みます
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    社会的、経済的、生態的な利益です
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    保護区内のバイオマスの増加は
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    複利に似ています
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    2つの例を示します
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    保護区が人々にどのような恩恵をもたらすか
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    これはケニアの漁師が
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    毎日漁を行ったときの
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    数年に渡る収入の変化です
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    ここでは
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    海は保護されておらず 
    自由に漁ができます
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    最も悪影響を及ぼす漁具
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    引き網を排除したことで
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    漁師の漁獲量は増加しました
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    漁業を減らすと実際には漁獲量が増えます
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    禁漁保護区を加えると
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    保護区周辺での漁を減らすことによって
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    漁師の収入はさらに増えるでしょう
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    別の例ですが
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    ベリーズのメソアメリカ・リーフの
    ナッソー・グル―パーです
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    グル―パーの生殖の様子です
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    12月と1月の満月が近づくと
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    一週間グル―パーが集まります
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    かつては何万もの -
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    1ヘクタールに3万匹のグル―パーが集まり
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    一つの集団をつくっていました
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    これを知っていた漁師らは乱獲し
    数が激減しました
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    2000年に初めて訪れたときには
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    3千匹のグル―パーしか残っておらず
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    漁師は毎年成体数の30パーセントを
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    捕獲することが認められていました
  • 11:15 - 11:17
    そこで単純な分析を行いました
  • 11:17 - 11:19
    決して難しいことではありません
  • 11:19 - 11:21
    毎年30パーセント獲り続ければ
  • 11:21 - 11:23
    すぐに漁業は崩壊してしまうでしょう
  • 11:23 - 11:25
    漁業だけでなく 全体的な生物の繁殖能力が
  • 11:25 - 11:27
    絶えてしまいます
  • 11:27 - 11:30
    カリブ海の各地で同じことが起っています
  • 11:30 - 11:32
    年間の収入が4千ドルですが
  • 11:32 - 11:34
    これはいくつもの漁船を合わせた
  • 11:34 - 11:37
    漁業全体の合計収入です
  • 11:37 - 11:39
    ここで経済分析をし
  • 11:39 - 11:41
    何が起こるか予測してみましょう
  • 11:41 - 11:43
    魚を殺さず
