脳はどのように恋に落ちるのか|ドーン・マスラー|TEDxBocaRaton
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0:11 - 0:13恋に落ちる仕組みとは
どんなものでしょうか? -
0:13 - 0:16それはあなたの脳に起こる
魔法のようなものでしょうか -
0:16 - 0:19あるいは恋に落ちる原因となる
生物学的な何かが -
0:20 - 0:22脳で起きているのでしょうか?
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0:22 - 0:24私は疑問に思っていました
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0:24 - 0:26これが 恋について
私たちが知っていることです -
0:27 - 0:32いくつかの神経伝達物質が増加し
他のいくつかが低下します -
0:32 - 0:38ストレスホルモンである
コルチゾールの濃度が高くなると人は緊張し -
0:38 - 0:44オキシトシン濃度が高くなると
人は愛情を感じます -
0:45 - 0:50女性でテストステロンが増加すると
より攻撃的になる一方で -
0:50 - 0:54男性で低下すると
より消極的になります -
0:55 - 1:00また女性も男性もセロトニン濃度が低下すると
やや強迫的になります -
1:01 - 1:06私たちは何が起きているのかは分かっていても
どのようにそれが起こるのかは分かっていません -
1:07 - 1:09特定の化学的プロセスが起こっています
-
1:10 - 1:13ある転換点を超えると増加したり
-
1:14 - 1:20または酵素反応が起こると
それに続いて低下するといったものです -
1:20 - 1:24これらのプロセスのどれかが
その疑問に答えてくれそうです -
1:25 - 1:29これについてじっくり考えていたとき
私はちょうど休暇中で -
1:31 - 1:33実家に帰っていたんです
-
1:33 - 1:37生化学の博士号を持つ
いとこがいるので -
1:37 - 1:41その機会を利用して
彼の知識を借りることにしました -
1:41 - 1:45私は恋について
知っていることを話しました -
1:46 - 1:49私が「特定の神経伝達物質の濃度が増え
他のものは減るので -
1:50 - 1:52生化学的なものかもしれない」と言い
-
1:52 - 1:55彼を見ると いかにも「妥当だ」
という表情をしていたので -
1:56 - 1:59続けて「いくつかの化学反応には
転換点があるかもしれない」と言うと -
2:00 - 2:04また彼は「妥当だ」と言ったか
そういう表情を見せました -
2:04 - 2:09私が「いくつかは酵素反応で
その後に濃度低下するかもしれない」と言うと -
2:09 - 2:12また彼は もっともだ
というような表情を見せました -
2:12 - 2:15彼は大口を叩く人ではないので
これは上手くいっていると思いました -
2:16 - 2:17(笑)
-
2:18 - 2:21でも私が次の質問を考えていると
-
2:22 - 2:26当時95歳の祖母が
はっきりとこう言ったんです -
2:27 - 2:29「あなたたち若者は
恋について何も分かっていないわ」 -
2:30 - 2:35私はびっくりして「分かっているわ
だからこうやって話しているの」と言うと -
2:35 - 2:40彼女は「問題はすぐベッドに入ろうとする
あなたのような今の女性よ」と言いました -
2:40 - 2:41(笑)
-
2:42 - 2:46「あなたが恋に落ちても
男性は同じように恋に落ちないのよ」 -
2:47 - 2:49私はそう言う彼女を見て
こう質問しました -
2:49 - 2:55「それならもう少し話しましょう
男性はどうやって恋に落ちるの?」 -
2:55 - 2:58すると彼女は「私の若い頃は
男性に恋に落ちて欲しかったら -
2:58 - 3:04すぐに彼と寝ようとしてはダメだと
女性は知っていたの」と言いました -
