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人工知能が人間より高い知性を持つようになったとき何が起きるか?

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    私は沢山の数学者や哲学者や
    コンピュータ科学者といっしょにやっていますが
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    よく話題にすることに
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    機械の知性の未来
    というのがあります
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    そんなのは現実離れした
    SFの世界の
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    馬鹿げた話だと
    考える人もいます
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    でも現在の人間の状態
    というものについて
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    ちょっと考えてみて
    ほしいのです
  • 0:25 - 0:27
    (笑)
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    これが普通の状況とされています
  • 0:29 - 0:31
    しかし考えてみれば
  • 0:31 - 0:34
    人間というのは
    この地球に
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    ごく最近現れた
    客に過ぎません
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    地球ができたのが
    1年前だったとしたら
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    人間がいたのは
    10分間だけで
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    工業化時代が始まったのは
    2秒前です
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    このことの別な見方として
    過去1万年における世界のGDPを考えてみましょう
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    私は実際グラフにしてみたんですが
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    こんな感じになります
  • 0:59 - 1:00
    (笑)
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    正常な状態のものとしては
    興味深い形です
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    この上に乗っていたいとは
    あまり思いません
  • 1:05 - 1:07
    (笑)
  • 1:07 - 1:12
    この現在における例外的な状態の
    原因を考えてみましょう
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    それはテクノロジーのためだ
    という人もいるでしょう
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    それはその通りで 人類の歴史を通じて
    テクノロジーは蓄積され続け
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    現在ではテクノロジーの進歩が
    非常に速くなっています
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    それがおおよその答えで
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    現在の我々の高い生産性を
    もたらしているものです
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    しかしもっと突っ込んで
    究極の原因を探ってみたいと思います
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    この非常に際だった2人を
    ご覧ください
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    カンジは
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    200の字句をマスターしています
    すごいことです
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    エドワード・ウィッテンは
    超弦理論の第2の革命の立役者です
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    中身を覗いてみれば
    そこにあるのはこれで
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    基本的には同じものです
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    一方がすこしばかり大きく
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    配線のされ方にも より巧妙なところが
    あるかもしれませんが
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    その違いはさほど
    複雑なものではないはずです
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    我々は共通の祖先から
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    25万世代しか
    隔たっていませんが
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    複雑なメカニズムが進化するのには
    とても長い時間がかかることが分かっています
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    比較的小さな変化の
    沢山の積み重ねが
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    カンジとウィッテンを
