快適さが人をダメにするのはなぜか | ビル・エクストロム | TEDxUniversityofNevada
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0:15 - 0:17私はいわば「勝ち組」でした
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0:17 - 0:19会社の役員で 高給をもらい
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0:19 - 0:21毎年のボーナスに
自社株購入など -
0:21 - 0:22特典にも恵まれ
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0:23 - 0:24順風満帆な人生でした
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0:25 - 0:28それが 2008年1月7日 月曜日
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0:29 - 0:30午後の3時に
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0:30 - 0:34自社ビルの最上階にある
小さな会議室へ -
0:34 - 0:37ちょっと話があると
社長に呼ばれました -
0:37 - 0:40まぁ 社長は上司なので
いつものことでした -
0:40 - 0:44しかし 蓋を開けたら
予想以上に短い面談でした -
0:44 - 0:45クビを言い渡されたのです
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0:47 - 0:53社長の言葉に思わず呼吸を忘れた
あの光景は一生忘れないでしょう -
0:54 - 0:57呆然としたまま会議室を後にした私は
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0:57 - 1:01帰宅して 布団の中で
3時間は丸まっていました -
1:01 - 1:04その時の気持ちや
私の自尊心や経済状態が -
1:04 - 1:08いかに揺さぶられたかなどを
事細かに赤裸々に語ってもいいのですが -
1:08 - 1:09今思えば
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1:10 - 1:15それまでの人生で
最も不快な出来事だった一方で -
1:15 - 1:17その時の不快や
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1:17 - 1:20それまでの秩序ある生活の
終焉あってこそ -
1:20 - 1:23私は生まれ変わることができたのです
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1:24 - 1:25いいですか
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1:25 - 1:27快適な物事は人をダメにします
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1:28 - 1:31不快を感じる物事こそ
成長への唯一の道なのです -
1:31 - 1:32もう一度言います
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1:32 - 1:35快適な物事は人をダメにします
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1:35 - 1:39不快な状態においてのみ
人は成長を続けられるのです -
1:40 - 1:43とは言え もしも解雇された翌日に
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1:43 - 1:46「クビになってよかったな!
これから成長するぞ!」と言う人がいたら -
1:46 - 1:49ぶん殴っていたでしょうね
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1:49 - 1:53でも 私は割と間もなく
人生の再出発だと奮起して -
1:53 - 1:57新たな仕事仲間や
大学の博士課程時代の友人と共に -
1:57 - 1:59数年ほど研究を続けた結果
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1:59 - 2:00あることを悟りました
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2:01 - 2:06不快と成長の法則を紐解き
活用する方法についてです -
2:07 - 2:10この考え方を我々は
「成長の輪」と名付けました -
2:10 - 2:13「成長の輪」とは 成長を促進
または阻害する生活環境の象徴です -
2:13 - 2:15「成長の輪」とは 成長を促進
または阻害する生活環境の象徴です -
2:15 - 2:18職場から金魚鉢まで
あらゆるものが含まれます -
2:18 - 2:20職場から金魚鉢まで
あらゆるものが含まれます -
2:21 - 2:24例えば 金魚の大きさを
決定付けるものは -
2:24 - 2:25置かれた環境です
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2:26 - 2:29金魚鉢の中は
非常に安全であると同時に -
2:29 - 2:31あらゆる意味で
非常に制限的な環境なのです -
2:31 - 2:34もっと厳しい環境に置かれた場合
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2:34 - 2:37例えば 池の中とかなら
巨大な金魚に育つかもしれません -
2:38 - 2:40逆に 捕食されてしまう可能性もあります
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2:41 - 2:43でも これを自分に当てはめてみてください
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2:43 - 2:47仕事の環境 生活環境 遊ぶ環境
これら全てが -
2:47 - 2:50先ほどの金魚鉢の喩えと同じで
あなたの成長を決定付けるのです -
2:52 - 2:56さて「成長の環」の1つ目は
成果も成長も乏しい環境を象徴します -
2:56 - 2:58「停滞」というものです
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2:59 - 3:02「停滞」とは 追うべき手順や
得るべき許可や細かい決まりが -
3:02 - 3:03多すぎることを指します
