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ウィット(知力)とグリット(やり抜く力)を超えて:成功の秘訣を再考する | ハワード・ガードナー | TEDxBeaconStreet

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    成功の秘訣は何でしょう?
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    数年前だったら
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    こんなふうに簡単に答えていたでしょう
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    「まずは頭が良くなくてはならない
    そして努力を怠らないこと」
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    もっと歯切れよく言えば
    ウィット(知力)があること
  • 0:33 - 0:35
    つまり高い知能を持っているということです
  • 0:36 - 0:39
    こちらはウィットの豊富な
    アルバート・アインシュタインです
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    そして グリット(やり抜く力)が
    あることです
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    一生懸命に努力し
    目的を貫かなくてはいけません
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    たとえば この
    走り高跳びの選手のようにです
  • 0:52 - 0:57
    もちろん このウィットとグリットに
    基づく考えは
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    長年考えてきたのですが
  • 1:01 - 1:04
    この進化の過程を
    振り返りながら話したいと思います
  • 1:05 - 1:08
    ここに ウィットとグリットが
    必要な一例があります
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    それ無しでは この若者は
    テストで失敗してしまうでしょう
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    これはもう少し年配のグループですが
  • 1:15 - 1:16
    (笑)
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    彼らにもウィットとグリットが
    あると望みたいですね
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    ここはホワイトハウスの状況分析室で
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    とても厳しい決断を迫られますから
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    彼らにもウィットとグリットが
    あることを祈りましょう
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    本日 私は心理学者として
    約40年にわたり取り組んできた研究を
  • 1:31 - 1:34
    振り返っていきたいと思います
  • 1:34 - 1:40
    また ウィットとグリットの重要性について
    考えが大きく変わりましたので
  • 1:40 - 1:43
    特にその点に関して
    話したいと思っています
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    これは ほんの数年前の私です
  • 1:46 - 1:48
    (笑)
  • 1:48 - 1:50
    研究を始めたばかりの頃です
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    当時 私は知能とは
    たった1つのものだと信じていました
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    つまり頭の中にはコンピューターが1台あり
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    それが高機能であれば
    全てにおいて優秀で
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    そうでなければ残念ながら
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    全てがダメだというようにね
  • 2:08 - 2:12
    もちろん 当時 私が信頼していたのは
    IQ(知能指数)テストです
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    おそらく皆さんも
    受けたことがあるでしょう
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    IQテストを受ければ
    自分の賢さがわかると言われています
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    困ったことに 不運にも自分は賢くない
    ということも判明します
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    自分が賢くないと思うのは辛いですね
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    そう思いながらその後の人生を送るなんて
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    不幸だと思います
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    私は研究を進める中で
    幼い子どもを調査しました
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    年齢、個々の才能、育った環境の異なる
    子ども達です
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    子ども達の様々な行動を観察し
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    発見したのは
    ある1つのことに長けている子が
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    他のことにも長けているとは
    限らないということでした
  • 2:46 - 2:49
    更に印象的だったのは
    脳損傷の患者を研究した時です
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    被験者は不幸にも
    脳卒中を患った人達や
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    脳のある部位に
    機能障害を持った人達でした
  • 2:55 - 2:59
    脳損傷に関する唯一にして
    最も重要な点は その部位です
  • 2:59 - 3:01
    それが脳の左側に起きているか
    右側なのか
  • 3:01 - 3:03
    前方か後方か
    ということです