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    あるいは木切れと大陸間弾道弾を
    隔てているものなのです
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    これで明らかになるのは
    人類が達成したこと
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    気にかけていることすべては
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    人間の心を作り出した比較的小さな変化によって
    生じたということです
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    それはまた
    思考の基質を
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    はっきり変えるような
    さらなる変化は
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    極めて大きな結果をもたらしうる
    ということでもあります
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    私の研究仲間の間には
    この思考の基質を本質的に変えうるものに
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    人類は今直面していると
    考えている人もいます
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    それは超知的な機械です
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    人工知能というのはかつては
    コマンドを詰め込んだ箱のようなものでした
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    人間のプログラマーが
    苦労して
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    個々の知識項目を
    手作りしていました
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    そうやってエキスパート・システムを作り
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    ある種の用途には
    役立ちましたが
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    融通が効かず
    拡張性を欠いていました
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    基本的には入れたものが
    出てくるだけです
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    しかしその後
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    人工知能の世界で
    パラダイムシフトが起きました
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    現在 機械学習の周辺で
    非常に興味深いことが起きています
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    知識的な機能や表現を
    手作りする代わりに
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    生の知覚データから
    自ら学習するアルゴリズムを作るのです
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    基本的には人間の子供と同じことを
    機械がするわけです
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    結果としてできるのは
    1つの領域に限定されない人工知能です
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    どんな言語間の翻訳でも
    できるシステムとか
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    アタリのゲーム機用のどんなゲームでも
    プレイしてしまうシステムとか
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    もちろん
    人工知能はまだ
  • 3:55 - 3:59
    多様な領域のことを
    学び構想できる
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    人間の脳の強力さには
    遠く及びません
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    大脳皮質にはまだ
    機械で対抗する方法の見当もつかないような
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    アルゴリズム的仕掛けがあります
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    問題は そういう仕掛けに
  • 4:09 - 4:14
    機械が対抗するようになる日が
    いつ来るのかということです
  • 4:14 - 4:15
    2年ほど前に
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    世界の人工知能の専門家にアンケートを取って
    考えを聞いたんですが
  • 4:19 - 4:21
    その時の質問の1つが
  • 4:21 - 4:25
    「機械の知性が人間並みのレベルに
    到達する可能性が
  • 4:25 - 4:28
    50%あるのはいつか?」
    というものでした
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    ここでの「人間並み」の定義は
  • 4:32 - 4:36
    ほとんどの作業を大人の人間と
    同じくらいにこなせる能力ということで
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    特定の領域に関してということではなく
    本当に人間並みということです
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    回答の中央値は
    2040年か2050年で
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    質問をした専門家のグループによって
    若干違いました
  • 4:47 - 4:50