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3:03 - 3:08創造性や自立した考え方
行動を殺してしまう状況です -
3:08 - 3:11このような環境は何かといえば
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3:11 - 3:14この国の州政府や連邦政府ほど
格好の例はありません -
3:15 - 3:19さて「停滞」の正反対が「混沌」です
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3:19 - 3:21ここでも 成果や成長は
あまり望めません -
3:21 - 3:25「混沌」の要因は
内部または外部の出来事や状況です -
3:25 - 3:28「混沌」が起きやすいのは
事業合併や -
3:28 - 3:31自然災害や
9/11のような惨事においてです -
3:32 - 3:35「混沌」とは 先が全く見えず
自分たちの行動にも -
3:35 - 3:39その結果に対しても
制御がきかないことです -
3:40 - 3:42「成長の輪」に話を戻すと
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3:42 - 3:46「停滞」の上にあるのは 環境として
最も望ましいとされる「秩序」です -
3:47 - 3:52「秩序」とは 自分の行動や
今いる環境で起こっていることが -
3:52 - 3:54想定内の結果につながることです
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3:55 - 3:58そして想定可能な物事は
快適なものです -
3:58 - 4:02しかし 快適さのせいで
「秩序」が大きな危険をはらむのです -
4:02 - 4:05科学的にも証明されていますが
同じことをずっと継続したり -
4:05 - 4:08何かについての
考え方を変えずに維持すると -
4:08 - 4:10いずれ成長が止まってしまうからです
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4:10 - 4:13これは どんな生き物にも当てはまります
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4:13 - 4:15犬にでさえもです
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4:16 - 4:19例えばこの犬 アスペンは
選べるなら -
4:19 - 4:23週6日 そして日曜は2回
のんびり快適に過ごすでしょう -
4:23 - 4:24(笑)
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4:24 - 4:26しかし 過剰な「秩序」に
成長を制限されていたら -
4:26 - 4:29セラピー犬には
なれなかったでしょう -
4:30 - 4:33もし それが現実になっていたら
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4:33 - 4:37今 アスペンの優しさに触れている
人々との交流もありませんでした -
4:38 - 4:44だから 自分の「秩序」に 引き続き
考え方や行動を制限される前に -
4:44 - 4:46先ほどの言葉を思い出してください
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4:46 - 4:49成長とは 不快な状態でしか
起こりません -
4:49 - 4:51この言葉は強力です
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4:51 - 4:55成長とは 不快な状態でしか
起こらないのです -
4:55 - 4:59断言できますが
もしも9年前の あの不快な日 -
4:59 - 5:03私の「秩序」が崩壊しなかったら
ここには立っていません -
5:04 - 5:09TEDに登壇するために わざとクビになれと
言っているわけではありませんよ -
5:09 - 5:10(笑)
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5:10 - 5:14不快さに襲われたように感じるとき
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5:14 - 5:17それはあなたが「複雑性」の輪の中に
いることを意味します -
5:18 - 5:22「複雑性」とは「秩序」が乱れること以外の
何物でもありません -
5:22 - 5:27「秩序」が乱れると
結果が予測できなくなります -
5:27 - 5:31先が読めないことこそ
不快さの元なのです -
5:31 - 5:33大体の場合において
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5:33 - 5:37不快に対する 直感的な反応は
ただの「嫌だ」ではなく「絶対嫌だ」ですが -
5:38 - 5:41その実 不快を意識して 認めることで
力が湧いてくると実感できるのです -
5:41 - 5:44その実 不快を意識して 認めることで
力が湧いてくると実感できるのです -
5:44 - 5:48そして「秩序」よりも「複雑性」を
適宜 選べるようになるのです -
5:48 - 5:52わざわざ不快さを求めるなんて変な話ですし
実践している人は少ないですが -
5:52 - 5:54不快を歓迎できるように
なるべきです -
5:54 - 5:56唯一 不快な環境でこそ
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5:56 - 6:00人は成長を続けたり
急成長を起こせるのです -
6:01 - 6:02さて
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6:03 - 6:08高成長につながる「複雑性」を
人生に織り込むためには -
6:08 - 6:11主に3通りのきっかけがあります
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6:12 - 6:16きっかけ その1
選択の余地なく起こる場合 -
6:17 - 6:21私がクビになったとき
「秩序」を保つ余地はありませんでした -
6:21 - 6:23「複雑性」が勝手に選択されたのです
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6:23 - 6:27こういった場合 その人の反応次第で
成長の度合いが決まります -
6:27 - 6:31私の場合 怒りにしがみついて
それを言い訳にすることもできたのですが -
6:31 - 6:35実際に学んだのは 自分が
従業員としてはダメだということと -
