キャンディのフンをする昆虫 ― ジョージ・ザイダン
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0:07 - 0:09これはメイベルです
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0:09 - 0:13メイベルはアブラムシの一種で
セミ、カメムシ、トコジラミと -
0:13 - 0:17同じ目に属する小さな昆虫です
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0:17 - 0:21これらの昆虫は獲物に口針を刺して
生命維持に必要な液体を吸います -
0:21 - 0:23アブラムシの獲物は植物です
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0:23 - 0:26アブラムシが狙っているものは
植物の中に隠されており -
0:26 - 0:30端から端まで一本の紐のように伸びた
単細胞の管の中を流れています -
0:30 - 0:34これらは師管と呼ばれ 束になって
植物の最も貴重な資源である ― -
0:34 - 0:38「汁液」の配管システムを作ります
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0:38 - 0:40汁液の成分は主に水と糖です
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0:40 - 0:431リットルに含まれる糖分の量が
ソーダ1缶分の糖分もある植物もあります -
0:43 - 0:46光合成により絶えず糖が作られます
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0:46 - 0:50師菅は 非常に高い圧力で作動する
化学的「ポンプ」のようなもので -
0:50 - 0:54最大でタイヤの圧力の9倍になります
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0:54 - 0:58メイベルは口針という長くて
柔軟性のある針を使って汁液を吸います -
0:58 - 1:02植物の細胞の間の組織に
ゆっくりと口針をくねらせながら入れていき -
1:02 - 1:05師管の1本に突き刺します
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1:05 - 1:08汁液の圧力は大変高いので
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1:08 - 1:10メイベルは吸う必要はありません
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1:10 - 1:15頭の弁を開くだけで
圧力により汁液が -
1:15 - 1:17消化器官に入ってきます
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1:17 - 1:20後でお尻から出るものに話を戻します
でも 差し当たり知って欲しいことは -
1:20 - 1:23植物にしてみれば 針を刺されて
汁液を吸われたくないので -
1:23 - 1:25防御しようとすることです
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1:25 - 1:27汁液そのものが 防御物なのです
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1:27 - 1:30その仕組みを知るために
他の昆虫の消化管が -
1:30 - 1:35安定して流れる汁液につながったと
仮定してみましょう -
1:35 - 1:38汁液がその昆虫の細胞に触れると
糖分の濃度が高いために -
1:38 - 1:42浸透作用によって
細胞内の水分が出ます -
1:42 - 1:46これはまさにナメクジに塩をかけると
水分が出るのと同じで -
1:46 - 1:50汁液がたくさん入ってくると
ナメクジの水分が多く失われるので -
1:50 - 1:53ついには しなびて死んでしまいます
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1:53 - 1:56しかし メイベルの腸は
スクラーゼという酵素の宝庫で -
1:56 - 2:00蔗糖(スクロース)の2分子を
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2:00 - 2:04果糖の1分子と三糖類に変換します
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2:04 - 2:09メイベルは 果糖を燃やしてエネルギーを作り
後に三糖類が残ります -
2:09 - 2:11それがどう役に立つのでしょうか?
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2:11 - 2:14汁液に溶解している
糖の分子が多いほど -
2:14 - 2:17メイベルの細胞から排出され得る
水分も多くなります -
2:17 - 2:20汁液の中の糖の分子の数が減ると
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2:20 - 2:23メイベルから細胞内の水分を
排出する力が弱まります -
2:23 - 2:25植物の汁液が中和されたのです
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2:25 - 2:29つまり メイベルは
生殖に必要な数日分の全エネルギーを -
2:29 - 2:32得ることが出来るのです
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2:32 - 2:35アブラムシの中には 脅威の
ライフサイクルを持つ種もいます -
2:35 - 2:37例えば モモアカアブラムシですが
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2:37 - 2:41秋にオスとメスはつがいになり
メスは卵を産みます -
2:41 - 2:47春に卵がかえると
幼虫はすべてメスです -
2:47 - 2:51成虫になっても
これらのメスは卵を産みません -
2:51 - 2:56その代わり
生きた自分のクローンを産み -
2:56 - 3:01そのクローンも
それ自身のクローンをはらんでいます -
3:01 - 3:06つまり アブラムシのメスは
同時に2世代の -
3:06 - 3:09アブラムシのクローンをはらみます
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3:09 - 3:12科学者はこれを「telescopic development」
(入れ子式発育)と呼んでいます -
3:12 - 3:15そのため アブラムシは素早く
クローンを複製できます -
3:15 - 3:181シーズンで20世代が
誕生することもあり得るので -
3:18 - 3:21大量のフンが出ます
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3:21 - 3:25メイベルは2時間ごとに
自分の体重と同じ量のフンをします -
3:25 - 3:28地球上で最もフンをする生物の1種です
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3:28 - 3:331エーカー(1200坪)あたり 数百キロの
フンをする個体群もいます -
3:33 - 3:36ところで アブラムシのフンは
皆さんのウンチとは違います -
3:36 - 3:38化学的に汁液とほぼ同じです
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3:38 - 3:41無色透明の甘いシロップ状の液体で
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3:41 - 3:45そう みなさんが
「蜜」と呼んでいるものです -
3:45 - 3:47蜜を好む種がいます
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3:47 - 3:49蜜が大好きなアリの中には
群れをなし -
3:49 - 3:53アブラムシのコロニーを守る
種類もいます -
3:53 - 3:56見返りとして 安定供給される
甘い蜜をもらいます -
3:56 - 3:59アブラムシのお尻から
直接飲めるんです -
3:59 - 4:00乾杯!
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4:00 - 4:02人間も蜜は大好きです
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4:02 - 4:05ネイティブアメリカンの中には
背の高いアシから蜜を集めて -
4:05 - 4:06ケーキを作る部族もいます
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4:06 - 4:09ハチは蜜から蜂蜜を作り
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4:09 - 4:12人間は蜂蜜を集めて食べます
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4:12 - 4:15つまり 植物が汁液を作り
アブラムシが汁液を吸ってフンをし -
4:15 - 4:18ハチが吐き出してできた蜂蜜を
人間が集めて -
4:18 - 4:21一杯のアールグレイ・ティーに
少し入れるのです
- Title:
- キャンディのフンをする昆虫 ― ジョージ・ザイダン
- Speaker:
- ジョージ・ザイダン
- Description:
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アブラムシは驚異的な速さで増殖します。1シーズンに20世代が誕生することもあり、大量のフンが出ます。1エーカー(1200)坪につき数百キロのフンをするアブラムシの個体群もいて、地球上で最もフンをする生物の1種です。このフンは甘くシロップ状の液体で、みなさんが「蜜」と呼んでいるものです。ジョージ・ザイダンがアブラムシの驚くほど奇妙な生活を探求します。
講師:ジョージ・ザイダン
監督:ハイプ・CG
このビデオの教材:https://ed.ted.com/lessons/the-bug-that-poops-candy-george-zaidan - Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:23
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