Return to Video

何もないガザ地区の灰とがれきを使いどのようにレンガを作るか

  • 0:02 - 0:04
    そう 確かに真っ暗です
  • 0:05 - 0:08
    私たちは皆 この状態で
  • 0:08 - 0:13
    携帯電話のライトをつけずに
    どのくらい我慢できるでしょうか?
  • 0:14 - 0:15
    数秒ですか?
  • 0:16 - 0:17
    数分ですか?
  • 0:17 - 0:18
    丸一時間?
  • 0:22 - 0:26
    ご心配なく このまま暗闇の中で
    トークを続けるつもりはありません
  • 0:27 - 0:29
    でも 私はこのような状態に
    いささか慣れています
  • 0:29 - 0:34
    かれこれ10年以上も
    私も含めて 祖国に暮らす200万人が
  • 0:34 - 0:37
    暗闇の中で生活しています
  • 0:37 - 0:40
    そこは2つの国境に挟まれ
  • 0:40 - 0:44
    抜け出すのは
    文字通り不可能に近い
  • 0:45 - 0:51
    長さ40キロ 幅8キロの地域です
  • 0:52 - 0:55
    私はパレスチナ人 ガザ出身です
  • 0:56 - 0:59
    そこで育ち 今もそこで暮らしています
  • 1:01 - 1:05
    ガザにあふれているのは「無」です
  • 1:06 - 1:09
    そして私はその「無」から
  • 1:09 - 1:12
    世界から断ち切られたコミュニティーが
  • 1:12 - 1:14
    唯一すべきことと言えばー
    何でしょう?
  • 1:14 - 1:16
    枠にとらわれない考え方です
  • 1:17 - 1:19
    それも枠から大きく離れることです
  • 1:21 - 1:25
    そのような考え方が
    私のコミュニティーが抱える
  • 1:25 - 1:29
    2つの深刻な問題に対応するために
    私を2つのプロジェクトへと導きました
  • 1:30 - 1:34
    問題とは建設資材不足と
    電気やエネルギー不足です
  • 1:35 - 1:38
    この2つは生活する上で欠かせない要素です
  • 1:39 - 1:43
    ガザでは両方とも供給が不足しています
  • 1:45 - 1:48
    まず初めに 私は祖国の占領のことを
  • 1:50 - 1:53
    話すだけの理由で
    ここにいるのではありません
  • 1:54 - 1:58
    包囲攻撃 数多くの戦争
    爆弾 抗議や
  • 1:58 - 2:01
    死者の数のことだけで
    来たわけではありません
  • 2:01 - 2:06
    私がここにいるわけは それでも私たちに
    生き抜く力があることを表すこと
  • 2:06 - 2:10
    私がここにいるわけは
    変化を成し遂げたいから
  • 2:10 - 2:12
    私がここにいるのは
    無視することができない
  • 2:12 - 2:16
    大勢のうちの1人であることを
    みなさんに伝えたいからです
  • 2:18 - 2:23
    2014年の戦争で
    膨大な数の家が破壊されました
  • 2:24 - 2:31
    それらは天日に晒された
    石とブロックで作られた家でした
  • 2:31 - 2:35
    何十年も建っていた家です
  • 2:35 - 2:39
    私の家族 友人 近所の人
  • 2:39 - 2:42
    私が知る全ての人の家でした
  • 2:43 - 2:45
    当時 私は自問しました
  • 2:45 - 2:47
    人々のために私には何ができるだろうか?
  • 2:47 - 2:49
    私はどうやって手を差し伸べればいいのか?
  • 2:49 - 2:54
    戦争で破壊された物を
    建て直すための
  • 2:54 - 2:59
    セメント 骨材や砂は
    手に入らないとわかっていました
  • 2:59 - 3:04
    ならばこのコミュニティーの中で
    調達できないだろうか
  • 3:04 - 3:07
    既存の何かを使えないだろうか
  • 3:07 - 3:09
    私は材料を揃え始めました
  • 3:09 - 3:13
    まずは輸入品である骨材の代わりに
    紙を充填材として使いましたが
  • 3:14 - 3:15
    上手くいきませんでした
  • 3:16 - 3:21
    ではセメントを一部
    ガラスの粉に代えられないか?
  • 3:22 - 3:23
    それも失敗でした
  • 3:24 - 3:28
    建設ブロックを泥から作るのも
    いいアイデアかもしれない
  • 3:28 - 3:31
    残念ながら それも上手くいきませんでした
  • 3:32 - 3:35
    泥で作ったブロックを焼く過程で
  • 3:36 - 3:39
    すごくたくさんの灰ができました
  • 3:40 - 3:43
    そこで私が思わず考えたのが
    「ならばこの灰を使ってみれば?」
  • 3:44 - 3:46
    アイデアがひらめきました
  • 3:46 - 3:51
    「これを使い
    壊れた家のがれきと混合して
  • 3:51 - 3:53
    建築ブロックを作ってみよう」
  • 3:54 - 3:59
    150回以上の失敗と
