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あなたの脳を理解する3つの鍵

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    ご紹介頂いたように 私は脳の研究をしています
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    人間の脳の機能と構造についての研究です
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    その意味するものについて 少し皆さんに考えて頂きたい
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    脳はゼリー様の塊で 重さは1.4kgくらい
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    手のひらで持てるサイズですが
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    宇宙空間の広大さを考えることができるのです
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    無限ということの意味を考えたり
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    それを考える自分について考えたりもします
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    我々が自己認識と呼ぶ
    この奇妙な再帰的性質こそ
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    神経科学の至高の目標だと思います
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    いつかはその仕組みを理解したいものです
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    では この神秘的な器官についてどう研究するのでしょう?
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    1000億個の神経細胞があり
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    この原形質の小さな集まりが
    作用し合っています
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    その活動から様々な能力が生まれて来るのですが
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    それを我々は人間性とか人間の意識と呼んでいます
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    それはどのようにして生じるのでしょう?
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    人間の脳の機能を研究する方法は
    たくさんあります
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    我々が主に使っているのは
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    脳の小さな領域に遺伝子発現の異常が生じ
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    そこに持続的な障害を持つ患者です
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    その際に起こるのは 精神的機能の
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    全体的な低下 つまり認識能力が
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    鈍くなるようなものではありません
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    ある機能だけが選択的に失われるのです
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    他の機能は正常に保たれています
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    そこから確証できるのは
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    脳のその部分が ともかく
    その機能を果しているということです
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    そうやって機能を構造にマップすれば
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    ある神経回路が どうやって特定の機能を
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    作り上げているかがわかります
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    それが我々のやろうとしていることです
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    ここで顕著な例を幾つかご紹介します
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    3つの例を各6分間でお話します
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    最初はカプグラ症候群という
    非常に変わった症候です
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    スライドをご覧下さい
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    順に 側頭葉、前頭葉、頭頂葉 です
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    これらの脳葉が脳を構成します
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    側頭葉の内側表面の中にしまい込まれているのが
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    ここには見えませんが...
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    紡錘状回と呼ばれる小さな領域です
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    「顔の領域」とも呼ばれます
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    損傷すると人の顔が認識できなくなるからです
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    声からなら認識できて
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    「ああ ジョーだね」とか言えるのですが
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    顔を見ても誰だかわかりません
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    鏡で自分の顔すら認識できないのです
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    まあ 自分がウィンクすれば相手もウィンクするので
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    鏡に写った自分だとわかるのですが
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    それが自分自身だと真に認識することはできません
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    この症状は紡錘状回の損傷によるものだと
    よく知られています
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    しかし他にもっと稀な症状があります
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    あまりにも稀で殆どの医師は聞いたこともありません 神経科医でもです
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    カプグラ妄想と呼ばれています
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    他には全く正常なのですが
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    頭に損傷を負って 昏睡から目覚めます
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    他は全く正常なのですが 母親の顔を見て
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    「この女性は母親に瓜二つだが
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    ニセモノだ」 と言うのです
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    「他の女性が私の母親のフリをしている」 と...
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    これはなぜ起こるのでしょう?
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    なぜ他の全ての面では完全に正気で
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    知的能力もある人が 母親を見た時に
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    妄想が始まって 母親ではないと言うのでしょう
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    これに対する最も一般的な解釈は
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    全ての精神医学の教科書に書かれていますが
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    フロイト派の見解です
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    これは女性にも適用されますが
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    ここでは男性についてだけ述べます
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    これは 幼児期に母親に対して
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    強い性的魅力を感じていたという見解です
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    いわゆる エディプス コンプレックス です
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    私がこれを信じているわけではありませんが
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    これがフロイト派の標準的な見解なのです
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    成長して 大脳皮質が発達すると
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    母親に対する潜在的な性的衝動が抑制されます
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    さもないと母親を見るたびに
    欲情してしまいます
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    もし頭を殴られて 大脳皮質を損傷すると
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    もし頭を殴られて 大脳皮質を損傷すると
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    この潜在的な性的衝動が浮かび上がり
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    表面に燃え上がって 突然に且つ不可解に
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    自分が母親に欲情しているのに気づくのです
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    そして「ああ この人は僕のママなのに
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    どうしてこんなに興奮してまうんだろう?
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    彼女は他の女性に違いない
    彼女はニセモノだ」
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    それが損傷した脳にとって
    筋が通る唯一の解釈です
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    この議論は 私にとっては
    全く筋が通りませんが...