  • 11:43 - 11:45
    20人のダイバーを
  • 11:45 - 11:47
    毎年1か月連れてくると
  • 11:47 - 11:50
    収入は20倍増え
  • 11:50 - 11:53
    時間とともに持続的になります
  • 11:53 - 11:55
    実際どれほど行っているのでしょうか
  • 11:55 - 11:58
    素晴らしくて 非常に簡単ならば
    どれだけ実施されているでしょうか
  • 11:58 - 12:00
    ご存知のとおり
  • 12:00 - 12:02
    海は 1パーセントも保護されていません
  • 12:02 - 12:04
    やっと1パーセントに近づきつつあります
  • 12:04 - 12:06
    チャゴス諸島の保護のおかげです
  • 12:06 - 12:09
    漁業が完全に禁止されているのは
    わずかな海だけです
  • 12:10 - 12:12
    科学的な研究では
  • 12:12 - 12:15
    少なくとも20パーセントの海を
    保護すべきだと推奨しています
  • 12:15 - 12:17
    推定には20から50パーセントの幅がありますが
  • 12:17 - 12:19
    生物多様性や漁業の拡大
  • 12:19 - 12:22
    回復力の構築などの目標によります
  • 12:22 - 12:25
    これは可能でしょうか
    費用はどれくらいかと尋ねられるでしょう
  • 12:25 - 12:27
    考えてみてください
  • 12:27 - 12:29
    どれだけのお金を
  • 12:29 - 12:32
    漁業の補助に費やしているのか
  • 12:32 - 12:35
    年間350億ドルです
  • 12:36 - 12:39
    補助金の大半が
    破壊的な漁業に使われています
  • 12:39 - 12:41
    ここにいくつかの推計があります
  • 12:41 - 12:43
    どれくらいの金額で
  • 12:43 - 12:45
    保護区のネットワークを構築できるか
  • 12:45 - 12:47
    海の20パーセントを占める大きさです
  • 12:47 - 12:49
    現在費やしている金額の
  • 12:49 - 12:51
    数分の一になるでしょう
  • 12:51 - 12:53
    崩壊しつつある漁業に
  • 12:53 - 12:55
    政府が提供している額のほんのわずかです
  • 12:55 - 12:58
    漁業の崩壊によって人々は失業しています
  • 12:58 - 13:00
    保護区のネットワークをつくることで
  • 13:00 - 13:02
    100万人以上の直接雇用がうまれ
  • 13:02 - 13:05
    二次的な職や利益も生まれます
  • 13:05 - 13:07
    どのように可能となるでしょうか
  • 13:07 - 13:10
    これらの定期預金口座が
  • 13:10 - 13:13
    環境と人にとってよいことは一目瞭然です
  • 13:13 - 13:16
    なぜ海の20パーセントや50パーセントを
    保護していないのでしょうか
  • 13:16 - 13:19
    どのように目標を達成できるのでしょうか
  • 13:19 - 13:22
    2つの方法があります
  • 13:22 - 13:25
    簡単な解決としては
    巨大な保護地区をつくる方法です
  • 13:25 - 13:27
    チャゴス諸島のような場所です
  • 13:27 - 13:30
    問題は巨大な保護地区をつくれるのは
  • 13:30 - 13:33
    人が住まず社会的な対立のない場所だけです
  • 13:33 - 13:35
    政治的コストが低く
  • 13:35 - 13:38
    経済的コストも低い場所です
  • 13:38 - 13:41
    ここにいる何人かや 組織を始め
  • 13:41 - 13:43
    これに取り組んでいる人々がいます
  • 13:43 - 13:45
    世界中の他の海岸ではどうでしょうか
  • 13:45 - 13:48
    漁業を生業とする人が住んでいるところはどうでしょうか
  • 13:49 - 13:51
    なぜ小さな保護区が少ないのか
  • 13:51 - 13:54
    3つの理由が挙げられます
  • 13:54 - 13:56
    1つめに多くの人々は
  • 13:56 - 13:59
    海洋保護区の役割を知らず
  • 13:59 - 14:02
    法整備や保護となると
  • 14:02 - 14:04
    例え小さな範囲でも
  • 14:04 - 14:06
    漁師たちは身構えがちです
  • 14:06 - 14:08
    2つめに政府がよくありません
  • 14:08 - 14:10
    世界中のほとんどの沿岸部のコミュニティは
  • 14:10 - 14:12
    保護区をつくり維持するための
  • 14:12 - 14:15
    資源を管理する権限を持っていません
  • 14:15 - 14:17
    トップダウンの階層構造によって
  • 14:17 - 14:19
    人々は
  • 14:19 - 14:21
    政府の役人が来るのを待っています
  • 14:21 - 14:24
    これは効果的ではないですし
    政府の財源や人材も不十分です
  • 14:24 - 14:26
    そして3つめの理由です
  • 14:26 - 14:29
    保護区の数が少ない理由は
  • 14:29 - 14:32
    資金調達モデルが間違っています