  • 3:59 - 4:02
    6ヶ月を越える試作の後に
  • 4:02 - 4:04
    作ることができました
  • 4:05 - 4:11
    (拍手)
  • 4:12 - 4:15
    私は灰と破壊された家のがれきを資材とした
  • 4:16 - 4:20
    建設ブロックを開発しました
  • 4:22 - 4:25
    ここにあります
    私と一緒にここまで長旅をしました
  • 4:25 - 4:27
    まあ 実は私より先に到着しました
  • 4:27 - 4:30
    これは通常のものより軽く
  • 4:30 - 4:32
    コストが安く 頑丈です
  • 4:34 - 4:41
    (拍手)
  • 4:43 - 4:45
    この建築ブロックですが
  • 4:45 - 4:48
    もちろん皆さんは
    「こんな若い子がどうやって」と思うでしょう
  • 4:48 - 4:50
    そんなに難しくも
    すごく簡単でもありませんでした
  • 4:51 - 4:55
    まず最初に ガザ地区全域から
    がれきを集めました
  • 4:55 - 4:59
    次に埋め立て地にある灰と混合しました
  • 5:00 - 5:03
    レシピ通りに材料を混ぜ終えると
    それを焼く時間です
  • 5:03 - 5:06
    この写真でご覧のように
    ブロックの形に成型し
  • 5:06 - 5:09
    それを水蒸気で処理します
  • 5:10 - 5:13
    私はこの建材を
    「グリーン・ケーキ」と呼んでいます
  • 5:13 - 5:16
    今ではこれを古い家の
    建て直しに使うだけではなく
  • 5:17 - 5:20
    新築の建設にも使えます
  • 5:21 - 5:25
    グリーン・ケーキは これまでに
    30人を超える雇用を創出しています
  • 5:26 - 5:30
    約50戸のアパートを建て直せました
  • 5:31 - 5:35
    それぞれ およそ8人の世帯が
    住める広さです
  • 5:37 - 5:43
    新卒の女性も男性も
    みんなトレーニングしました
  • 5:43 - 5:47
    このコミュニティーでは
    珍しいことです
  • 5:48 - 5:51
    これが 地元でも海外でも表彰されました
  • 5:51 - 5:54
    これはただの建築ブロックではありません
  • 5:54 - 5:57
    ガザの女性に対する固定観念を覆し
  • 5:57 - 6:01
    この類の仕事は 男性向きだという
    偏見を変えました
  • 6:03 - 6:07
    教育は私たちにとって 一番強力な武器です
  • 6:07 - 6:11
    私たちの自由 まともな生活と
    未来を勝ち取るための武器です
  • 6:12 - 6:15
    このブロックを作るのに
    私の経歴が役立ちました
  • 6:15 - 6:20
    私はガザ・イスラーム大学で
    土木工学を勉強しましたが
  • 6:20 - 6:24
    そこでは学生の男女比が6対1でした
  • 6:24 - 6:27
    私は仕事には有り付けないと
    誰からも言われました
  • 6:28 - 6:32
    男性向けの専攻を選んだからです
  • 6:32 - 6:37
    でも みんなの応援がないことは
    諦めではなく刺激になりました
  • 6:38 - 6:44
    (拍手)
  • 6:45 - 6:49
    このブロック製作の長い旅と
    2年の歳月を経たいま
  • 6:49 - 6:53
    ガザに必要なのは
    建築ブロックだけではありません
  • 6:53 - 6:56
    電力も必要です
    エネルギーの確保が必要です
  • 6:57 - 7:01
    私は「SunBox」という
    会社を立ち上げました
  • 7:01 - 7:05
    SunBoxは中国から取り寄せた
    スマート太陽光発電キットですが
  • 7:05 - 7:08
    私たちはそれに技術変更を施し
    市場のニーズに対応させます
  • 7:08 - 7:12
    電灯だけでなくコンピュータや電話
    インターネット回線
  • 7:12 - 7:14
    扇風機やテレビにも
    電力供給できます
  • 7:15 - 7:17
    私たちは地元の販売者や技術者に
  • 7:17 - 7:21
    商品の販売と設置及び
    カスターマーサービスの提供を教えています
  • 7:22 - 7:25
    このプロジェクトの手始めに
  • 7:25 - 7:28
    15世帯の家庭に
    太陽光エネルギーを提供しました
  • 7:29 - 7:31
    そのうちの1基は
    難民キャンプに設置しました
  • 7:31 - 7:34
    翌日 設置された太陽光装置の
    チェックに行ったところ
  • 7:34 - 7:37
    近所の住民が一緒になって
    私たちの装置を使ったテレビで
  • 7:37 - 7:39
    サッカー観戦をしていました
  • 7:39 - 7:43
    「地域にすごく貢献できそう」と
    その時 思いました
  • 7:43 - 7:47
    その結果に自信を得た私たちは
    第2ラウンドとして
  • 7:47 - 7:50
    200基の設置を計画しました
  • 7:50 - 7:53