3:04 - 3:08私は前にもそんなことを聞きました―
3回目のデートでベッドインするルールのように -
3:08 - 3:1190日ルールがあります
スティーブ・ハーベイの著書ー -
3:11 - 3:13『世界中の女性が幸せをつかんだ
魔法の恋愛書』にです -
3:13 - 3:15しかし これらはただの経験則で
-
3:15 - 3:18科学的な証拠はないと
いつも思っていました -
3:18 - 3:19私がいとこを見ると
-
3:20 - 3:23彼はもう妥当だという表情を
していませんでした -
3:23 - 3:27祖母との話を続けることにしました
-
3:27 - 3:30問題はデートのことだったからです
-
3:30 - 3:36「ベッドインするまで
どのくらい待つ必要があるの?」と聞くと -
3:36 - 3:41彼女は「彼が恋に落ちるまでよ」
と言いました -
3:43 - 3:47「分かったわ でもどうやれば
彼が恋に落ちていると分かるの?」 -
3:48 - 3:52「簡単よ 彼が真剣に向き合っていれば
恋をしていると分かるわ」 -
3:54 - 3:57私が「どう思う?」と言わんばかりに
いとこを見ると -
3:58 - 4:01彼は顔を伏せて
ただ首を横に振りました -
4:01 - 4:02(笑)
-
4:03 - 4:06彼は「よし おばあちゃん
帰る時間だよ」と言いました -
4:07 - 4:09彼はこの話を
全く信じなかったのでしょう -
4:09 - 4:13こうして私の研究は
またの日まで待たねばなりませんでした -
4:13 - 4:16私は自宅に戻り
研究図書館に行きました -
4:17 - 4:18問題なのは
-
4:18 - 4:21いかに人間が恋に落ちるかという
研究があまりないことです -
4:21 - 4:24その原因は主に
私たちが研究する方法にあります -
4:24 - 4:26男性が「愛してる」と
誰かに言うとします -
4:26 - 4:28恋に落ちた彼に対し
研究者が近づきこう言います -
4:28 - 4:32「おめでとうございます!これを
あなたの脳に注射して効果を見ていいですか?」 -
4:33 - 4:35はいと言う協力者は
あまりいないでしょう -
4:36 - 4:40そのため私たちは次善の策に
頼らなければいけません―動物研究です -
4:40 - 4:42でも どんな動物が
恋に落ちるのでしょうか? -
4:43 - 4:48人間は恋に落ちると
1人の人間を独占するので -
4:48 - 4:53独占的に交配する
他の生物を探し始めました -
4:53 - 4:58そして最終的にこの動物が選ばれました
一雄一雌のプレーリーハタネズミです -
4:59 - 5:03プレーリーハタネズミが
興味を持った相手を見つけると -
5:03 - 5:06彼らは基本的に
ともに一生を添い遂げます -
5:06 - 5:08そこで研究者は
何が起こっているのか知るために -
5:08 - 5:10神経伝達物質を調べました
-
5:10 - 5:11彼らが発見したのは
-
5:11 - 5:14最初に増加するものの1つが
ドーパミンで -
5:15 - 5:22そのドーパミンを遮断すると
動物は愛情を示さなくなりました -
5:22 - 5:25研究者は「ドーパミンか」と思いましたが
それには問題がありました -
5:25 - 5:28人間の恋愛のカギが
ドーパミンである訳がありません -
5:28 - 5:31ドーパミンは多くの状況下で
増加するからです -
5:31 - 5:37ギャンブルでも チョコレートでも
キャンディークラッシュで遊んでいてもです -
5:37 - 5:39(笑)
-
5:39 - 5:42ドーパミンであるはずがないのです
-
5:42 - 5:45そこで研究者は
「人間の絆に関係する― -
5:45 - 5:48別の神経伝達物質は
オキシトシンだ」と言いました -
5:49 - 5:54オキシトシンは母親と子供の間で増加し
それによって絆が深まります -
5:54 - 5:58彼らは「今度はそれを調べよう」と
研究を再開しました -
5:58 - 6:01メスがオスに興味を持つと