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    ご存知かもしれませんが
    損傷の部位により
  • 3:07 - 3:10
    どの機能が失われ どの機能が
    残っているのかがわかりますから
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    1人はある領域に優れ
    もう1人はまさにその領域が劣るような
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    正反対のプロフィールを持つ
    2人の患者を調べることもできます
  • 3:20 - 3:22
    このことがきっかけで
    私は1980年代初めに
  • 3:22 - 3:25
    様々な文化における
    人間の発達の研究や
  • 3:25 - 3:29
    脳とその特化した部位について
    研究するようになり その体験をもとに
  • 3:30 - 3:33
    『Frames of Mind(心の枠組み)』という
    本を執筆しました
  • 3:33 - 3:36
    副題の『The Multiple Intelligences
    Theory (多重知能論)』は
  • 3:36 - 3:38
    「MI理論」と呼ばれ
  • 3:38 - 3:41
    私の名は未だにこの理論により
    知られています
  • 3:41 - 3:44
    この本は400ページもありますが
  • 3:44 - 3:48
    厚い本の良いところは
    短く概要を説明できることで
  • 3:49 - 3:52
    それがTEDトークなら
    なお良いですね
  • 3:52 - 3:55
    この本で述べたのは
    私たちには1台というより
  • 3:55 - 4:00
    少なくとも7〜8台のコンピューターが
    備わっているということです
  • 4:01 - 4:03
    その中の1台がうまく機能する人もいれば
  • 4:03 - 4:06
    別のコンピューターが
    よく機能する人もいます
  • 4:06 - 4:09
    だからこそ多重知能について
    考える必要があるのです
  • 4:09 - 4:13
    では そのコンピューターについて
    写真を使って説明しましょう
  • 4:13 - 4:17
    言語的知能とは
    エミリー・ディキンソンなどの詩人や
  • 4:17 - 4:19
    エドガー・アラン・ポー
    あるいは
  • 4:20 - 4:23
    CNNのジャーナリストなどが持つ知能です
  • 4:24 - 4:26
    2つめは論理・数学的知能です
  • 4:26 - 4:30
    科学者やプログラマーに
    見られる知能です
  • 4:30 - 4:34
    言語と論理が得意なら
    学校での成績は良いですから
  • 4:34 - 4:37
    学校にいる限り
    自分が賢いと思えるでしょう
  • 4:37 - 4:38
    (笑)
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    高速道路上で車外に出たり
  • 4:39 - 4:42
    まして森やジャングルに
    分け入ったりしたら
  • 4:42 - 4:45
    他の知能も重要だと思い知るでしょう
  • 4:45 - 4:46
    (笑)
  • 4:46 - 4:48
    音楽的知能とは
  • 4:48 - 4:50
    この指揮者などが持ち合わせている知能で
  • 4:50 - 4:52
    偉大な演奏家 ヨーヨー・マも同様です
  • 4:52 - 4:55
    左の写真は彼が神童と
    言われていた頃のもの
  • 4:55 - 4:59
    右の写真は誰もが崇拝する
    現在のヨーヨーです
  • 4:59 - 5:02
    4つめの知能は空間的なものです
  • 5:02 - 5:05
    限られた範囲の空間を扱う
    チェス・プレイヤーや
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    広い空間であれば船乗りや
    航海士が持つ知能です
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    5つめは身体・運動感覚の知能です
  • 5:13 - 5:17
    運動選手のように
    からだ全体を使う人のほか
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    木材や金属など
    様々な材料を扱う
  • 5:20 - 5:23
    工芸家が持つ知能です
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    6つめは対人的知能で
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    他者の気持ちを理解する能力です
  • 5:28 - 5:33
    キング牧師は
    他者を鼓舞する秘訣を心得ていました
  • 5:33 - 5:35
    彼が持っていたのが
    対人的知能です
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    もう少し身近な例では
    営業マンもそうです
  • 5:38 - 5:42
    いらない車を高い値段で買わせますから
  • 5:42 - 5:44
    これも対人的知能です
  • 5:45 - 5:50
    7つめは内省的知能
    自分自身を理解することです
  • 5:50 - 5:53
    瞑想者には
    この内省的知能があるでしょう
  • 5:54 - 5:55
    精神分析医にかかる時
  • 5:55 - 5:58
    その目的は自己に対する
    理解を深めることですね
  • 5:59 - 6:03
    近年 私はこれに8つめの
    博物的知能を加えました
  • 6:03 - 6:07
    博物的知能があれば
    大自然の中で植物を見分けたり
  • 6:07 - 6:11
    動物と意思疎通したりできます
  • 6:11 - 6:14
    こちらはチンパンジーと話す
    ジェーン・グドールです
  • 6:14 - 6:17
    これらが8つの知能で
  • 6:17 - 6:21
    私はこれを『MI:個性を生かす多重知能の理論』
    という本にまとめました
  • 6:21 - 6:26
    この本の重要な変更点は ウィット(wit)を
    複数のウィッツ(wits)に変えたことです
  • 6:27 - 6:28
    ポイントはいくつかありますが
  • 6:28 - 6:31
    1つには 私たちには皆
    これら複数の知能があり
  • 6:31 - 6:34
    それが認知的な意味で 私たちを
    人間たらしめているということです
  • 6:34 - 6:37
    でも 全く同じ知能を同じように
    有している人は2人といません
  • 6:37 - 6:40
    たとえ一卵性双生児であってもです
  • 6:40 - 6:41
    驚くべきことです
  • 6:41 - 6:44
    人々がそれぞれに違った知能を
    異なったバランスで有しているから
  • 6:44 - 6:47
    学校や職場での体験
    そして他者との付き合い方に
  • 6:47 - 6:49
    その違いが表れるのは当然で
  • 6:49 - 6:51
    重要な事に
    自分についての考え方にも影響します
  • 6:51 - 6:53
    誰もが各々に知的な強みを
    持っているからです
  • 6:53 - 6:55
    全ての知能を欠く人は存在しません
  • 6:56 - 6:59
    さて それぞれの知能を測定するには
    どうすればいいでしょう?
