< Return to Video

ローマ兵士の一日 ― ロバート・ガーランド

  • 0:06 - 0:12
    時は西暦15年
    ローマ帝国は繁栄しています
  • 0:12 - 0:14
    ほとんどは皇帝の
    功績によるものですが
  • 0:14 - 0:17
    それを可能にしたのは
  • 0:17 - 0:21
    セルウィウス・フェリクスのような
    忠実な兵士の存在でした
  • 0:21 - 0:25
    8年前 18歳のセルウィウスは
    軍団兵として入隊しました
  • 0:25 - 0:29
    彼は貧農の息子で 将来の見込みは
    大してありませんでした
  • 0:29 - 0:32
    彼は 他の軍団兵と違って
    賭け事をしないため
  • 0:32 - 0:35
    給金のほとんどは
    貯蓄に回せています
  • 0:35 - 0:37
    しかも 入隊時に
    貰った手当である
  • 0:37 - 0:41
    3枚の金貨にも
    手をつけていません
  • 0:41 - 0:45
    退役するまで生き延びられれば
    数エーカーの土地を与えられます
  • 0:45 - 0:48
    彼は しかも 故郷の女の子に
    好意を抱いていて
  • 0:48 - 0:50
    結婚したいと考えています
  • 0:50 - 0:54
    しかし それも 25年の兵役を
  • 0:54 - 0:55
    終えてからの話です
  • 0:55 - 0:59
    そして 軍団兵の人生は
    厳しく 危険なものなのです
  • 0:59 - 1:03
    今日 セルウィウスの軍団は
    他の3つの軍団と共に
  • 1:03 - 1:08
    「長征」に取り掛かり
    3万ペース つまり
  • 1:08 - 1:11
    ほぼ 36キロメートルもの
    距離を踏破しました
  • 1:11 - 1:13
    セルウィウスの具足や武器
  • 1:13 - 1:14
  • 1:14 - 1:15
  • 1:15 - 1:17
    投げ槍 2本
  • 1:17 - 1:19
    全部合わせると
    20キロ以上の重さです
  • 1:19 - 1:22
    この他にも 「サルキナ」という
    リュックを背負っています
  • 1:22 - 1:27
    その中には 食料と
    野営するための道具の全て 例えば
  • 1:27 - 1:28
    シャベル
  • 1:28 - 1:29
    ノコギリ
  • 1:29 - 1:30
    ツルハシ
  • 1:30 - 1:31
    カゴが 入っています
  • 1:31 - 1:35
    セルウィウスは へとへとですが
    今夜はあまり寝られません
  • 1:35 - 1:37
    1番目の当直として
  • 1:37 - 1:39
    荷物を運搬する動物の
    世話をして
  • 1:39 - 1:43
    敵の待ち伏せ攻撃に
    用心しなければいけません
  • 1:43 - 1:46
    当直任務を引き継いでも 彼は眠れず
    夜が明けるのを恐れています
  • 1:46 - 1:50
    次の日には 彼の最悪の悪夢が
    呼び起こされるからです
  • 1:50 - 1:54
    明け方 セルウィウスは 同じテントの
    7人の仲間と朝食をとります
  • 1:54 - 1:59
    彼らは家族のようなもので 一緒に
    戦った時の傷を 皆負っています
  • 1:59 - 2:00
    セルウィウスは
    イタリア出身です
  • 2:00 - 2:04
    しかし 彼の仲間の兵士は
    シリアから スペインまで広がる
  • 2:04 - 2:07
    帝国の方々からやってきました
  • 2:07 - 2:11
    つまり 北方のこの地 ゲルマニアは
    誰の故郷からも遠く離れたところなのです
  • 2:11 - 2:14
    今日 セルウィウスの軍団と
    他の3つの軍団は
  • 2:14 - 2:18
    皇帝ティベリウスの甥
    ゲルマニクスの指揮下にあります
  • 2:18 - 2:23
    ゲルマン人の部族に対して軍功を挙げた
    父に因んで名付けられました
  • 2:23 - 2:26
    各軍団の人員は ほぼ5千人で
  • 2:26 - 2:29
    約500人単位の
    歩兵隊に分割され
  • 2:29 - 2:34
