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ディズニーの「ストレンジワールド」は
カラフルで奇妙な世界を冒険する話だ
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若い観客向けの映画だが
それはメッセージが浅いことを意味しない
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説明のために物語の中盤にジャンプしよう
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主人公たちが開拓プライマルという
ボードゲームをする場面だ
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"開拓プライマルは?"
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マジック・ザ・ギャザリングと
カタンを混ぜたようなものだが
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ゴールはモンスターを倒したり
領土を広げることではなく
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"悪魔のクモだ!"
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"殺せ!"
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"いや 殺すとかじゃないんだ"
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協力してより良い世界を構築することだ
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"環境と調和して暮らすのが
ゲームの目的だ"
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そのゴールは映画のメッセージでもある
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倒すべき悪役はいない
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代わりに社会を説得して
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日常生活を支える便利な燃料を
捨てさせる必要がある
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それが世界を破壊する前に
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生態学的寓話としては
驚くほど過激な話だ
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見た目はパルプマガジンから借りているが
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テーマはソーラーパンクと
多くの共通項がある
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ソーラーパンクは最近の
文学やメディアのトレンドで
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SF的な枠組みで生態系を再生する物語であり
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パーマカルチャー農業 相互扶助ネットワーク
持続可能な都市生活などを描いている
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テーマとビジュアル自体は数十年前からあり
多くがスタジオジブリ作品に影響を受けている
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特に「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」
「風の谷のナウシカ」に
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現時点ではソーラーパンクは
ジャンルというより野心的アイディアだが
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今はゲーム界にまで急速に成長している
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"毒素洗浄装置を使い
土壌と海を浄化しましょう"
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"綺麗な水を必要な場所に送り
草木を育てましょう"
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ソーラーパンク系で私のお気に入りなのは
「Monk and Robot」シリーズの小説だ
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ソーラーパンクの核心は
よくあるディストピアでの楽観的反応だ
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そこではハイパー資本主義が
世界をひどく破壊している
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私たちは壮大な世界的大災害を数多く鑑賞し
世界の終わりは不可避のように感じてしまう
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"この町だけじゃない
全部こうだ"
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「The Seeds of Time」という本の次の言葉を
どこかで聞いたことがあるかもしれない
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"こんにちの私たちにとっては
後期資本主義の崩壊より
地球や自然の徹底的な荒廃を
想像することの方が容易いように見える"
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"おそらく私たちの想像力の弱さのせいで"
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私は想像力の欠如は 少なくとも一部は
エンターテイメント企業のせいだと主張したい
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ネオンにあふれた企業系ディストピアと
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終末風景を描き続けている
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世界の運命は決まっているかのように
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良いディストピア物語は
私たちの世界についての警告となるかもしれない
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"コロニーでの新しい人生が
あなたを待っています"
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"黄金の土地での再出発のチャンス…"
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しかし未来の暗い見通しは多く蔓延し
批評もされてないため
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多くのジャンルが少ないスタイルの選択と
お決まりの物語の中に閉じ込められている
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私たちは時折 ディストピア的な世界の中で
より良い未来の可能性を垣間見る
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"本物の木?"
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"クールだろ?
初めて見た時ここだとわかった"
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"種一つでこうなれる"
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その生態学的持続性の見通しは
遠い未来の一部にだけ存在するかのようだ
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別の宇宙か 仮想空間の中に
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ストレンジ・ワールドは
このパターンを破る
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環境は危機にあるが
まだ救う時間があるからだ
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オープニングでアヴァロニアは前近代社会から
未来的技術社会に進歩したと説明される
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パンドと呼ばれる燃料を発見したおかげで
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野菜のように育つが
パンドは明らかに化石燃料の比喩だ
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"電池切れだ"
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"そんなわけない
1時間前に収穫したのに"
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パンドに謎の異変が起こると
彼らは生活を守るため探検に出る
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"今回のミッションは根っこを追って
パンドの中心に行き 病気を治すこと"
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燃料を手に入れ続けようとする
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たとえ外界生物と
戦争することになったとしても
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その後 気候変動の寓話そのままに
パンド自体が世界を殺す寄生虫だと判明する
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"この世界は生きてる 生き物なんだ!"
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"つまり 僕らはずっと暮らしてた"
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"巨大生物の上に"
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息子のイーサンが最初に状況を理解した
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"それをパンドが殺してる"
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そして父親と一緒に変化を訴えようとする
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"巨大生物なんだ!"
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"巨大生物?"
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"聞いてくれ
この世界は全部生き物なんだ"
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"パンドがそれを殺してる"
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"生き残るにはパンドを捨てないと"
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"パンドなしで生きろと?"
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"信じられるか!"
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しかしリーダーは現状を維持することを選び
生態系に起きている真実を否定する
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"カリスト?"
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"離してよ"
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"感情的にならないで"
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"何を見たのかは知らない"
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"でもここにはパンドのために来た"
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"計画は変えない"
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"君はわかってない"
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イーサンたちは科学的事実を
指摘したことで監禁される
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"間違ってる!"