  • 6:59 - 7:01
    私がよく尋ねられる質問です
  • 7:01 - 7:04
    筆記試験では
    それを見極めることはできません
  • 7:04 - 7:06
    言語的・論理的能力のみを
    測る道具だからです
  • 7:06 - 7:09
    言語と論理が得意なら
    テストの結果は良くなります
  • 7:09 - 7:12
    従って 個々人を観察し
    実際にどの知能を駆使しているかを
  • 7:12 - 7:15
    観察できる環境を創る必要があります
  • 7:15 - 7:18
    私たちは子ども達を
    このように観察しました
  • 7:18 - 7:22
    身近な物体を組み立てたり
    分解したりする機会を与え
  • 7:22 - 7:24
    空間的知能や身体的知能を観察しました
  • 7:24 - 7:27
    音楽的知能を見るには
    子どもが音楽を作ったり
  • 7:27 - 7:30
    聴いたメロディーを
    真似したりできるかを調べました
  • 7:30 - 7:35
    言語的知能については
    新しい語句や言語が学習できるか
  • 7:35 - 7:38
    正しいトーンや強勢、抑揚で
    発話できるかを観察します
  • 7:38 - 7:40
    細かい運動スキルはこうです
  • 7:40 - 7:43
    棒をしっかり握っていないと
    ブーッと ひどい音が鳴ります
  • 7:44 - 7:47
    もしくは これです
    バランスよく歩けず
  • 7:47 - 7:50
    ワイヤーにつまずくと
    ひどく嫌な音が出ます
  • 7:52 - 7:53
    博物的知能については
  • 7:53 - 7:55
    子どもが拡大レンズを使ったときと
  • 7:55 - 7:58
    肉眼で見るときとでは
    どう区別するのかを調べます
  • 7:58 - 8:00
    面白いゲームの例を紹介しましょう
  • 8:00 - 8:03
    ボードゲームです
    数学的知能が測れますね
  • 8:03 - 8:06
    でもそれだけではなく
    対人的能力も分かるんです
  • 8:06 - 8:08
    幼い子供でも
    自分が知っていることを
  • 8:08 - 8:10
    他の人は知らないと分かれば
    ズルができますからね
  • 8:10 - 8:11
    (笑)
  • 8:11 - 8:13
    ですから4歳までは
  • 8:13 - 8:15
    ズルができるということは
    対人的知能の証拠です
  • 8:15 - 8:17
    でもそれ以降は
    褒められない能力ですね
  • 8:17 - 8:18
    (笑)
  • 8:18 - 8:22
    さて 私どもは『Multiple Intelligences Oasis』
    というウェブサイトを作りました
  • 8:22 - 8:24
    「Oasis(オアシス)」とは
    考え抜いた比喩で
  • 8:24 - 8:28
    砂漠のような不毛な場所の真ん中にある
    滋養の源といった意味です
  • 8:28 - 8:30
    ここで言う「砂漠」とは
  • 8:30 - 8:33
    多重知能理論についての
    いくつかの誤解を象徴しています
  • 8:33 - 8:35
    例えば「皮膚紋理学」などというのは—
  • 8:35 - 8:37
    酷い言葉ですね
  • 8:37 - 8:40
    その皮膚紋理学によると
    指紋を見れば
  • 8:40 - 8:41
    賢さが分かるというのです
  • 8:41 - 8:42
    全くのナンセンスです
  • 8:42 - 8:45
    だから私たちのサイトでは
    皮膚紋理学を取り上げています
  • 8:46 - 8:48
    今からお話しする例は
    もっと深刻なもので
  • 8:49 - 8:50
    20年以上前
  • 8:50 - 8:53
    オーストラリアの
    ある州で起きたことです
  • 8:53 - 8:56
    あるカリキュラムが
    多重知能理論にそって作られました
  • 8:56 - 8:59
    大変光栄なことでしたし
    その動機も善意によるものだったのでしょう
  • 8:59 - 9:02
    ところが
    そのカリキュラムが
  • 9:02 - 9:05
    オーストラリア国内の
    すべての人種・民族
  • 9:05 - 9:08
    それぞれの持つ知能と欠けている知能の
    一覧を含むことが分かりました
  • 9:09 - 9:13
    私は驚愕しました
    私の考えの誤用も甚だしく
  • 9:13 - 9:17
    何の裏付けも無いものでしたから
    私は現地のテレビに出て
  • 9:17 - 9:22
    理論の誤用を止めるように訴え
    幸いにもそれは聞き入れられました
  • 9:22 - 9:27
    しかし この出来事により多くの学者が
    自問すべき問題に気付きました
  • 9:27 - 9:32
    自分のアイデアが話題になり
    利用されるのは素晴らしいことですが
  • 9:32 - 9:34
    仮にそれが誤用されてしまったら
    その時
  • 9:34 - 9:36
    私たちの責任は何でしょうか
  • 9:36 - 9:38
    自ら「Oasis」のような場で
  • 9:38 - 9:39
    指摘しなければ
  • 9:39 - 9:43
    誰も何も言ってくれないだろう
    ということに気付きました
  • 9:44 - 9:49
    これまで私たちは認知、思考、知能について
    議論を重ねてきました
  • 9:49 - 9:52
    しかし その一方で
    様々な教育環境において
  • 9:52 - 9:55
    社会的、情緒的、個人的な特色について
    もっと考えるように
  • 9:55 - 9:57
    なっています
  • 9:57 - 10:01
    おそらく今一番脚光を浴びているのは
    冒頭でご紹介した
  • 10:01 - 10:02
    グリットでしょう
  • 10:02 - 10:05
    グリットについては
    ペンシルベニア大学の心理学者
  • 10:05 - 10:09
    アンジェラ・ダックワースが書き
  • 10:09 - 10:14
    ジャーナリストのポール・タフの
    この言葉で大変有名になりました
  • 10:14 - 10:17
    「もし自分の子供を成功させたいなら
    その子にはグリットが必要だ」
  • 10:18 - 10:21
    結構なことです
    誰もグリットに異論はないでしょう
  • 10:21 - 10:24
    私自身にも、我が子にも、孫にも
    グリットがほしい