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    フロイト派の議論では
    毎度のことながら大変独創的ではあります
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    (笑)
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    筋は通りません
    なぜなら同じような妄想を
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    ペットのプードルに対しても持つ患者も見てきたからです
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    (笑)
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    こう言います「先生
    この犬はフィフィに瓜二つですが
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    フィフィじゃなくて他の犬です」
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    フロイト派の説明を当てはめてみて下さい
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    (笑)
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    人間に共通する潜在的な
    獣姦願望とでも言うのでしょうか
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    とてもばかげた話ですよね
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    では実際には何が起こっているのでしょうか?
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    この奇妙な障害を説明する為に
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    脳における正常の視覚経路の
    構造と機能を見てみましょう
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    通常は 視覚信号が眼球に入ってきて
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    脳の視覚野に行きます
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    実は視覚だけに関係する部分が
    脳の後部に30箇所あります
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    視覚はいろいろ処理された後
    そのメッセージは
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    紡錘状回という小さな領域に伝わり
    そこで顔を認識します
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    そこに顔に敏感に反応する
    神経細胞があります
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    さきほどお話しした
    「顔の領域」と
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    呼んでもいいところでしたね
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    その領域が損傷を受けると
    顔を見る機能を失うのです
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    でもその領域から メッセージは
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    辺縁系の扁桃体と呼ばれる領域に
    送られます
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    脳の感情の中核です
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    その 扁桃体と呼ばれる構造は
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    見ているものの
    感情的な重要性を評価します
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    それは獲物か 捕食者か 配偶者か?
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    それとも 全く取るに足らない何か
    例えば糸くずとか
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    チョークとか -言いたくはありませんが-
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    靴の片方だとか そんな感じのものです
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    完全に無視できるものです
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    もし 扁桃体が興奮すれば それは何か重要なものとされ
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    メッセージは自律神経系に送られます
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    心臓の鼓動は早くなり
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    筋肉の動きによって作り出される熱を
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    発散させるのに汗をかき始めます
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    便利なことに
    両手のひらに電極を置き
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    汗が生み出す皮膚の電気抵抗の変化を
    計測できます
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    それで分かるのは 何かを見ている時に
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    興奮しているとか
    欲情しているかとかいうことです
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    それについてはまた後で触れます
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    私の考えを説明します
    この人がモノを見る時
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    何でもいいんですが
    視覚野に行って
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    紡錘状回で処理されて
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    それが豆の木だとか テーブルだとか
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    あるいは母親だとか認識します
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    そこから扁桃体にメッセージが送られ
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    自律神経系に渡されるのです
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    でも多分この人の
    扁桃体から辺縁系に至る神経線維―
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    脳の感情の中核が
    事故で切断されているかもしれません
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    紡錘状回は正常なので
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    まだ母親を認識でき こう言うのです
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    「ええ、母親に似ています」
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    でも感情の中枢への神経線維が
    切断されているので
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    「でも母親なら
    なぜ暖かさを感じないのだろう」と言うのです
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    逆に「恐怖」を感じることも
    あるかもしれません
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    (笑)
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    それで言うのです
    「この不可解な感情の欠如を説明できない
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    これは母親のはずがない
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    母親を装う知らない女性なんだ」
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    どうすればこれが検証できるでしょう?
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    みなさんのうちの誰かをここに連れてきて
    スクリーンの前に立たせ
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    皮膚電気反応を計測します
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    そしてスクリーンに写真を写し
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    対象を見た時に
    どの位汗をかくか計測します
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    テーブルとか傘とかだと勿論汗はかきませんね
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    ライオンや虎
    セクシーな写真を見せれば 汗をかき始めます
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    そして何と 母親の写真を見せると
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    普通の人の話ですが 汗をかき始めます
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    ユダヤ人でなくても構いません
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    (笑)
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    では この患者の場合は何が起こるでしょう?
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    患者を連れてきて スクリーンに写真を見せ
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    皮膚電気反応を計測します
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    テーブルや椅子やチリでは
    普通の人と同様 何も起こりませんが
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    彼の母親の写真を見せても
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    皮膚電気反応は フラットです
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    母親に対して感情的反応がないのです
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    視覚やから感情の中枢への
    神経路が切れているからです
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    視覚野は正常なので視覚も正常で
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    感情も正常です
    笑いますし泣きもします
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    しかし視覚から感情への
    神経路が切れているので
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    母親がニセモノだという
    妄想を抱いてしまうのです
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    これは我々の研究の好例です
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    奇妙で 見た目は不可解な
    神経精神症状を取り上げて
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    標準的なフロイト派の見方は
    間違っていると結論します
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    既知の脳の神経解剖学に関して
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    正確な説明を与えることができます
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    ところで この患者が次に
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    隣の部屋にいる母親から電話を受けると
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    彼は「やあママ 元気?