-
6:01 - 6:04メスのオキシトシンは51%増加し
-
6:04 - 6:08それを遮断すると
メスは愛情を示さなくなりました -
6:09 - 6:13そこで研究者は「ではドーパミンと
オキシトシンに違いない」と考えましたが -
6:14 - 6:15そこには問題がありました
-
6:16 - 6:20男性にとっては
オキシトシンであるはずがないのです -
6:21 - 6:24テストステロンがオキシトシンの
効果を遮断してしまうからです -
6:24 - 6:27そこで研究者は
「何か別のもののはずだ」と考え -
6:27 - 6:31オキシトシンと似た化学式を持つ―
-
6:31 - 6:33バソプレシンに着目し
-
6:34 - 6:35また研究を再開しました
-
6:35 - 6:41ハタネズミ同士が出会うと
バソプレシンが分泌され -
6:41 - 6:45拮抗薬を注射し
バソプレシンを遮断すると -
6:45 - 6:47オスは愛情を示さなくなります
-
6:47 - 6:54研究者は「それでは 男性では
ドーパミンとバソプレシンのはずだ -
6:54 - 6:58それとテストステロンの増加も
おそらく関係するのだろう」 -
6:59 - 7:01「完璧な答えだ」と言いました
-
7:02 - 7:05これは私たち人間にも
適用可能でしょうか? -
7:05 - 7:06それを確かめるために
-
7:06 - 7:11私はフロリダ州立大学の
主任研究員の1人に「ハタネズミの研究は -
7:11 - 7:14人間にも適用できますか?」
と尋ねました -
7:14 - 7:19ちょっと気恥ずかしくなるような彼の返信には
「もちろんだ ドーン!」と -
7:20 - 7:24感嘆符つきで書かれていました
-
7:25 - 7:27もっと詳しく聞くために
返信したいとは思えませんでした -
7:27 - 7:30気恥ずかしかったので
もう返信はいいやと思いました -
7:30 - 7:35幸運なことに ミシガン大学出身の
ティファニー・ラヴさんが -
7:35 - 7:38ハタネズミの研究と
-
7:38 - 7:44人間の恋愛は類似すると
公的に発言しました -
7:44 - 7:46素晴らしいです
これは何を意味するでしょうか? -
7:46 - 7:50これまでみた研究から分かった
メカニズムによると 女性では -
7:51 - 7:54ドーパミンとオキシトシンが
増加するということです -
7:55 - 7:59ドーパミンはデートをしているとき
勝とうとしているとき増加します -
7:59 - 8:02興奮しているときです
愛という大賞を勝ち取ろうとします -
8:02 - 8:06誰かとデートしていて幸せである限り
ドーパミンは増加します -
8:06 - 8:11オキシトシンは抱擁ホルモン
または信頼ホルモンとも呼ばれます -
8:11 - 8:16キスをしたり 抱きしめたりして
楽しい時間を過ごすとオキシトシンは増加します -
8:16 - 8:19また 女性が男性とデートをし
彼を信頼するようになると -
8:19 - 8:21オキシトシンは増加します
-
8:21 - 8:23しかし 難点が1つあります
-
8:23 - 8:28オキシトシンはあのようにゆっくり増えますが
オーガズムに達すると急騰してしまうのです -
8:31 - 8:35言い換えれば 私の祖母は
いいところに気付いていたのかもしれません -
8:35 - 8:37彼女の発言を覚えていますか?
-
8:37 - 8:40「今の女性は
すぐベッドに入って 恋に落ちる」 -
8:41 - 8:42まるで 祖母の言ったことが
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8:42 - 8:46科学的事実となって
広がって行くようです -
8:46 - 8:49その一方で 男性は
どのように恋に落ちるのでしょうか? -
8:50 - 8:52それを知るには ドーパミンです
-
8:52 - 8:54男性が楽しい時間を過ごすと
ドーパミンが増加します -
8:54 - 8:57ではバソプレシンはどうでしょう?