  • 10:24 - 10:26
    皆さんにグリットを持ってほしい
  • 10:26 - 10:29
    でもグリットについて
    しばらく考えていくと
  • 10:29 - 10:34
    ヒトラーやナチスの突撃隊員だって
    グリット旺盛だったことに気付くでしょう
  • 10:35 - 10:38
    問題なのはグリットを持つ事ではなく
    それを悪用したことです
  • 10:39 - 10:44
    もう少し現代的で
    ナチスほどでないにしろ悪質な例が
  • 10:44 - 10:48
    「重役会議室の切れ者たち」です
  • 10:48 - 10:50
    エンロンという大企業を
    発展させた人々です
  • 10:50 - 10:54
    会社は巨大な時価総額を生み
    「彼ら」は大変熱心に仕事しましたが
  • 10:54 - 10:58
    嘘をつき 会社の損失をごまかし
  • 10:58 - 11:01
    また国内のエネルギー価格についても
    ごまかしました
  • 11:01 - 11:05
    エンロンが破綻し 多くの人々が
    仕事や
  • 11:05 - 11:06
    退職後の年金給付を失いました
  • 11:06 - 11:09
    これも問題は
    ウィットやグリットの有無ではなく
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    グリットをどこに注ぐかなのです
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    グリットを持つことは素晴らしいことです
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    多重知能理論の発表後 20年
  • 11:19 - 11:20
    私が興味をもって研究したのは
  • 11:20 - 11:25
    善き人間、善き労働者、善き市民とは
    どういうことかです
  • 11:27 - 11:29
    例を示したら分かり易いでしょう
  • 11:29 - 11:34
    多大な尊敬を集めるネルソン・マンデラは
    南アフリカの戦闘状態にあるグループを
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    平和的にまとめました
  • 11:36 - 11:39
    女性に選挙権すらない時代に育った
    エレノア・ルーズベルトは
  • 11:39 - 11:43
    思想的な意味で
    合衆国の指導者となり
  • 11:43 - 11:46
    夫のルーズベルト大統領に
    重大かつ良い影響を与えました
  • 11:47 - 11:50
    私のヒーローである
    マハトマ・ガンジーは
  • 11:50 - 11:54
    人々は様々な意見を持つものですが
    たとえ意見が対立しても
  • 11:55 - 11:59
    暴力を使えば 世界は崩壊する
    ということを誰よりも理解していました
  • 11:59 - 12:04
    ガンジーの非暴力の思想は
    今の時代に大変重要なものであり
  • 12:04 - 12:05
    今後も そうあり続けるでしょう
  • 12:06 - 12:08
    そこで立ち上げたのが
    「グッドワーク・プロジェクト」です
  • 12:08 - 12:10
    研究者にはプロジェクトがつきものです
  • 12:10 - 12:12
    やがて改名して
    「グッド・プロジェクト」となり
  • 12:12 - 12:16
    こちらに記載された多くの
    素晴らしい仲間が関わってくれました
  • 12:16 - 12:19
    皆さん「グッドワークとは何だろう?」と
    お考えですよね
  • 12:19 - 12:22
    20年に渡り9種の職業、1200名を
    調査しましたが
  • 12:22 - 12:27
    多重知能と同様に
    簡潔に説明しましょう
  • 12:27 - 12:30
    グッドワークは
    皆さんが出会う
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    弁護士や判事
    科学者、医師
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    化学者や教師の仕事に
    見いだすことができます
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    グッドワークとは3つの要素から成り
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    それらは優れていること、専念していること
    倫理にかなっていることです
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    では教育を通して説明しましょう
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    グッドワークができる教師は
    自分の教える内容を理解していて
  • 12:47 - 12:50
    教える内容に精通しており
    仕事に熱意と関心を持っています
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    学校の仕事を楽しみにしていて
    生徒が好きで
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    生徒と関わることが好きです
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    この後はグッドワークが
    倫理的であることについて
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    お話ししたいと思います
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    グッドワークができる人は
    難しい決断に際し
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    適切な決断が下せるよう
    懸命に取り組み
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    たとえ 適切な決断が下せなかったとしても
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    次の機会に改善しようとします
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    これを「三重らせんのENA」と
    呼んでいます