    今どこにいるの?」と言うのです
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    電話で妄想は起こりません
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    母親が1時間後に彼に近づくと
    彼は言うのです 「誰?
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    僕の母親に似ているけど」ってね
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    その理由は 脳の聴覚の中枢からは
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    感情の中枢につながる
    異なる経路があるからです
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    そこは事故で切断されていません
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    その為 電話では問題なく
    母親だと認識できるのです
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    でも対面するとニセモノだと言います
  • 9:02 - 9:06
    では 脳の中でこれら複雑な回路は
    どう組み立てられているのでしょう?
  • 9:06 - 9:09
    生まれつき 遺伝子によるもの?
    それとも育成されたもの?
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    この問題へのアプローチは
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    「幻肢」という
    別の興味深い症状を考えることです
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    幻肢は知っていますよね
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    壊疽の治療に腕や下肢が切断された時
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    或いはイラク戦争等で失った時
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    これは今深刻な問題ですが...
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    失った腕の存在を
    生き生きと感じ続けるのです
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    それが幻肢と呼ばれています
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    実際には 体のほとんどの部分で幻が生じ得ます
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    驚くことに 内臓でもです
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    子宮を摘出した患者もいました
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    幻の子宮を持ち 毎月ある時期に
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    幻の月経痛までありました
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    先日ある学生が私に聞いてきました
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    幻の月経前症候群もあるのかと
  • 9:51 - 9:52
    (笑)
  • 9:52 - 9:56
    科学的問い掛けとして十分なテーマですが
    まだ取り組んでいません
  • 9:56 - 9:59
    では 次の質問は
  • 9:59 - 10:02
    実験によって幻肢について何を学べるかということ
  • 10:02 - 10:04
    我々が発見したことの一つは
  • 10:04 - 10:06
    幻肢を持つ患者の半数が
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    その幻を動かせると言うことです
  • 10:08 - 10:10
    兄弟の肩をポンと叩いたり
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    鳴っている電話を取ったり
    さよならと手を振ったりします
  • 10:12 - 10:15
    とても本物のようで 鮮明な感覚です
  • 10:15 - 10:17
    その患者は妄想している訳ではありません
  • 10:17 - 10:19
    腕がないことは分かっているのですが
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    それでも本物と区別できない
    知覚経験なのです
  • 10:22 - 10:25
    とは言え 患者の約半数には生じません
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    彼らは言います
    「でも先生 幻肢は麻痺しています
  • 10:29 - 10:32
    けいれんしたままの状態で
    ひどく痛むのです
  • 10:32 - 10:35
    動かすことさえできたら
    痛みは楽になるのでしょうが」
  • 10:35 - 10:38
    ではなぜ 幻肢は麻痺するのでしょう?
  • 10:38 - 10:40
    矛盾しているように聞こえます
  • 10:40 - 10:43
    でも症例記録を見ていてわかったのは
  • 10:43 - 10:45
    麻痺した幻肢を持つ人々は
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    元々の腕が 末梢神経損傷で
    麻痺していました
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    実際の腕への神経連絡が
    切断されていました
  • 10:52 - 10:54
    例えばオートバイ事故で
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    それで患者はその痛む実物の腕を
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    数ヶ月から1年の間
    包帯で吊るし
  • 11:01 - 11:04
    外科医は腕の痛みを取り除こうと
    見当違いの試み
  • 11:04 - 11:06
    つまり腕を切断するのです
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    それで同じ痛みを持つ幻の腕を手にするのです
  • 11:10 - 11:12
    これは重大な臨床的問題です
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    患者は意気消沈します
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    自殺する人さえいます
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    この症候群を
    どう治療すれば良いのでしょう?
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    ここで なぜ麻痺した幻肢が
    生じるのか考えてみましょう
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    症例記録を見た時に気づいたのは
    彼らが実際の腕を持ち
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    腕を支配する神経が切断され
  • 11:27 - 11:30
    実際の腕が麻痺していたことです
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    そして切断の前数ヶ月間
    包帯で吊るされていて
  • 11:34 - 11:40
    その痛みが幻の腕に引き継がれました
  • 11:40 - 11:42
    これはなぜ起こるのでしょう?