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8:57 - 9:01バソプレシンは
男性が性的に興奮すると増加します -
9:01 - 9:04もし女性とデートをしていて
男性が性的に興味を持っていたら -
9:04 - 9:06バソプレシンは増加します
-
9:06 - 9:08しかしこれにも難点があり
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9:08 - 9:13オキシトシンとは異なり 男性が
性交渉をもつとバソプレシンは低下します -
9:15 - 9:16これがどう重要なのでしょうか
-
9:16 - 9:21私がさらに詳しく調べてみると
フロリダ州立大学の研究では -
9:21 - 9:24重要なのは
神経伝達物質だけではなく -
9:24 - 9:28受容体も必要だと発表しています
人間はどのように受容体を作るのでしょうか? -
9:28 - 9:31受容体は
神経伝達物質の存在下で作られます -
9:31 - 9:34神経伝達物質が
体に受容体を作るように命令します -
9:34 - 9:37それには 神経伝達物質の濃度が
十分に高い必要があります -
9:37 - 9:39すると 受容体は
神経伝達物質で満たされます -
9:39 - 9:41つまり一定の時間が
かかるということです -
9:42 - 9:45でも私の祖母は他にも
こんなことを言っていましたよね? -
9:45 - 9:49「彼が真剣に向き合っていれば
恋をしていると分かるわ」 -
9:50 - 9:52真剣な交際は
神経伝達物質と何か関係があるでしょうか? -
9:53 - 9:58それを明らかにするため
私は米空軍の研究を調べました -
9:59 - 10:03空軍は2000人以上の空兵を
10年以上にわたって追跡調査し -
10:03 - 10:05その間 様々な検査を受けさせました
-
10:05 - 10:081つはテストステロンに関する検査で
-
10:09 - 10:12独身で入隊した男性の
-
10:12 - 10:17テストステロンは比較的高く
彼が結婚すると低くなることが分かりました -
10:18 - 10:21テストステロンについて
私が言ったことを覚えていますか? -
10:21 - 10:24オキシトシンの効果を遮断します
-
10:24 - 10:26オキシトシンは
絆のホルモンなので -
10:27 - 10:31テストステロンの低下はオキシトシンに
何か関係がありそうですが -
10:31 - 10:33さらに明確にする必要があります
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10:33 - 10:36それは結婚によるものなのか?
真剣な交際によるものなのか? -
10:36 - 10:38ハーバード大学の研究で
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10:38 - 10:43既婚男性と独身男性
そして真剣交際をしている男性の -
10:43 - 10:45テストステロンが調べられ
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10:45 - 10:47その研究結果は
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10:47 - 10:48空軍の研究と同じく
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10:48 - 10:54独身男性のテストステロンは高く
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10:54 - 10:58既婚男性のテストステロンは
それより低いというものでしたが -
10:58 - 11:03注意すべきポイントは
既婚男性と -
11:03 - 11:06真剣に交際している男性の
-
11:06 - 11:08テストステロン値に
違いがなかったということです -
11:08 - 11:12これは男性が結婚した時点で
テストステロンが低下したのではなく -
11:12 - 11:15それ以前に真剣に向き合った時点で
低下したことを意味します -
11:16 - 11:20つまり 私の祖母はある意味
正しかったということです -
11:21 - 11:26女性は 男性より大きなリスクがありながらも
性交渉をするときに恋に落ちる傾向があり -
11:27 - 11:31男性は真剣に向き合うとき
恋に落ちる傾向があります -
11:32 - 11:35そして私がうすうす感じていたことが
確信に変わりました -
11:36 - 11:40恋に落ちやすいのが 女性は性交渉のときで
男性は真剣に向き合うときなのとは別に -
11:40 - 11:42何かもっと重要なことで
-
11:42 - 11:45それは 私の祖母は
素晴らしく聡明だということです -
11:45 - 11:47(笑)
-
11:47 - 11:49(拍手)
- Title:
- 脳はどのように恋に落ちるのか|ドーン・マスラー|TEDxBocaRaton
- Description:
-
何世紀にもわたり、詩人や哲学者は、人間が恋に落ちる原因を推測してきました。 今、生物学者のドーン・マスラーがこの古くからの質問に革新的なひねりを加えます。 現代の科学はこの恋の謎を解くことができるのです。 最新の神経科学のおかげで、私たちは脳がどのように恋に落ちるかをようやく説明することができます。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 11:58
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