    その歩兵隊も 80から100人単位の
    百人隊から構成されています
  • 2:34 - 2:37
    各百人隊は
    百人隊長の指揮下にあり
  • 2:37 - 2:41
    軍団の先頭には アクィリフェル
    と呼ばれる旗持ちが
  • 2:41 - 2:44
    鷲の紋章を掲げて歩きます
  • 2:44 - 2:47
    百人隊長は 軍団兵の横で歩き
    大声で命令を怒鳴ります
  • 2:47 - 2:50
    「デクス シン デクス シン」
  • 2:50 - 2:53
    「右 左 右 左」
  • 2:53 - 2:57
    行進が右足から始まるのは
    左は不吉だと考えられていたからです
  • 2:57 - 3:00
    厳しい規律にも関わらず
    空気は張り詰めています
  • 3:00 - 3:03
    昨年 同じ地域に
    反抗した軍団があり
  • 3:03 - 3:07
    賃上げと 兵役の短縮を
    要求したのです
  • 3:07 - 3:10
    将軍のカリスマと
    交渉能力によって
  • 3:10 - 3:13
    大反乱になる前に
    なんとか収められました
  • 3:13 - 3:16
    今日は「普通の行進」
    30キロメートルだけです
  • 3:16 - 3:21
    ゲルマニアの湿地や 森林には
    帝国の道路体系が及んでいないため
  • 3:21 - 3:25
    兵士は 前進するために
    道路や橋を作らねばなりません
  • 3:25 - 3:29
    ここ最近 彼らは 戦闘より
    道路整備に時間を割いています
  • 3:29 - 3:34
    ようやく 目的地に到着しました
    セルウィウスが 嫌というほど知っている
  • 3:34 - 3:37
    トイトブルク森のはずれの
    開けた土地です
  • 3:37 - 3:41
    ここは 6年前
    皇帝アウグストゥスの治世の時
  • 3:41 - 3:44
    族長アルミニウスに率いられた
    ゲルマン人の部族が
  • 3:44 - 3:48
    待ち伏せ攻撃を仕掛けて
    3個の軍団を全滅させた場所です
  • 3:48 - 3:50
    滝のような雨の中
  • 3:50 - 3:54
    狭い道を進んでいる時
    軍団は 退路を塞がれた状態で
  • 3:54 - 3:56
    森から待ち伏せ攻撃を受けました
  • 3:56 - 3:59
    ローマ人が経験した
    最も甚大な敗北の一つで
  • 3:59 - 4:03
    アウグストゥスは 終生
    忘れることはありませんでした
  • 4:03 - 4:06
    セルウィウスは
    数少ない生存者です
  • 4:06 - 4:11
    仲間が死屍累々と横たわる姿が
    今でも悪夢に出てきます
  • 4:11 - 4:16
    今回 軍隊が戻ってきたのは 戦死者を
    埋葬し 正式な軍葬を施すためです
  • 4:16 - 4:18
    彼は 作業を行いながらも
  • 4:18 - 4:24
    扱っている骨が 知り合いのものではないか
    考えられずにはいられません
  • 4:24 - 4:29
    何度か 声をあげて泣きたくなりますが
    作業の手は休めません
  • 4:29 - 4:31
    帝国の栄光なんて
    「クソくらえだ」
  • 4:31 - 4:36
    彼が心から欲しいのは 小さい畑に
    妻となるべき人と隠遁することです
  • 4:36 - 4:39
    しかし それも 神々が もう17年ほど
    彼を生かしておけば の話です
Title:
ローマ兵士の一日 ― ロバート・ガーランド
Description:

時は西暦15年、ローマ帝国は繁栄しています。繁栄の功績はほとんど皇帝にあると言えますが、それもセルウィウス・フェリクスのような、忠実な兵士なしには成し遂げられませんでした。ローマ軍の兵士としての人生がどのようなものであったか、ロバート・ガーランドが明らかにします。

講師:ロバート・ガーランド、アニメーション:ブレット・アンダーヒル
このビデオの教材:https://ed.ted.com/lessons/a-day-in-the-life-of-a-roman-soldier-robert-garland

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
05:00

Japanese subtitles

Revisions