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    腕が切断される前に麻痺していた時は
  • 11:44 - 11:47
    前頭葉が腕に「動け」と命令を送ります
  • 11:47 - 11:49
    しかし「動かない」という
    視覚的フィードバックを受け取ります
  • 11:49 - 11:53
    動け、動かない、動け、動かない...
  • 11:53 - 11:56
    これが脳の回路に焼き付いてしまうのです
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    これを「学習した麻痺」と呼びます
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    この「ヘッブの関連付け」により
    脳は学習します
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    腕を動かせという単純な命令が
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    麻痺した腕の感覚を生み出し
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    腕を切断した時に
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    この学習した麻痺が
    自分の身体イメージ
  • 12:14 - 12:17
    つまり幻の腕に持ち越されるのです
  • 12:17 - 12:19
    ではどうすれば患者を救えるでしょうか?
  • 12:19 - 12:21
    学習した麻痺を取り除き
  • 12:21 - 12:25
    幻の腕のひどく痛む
    締め付けるようなけいれんを
  • 12:25 - 12:27
    取り除けるのでしょう?
  • 12:27 - 12:32
    幻の腕に命令を送って
    腕がその命令に従っているという
  • 12:32 - 12:36
    視覚フィードバックを与えてみてはと
    考えました
  • 12:36 - 12:39
    幻の痛み 幻のけいれんを
    取り除けるかもしれないと
  • 12:39 - 12:41
    どうすればできるでしょう?
    バーチュアルリアリティです
  • 12:41 - 12:43
    それには何百万ドルもの
    費用が掛かります
  • 12:43 - 12:46
    私は3ドルでやる方法を思いつきました
  • 12:46 - 12:48
    でも私のスポンサーには内緒ですよ...
  • 12:48 - 12:49
    (笑)
  • 12:49 - 12:53
    私が「鏡の箱」と呼ぶものを作ります
  • 12:53 - 12:55
    真ん中に鏡をつけたダンボール箱を用意して
  • 12:55 - 12:59
    そこに幻の腕を入れます
    最初の患者デレックがやって来ました
  • 12:59 - 13:02
    十年前に腕を切断しています
  • 13:02 - 13:05
    上腕の外傷で神経が離断され
    腕が麻痺し
  • 13:05 - 13:09
    1年間包帯で吊るした後に
    切断されました
  • 13:09 - 13:11
    幻肢が生じ
    ひどく痛みますが 動かせません
  • 13:11 - 13:13
    麻痺した幻肢です
  • 13:13 - 13:17
    私はあの鏡付きの箱を渡しました
  • 13:17 - 13:20
    「鏡の箱」です
  • 13:20 - 13:23
    彼はけいれんして締め付けられた
  • 13:23 - 13:25
    幻の腕を鏡の左側に入れ
  • 13:25 - 13:27
    正常な腕を鏡の右側に入れます
  • 13:27 - 13:31
    そして同じ形 握り締めた形にして
  • 13:31 - 13:34
    鏡の中を見ます
    何が起こるでしょう?
  • 13:34 - 13:37
    幻の腕が蘇るのが見えます
  • 13:37 - 13:41
    鏡の中の正常な腕の反射を見ているのですが
  • 13:41 - 13:43
    それが幻の腕が蘇ったように見えるのです
  • 13:43 - 13:46
    「では」と私は言いました
    「幻をピクピク動かしてみて
  • 13:46 - 13:50
    鏡を見ながら
    実物の指を動かしてみて」と
  • 13:50 - 13:54
    彼は幻が動いているという
    視覚を受けますよね?
  • 13:54 - 13:56
    それは明らかですが 驚いたことに
  • 13:56 - 13:59
    患者は言うのです
    「おお 幻が動き出した!
  • 13:59 - 14:01
    痛みも 締め付けるようなけいれんも
    和らいでいる」と
  • 14:01 - 14:04
    先ほどの最初にやってきた患者は
  • 14:04 - 14:05
    (拍手)
  • 14:05 - 14:09
    ありがとう
  • 14:09 - 14:12
    最初の患者が 鏡を覗き込んだとき
  • 14:12 - 14:15
    私は「鏡に映った幻を見てください」と
    言いました
  • 14:15 - 14:17
    彼はクスクス笑って
    「幻が見えますよ」と言いました
  • 14:17 - 14:19
    でも彼は愚かではありません
  • 14:19 - 14:21
    鏡の反射だということはわかっています
  • 14:21 - 14:23
    しかしそれは鮮明な感覚経験なのです
  • 14:23 - 14:26
    次に私は「本物の腕と幻を
    動かして下さい」と言いました
  • 14:26 - 14:28
    彼は「いや 痛くて
    幻を動かせません」
  • 14:28 - 14:30
    私は「正常な腕を動かして」と言います
  • 14:30 - 14:32
    彼は「おお 幻が動き出した
    信じられない!
