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リチャード・ミズラック: 移ろい | Art21 "Extended Play”

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    (穏やかなピアノ音楽)
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    (穏やかなジャズ)
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    -最後にこの場所から写真を撮って
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    20年になります
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    3年か4年の間
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    この素晴らしい湾の写真を
    撮り続けました
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    これを出して
  • 0:31 - 0:32
    フィルムを入れてっと
  • 0:34 - 0:36
    驚きました
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    いつも同じ橋だと人は思うかもしれません
    しかし-
  • 0:40 - 0:42
    決して同じではないのです
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    自身の仕事を振り返ること
    それはタイムマシーンに乗ることです
  • 0:55 - 0:59
    失われていたかもしれない記憶
    それらが呼び覚まされます
  • 1:06 - 1:09
    (はっきりしない話し声)
  • 1:09 - 1:12
    -リチャードとは
    感謝祭のディナーパーティーで出会いました
  • 1:12 - 1:17
    (スイッチ音)
    (映写機の回る音)
  • 1:18 - 1:21
    親しくなったのは
    マザー・ジョーンズの仕事で
  • 1:21 - 1:23
    爆撃練習場の取材をした時です
  • 1:23 - 1:24
    彼は当時そこで働いていました
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    彼と一緒に旅したことについて多くを書いてきたのですが
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    いつからかそれを読むべきかどうか
    わからなくなっています
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    -本番 アクション!
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    -この冒険も12年になった
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    リチャードと共に絶景を巡る旅だ
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    最も印象深かった場所
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    それは世界の終末後の風景、ブラボー20だ
  • 1:51 - 1:56
    執拗にそして計画的に破壊された後の静寂
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    砂漠との友情は深まっていく
  • 2:02 - 2:04
    不毛の地とみなされている景色
  • 2:05 - 2:07
    全ては真理に繋がっている
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    新しきものと古きものが共存しながら
    ここでも地球は生きている
  • 2:13 - 2:16
    雪のように輝く塩のベッド
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    銀色と緑色の哨兵 白い砂丘
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    どんな現代彫刻よりも前衛的な岩石層群
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    彼はとても情熱的であり、
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    同時にユーモアのセンスも持ち合わせていました
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    ♪モー モー♪
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    ♪子を連れず♪
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    ♪独り立つ君を見たのさ♪
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    今まで私から逃げたことなんてなかったのに(笑い声)
  • 2:55 - 2:59
    -世界は思っていたより素晴らしかったのです
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    (メロウなジャズ)
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    -エリック、今からそちらへ行くよ
    ピン留めしよう
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    -オーケー
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    -若い頃ミリアンは私と一緒に旅をしました
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    一緒に来たがるのなんて彼女しかいやしません
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    死骸捨て場や爆撃練習場
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    原子力実験場などへ彼女は行きました
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    ここは寒いね
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    これらの場所は写真的関心だけでなく
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    私が政治的関心を持つ場所でもあります
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    -昔、彼に写真についてどう思うか
    尋ねられたことがあります
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    私は「美しいわ」と答えました
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    すると彼は
    「美しいってのは空っぽのシニフィエだ」と言いました
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    私は「確かにそうね」と続けました
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    -私が何を考えながら写真を撮ったか
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    鑑賞者にはわからないと知っています 別に気にしません
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    それは当然のことです
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    それでも私はここに展示する全ての作品に
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    概念的理念を持たせたいと考えています
  • 4:01 - 4:02
    -仕方ないんです
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    もしそれが十分に素晴らしくても
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    その中にある特別性を見出してしまうんです
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    ハワイの同じ場所によく旅行に行きます
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    しかし9/11の起きた後彼は
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    水の写真に夢中になっています
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    下を見てこのような人々を見ています
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    -雄大で広大な海に小さな人影を見る時
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    自分がどれほどちっぽけか知るのです
  • 4:30 - 4:33
    写真は撮られた時点から
  • 4:33 - 4:37
    時と共に意味が変化する可能性があり
    実際よくそうなります
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    現時点で好きな写真はいっぱいありますが
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    気が変わるかもしれないということもわかっています
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    なので
    撮り、確認し
  • 4:43 - 4:47
    小さく印刷し
    大きく印刷します
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    それから放っておきます
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    一年か二年になることもあります
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    そうするとまるで初めて見たかのように
    とても新鮮な気持ちで写真を見ることができます
  • 4:54 - 4:57
    (平和な音楽)
  • 5:00 - 5:03
    -リチャードのスタジオでもあり
    最近まで私たちが住んでいた倉庫には
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    暗く長い廊下があり
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    ネガやベタ焼きが積まれた棚が
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    所狭しと置いてあった
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    何万もの数だ
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    それらのほとんどに日が当たることはない
    しかし
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    全ては生命の可能性を秘めている
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    私はそれらを休眠中の証人だと思っている
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    それぞれが、ある瞬間のある場所を記録しているのだ
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    リチャードにとってもそうだろうが、
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    私にはそれらを捨てることができない
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    写真家の謎は増すばかりだ
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    (戸の擦れる音)
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    -これらの棚には、
    8インチX10インチのネガが約3万枚あります
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    まだプリントされたことのないネガです
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    こちらの箱はベタ焼きです
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    宝の山です
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    未印刷の写真を見つけました
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    これは砂漠にいる美しい妻、ミリアンです