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    皆さんご存じの「二重らせんのDNA」を
    もじったものですが
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    グッドワークのお墨付きを得るには
    次の3つが必要です
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    Excellent(優れて)Engaged(専念し)
    Ethical(倫理的)であることです
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    そして現在
    20年の研究を経て
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    先ほど紹介したとおり
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    情報源として『グッド・プロジェクト』
    というサイトを立ち上げ
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    グッドワーク、デジタル・メディアと倫理観
    善き市民、善き協力について説明したり
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    ゲーム、装置、道具を提供したりして
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    人々が自ら善き人となるように努力したり
    他者がそうなる手助けを促したりしています
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    これは
    「グッドワーク・ツールキット」です
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    その中から例を1つ
    ご紹介しましょう
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    この例は実際に起きた話ですが
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    写真の人物は本人ではなく
    名前も変えてあります
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    デビーの話です
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    あなたは学生や教員の立場で
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    この話を聞いて
    決断を下さなくてはなりません
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    「デビーの選択」
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    デビーは高校の新聞部の
    優秀なジャーナリストで
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    編集者です
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    祖父はニューヨーク・タイムズ紙の
    有名な記者でした
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    校内でレイプ事件が発生
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    デビーの記者としての仕事は
    事件の記事を書くことです
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    記事に取りかかったところ
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    校長に呼び出され
    こう言われました
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    「デビー レイプ事件に関する記事は
    書かないように
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    来週 入学説明会があるのに
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    そんな事件が知れたら
    誰もこの学校に入学しないだろう
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    その件について記事を書くのは禁止だ」
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    デビーは倫理的ジレンマに直面します
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    家に帰ると母親が
    彼女をぎゅっと抱きしめて こう言います
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    「デビー あなたは立派よ
    お祖父さんもきっと自慢に思うでしょう
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    素晴らしいジャーナリストだわ
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    でも弟のテディが来年 あの学校に
    入りたがってるのを知ってるわね
  • 14:47 - 14:51
    もし記事を出せば テディは
    入学できなくなるかもしれないわね
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    だから 何をするべきかよく考えてね」
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    これこそ 倫理的ジレンマです
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    デビーは良いジャーナリストでありたい
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    彼女がする事は自ずと決まります
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    学校というコミュニティーの
    良き一員でいたいなら
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    何をすべきなのか