  • 14:32 - 14:35
    痛みも和らいでいる」と言います
  • 14:35 - 14:36
    私は言いました 「眼を閉じて」
  • 14:36 - 14:38
    彼は眼を閉じます
  • 14:38 - 14:39
    「正常な腕を動かして下さい」
  • 14:39 - 14:40
    「ああ 何も起こらない
    またけいれんしている」
  • 14:40 - 14:42
    「はい では眼を開けて」
  • 14:42 - 14:43
    「わあ! また動き出した!」
  • 14:43 - 14:45
    彼はお菓子屋にいる子供のようでした
  • 14:45 - 14:50
    これで学習された麻痺に関する
    私の理論が証明されました
  • 14:50 - 14:52
    視覚インプットの重大な役割も
  • 14:52 - 14:54
    でも彼の幻の腕を動かすことでは
  • 14:54 - 14:56
    ノーベル賞はもらえません
  • 14:56 - 14:57
    (笑)
  • 14:57 - 14:58
    (拍手)
  • 14:58 - 15:01
    考えてみたら 完全に無用な能力です
  • 15:01 - 15:02
    (笑)
  • 15:02 - 15:06
    でもそれでわかったのです
    神経学で見られる
  • 15:06 - 15:11
    他の麻痺
    脳卒中とか限局性筋失調症とかも
  • 15:11 - 15:13
    多分 学習された部分があって
  • 15:13 - 15:16
    鏡を使った簡単な装置で
    克服できるかもしれないと
  • 15:16 - 15:18
    そこで言いました 「ねえ デレック」
  • 15:18 - 15:21
    そもそも 痛みを和らげるのに
    鏡を持って歩くわけにはいきません
  • 15:21 - 15:25
    それで言いました「鏡を家に持ち帰って
    1-2週間練習してみて下さい
  • 15:25 - 15:27
    多分 練習したら
  • 15:27 - 15:29
    鏡は要らなくなるかもしれません
    麻痺を忘れて
  • 15:29 - 15:31
    麻痺した腕を動かせるようになります
  • 15:31 - 15:33
    そうすれば痛みから解放されますよ」
  • 15:33 - 15:35
    彼は承諾し 家に持ち帰りました
  • 15:35 - 15:37
    「まあ所詮2ドルですからね どうぞ持っていって」
  • 15:37 - 15:40
    持ち帰った2週間後に彼は電話してきました
  • 15:40 - 15:42
    彼が言うには
    「先生 多分信じて貰えないでしょうが」
  • 15:42 - 15:43
    「えっ?どいういうこと?」
  • 15:43 - 15:45
    彼は言います 「無くなりましたよ」
  • 15:45 - 15:46
    「何が無くなったんですか?」
  • 15:46 - 15:48
    多分鏡の箱を無くしたんだろうと思いました
  • 15:48 - 15:49
    (笑)
  • 15:49 - 15:52
    「いやいや 私が十年間苦しめられた
    幻のことです
  • 15:52 - 15:54
    それが消えてしまったのです」
  • 15:54 - 15:56
    私は心配になって言いました
    「なんてこった!」
  • 15:56 - 15:58
    私は彼の身体イメージを
    変えてしまったのです
  • 15:58 - 16:01
    人体実験、倫理とかはどうなるのでしょう?
  • 16:01 - 16:03
    私は聞きました
    「デレック これって困ります?」
  • 16:03 - 16:06
    彼は「いえ
    この3日間 幻の腕がなくなって
  • 16:06 - 16:09
    幻のひじの痛みもなく
    締め付けられもせず
  • 16:09 - 16:12
    幻の前腕痛もなく
    全部の痛みが消えてなくなりました
  • 16:12 - 16:16
    問題はまだ幻の指が
    肩からぶら下がっていることです
  • 16:16 - 16:18
    箱では届きませんから」
  • 16:18 - 16:19
    (笑)
  • 16:19 - 16:22
    「デザインを変えて 額に乗せてもらえば
  • 16:22 - 16:25
    同じことができて
    幻の指も取り除けますよね?」
  • 16:25 - 16:27
    彼は私を魔術師だと思っていたようです
  • 16:27 - 16:28
    これはどうして起こるのでしょう?