    ところがこの装置1基の値段は
    350ドルです
  • 7:53 - 7:57
    350ドルではパレスチナの家庭は
    購入できません
  • 7:57 - 7:59
    また 枠にとらわれない発想が
    必要になりました
  • 7:59 - 8:01
    実現するにはどうすればいいか?
  • 8:01 - 8:05
    発電機1基で 近所のみんなが
    サッカーを観戦できるのなら
  • 8:05 - 8:09
    2、3、4世帯で1つの装置を共有し
  • 8:09 - 8:11
    電力を享受できるはずです
  • 8:12 - 8:14
    そこで 新しいビジネスモデルを
    考えました
  • 8:14 - 8:17
    「分かち合いは 思いやり」です
  • 8:17 - 8:19
    (笑)
  • 8:19 - 8:22
    この「分かち合いは 思いやり」の
    ビジネスモデルでは
  • 8:22 - 8:25
    2世帯とか3世帯で装置1基を共有し
  • 8:25 - 8:28
    費用を分担するので
    手が届くようになります
  • 8:29 - 8:31
    このアイデアは大人気になりました
  • 8:31 - 8:34
    期待していなかったのですが
    うまくいきました
  • 8:34 - 8:35
    2週間も経たないうちに
  • 8:35 - 8:39
    200人以上への電力供給を
    達成していました
  • 8:40 - 8:45
    (拍手)
  • 8:46 - 8:48
    ここで疑問なのが
    アイデアがどう広まったかです
  • 8:49 - 8:52
    いくつかのコミュニティーセンターを
    訪れました
  • 8:52 - 8:53
    この場所は誰が使うと思いますか?
  • 8:53 - 8:55
    男性だけです
  • 8:55 - 8:57
    女性が行くのは不自然なことでした
  • 8:57 - 8:59
    そこで私は
    「すごく良いアイデアがあるわ
  • 8:59 - 9:00
    私たちが電力を供給するので
  • 9:00 - 9:02
    電気が必要な人を教えてね」
    と伝えました
  • 9:05 - 9:08
    今では ガザ地区のあらゆる場所の
    家族から連絡が来ます
  • 9:08 - 9:10
    今朝も仲間から電話が入りました
  • 9:10 - 9:14
    「マジド お願い 大変な状況です
    私たちは1日16時間働いていて
  • 9:14 - 9:17
    こんな働き方は もう限界です
  • 9:17 - 9:20
    ひっきりなしに電話が来て
    みんな太陽光電力を欲しがってます」
  • 9:22 - 9:26
    ムーナは私たちが太陽電池を
    設置した家族の1人ですが
  • 9:26 - 9:29
    彼女にこう言われました
    「マジド わかる?
  • 9:29 - 9:32
    私は今まで自分の意志で管理できる
    ものは無いと思っていたわ
  • 9:33 - 9:36
    今は自分のエネルギー源を
    自ら管理しているの
  • 9:36 - 9:38
    それは特別な気持ちよ」
  • 9:38 - 9:43
    ある人には当然なことが
    他の人には特権です
  • 9:44 - 9:46
    ムーナのような人は
  • 9:47 - 9:49
    戦い続けたいとは思いません
  • 9:49 - 9:53
    苦しい生活を続けたいとは思いません
  • 9:53 - 9:56
    より豊かな生活を望んでいるだけです
  • 9:56 - 10:01
    私たちのビジョン いや
    ガザの全住民のビジョンは―
  • 10:01 - 10:05
    私は故郷の人々を代弁できて
    とても光栄ですー
  • 10:05 - 10:08
    より良い生活と
    未来を手に入れることです
  • 10:09 - 10:13
    希望に向けたインフラを
    作り上げる必要があります
  • 10:13 - 10:15
    みんなに伝えたいのは
    それが可能だということ
  • 10:15 - 10:18
    人間として ふさわしい扱いを
    受けられるということです
  • 10:18 - 10:20
    ここに来るのに
    4つ国境を越える必要はありません
  • 10:20 - 10:22
    私はただ空港に向かい
  • 10:22 - 10:23
    外に住む人の姿を見
  • 10:23 - 10:26
    外の世界を見ることができるのです
  • 10:27 - 10:28
    ありがとうございました
  • 10:28 - 10:32
    (拍手)
Title:
何もないガザ地区の灰とがれきを使いどのようにレンガを作るか
Speaker:
マジド・マシュハラウィ
Description:

ガザ地区にある、戦争で破壊された自分の住む地域を歩いていたマジド・マシュハラウィに、あるアイデアがひらめきました—がれきを使って建築資材を作れないだろうか?彼女が考案した、灰から作るブロックが家の再建に貢献する様子をご覧ください。また、彼女の新たなプロジェクト、暗闇に住む家族に太陽エネルギーを利用して電気を提供する取り組みもお聞きください。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
10:45

Japanese subtitles

Revisions