6:36 - 6:40自ら会社を経営するリスクを受け入れる方が
ずっと向いているということでした -
6:42 - 6:45きっかけ その2
誰かの助力がある場合 -
6:46 - 6:52これは親や教師やコーチや
上司の役目です -
6:52 - 6:54当の本人だけでは
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6:54 - 7:00意識的に または潜在意識で
「秩序」が持つ快適さを選んでしまうからです -
7:00 - 7:03だから成長を続けるためには
「複雑性」を持つ状況へと -
7:03 - 7:05導いてもらう必要があるのです
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7:06 - 7:10私の一番下の娘は
高校生活のほとんどを -
7:10 - 7:12テニスに捧げました
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7:12 - 7:14娘のコーチは
私の事業内容のテーマである— -
7:14 - 7:16「複雑性」や「成長の輪」に
詳しかったので -
7:17 - 7:20娘の上達の様子を聞こうと
電話をかけて -
7:20 - 7:22こんな質問をしても大丈夫でした
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7:22 - 7:24「コーチ 娘が最後に
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7:24 - 7:27複雑性の世界に
突き落とされたのはいつですか?」 -
7:28 - 7:29コーチの返事です
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7:29 - 7:33「なんと このタイミングで
訊かれるとは面白いですね -
7:33 - 7:35つい昨日 テニスコートで
泣き崩れたばかりです」 -
7:37 - 7:38「ほほう」
-
7:39 - 7:43娘がどんなに強い子か知っているし
いつもは絶対に泣かないので -
7:43 - 7:46「複雑性」の世界に深く入ったなと
思いました -
7:46 - 7:52しかし皆さん 子育てでは
ここでの判断が肝心なのです -
7:52 - 7:55昔の私—
「成長の輪」を発見する以前の私なら -
7:55 - 7:59ここで干渉して 何が娘をそこまで
不快にさせたのかを知りたがり -
7:59 - 8:03そして娘を元気付けようと
あらゆる手を尽くしたでしょう -
8:03 - 8:05こうすることで私は 実は
-
8:05 - 8:09「複雑性」を取り除き 娘に
「秩序」を与えていることになり -
8:09 - 8:12実際のところ 娘の成長を
殺してしまったことでしょう -
8:13 - 8:19しかし「成長の輪」を知っている今の私は
娘の不快に喜びを覚えたのでした -
8:19 - 8:20(笑)
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8:20 - 8:26そして コーチの次の言葉が
私の聞きたかったこと全てを物語っていました -
8:26 - 8:30「お伝えしておくと
お嬢さんが『複雑性』に到達するまで -
8:30 - 8:33その限界を超えさせるのに
先月に比べて -
8:33 - 8:35今月は ものすごく苦労しました」
-
8:36 - 8:39不快さが娘の成長を促していたのです
-
8:40 - 8:43では そこまで運がなくて
高成長を起こすほどの -
8:43 - 8:47厳しい職場・生活環境に
置かれていない人はどうでしょうか -
8:47 - 8:50「秩序」の中で身動きが取れない人や
ましてや「停滞」状態にある人は? -
8:51 - 8:53ご安心いただきたいのですが
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8:53 - 8:57いつでも 誰でも
「複雑性」のきっかけは作れます -
8:57 - 9:02これがきっかけ その3
自分で招くというものです -
9:04 - 9:07時は変わって 1950年代の
アラバマ州モンゴメリー市 -
9:07 - 9:09時は変わって 1950年代の
アラバマ州モンゴメリー市 -
9:09 - 9:13黒人の少女を
頭に浮かべてみてください -
9:13 - 9:15黒人だけの高校に通っています
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9:15 - 9:17市バスを使って
通学しています -
9:17 - 9:19当時 普通のことでした
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9:19 - 9:241955年3月2日
学校の帰り道にバスに乗り -
9:24 - 9:26後方の座席に座ります
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9:26 - 9:29黒人が座ってもよい席の
1列目です -
9:30 - 9:32バスにはどんどん
白人が乗り込んできて -
9:32 - 9:35ついに前方には席がなくなります
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9:35 - 9:37市の法律では
-
9:37 - 9:42黒人は白人に席を譲って
さらに後ろに移動しなければなりません -
9:42 - 9:45モンゴメリーには「秩序」が確立されており
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9:45 - 9:49それに従えば
非常に予想しやすい結果が伴いました -
9:50 - 9:53「衝突のない抑圧」です
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9:54 - 9:57しかし15歳のクローデット・コルヴィンは
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9:57 - 10:00学校で黒人の歴史について1ヶ月
みっちり勉強したばかりで -
10:00 - 10:05未だに横行していた歴史的な非人道的行為に
ウンザリしていたのも無理もありません -
10:05 - 10:10そんなわけで モンゴメリー市の「秩序」に
この日は逆らうことにしたのでした -
10:11 - 10:13頑として席を譲らなかった結果
-
10:13 - 10:19クローデットは 地域社会や法律や
国全体に「複雑性」をもたらしました -
10:20 - 10:25同じく席を立たないという決断をして
有名になったローザ・パークスの9ヶ月前に -
10:25 - 10:2715歳の少女が
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10:27 - 10:30手錠をかけられ バスから引きずり降ろされ