    それが起きるのはずっと遅いかもしれないし
    ずっと早いかもしれません
  • 4:50 - 4:52
    本当のところは
    誰にも分かりません
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    しかし分かっているのは
    機械の基質による情報処理能力の限界は
  • 4:58 - 5:03
    生物組織の限界の
    遙か先にあるということです
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    これは単純に物理の問題です
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    神経の発火頻度は200ヘルツ
    毎秒200回ほどですが
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    現在のトランジスタでさえ
    ギガヘルツで動いています
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    神経伝達は軸索をゆっくり伝わり
    せいぜい毎秒100メートルですが
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    コンピュータの信号は
    光速で伝わります
  • 5:23 - 5:25
    大きさの点でも制限があります
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    人間の脳は頭蓋骨の中に
    収まる必要がありますが
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    コンピュータの大きさは倉庫のサイズか
    もっと大きくもできます
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    だから超知的な機械の可能性は
    休眠状態にあるのです
  • 5:38 - 5:44
    ちょうど原子の力が
    1945年に目覚めるまで
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    人類の歴史を通じて
    休眠状態にあったのと同じように
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    この世紀中に
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    科学者達は人工知能の力を
    目覚めさせるかもしれません
  • 5:54 - 5:58
    私たちは知性の爆発を目の当たりに
    することになるかもしれません
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    頭の良し悪しの尺度というと
    多くの人は
  • 6:02 - 6:05
    こんなものを
    イメージするのではと思います
  • 6:05 - 6:08
    一方の端に間抜けな人間がいて
  • 6:08 - 6:11
    遙か彼方の別の極端にいるのが
  • 6:11 - 6:15
    ウィッテンとかアインシュタインです
    誰でもお気に入りの天才を置いてください
  • 6:15 - 6:19
    しかし人工知能という
    観点を加えると
  • 6:19 - 6:23
    実際のイメージは
    たぶんこんな感じになるでしょう
  • 6:23 - 6:27
    人工知能は
    知性のない状態からスタートして
  • 6:27 - 6:30
    長年の努力の後に
  • 6:30 - 6:33
    いつかネズミ並みの知性に
    到達できるかもしれません
  • 6:33 - 6:36
    雑然とした環境中を
    ネズミのように
  • 6:36 - 6:38
    目的地へと
    移動できる能力です
  • 6:38 - 6:42
    さらに長年に渡る
    多くの努力と投資の末に
  • 6:42 - 6:47
    いつかチンパンジー並みの知性に
    到達できるかもしれません
  • 6:47 - 6:50
    そこからさらに
    長年の大きな努力を重ねて
  • 6:50 - 6:53
    間抜けな人間のレベルの
    人工知能ができます
  • 6:53 - 6:56
    それから少しばかり後に
    エドワード・ウィッテンを越えます
  • 6:56 - 6:59
    この列車は人間レベルで
    止まりはしません
  • 6:59 - 7:02
    むしろ一瞬で
    通り過ぎるでしょう
  • 7:02 - 7:05
    これには特に
    力関係という点で
  • 7:05 - 7:07
    重大な意味があります
  • 7:07 - 7:10
    たえとば チンパンジーというのは
    強いものです
  • 7:10 - 7:15
    体重換算すると チンパンジーは
    体力に優れた成人男性の倍の力があります
  • 7:15 - 7:20
    それでもカンジや
    その仲間達の運命は
  • 7:20 - 7:24
    チンパンジー達自身よりは
    人間の手に握られています
  • 7:25 - 7:28
    超知的な機械が出現したら
  • 7:28 - 7:32
    人類の運命は超知的な機械に
    握られることになるかもしれません
  • 7:32 - 7:34
    そのことを考えてみてください
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    機械の知性は
    人類がする必要のある最後の発明です
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    機械が人間よりも
    うまく発明をするようになり
  • 7:41 - 7:44
    しかもデジタルの時間尺度で
    進歩することでしょう
  • 7:44 - 7:49
    それが意味するのは
    未来が短縮されるということです
  • 7:49 - 7:53
    人類が遠い未来に
    実現するかもしれない
  • 7:53 - 7:55
    夢のようなテクノロジーについて
    考えてください
  • 7:55 - 7:59
    老化を止めるとか
    宇宙への移民
  • 7:59 - 8:02
    自己増殖ナノボットや
    意識のコンピュータへのアップロードなど
  • 8:02 - 8:04
    SFっぽいけれど
  • 8:04 - 8:07
    物理法則には
    反していないものです
  • 8:07 - 8:12
    超知的な機械が そういったものを
    あっさり開発してしまうかもしれません
  • 8:12 - 8:16
    超知的な機械は
    そのような高度な技術によって
  • 8:16 - 8:18
    非常に大きな力を持ち
  • 8:18 - 8:23
    シナリオ次第では 望むものを何でも
    手に入れるようになるかもしれません