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    さらに家族としても良き存在でいたい
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    両親が望むことや
    弟のために良いことをしてあげたい
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    こうした倫理的ジレンマは
    私たちが
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    善き人間、善き労働者、善き市民とは
    どんなものなのか
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    理解しようとする際に
    直面するものです
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    あなたが哲学的な人であれば
    こう思うでしょう
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    「善いかどうかを誰が決めるんだ?」
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    1つの答えはこれ
    最高裁です
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    (笑)
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    ある種の権威ではありますが
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    私のようなタイプは
    最高裁の結論に必ずしも同意できないものです
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    そこでもっと良い答えがあります
    多くの研究による裏付けもあります
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    それは 自分の周囲の人々と話し合い
    意思疎通をはかることです
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    こちらは私が長年研究で関わってきた
    教師たちです
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    問題が起きると
    私たちは実際に会って話をします
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    そしてどうするか決定すべく
    努力し
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    決めたことを実行するのです
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    うまく行かなければ
    次は改善するようにします
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    私たちはこれを
    「共通の空間を創る」と言います
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    話し合いをするには
    オンラインより対面が良いでしょう
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    やらないよりはオンラインの方が
    マシです
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    善くなろうと頑張るなら
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    1人では無理です
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    非常に厄介な問題について
    共に語る―
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    信頼できる友人を
    持つことが必要です
  • 16:11 - 16:14
    40年の研究を経て得た
    ポイントは2つ
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    その1
    人の賢さはそれぞれ異なり
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    それが自分や他者の
    捉え方に影響するということ
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    その2
    グリットだけでは不十分だということ
  • 16:23 - 16:27
    グリットの使い道を見極め
    それを善いことのために使うよう
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    弛まぬ努力をする必要があります
  • 16:30 - 16:33
    ここで 今回の話をまとめる代わりに
  • 16:33 - 16:36
    こんなふうにツイートしてみましょうか
  • 16:36 - 16:39
    いいですか
  • 16:41 - 16:43
    「ウィット」を複数にして
  • 16:46 - 16:49
    「グッド」を
    「グリット」の前に置きます
  • 16:49 - 16:52
    「多元的なウィッツ」と
    「善い目的のためのグリット」
  • 16:52 - 16:53
    ご清聴ありがとう
  • 16:53 - 16:57
    (拍手)
Title:
ウィット(知力)とグリット(やり抜く力)を超えて:成功の秘訣を再考する | ハワード・ガードナー | TEDxBeaconStreet
Description:

長い目で見たときに真に成功する為には何が必要なのでしょうか?もしあなたの考える答えが「頭が良いこと」と「努力をすること」なら、この講演を聴いてみてください。

このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくはhttp://ted.com/tedx をご覧ください。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
17:04
  • このレビュータスクは、玲子さんに既にお願いしています。

Japanese subtitles

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