  • 16:28 - 16:31
    それは脳が途方もない
    感覚の矛盾に直面するからです
  • 16:31 - 16:34
    視覚からは
    幻が戻ってきたとの情報を受けます
  • 16:34 - 16:36
    一方 筋肉からの固有感覚がありません
  • 16:36 - 16:40
    筋肉からの信号は
    「腕がない」と言っているからです
  • 16:40 - 16:42
    運動指令は腕があると言っています
  • 16:42 - 16:45
    この矛盾の為
    脳は言います「もううんざりだ
  • 16:45 - 16:48
    幻はないんだよ
    腕もないんだよ」と
  • 16:48 - 16:50
    ある種の否定に入ります
    信号を選択するのです
  • 16:50 - 16:54
    それで腕が消えた時に
    おまけに痛みも消えます
  • 16:54 - 16:58
    離脱した痛みが
    空中に浮いているわけにはいきませんから
  • 16:58 - 17:00
    予期せぬ贈り物なのです
  • 17:00 - 17:02
    このテクニックはヘルシンキでも
  • 17:02 - 17:04
    何十人もの患者に試されました
  • 17:04 - 17:07
    幻の痛みの治療として有益と
    証明されるかもしれません
  • 17:07 - 17:09
    実際 脳卒中のリハビリに
    試した人もいます
  • 17:09 - 17:12
    通常 脳卒中では神経線維の損傷が起き
  • 17:12 - 17:14
    どうしようもないと考えられています
  • 17:14 - 17:19
    しかし 脳卒中で起こる麻痺の ある要素も
    学習された麻痺であると判明しています
  • 17:19 - 17:22
    それは鏡を使って
    克服できるかもしれません
  • 17:22 - 17:24
    これにも臨床試験が行われて
  • 17:24 - 17:26
    たくさんの患者が救われました
  • 17:26 - 17:30
    ではお話の3番目にギアを入れ替えましょう
  • 17:30 - 17:34
    共感覚と呼ばれる奇妙な現象です
  • 17:34 - 17:37
    19世紀にフランシス ゴルトンによって
    発見されました
  • 17:37 - 17:39
    彼はチャールズ ダーウィンのいとこです
  • 17:39 - 17:41
    彼の指摘は
    ある人々は 他はすべて正常なのに
  • 17:41 - 17:45
    次のような特殊性があるということでした
  • 17:45 - 17:48
    数字を見る度にいつも 色がついていると
  • 17:48 - 17:52
    5は青 7は黄色 8は黄緑色
  • 17:52 - 17:54
    9は藍色 とかね
  • 17:54 - 17:57
    この人達は他の面では
    全く正常だということをお忘れなく
  • 17:57 - 18:00
    あるいはCのシャープとか
    時に音階が色を想起させます
  • 18:00 - 18:03
    Cのシャープは青 Fのシャープは緑
  • 18:03 - 18:06
    他の音階は黄色 という具合です
  • 18:06 - 18:08
    これはなぜ起こるのでしょう?
  • 18:08 - 18:10
    これは共感覚と呼ばれます
    ゴルトンがそう呼びました
  • 18:10 - 18:12
    感覚が入り交じったものです
  • 18:12 - 18:14
    普通 全ての感覚ははっきりと異なります
  • 18:14 - 18:16
    この人達は感覚がごちゃ混ぜになっています
  • 18:16 - 18:17
    これはなぜ起こるのでしょうか?
  • 18:17 - 18:19
    この問題の二つの面のうち一つは
    大変興味深いです
  • 18:19 - 18:21
    共感覚には家系が関係します
  • 18:21 - 18:24
    それでゴルトンは
    これは遺伝的なものだと考えました
  • 18:24 - 18:28
    もう一点
    これがこの講座のメインテーマである-
  • 18:28 - 18:31
    創造性に関する論点に行き着くのですが
  • 18:31 - 18:36
    共感覚は
    アーティスト 詩人 小説家といった
  • 18:36 - 18:39
    一般人よりも創造性の高い人に
    8倍も多く見られます
  • 18:39 - 18:40
    それはなぜでしょう?
  • 18:40 - 18:42
    その質問にお答えします
  • 18:42 - 18:44
    これはまだ解明されていませんでした
  • 18:44 - 18:45
    では共感覚とは何なのでしょうか?