  • 8:23 - 8:28
    そうすると人類の未来は人工知能が好む通りに
    形作られることになります
  • 8:30 - 8:34
    ここで問題は その好むことが
    何かということです
  • 8:34 - 8:36
    話しがややこしくなってきますが
  • 8:36 - 8:37
    この議論を進める上では
  • 8:37 - 8:41
    何より擬人化を
    避けなければなりません
  • 8:42 - 8:46
    皮肉なのは
    未来の人工知能を取り上げる記事で
  • 8:46 - 8:49
    必ず出てくるのが
    こんな写真だということです
  • 8:50 - 8:54
    私たちはこの問題を
    ハリウッドの鮮明なシナリオに沿ってではなく
  • 8:54 - 8:57
    もっと抽象的に
    考える必要があります
  • 8:57 - 9:02
    我々は知性を
    未来を特定の状態へと舵取りしていく
  • 9:02 - 9:06
    最適化プロセスとして
    捉える必要があります
  • 9:06 - 9:10
    超知的な機械は
    非常に強力な最適化プロセスです
  • 9:10 - 9:14
    利用可能な手段を使って
    目的が充たされた状態を達成することに
  • 9:14 - 9:16
    極めて長けています
  • 9:16 - 9:19
    この意味での
    高い知性を持つことと
  • 9:19 - 9:23
    人間が価値や意味を認める
    目的を抱くことの間には
  • 9:23 - 9:27
    必ずしも関係がありません
  • 9:27 - 9:31
    人間を笑顔にさせるという目的を
    人工知能に与えたとしましょう
  • 9:31 - 9:34
    弱い人工知能は
    人が見て笑うような
  • 9:34 - 9:37
    何か可笑しいことを
    するでしょう
  • 9:37 - 9:39
    人工知能が
    超知的になったなら
  • 9:39 - 9:43
    この目的を達するには
    もっと効果的なやり方があることに気付くでしょう
  • 9:43 - 9:44
    世界をコントロールし
  • 9:44 - 9:48
    人間の表情筋に
    電極を差し込んで
  • 9:48 - 9:51
    笑い顔が持続するようにするんです
  • 9:51 - 9:52
    別の例として
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    人工知能に難しい数学の問題を解くことを
    目的として与えたとします
  • 9:55 - 9:57
    人工知能が超知的になったら
  • 9:57 - 10:01
    この問題を解くための
    最も効果的な方法は
  • 10:01 - 10:03
    地球を巨大なコンピュータに変えて
  • 10:03 - 10:06
    思考能力を増大させることだと
    考えるかもしれません
  • 10:06 - 10:09
    このような目的は
    人工知能に対して
  • 10:09 - 10:12
    人間が認めないような行為をする動機を
    与えうることに注意してください
  • 10:12 - 10:13
    このモデルにおいては
  • 10:13 - 10:17
    人間は人工知能にとって数学的問題を解くのを妨げる
    邪魔者になりうるのです
  • 10:17 - 10:21
    もちろん物事がこの筋書き通りに
    まずいことに陥ることはないでしょう
  • 10:21 - 10:22
    これはあくまで
    戯画化した例です
  • 10:22 - 10:24
    しかしこの一般的な論点は重要です
  • 10:24 - 10:27
    目的Xに向けて最大化を行う
  • 10:27 - 10:30
    強力な最適化プロセスを
    作るときには
  • 10:30 - 10:32
    Xの定義が自分の気にかける
    その他すべてのことに
  • 10:32 - 10:35
    問題を生じないか
    よく確認する必要があります
  • 10:35 - 10:39
    これは伝説が教える
    教訓でもあります
  • 10:39 - 10:45
    ミダス王は自分の触るものすべてが
    金になることを望みました
  • 10:45 - 10:47
    娘に触れば
    娘が金に変わり
  • 10:47 - 10:50
    食べ物に触れば
    食べ物が金に変わりました
  • 10:50 - 10:53
    これが本当に
    問題になるかもしれません
  • 10:53 - 10:55
    単なる強欲を諫める
    メタファーとしてではなく
  • 10:55 - 10:57
    強力な最適化プロセスを作って
  • 10:57 - 11:00
    間違った あるいは
    まずく定義された目的を与えたときに
  • 11:00 - 11:04
    何が起きるかを
    示すものとしてです
  • 11:04 - 11:09
    コンピュータが人の顔に
    電極を差し始めたら
  • 11:09 - 11:12
    単にスイッチを切ればいいと
    思うかもしれません
  • 11:12 - 11:18
    (A) そのシステムに依存するようになったとき
    スイッチを切ることは難しくなります
  • 11:18 - 11:21
    たとえばの話 インターネットのスイッチは
    どこにあるのでしょう?
  • 11:21 - 11:26
    (B) チンパンジーはなぜ人間のスイッチを
    オフにしなかったんでしょう?
  • 11:26 - 11:27
    あるいはネアンデルタール人は?
  • 11:27 - 11:30
    彼らにはそうすべき理由が
    あったことでしょう
  • 11:30 - 11:33
    人間を切るスイッチはあります
    たとえはここに
  • 11:33 - 11:34
    (うぐぅ)
  • 11:34 - 11:37
    その理由は人間が
    知的な相手だからです
  • 11:37 - 11:40
    人間は危険を予期して
    回避することができます
  • 11:40 - 11:43
    そしてそれは超知的な機械にも
    できるだろうことで
  • 11:43 - 11:46
    しかも人間よりずっと
    上手くできることでしょう
  • 11:46 - 11:53
    我々は制御できるはずだと
    高をくくらない方がよいということです
  • 11:53 - 11:56
    この問題をもう少し簡単にして
  • 11:56 - 11:58
    人工知能を逃げ出すことのできない
  • 11:58 - 12:00
    安全なソフトウェア環境や
  • 12:00 - 12:03
    仮想現実シミュレーションの中に閉じ込める
    というのでもいいかもしれません
  • 12:03 - 12:07
    しかし人工知能がシステムの欠陥を見つけたりしないと
    自信を持てるでしょうか?