  • 14:32 - 14:34
    NGOや政府は
  • 14:34 - 14:37
    多くの時間や労力や資源を
  • 14:37 - 14:40
    数少ない小さな場所に費やします
  • 14:40 - 14:42
    海洋保護や沿岸保護は
  • 14:42 - 14:45
    政府や慈善事業の資金の掃きだめとなり
  • 14:45 - 14:47
    持続的ではありません
  • 14:47 - 14:49
    答えは
  • 14:49 - 14:51
    これらの問題の解決です
  • 14:51 - 14:54
    まず世界的な意識向上のキャンペーンを展開し
  • 14:54 - 14:57
    コミュニティや政府に
  • 14:57 - 14:59
    現状を改善できる
  • 14:59 - 15:01
    禁漁保護区をつくることを呼びかけます
  • 15:01 - 15:03
    引き出し口座に対して
  • 15:03 - 15:06
    定期預金口座となります
  • 15:06 - 15:08
    2つめにガバナンスの再設計です
  • 15:08 - 15:11
    保護活動を分権化でき
  • 15:11 - 15:14
    保護活動は
  • 15:14 - 15:16
    NGOや
  • 15:16 - 15:18
    政府に依存せず
  • 15:18 - 15:20
    コミュニティ主導で生みだすことができます
  • 15:20 - 15:23
    フィリピンやいくつかの地域で
    すでに行われています
  • 15:23 - 15:25
    3つめはとても重要です
  • 15:25 - 15:28
    新しいビジネスモデルの構築が必要です
  • 15:28 - 15:31
    保護区をつくる唯一の方法が慈善事業では
  • 15:31 - 15:33
    持続可能ではありません
  • 15:33 - 15:36
    ビジネスモデルの開発が必要です
  • 15:36 - 15:39
    沿岸部の保護が
  • 15:39 - 15:41
    投資となります
  • 15:41 - 15:43
    ご存知のとおり
  • 15:43 - 15:45
    海洋保護区は
  • 15:45 - 15:48
    社会的、生態的、経済的な利益をもたらします
  • 15:48 - 15:51
    最後に一つの考えで締めくくります
  • 15:51 - 15:53
    こういうことです
  • 15:53 - 15:55
    一つの組織だけでは
  • 15:55 - 15:57
    海を救うことはできません
  • 15:57 - 16:00
    過去にはいくつもの競争がありました
  • 16:00 - 16:02
    私たちに必要なのは
  • 16:02 - 16:04
    新しいパートナーシップのモデル構築です
  • 16:04 - 16:06
    本当の意味での協同で
  • 16:06 - 16:08
    私たちが求めるのは補い合うことで
  • 16:08 - 16:10
    とって代わることではありません
  • 16:10 - 16:12
    今のやり方のままでは
  • 16:12 - 16:14
    問題は大きすぎます
  • 16:14 - 16:16
    行動に移しましょう ありがとうございます
  • 16:16 - 16:23
    (拍手)
  • 16:24 - 16:26
    (クリス・アンダーソン)
    ありがとう エンリック
  • 16:26 - 16:28
    (エンリック・サラ)
    ありがとうございます
  • 16:29 - 16:31
    (クリス)
    これらをまとめ上げた
  • 16:31 - 16:33
    素晴らしいお話しでした
  • 16:33 - 16:36
    あなたのピラミッドですが -
    逆ピラミッドのことです
  • 16:36 - 16:38
    バイオマスの85パーセントが肉食魚というのは
  • 16:38 - 16:40
    あり得ないと感じるのですが
  • 16:40 - 16:43
    85パーセントの肉食魚が
  • 16:43 - 16:45
    15パーセントの魚で生存できるのでしょうか
  • 16:45 - 16:48
    (エンリック)
    時計の2つの歯車を想像してください
  • 16:48 - 16:50
    大きいものと小さいものです
  • 16:50 - 16:53
    大きい歯車はゆっくりと動き
    小さい歯車は早く動きます
  • 16:53 - 16:55
    基本的にはそれと同じです
  • 16:55 - 16:58
    食物連鎖の下位の生物は
  • 16:58 - 17:01
    早く繁殖します
    早く成長し何百万もの卵を産みます
  • 17:01 - 17:04
    上部には25年や30年生きる
    サメや大きな魚がいます
  • 17:04 - 17:07
    繁殖はゆっくりで新陳代謝も遅いです
  • 17:07 - 17:09
    基本的にバイオマスを維持するだけです
  • 17:09 - 17:12
    下位の生物の余剰分で
  • 17:12 - 17:14
    変動の小さなバイオマスを
  • 17:14 - 17:16
    維持するには十分です
  • 17:16 - 17:19
    蓄電器のような役割を果たします
  • 17:19 - 17:21
    (クリス)
    とても興味深い話です
  • 17:21 - 17:23
    食物のピラミッドは
  • 17:23 - 17:25
    完全に変えなければなりませんね
  • 17:25 - 17:28
    (エンリック)
    少なくとも海に関しては