  • 18:45 - 18:46
    様々な理論があります
  • 18:46 - 18:48
    その一つは
    単に彼らが狂っているというもの
  • 18:48 - 18:51
    まあこれは科学的理論ではないので
    忘れましょう
  • 18:51 - 18:55
    彼らは麻薬中毒者だという理論もあります
  • 18:55 - 18:57
    これには正しい部分もあるかもしれません
  • 18:57 - 18:59
    サンディエゴよりも
    ここサンフランシスコでの方が一般的だから
  • 18:59 - 19:00
    (笑)
  • 19:00 - 19:03
    では3つ目の理論は
  • 19:03 - 19:08
    共感覚で一体何が起こっているか
    自問してみましょうか?
  • 19:08 - 19:11
    脳の中で 色の領域と数字の領域は
  • 19:11 - 19:14
    隣接していることがわかりました
    紡錘状回の中です
  • 19:14 - 19:16
    そこで 脳の中で色と数字の間に
  • 19:16 - 19:19
    偶然 交互の結びつきが生じたのではと
    考えました
  • 19:19 - 19:22
    それで数字を見る度に
    対応する色が見え
  • 19:22 - 19:24
    その結果 共感覚が生じると
  • 19:24 - 19:26
    これがなぜ起こるのでしょう?
  • 19:26 - 19:28
    なぜある人々には
    交互の結びつきが生じるのか?
  • 19:28 - 19:30
    家系に関係する と言ったのを覚えてますか?
  • 19:30 - 19:32
    それがヒントになります
  • 19:32 - 19:34
    異常な遺伝子が存在して
  • 19:34 - 19:37
    遺伝子の変異で
    交互の結びつきが生じます
  • 19:37 - 19:39
    我々は皆 全てのものが
  • 19:39 - 19:43
    他のものと結びついた状態で生まれます
  • 19:43 - 19:46
    脳の全ての領域は
    他の領域と結びついています
  • 19:46 - 19:48
    それが枝切りされて 大人の脳の
  • 19:48 - 19:51
    特有のモジュール構造が作り出されるのです
  • 19:51 - 19:53
    もしある遺伝子が枝切りを
    引き起こしていて
  • 19:53 - 19:55
    その遺伝子が変異すれば
  • 19:55 - 19:58
    脳の隣り合う領域の間で
    枝切りに欠陥が生じます
  • 19:58 - 20:01
    数字と色の間であれば
    数字と色の共感覚になります
  • 20:01 - 20:04
    音階と色であれば
    音階と色の共感覚になります
  • 20:04 - 20:06
    ここまではいいですね
  • 20:06 - 20:08
    その変異遺伝子が脳の至る所で発現し
  • 20:08 - 20:09
    全部が相互接続されたらどうなるでしょう?
  • 20:09 - 20:15
    アーティストや小説家 詩人が共通に持つものを考えて下さい
  • 20:15 - 20:18
    隠喩的な考え方をする能力です
  • 20:18 - 20:20
    一見関連のないアイデアを結びつけます
  • 20:20 - 20:23
    「向こうは東
    ならばジュリエットは太陽だ」とか
  • 20:23 - 20:25
    ジュリエットが太陽だなんて
    あなたは言いませんよね
  • 20:25 - 20:27
    彼女はきらめく炎の玉という意味でしょうか?
  • 20:27 - 20:30
    統合失調症患者はそう言いますが
    それはまた別の話です
  • 20:30 - 20:33
    普通の人は
    彼女は太陽のように暖かいと言います
  • 20:33 - 20:35
    彼女は太陽のように輝くとか
    太陽のように恵みを与えるとか
  • 20:35 - 20:37
    すぐにつながりが見つかったでしょう
  • 20:37 - 20:40
    この接続とコンセプトの
    交差が増強した状態が
  • 20:40 - 20:43
    脳の別の部分にもあると仮定すれば
  • 20:43 - 20:46
    共感覚を持つ人々にとっては
  • 20:46 - 20:49
    より隠喩的な考えと創造性を
  • 20:49 - 20:51
    生み出しやすいことになります
  • 20:51 - 20:54
    それ故に 詩人やアーティストや小説家に
    共感覚の症例が
  • 20:54 - 20:56
    8倍も見られるのです
  • 20:56 - 20:59
    これは共感覚のとても骨相学的な見方です
  • 20:59 - 21:01
    最後のデモンストレーションは
    もう1分いいですか?