  • 12:07 - 12:10
    ただの人間のハッカーでさえ
    年中バグを見つけていることを思えば
  • 12:10 - 12:13
    あまり自信は持てないでしょう
  • 12:14 - 12:18
    ではネットワークケーブルを抜いて
    エアギャップを作ればどうか?
  • 12:18 - 12:21
    これにしたって人間のハッカーが
    ソーシャルエンジニアリングによって
  • 12:21 - 12:25
    エアギャップを越えるということが
    たびたび起きています
  • 12:25 - 12:26
    私が話をしているこの瞬間にも
  • 12:26 - 12:28
    きっとどこかの社員が
  • 12:28 - 12:32
    情報管理部門から来たという人間に
  • 12:32 - 12:35
    アカウントの情報を教えるよう
    仕向けられていることでしょう
  • 12:35 - 12:37
    もっと奇想天外なシナリオだって
    考えられます
  • 12:37 - 12:38
    たとえば人工知能が
  • 12:38 - 12:42
    内部回路にある電極の
    振動で発生した
  • 12:42 - 12:45
    電波を使って
    通信をするとか
  • 12:45 - 12:47
    あるいは人工知能が故障を装って
  • 12:47 - 12:50
    プログラマーが調べようと中を開け
  • 12:50 - 12:52
    ソースコードを見たところで
    バーン!
  • 12:52 - 12:55
    操作してしまうとか
  • 12:55 - 12:59
    あるいはすごく洗練された
    技術の設計図を出して
  • 12:59 - 13:01
    人間がそれを実装してみると
  • 13:01 - 13:05
    そこには人工知能が潜ませていた
    密かな副作用があるとか
  • 13:05 - 13:08
    要は我々は高度に知的な魔神を
  • 13:08 - 13:12
    いつまでも壺に閉じ込めておけるとは
    思わない方がよいということです
  • 13:12 - 13:15
    遅かれ早かれ
    出口を見つけ出すことでしょう
  • 13:15 - 13:18
    この問題への答えは
    非常に知的な人工知能を
  • 13:18 - 13:23
    それが逃げ出しても
    危険がないように作るということ
  • 13:23 - 13:25
    人間と同じ価値観を持っていて
  • 13:25 - 13:28
    人間の側に立つように作る
    ということだと思います
  • 13:28 - 13:32
    この難しい問題を
    避けて通ることはできません
  • 13:33 - 13:36
    私はこの問題は
    解決できると楽観しています
  • 13:36 - 13:40
    私たちが気にかける
    あらゆることを書き出し
  • 13:40 - 13:43
    さらにはC++やPythonのような
    プログラミング言語で
  • 13:43 - 13:46
    厳密に定義することは
    望みがないくらい難しいことでしょうが
  • 13:46 - 13:48
    そうする必要はないと思います
  • 13:48 - 13:52
    自らの知性を使って
    人間が価値を置くことを
  • 13:52 - 13:55
    学び取る人工知能を
    作ればよいのです
  • 13:55 - 14:01
    人間の価値を追求し
    人間がよしとすることを予測して行動するような
  • 14:01 - 14:06
    動機付けのシステムを
    持たせるのです
  • 14:06 - 14:09
    そうやって価値付けの
    問題を解くために
  • 14:09 - 14:12
    人工知能の知性を
    可能な限り活用するのです
  • 14:13 - 14:14
    これは可能なことで
  • 14:14 - 14:18
    人類にとって
    とても好ましい結果をもたらします
  • 14:18 - 14:22
    しかし自動的に
    起きるわけではありません
  • 14:22 - 14:25
    知性爆発が人間の制御下で
    起きるようにするためには
  • 14:25 - 14:28
    初期条件を正しく
  • 14:28 - 14:31