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    実はこの写真はプリントできなかったのです
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    傷が付いているかもしれないし
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    色味が落ちているかもしれない
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    だから仕舞ったままにしてありました
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    現在のデジタル技術を用いれば
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    写真をスキャンしてエラーを修復することができます
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    この空を見てください
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    まだプリントしたことのないものです
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    (メロウなジャズ)
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    - 彼は時間が尽きかけていることに気づいたのだと思います
  • 6:38 - 6:40
    だからできる限りのことをしたいんです
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    彼はより実験的になりました
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    既成概念を拡大しようとしています
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    これまで慣れ親しんできた様式を手放しています
  • 6:54 - 6:56
    ”なぜだめなんだ?”
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    ”なぜやらないんだ?”
    そうやって
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    ルールを壊しています
  • 7:00 - 7:02
    (活き活きとしたピアノ)
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    - よし
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    これをこっちに移動させよう
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    長年続けてきた習慣にドライブがあります
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    被写体を探しに2、3週間出かけるのです
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    何年もそういったことを続けているうちに
    実験の成果が形になり
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    私に変化が起きました
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    物事が違う風に見えてきたのです
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    実験的に撮られた写真かどうか
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    すぐにわかります
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    元々は小枝や幹が這っている写真でしたが
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    フォトショップを用いて
  • 7:37 - 7:40
    色調を変化させました
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    こうして異化された写真には
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    新たな解釈が生まれます
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    この神経細胞のような雑木林は
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    ジャクソン・ポロックの絵に見えるかもしれませんが
    実際は違います
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    この写真にはリアリズムが残されています
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    見て取れる自然の造形が 残っています
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    以前から興味がありました
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    最近プリツカー精神病院の アートの仕事を任されました
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    建物はまだ建設中で
    訪ねることができませんでした
  • 8:09 - 8:13
    - その頃ちょうどCOVIDが始まりました
    どうすればいいのでしょうか?
  • 8:13 - 8:15
    外出できず
    写真を撮れません
  • 8:15 - 8:18
    彼は今までの作品を掘り返さなければなりませんでした
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    - 当時どのような考えで写真を撮ったか思い出そうとしました
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    それから全く新しい方法で
    写真を見つめ直しました
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    - 「どうやったら生命を吹き込めるだろうか?」
  • 8:29 - 8:30
    それからすぐ
  • 8:30 - 8:37
    彼は物事を 思いもよらなかった視点で見るようになりました
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    毎日そこから言いました
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    「何を発見したかわかる?
  • 8:41 - 8:44
    こっちへ来て見てくれ。
    さあさあ」
  • 8:44 - 8:47
    - 膨大な数の実験をフォトショップで行いました
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    ただふざけていただけかもしれません
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    補正につぐ補正
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    全てはそこから始まりました
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    (穏やかなパーカッション)
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    - 精神医学の抱える大きな問題に入院施設への配慮があります
  • 9:11 - 9:17
    これは精神医学界だけでなく医療界全般に言えることです
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    アートほど直接的に 配慮を示す方法はあまりありません
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    美は重要です
  • 9:27 - 9:30
    このドアに足を踏み入れた全ての人に
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    その空間によって高揚感を味わってほしいのです
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    安心を与え
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    希望を与えてほしいのです
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    - プリツカー病院が私を選んだことに戸惑いました
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    重い作品が多いんです
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    何かの引き金になるかもしれない
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    それは精神病院では望ましくありません
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    非常に繊細な問題に取り組んできました
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    キャンサー・アレイやペトロケミカル・アメリカや国境の壁などです
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    しかし同時に、美ともバランスを取りたいと常に思っています
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    海や
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    ゴールデンゲートブリッジ
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    それは重さを中和してくれるものです
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    (遠くで波の砕ける音)
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    50年間を振り返ってみて
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    自分が美を必要としていたんだと悟りました
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    - ”その時”を感じた時
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    彼の注意は他に向かなくなります
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    「ちょっと待ってて」と彼は言います
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    奇妙な緊迫感が表情に現れます
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    完全に独りになった時の表情に似ています
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    無心
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    もし誰かが見ているのに気づいたら、
    彼は微笑みー
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    そして謝罪します
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    (シャッター音)
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    彼は妥協しません
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    時が過ぎていきます
  • 11:17 - 11:18
    彼は待ちます
  • 11:18 - 11:20
    私たちも待ちます
  • 11:20 - 11:22
    光を待ちます
  • 11:22 - 11:25
    彼にはわかっています
  • 11:27 - 11:28
    「見て」
  • 11:28 - 11:31
    曇り空を指差しながら彼は言います
  • 11:31 - 11:35
    「じき素晴らしい光が射してくる」
  • 11:38 - 11:40
    希望と共に
  • 11:46 - 11:51
    (穏やかなジャズ)
    (シャッター音)
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    (シャッター音)
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    (シャッター音)
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    (シャッター音)
  • 12:18 - 12:19
    (シャッター音)
Title:
リチャード・ミズラック: 移ろい | Art21 "Extended Play”
Description:

Episode 282: サンフランシスコの沿岸部の写真家であるリチャード・ミズラックは、数十年間の自身のキャリアを振り返り、なお写真とそして自身について学ぶべきことが残っていることを発見する。著作家でありアーティストでもある彼の妻、ミリアム・ウェイサン・ミズラックは、はじめ雑誌の仕事で彼の仕事を取材し、それから洞察的で詩的な表現を用いて旅と彼の仕事を記録してきた。彼らは核実験場、動物の死骸捨て場や不毛で異質な土地など、破壊され打ち捨てられた死んだ土地を訪ねその中にある美と生を見つけ出してきた。「私が何を考えながら写真を撮ったか鑑賞者にはわからないと知っています 別に気にしません。当然のことです。それでも私はここに展示する全ての作品に概念的理念を持たせたいと考えています」
コロナ禍によるロックダウンが始まり、サンフランシスコから依頼されたカリフォルニア大学のプリツカー精神病院のプロデュースの為に病院へ行くことができなくなった。結果として、ミズラックはスタジオに保管されている過去のネガやベタ焼きへと立ち返ることになった。それらの多くは未印刷のものだった。フォトショップのような新しい技術を取り入れることで、ミズラックは過去の作品とネガを”演奏し”新たな視覚言語を作り出すことができるようになった。作風とテーマが深く重いとみなされている自分にこのような依頼がくることに当初ミズラックは驚いた。しかし自身の作品を振り返るうち、ミズラックは自身の暗い作風の対としての美を見つけたのだった。「五十年を振り返ってみて」ミズラックは言う。「私は人生に美を必要としていたのだと確信しました」

詳しくは: https://art21.org/artist/richard-misrach

クレジット | "Extended Play" Series Producer: Ian Forster. Directors: Rafael Salazar Moreno, Ava Wiland. Producer: Ava Wiland. Editor: Russell Yaffe. Cinematographer: Rafael Salazar Moreno. Associate Producer: Igor Myakotin. Assistant Camera & Sound Recordist: Ben Derico. Colorist: Russell Yaffe. Sound Mix & Design: Gisela Fullà Silvestre. Music: Luke Atencio, Blue Dot Sessions, Free Music Archive, How Great Were the Robins, Evan Hutchings, Eric Kinny, Live Footage, The Music Bed, WEI. Artwork Courtesy: Richard Misrach. Writings by: Myriam Weisang Misrach. Special Thanks: Sekou Cherif, John Pritzker, Matthew W. State MD, PhD, Connie Wold, Eric Zhang.

"Extended Play" はアンディ・ウォーホル・ファンデーションによってサポートされています。また一部ニューヨーク市と個人によってサポートされています。
「New York Close Up」のデジタル展示の一部はNew York State Council on the Artsによるものです。

翻訳は有志によるものです

#RichardMisrach #Art21 #Art21ExtendedPlay

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Video Language:
English
Team:
Art21
Project:
"Extended Play" series
Duration:
12:19

Japanese subtitles

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