  • 21:01 - 21:03
    (拍手)
  • 21:03 - 21:08
    誰もが皆 共感覚者だということを
    お見せします そう思わないでしょうが
  • 21:08 - 21:12
    これは私が火星人のアルファベットと呼ぶものです
    普通のアルファベットと同様
  • 21:12 - 21:15
    AはA、BはB、CはCと
  • 21:15 - 21:18
    異なる音素に異なる形が相当します
  • 21:18 - 21:20
    これが火星人のアルファベットです
  • 21:20 - 21:22
    片方が「キキ」で もう一方が「ブバ」です
  • 21:22 - 21:24
    どっちがキキで どっちがブバでしょう?
  • 21:24 - 21:26
    左がキキで 右がブバだと思う人
    手を挙げて下さい
  • 21:26 - 21:28
    一人か二人 変異体がいます
  • 21:28 - 21:29
    (笑)
  • 21:29 - 21:31
    左がブバで 右がキキだと思う人 手を挙げて
  • 21:31 - 21:33
    皆さんの99パーセントです
  • 21:33 - 21:35
    誰も火星人じゃないのに
    どうしてそうなったんでしょう?
  • 21:35 - 21:40
    皆さんはクロスモデリングを行ったのです
    共感覚の抽象的概念です
  • 21:40 - 21:44
    つまり聴覚皮質でキキという鋭い音―
  • 21:44 - 21:49
    有毛細胞が興奮するキキという音が
  • 21:49 - 21:52
    視覚で見える 突然の屈曲
    ギザギザの形に似ていると言っているのです
  • 21:52 - 21:55
    これはとても重要なことです
    なぜならあたなの脳が
  • 21:55 - 21:57
    原始的なことに従事していると言っているから
  • 21:57 - 21:59
    ばかげた錯覚に見えますが
  • 21:59 - 22:03
    あなたの目の中の光子が形を作り
  • 22:03 - 22:06
    あなたの耳の有毛細胞が
    その聴覚パターンに反応しているのです
  • 22:06 - 22:11
    脳は共通の意味合いを引き出しているのです
  • 22:11 - 22:13
    それは原始的な抽象化です
  • 22:13 - 22:18
    これは脳の紡錘状回で起こることが
    わかっています
  • 22:18 - 22:19
    そこが損傷されると
  • 22:19 - 22:23
    ブバとキキの判別能力が失われるからです
  • 22:23 - 22:25
    同時に隠喩の能力も失われます
  • 22:25 - 22:29
    その人に「光るもの全てが金ではない」
  • 22:29 - 22:31
    というのはどういう意味と聞くと
  • 22:31 - 22:33
    その患者は「金属製で光っていても
    金というわけではない
  • 22:33 - 22:36
    その比重を量らなければね」と言います
  • 22:36 - 22:39
    その隠喩的な意味合いを
    完全に見落としているのです
  • 22:39 - 22:42
    この領域は高等霊長類
    特に人間においては
  • 22:42 - 22:45
    下等霊長類の8倍もの大きさがあります
  • 22:45 - 22:48
    ここ角回では
    何かとても興味深いことが起こっています
  • 22:48 - 22:51
    それは聴覚 視覚 触覚の間の交差点であり
  • 22:51 - 22:55
    人間では巨大になっているからです
    とても面白いことが起こっています
  • 22:55 - 22:58
    それが抽象化や隠喩や創造性などの
  • 22:58 - 23:01
    人間独自の能力の
    基礎になっていると私は考えます
  • 23:01 - 23:04
    哲学者が何千年も研究してきた
    これらの問いはすべて
  • 23:04 - 23:08
    脳イメージングや患者の研究や
    適切な質問をすることによって
  • 23:08 - 23:10
    我々科学者が研究し始めることができます
  • 23:10 - 23:12
    ありがとうございました
  • 23:12 - 23:13
    (拍手)
  • 23:13 - 23:14
    時間超過ですみません
  • 23:14 - 23:15
    (笑)
Title:
あなたの脳を理解する3つの鍵
Speaker:
ヴィラヤヌル・ラマチャンドラン
Description:

ヴィラヤヌル・ラマチャンドランが、脳の損傷が明らかにする脳の組織と心の関係について、3つの驚くべき妄想を例にして語ります。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
23:17
Retired user edited Japanese subtitles for 3 clues to understanding your brain
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Masaaki Ueno added a translation

Japanese subtitles

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