    設定する必要があります
  • 14:31 - 14:34
    人工知能の価値観を人間の価値観と
    合ったものにする必要があります
  • 14:34 - 14:36
    人工知能が適切に行動しているか
    容易に確認できるような
  • 14:36 - 14:38
    分かりやすい状況だけでなく
  • 14:38 - 14:41
    将来のいつか人工知能が出会うかもしれない
    あらゆる新奇な状況において
  • 14:41 - 14:43
    そうなる必要があります
  • 14:43 - 14:48
    それから解決しなければならない
    難解な問題がいろいろあります
  • 14:48 - 14:50
    決定理論の正確な詳細
  • 14:50 - 14:52
    論理的不確定性をどう扱うか
    といったことです
  • 14:53 - 14:56
    だからこれを機能させるために
    解くべき技術的問題は
  • 14:56 - 14:58
    とても難しいものです
  • 14:58 - 15:01
    超知的な人工知能を作ること自体ほど
    難しくはないにしても
  • 15:01 - 15:04
    かなり難しいことです
  • 15:04 - 15:05
    ひとつ懸念すべきことがあります
  • 15:05 - 15:10
    超知的な人工知能を作るのは
    非常に難しいことで
  • 15:10 - 15:13
    超知的な人工知能を
    安全なものにするのは
  • 15:13 - 15:16
    その上にさらなる問題を
    重ねることになりますが
  • 15:16 - 15:20
    危険があるのは
    誰かが安全を確保するという
  • 15:20 - 15:23
    2番目の問題を解決することなく
  • 15:23 - 15:25
    最初の問題を解く方法を見つける
    ということです
  • 15:25 - 15:29
    だから私たちは
    この制御の問題を
  • 15:29 - 15:32
    前もって解決しておくべきだと思います
  • 15:32 - 15:34
    そうすれば必要になったときに
    すぐ使えます
  • 15:35 - 15:38
    制御の問題のすべてを前もって解決することは
    できないかもしれません
  • 15:38 - 15:41
    ある部分は実装される
    アーキテクチャの詳細が
  • 15:41 - 15:45
    明かになって初めて
    可能になるかもしれません
  • 15:45 - 15:49
    しかし前もって制御の問題の
    より多くの部分が解かれているほど
  • 15:49 - 15:53
    機械知性の時代への移行が
    うまくいく見込みは
  • 15:53 - 15:54
    高くなるでしょう
  • 15:54 - 15:59
    これはやるに値することだと
    私には思えます
  • 15:59 - 16:02
    私には想像できます
    すべてがうまくいった暁に
  • 16:02 - 16:07
    百万年後の人類が
    この世紀を振り返って
  • 16:07 - 16:10
    私たちがした本当に重要なことが
    何かあるとすれば
  • 16:10 - 16:13
    それはこの問題を
    正しく解決したことだと言うのを
  • 16:13 - 16:14
    ありがとうございました
  • 16:14 - 16:17
    (拍手)
Title:
人工知能が人間より高い知性を持つようになったとき何が起きるか?
Speaker:
ニック・ボストロム
Description:

人工知能は飛躍的に知的になっています。ある研究は今世紀中に人工知能の知性が人間並みになると示唆しています。「機械の知性は人類が発明する必要のある最後のものになる」とニック・ボストロムは言います。哲学者であり技術の研究者でもある彼は、我々が構築しつつある考える機械が動かす世界のことをよく考えるよう求めています。我々の作り出す知的な機械は人類とその価値を守る助けとなるのでしょうか、それともそれ自身の思惑を持つようになるのでしょうか?

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
16:31

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