刑務所に入れられたのでした -
10:31 - 10:35初めて法律に抵抗したのは
ローザ・パークスではなかったのです -
10:35 - 10:36コルヴィンはまた
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10:36 - 10:39歴史的に有名な訴訟において
主要な原告として証言し -
10:39 - 10:42米連邦最高裁まで
たどり着きました -
10:43 - 10:44さて
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10:45 - 10:50私がコルヴィンの例を出したのは
人種問題の意識向上のためではなく— -
10:50 - 10:53そういう議論も悪くないのですが—
-
10:53 - 10:55「秩序」のある環境における
あらゆる問題や状況を -
10:55 - 10:58表すための一例として使うためです
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10:58 - 11:02「複雑性」の実例として
まさに うってつけだからです -
11:02 - 11:06「複雑性」が 人々や社会や裁判所に
不快さを突き付けたり -
11:06 - 11:09誰かが「秩序」をあえて離れる
動きを起こしたときに -
11:09 - 11:13続けて起こりうる効果を示す
格好の実例です -
11:14 - 11:21この概念は セリーン・ジョーンズ博士が
最近出した本のまとめ方が秀逸です -
11:21 - 11:24「秩序という
見せかけばかりの外観を保てば -
11:25 - 11:28人生は思った通りに行くように
できてはいないのだと -
11:28 - 11:31必死に教えようとしてくれている
大自然が入り込む余地がなくなってしまう -
11:32 - 11:35私たちは 大自然の厳しさを
身をもって体験し -
11:35 - 11:39他の方法では教わることのできない
教訓を得なければなれない」 -
11:40 - 11:42いいですか
-
11:43 - 11:45仕事を失うという不快や
-
11:46 - 11:48子供がテニスコートで
泣き崩れることよりも -
11:48 - 11:52最も恐れるべきは「秩序」です
「秩序」とは脅威だからです -
11:53 - 11:54「秩序」を乱す人々—
-
11:54 - 12:00キリストやガリレオやコルヴィンや
アスペンのトレーナーがそうです -
12:01 - 12:04そして会場の一部の方々は
既に実証済みかもしれませんが -
12:04 - 12:05考えてみてください
-
12:06 - 12:10「複雑性」のきっかけを作るような
人々や出来事は -
12:10 - 12:11最も恐れるべき対象ではありません
-
12:12 - 12:17不快さを進んで受け入れ
追求するという自らの態度こそが -
12:17 - 12:20あなた自身にとどまらず
この世界全体の成長を -
12:20 - 12:22決定するのです
-
12:23 - 12:25今日はお招きいただき
ありがとうございました -
12:25 - 12:28(拍手)
- Title:
- 快適さが人をダメにするのはなぜか | ビル・エクストロム | TEDxUniversityofNevada
- Description:
-
起業家ビル・エクストロムが、人として、社会人としての成長の仕組みを説明する「成長の輪」の概念を紹介し、快適な環境にとどまることは危険であり、不快な環境に身を置くことこそが成長を続ける唯一の方法であるのはなぜかを解説します。不快さがその人自身や周りの人々の人生、そして世界を変える結果につながるという話に、目からウロコが落ちることでしょう。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 12:35
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Riaki Ponist approved Japanese subtitles for Why comfort will ruin your life | Bill Eckstrom | TEDxUniversityofNevada | |
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Riaki Ponist edited Japanese subtitles for Why comfort will ruin your life | Bill Eckstrom | TEDxUniversityofNevada | |
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YORIKO NODA accepted Japanese subtitles for Why comfort will ruin your life | Bill Eckstrom | TEDxUniversityofNevada | |
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Riaki Ponist edited Japanese subtitles for Why comfort will ruin your life | Bill Eckstrom | TEDxUniversityofNevada | |
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YORIKO NODA declined Japanese subtitles for Why comfort will ruin your life | Bill Eckstrom | TEDxUniversityofNevada | |
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YORIKO NODA edited Japanese subtitles for Why comfort will ruin your life | Bill Eckstrom | TEDxUniversityofNevada | |
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Riaki Ponist edited Japanese subtitles for Why comfort will ruin your life | Bill Eckstrom | TEDxUniversityofNevada | |
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Riaki Ponist edited Japanese subtitles for Why comfort will ruin your life | Bill Eckstrom | TEDxUniversityofNevada |