ストア哲学 — マッシモ・ピリウーチ
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0:08 - 0:11故郷から何千キロも
離れた場所で -
0:11 - 0:14金も持ち物もなくして
さまよっているとしたら どうでしょう? -
0:14 - 0:20そのような苦境で多くの人は 自暴自棄になったり
運命を呪ったりするかもしれません -
0:20 - 0:27しかしキプロスのゼノンの場合 それが一生の仕事と
後世への遺産の基礎を作ることになりました -
0:27 - 0:29かつては裕福な商人だったものの
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0:29 - 0:34紀元前300年頃にアテネで船が難破し
すべてを失いました -
0:34 - 0:38他にすることもなく
とある本屋に入ったところ -
0:38 - 0:41ソクラテスの話を読んで
惹き付けられた彼は -
0:41 - 0:46アテネの有名な哲学者達のことを追い
研究するようになりました -
0:46 - 0:49ゼノンは弟子たちに
教えるようになり -
0:49 - 0:53ストア哲学と呼ばれるものを
創始しました -
0:53 - 0:57徳 忍耐 自制を重んじる
その教えは -
0:57 - 1:02代々の思想家や指導者たちに
影響を与えてきました -
1:02 - 1:03ストア哲学という名前は
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1:03 - 1:06ゼノンと弟子達が
討論のために集った -
1:06 - 1:11装飾のある公共の柱廊である
「ストア・ポイキレ」からきています -
1:11 - 1:15今日では「ストイック」という言葉は
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1:15 - 1:17プレッシャーのかかる
状況にも動じず -
1:17 - 1:21感情の起伏を抑えた人を
指すのに使われています -
1:21 - 1:25これがストア哲学の重要な
ある側面を捕らえているにしても -
1:25 - 1:29元々の哲学は
単なる態度以上のものでした -
1:29 - 1:31ストア主義者たちは
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1:31 - 1:35身の回りのものはすべて
因果の網によって動いており -
1:35 - 1:38それが宇宙に
合理的な構造 -
1:38 - 1:41「ロゴス」をもたらしていると
考えていました -
1:41 - 1:45私たちは自分に影響を及ぼす出来事を
必ずしもコントロールできませんが -
1:45 - 1:49どのように対処するかは
自分で決められます -
1:49 - 1:52ストア主義者は
理想的な社会を夢想するよりは -
1:52 - 1:56ありのままの世界に
対処しようとし -
1:56 - 2:004つの基本的な徳を通して
自分を高めることに務めました -
2:00 - 2:02実践知
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2:02 - 2:08情報に基づいて落ち着いて論理的に
困難な状況を乗り切れること -
2:08 - 2:09節制
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2:09 - 2:14生活のあらゆる面で
自制と節度を持ってあたること -
2:14 - 2:16正義
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2:16 - 2:20悪を為したものも含め
人を公正に扱うこと -
2:20 - 2:22勇気
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2:22 - 2:24非常の際だけでなく
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2:24 - 2:29日常的な問題にも
確固として誠実に対処すること -
2:29 - 2:32ローマ時代の最も有名なストア哲学者である
セネカは書いています -
2:32 - 2:36「時には生きることでさえ
勇敢な行為である」 -
2:36 - 2:40ストア哲学は自己の改善に
主眼がありましたが -
2:40 - 2:43自己中心的な哲学
というわけではありません -
2:43 - 2:47ローマの法が奴隷を所有物と
見なしていた時代にあって -
2:47 - 2:50セネカは奴隷を
人間的に扱うべきこと -
2:50 - 2:54人はみんな基本的な人間性を
共有することを説きました -
2:54 - 2:58ストア哲学はまた受身であることを
勧めるものでもありません -
2:58 - 3:01自らの人徳を養い
自制できる人間だけが -
3:01 - 3:07他者に良い変化をもたらせると
考えていたのです -
3:07 - 3:12最も有名なストア主義の著述家は
ローマの最も偉大な皇帝でもありました -
3:12 - 3:15その19年間の在位中
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3:15 - 3:19ストア哲学はマルクス・アウレリウスに
2つの大きな戦争を乗り切り -
3:19 - 3:26多くの子供の死を乗り越えて
ローマ帝国を治める強固な意志を与えました -
3:26 - 3:282千年の後 マルクスの自省録は
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3:28 - 3:32南アフリカの人種平等を求めて戦う
ネルソン・マンデラの -
3:32 - 3:3727年に及ぶ獄中生活において
導きと安らぎを与えました -
3:37 - 3:43解放され最終的に勝利したとき
マンデラは平和と和解を強調しました -
3:43 - 3:46過去の不正は変えることが
できませんが -
3:46 - 3:49人々が現在の問題に取り組んで
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3:49 - 3:53より良い公正な未来を
求めることはできるからです -
3:53 - 3:56ストア哲学は
ギリシアとローマにおいて -
3:56 - 3:58数世紀に渡り
活動的な学派でした -
3:58 - 4:01公的な組織としては
消失しましたが -
4:01 - 4:05その影響は今日まで
続いています -
4:05 - 4:08トマス・アクィナスのような
キリスト教神学者たちは -
4:08 - 4:12ストア哲学の集中と徳を
賞賛して取り入れました -
4:12 - 4:17またストア哲学のアタラキシア —
心の平静と -
4:17 - 4:21仏教の涅槃の概念には
類似性があります -
4:21 - 4:26とくに影響力の強い
ストア哲学者エピクテトスは -
4:26 - 4:29苦悩は人生における
出来事から来るのではなく -
4:29 - 4:32それに対する我々の判断から
来るのだと書いています -
4:32 - 4:35これは現代の心理学や
自助の運動に -
4:35 - 4:38強く共鳴しています
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4:38 - 4:41たとえば理性感情行動療法は
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4:41 - 4:44人が自分の生活環境に
対して形成する -
4:44 - 4:49自滅的な態度を変えることに
焦点を置いています -
4:49 - 4:53またヴィクトール・フランクルの
ロゴセラピーというのもあります -
4:53 - 4:57フランクル自身の強制収容所での体験を
反映しているロゴセラピーは -
4:57 - 5:00絶望的な状況においてさえも
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5:00 - 5:04意志力を養って
自分の人生を意味で満たせるとする -
5:04 - 5:07ストア哲学の原則に基づいています
- Title:
- ストア哲学 — マッシモ・ピリウーチ
- Description:
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私たちに生きられる最良の人生とはどのようなものでしょう? 世界が私たちに何を投げ与えようとも切り抜けていくには、どう対処したら良いのでしょう? 古代ギリシア・ローマ時代の哲学であるストア哲学は、私たちは自分に影響を及ぼす出来事を必ずしもコントロールできなくとも、物事にどうアプローチするかはコントロールできると教えています。マッシモ・ピリウーチがストア哲学を解説します。
講師:マッシモ・ピリウーチ
アニメーション:Compote Collective*このビデオの教材:
http://ed.ted.com/lessons/the-philosophy-of-stoicism-massimo-pigliucci - Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:30
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The philosophy of Stoicism - Massimo Pigliucci | |
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The philosophy of Stoicism - Massimo Pigliucci | |
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Yasushi Aoki approved Japanese subtitles for The philosophy of Stoicism - Massimo Pigliucci | |
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Claire Ghyselen accepted Japanese subtitles for The philosophy of Stoicism - Massimo Pigliucci | |
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The philosophy of Stoicism - Massimo Pigliucci | |
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The philosophy of Stoicism - Massimo Pigliucci | |
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The philosophy of Stoicism - Massimo Pigliucci | |
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The philosophy of Stoicism - Massimo Pigliucci |