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だがリーダーたちもすぐ気づくことになる
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"これでわかった? 心臓よ"
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このシナリオは私たちの現実世界の反映だ
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"で…タイムアップ!"
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"わかった死んだよ 殺した"
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"そうこなきゃ"
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ボードゲームの最中に見たように
持続可能性というゴールは若者には自明だ
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"27回目だ 悪者はいない"
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"モンスターを殺したりしない"
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"環境を活用して文明を築くんだ"
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だが上の世代はそのアイディアに混乱する
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"わからんな"
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"僕も"
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"そんなに難しくない!"
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"悪者がいないって何だ?"
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"設定がヘタなんだ"
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"わかった 悪者がほしい?"
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"二人が悪者だ!"
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自分たちの生活にこだわり
危機を解決するための犠牲を理解しない
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本当の悪者は人ではない
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変わる必要性を受け入れない
凝り固まった価値観だ
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最後には人々はパンドを壊すことを受け入れ
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世界を救うために快適な暮らしを諦めた
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あるレベルでは これはアニメ映画に期待する
ハッピーエンドと言える
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地球と生物たちがみな繋がっているという啓示は
どこかで見たことはあるだろう
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他との違いは 未来に到達する
方法についてのメッセージだ
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"さて 次に停まるのは
冷たいコーヒーと怒れる群衆です"
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"帰る準備はいい?"
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環境がテーマの家族向け映画はよく
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"珍しい鳥が住んでるの!"
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"木を切らないで!"
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変化というより保守の観点から描かれる
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"これを植えることから始めよう!"
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そして解決策は小さな個人的行動だ
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ゴミを拾う 電気を消す 木を植えるなど
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"ゴー!プラネット!"
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"プラネティアーズは君に参加してほしい
私たちの惑星を綺麗で美しく保つために"
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"ポイ捨てはしないでください
それは完全にかっこ悪いことです"
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"パワーは君のもの"
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この種のメッセージは変化の責任を
問題のある仕組みから個人に転嫁する
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ストレンジ・ワールドではそれと違い
環境を救うのは個人の選択の結果ではなく
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社会の仕組み全体の根本的な転換だ
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パンドをやめる必要がある
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現実世界の私たちへの寓話だ
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私たちも化石燃料を使うのを
やめなければならない
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10年20年とかけてはいられない
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グリーンエネルギーへの転換は急を要する
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巨大エネルギー企業が宣伝するのとは反対に
気候変動の簡単な技術的解決策は存在しない
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"クリーンだね"
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"普通の掃除でいいんですか?"
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クリーンコールなどの誤った解決策は
ただのグリーンウォッシュキャンペーンで
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汚れたエネルギーへの投資を続けさせるものだ
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"クリーンコールは最も信頼できる
石炭産業によって提供されています"
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本当に地球を救いたいなら
今の持続不可能な生産消費行動は続けられない
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もちろん有害な燃料に依存した社会の再構築は
その期間中に多大な不便を強いるだろう
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しかし時代の転換期は
創造と革新を生み出すものだ
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映画の人々も昔の生活に戻る必要はなかった
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困難な時期を冷たいコーヒーを飲み
コミュニティが一丸となって乗り越え
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最終的には再利用可能な風力発電を開発し
町の明かりと飛行船を取り戻した
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生態学的調和という楽観的メッセージは
映画をソーラーパンクの枠にぴったり置く
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ソーラーパネルがなかったとしても
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過激な環境保護の主張が
ディズニーから出たというのは少し皮肉だ
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映像製作者がメディア企業に向けて
改革を呼びかけたのはこれが初めてではない
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例えばこの美しいアニメは
ヨーグルト企業のCMの一部だ
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企業は長らく自身を
未来と関連付けようとしてきた
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ポジティブなメッセージはいいが
理解すべきなのは 真によい世界に
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地球を消滅の瀬戸際に追い込んだ
企業やシステムは居場所がないということだ
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映画は公開されると 反動的な批評家から
ボイコットが呼びかけられた
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多様性の押し付けや ゲイが普通のこととして
描かれたことに怒ったようだ
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"すごくうれしい"
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中心人物に有色人種を選択したことは
ソーラーパンクの世界を構成する上で重要だった
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なぜなら持続可能な生態系のアイディアは
遠い未来のSFから来たのではなく
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ヨーロッパ人が入植する前の
アフリカの伝統にルーツがあるからだ
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自然のシステムを利用することで
農耕し続けられました
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同じ土地を何世紀も
土壌を枯渇させることなしに
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ソーラーパンクの流行は
重要な真実を指し示している
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"制限区域です"
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差し迫る気候変動の危険を
理解する必要がある一方で
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破滅を強く警告するだけでは
人々に行動させるには十分ではないということを
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望む未来の形の想像を助けるような物語が
楽しく 刺激的で そして批判的であると
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より良い未来が私たちの
手の中にあると感じられる