  • 17:28 - 17:30
    サンゴ礁の逆ピラミッドは
  • 17:30 - 17:32
    セレンゲティで例えると
  • 17:32 - 17:34
    1頭のヌーに対して5頭のライオンとなります
  • 17:34 - 17:36
    陸では成り立ちません
  • 17:36 - 17:38
    少なくともサンゴ礁は
  • 17:38 - 17:40
    最下層の構成要素となるシステムです
  • 17:40 - 17:42
    私たちはこれが普遍的であると考えています
  • 17:42 - 17:45
    しかし手つかずのサンゴ礁の研究は
  • 17:45 - 17:47
    ごく最近に始まったばかりです
  • 17:47 - 17:50
    (クリス)
    今日あなたが示した数字は驚きでした
  • 17:50 - 17:52
    350億ドルのお金が
  • 17:52 - 17:54
    補助金として使われていると -
  • 17:54 - 17:56
    それに対して160億ドルで
  • 17:56 - 17:59
    海の20パーセントを
  • 17:59 - 18:01
    海洋保護地区にできる -
  • 18:01 - 18:03
    生きた選択ですね
  • 18:03 - 18:05
    もちろん漁師にとっても
  • 18:05 - 18:07
    もし世界が賢明であれば
  • 18:07 - 18:10
    今より190億ドル少ない額で問題を解決でき
  • 18:10 - 18:12
    その190億ドルは健康保険や他に使えます
  • 18:12 - 18:15
    (エンリック)
    伸び悩む漁業があり
  • 18:15 - 18:18
    500億ドルです
  • 18:18 - 18:20
    大きな解決策は
  • 18:20 - 18:22
    WTOの補助金が
  • 18:22 - 18:25
    持続的な実践に移行することです
  • 18:25 - 18:27
    (クリス)
    軌道を逸した補助金を止めるため
  • 18:27 - 18:29
    多くの事例が紹介されました
  • 18:29 - 18:31
    これらの数字をご紹介いただき
    ありがとうございます
  • 18:31 - 18:33
    最後に一つ個人的な質問です
  • 18:33 - 18:35
    ここにいる多くの人は
  • 18:35 - 18:37
    長い間海と関わっており
  • 18:37 - 18:40
    かつて美しかった海が劣化する姿を目にして
  • 18:40 - 18:42
    悪化し続ける姿を見るのは気の重い経験でしょう
  • 18:42 - 18:44
    あなたがどのように感じているか教えてください
  • 18:44 - 18:47
    手つかずの海に行き
  • 18:47 - 18:50
    復活する姿を見る経験について
  • 18:50 - 18:53
    (エンリック)
    精神的な経験です
  • 18:53 - 18:55
    生態系を理解するために訪れ
  • 18:55 - 18:58
    魚やサメを測ったり数えたりするためです
  • 18:58 - 19:01
    そして自分が知っている場所と
    どれほど異なっているかを目にします
  • 19:01 - 19:04
    しかし最高の気分というのは
  • 19:04 - 19:06
    E.O. ウィルソンが述べる生命愛です
  • 19:06 - 19:09
    ありのままの自然を前に
  • 19:09 - 19:12
    人類が抱く畏敬の念や驚異の念です
  • 19:12 - 19:14
    そこでは そこだけでは
  • 19:14 - 19:17
    大きな何かの一部であり
  • 19:17 - 19:20
    大きな地球の
    生態系の一部であることを感じます
  • 19:20 - 19:23
    この希望を見出せる場所がなければ
  • 19:23 - 19:25
    この仕事を続けられないでしょう
  • 19:25 - 19:27
    そうでなければ気が重すぎます
  • 19:27 - 19:29
    (クリス)
    エンリック 精神的な経験の共有を感謝します
  • 19:29 - 19:31
    ありがとうございました
  • 19:31 - 19:33
    (エンリック)
    ありがとうございました
Title:
汚れのない海の姿を見てみよう
Speaker:
エンリック・サラ
Description:

海を地球の預金口座だと考えてみてください -- 現在、私たちは預金せずに引き出し続けています。エンリック・サラは、禁漁の海洋保護区によって、環境的、経済的な恩恵を受けつつ、この海の預金を再び満たすことができることを説明します。

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English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
19:34
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for Glimpses of a pristine ocean
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Glimpses of a pristine ocean
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Glimpses of a pristine ocean
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