シェイクスピアの台詞が持つ韻律の秘密 / デヴィッド・フリーマン&グレゴリー・テイラー
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0:08 - 0:12ウィリアム・シェイクスピアの作品に
初めて触れた人には -
0:12 - 0:15彼の言葉が奇妙に
見えるかもしれません -
0:15 - 0:18でも 実は理解するための
秘密があるんです -
0:18 - 0:23シェイクスピアは戯曲で有名ですが
彼はそれ以前に詩人なのです -
0:23 - 0:26シェイクスピアの言葉で
最も重要な要素の1つに -
0:26 - 0:29「ストレス」があります
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0:29 - 0:30そのストレスじゃなくて
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0:30 - 0:34言葉の中における
音節の強調ということです -
0:34 - 0:38慣れきっていて
意識しないかもしれませんが -
0:38 - 0:42言葉をゆっくりと発音すれば
強弱があるのが分かるでしょう -
0:42 - 0:48劇作家 コンピューター 電話
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0:48 - 0:51詩人というのは
この強弱に敏感で -
0:51 - 0:53音節の強弱の
数や順序で -
0:53 - 0:56いろいろ実験をし
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0:56 - 1:00様々に組み合わせ
詩の中にリズムを作り出します -
1:00 - 1:02作詞家と同じように
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1:02 - 1:06詩人はよく このリズムの繰り返し
すなわち韻律を通して -
1:06 - 1:09考えを表現します
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1:09 - 1:10音楽同様に
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1:10 - 1:14詩にもそれを表現するための
独自の用語があります -
1:14 - 1:161行の詩の中の
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1:16 - 1:19強弱を持つ特定の数の
音節の集まりを -
1:19 - 1:21「詩脚」と言います
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1:21 - 1:26音楽で特定の数の拍から
小節ができているのと同じです -
1:26 - 1:301行の詩は通常
いくつかの詩脚からできています -
1:30 - 1:34たとえば「強弱弱格」は
3音節からなる詩脚で -
1:34 - 1:38最初が強勢
後の2つが無強勢です -
1:38 - 1:41強弱弱格は素早く
勢いのある詩行を作り出します -
1:41 - 1:45ちょうどロバート・ブラウニングの詩
「失われた指揮官」のように -
1:45 - 1:51「たった一掴みの銀貨のために 彼は我々を捨てた
外套につける ただのリボンのために」 -
1:51 - 1:54別の詩脚に2音節の
「強弱格」があり -
1:54 - 1:58強勢音節に無強勢音節が
続いています -
1:58 - 2:00シェイクスピアの「マクベス」にある
強弱格の行は -
2:00 - 2:04魔女達の唱えるまじないの
不吉で気味悪い感じを伝えています -
2:04 - 2:11「倍になれ倍になれ 苦難に災難 炎よ燃えよ 大釜よ煮えろ」
(マクベス 第4幕 第1場) -
2:11 - 2:14しかしシェイクスピアといえば
何と言っても「弱強格」です -
2:14 - 2:17この2音節の詩脚は
強弱格の逆で -
2:17 - 2:20最初の音節が無強勢
次の音節が強勢になっています -
2:20 - 2:24「生きるべきか 死ぬべきか」
(ハムレット 第3幕 第1場) -
2:24 - 2:28シェイクスピアが殊に好んだ韻律は
「弱強5歩格」で -
2:28 - 2:32詩の行が5個の
2音節弱強格からなる -
2:32 - 2:3510音節でできています
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2:35 - 2:38これはシェイクスピアの最も有名な台詞の
多くに使われています -
2:38 - 2:43「あなたを夏の日と比べてみましょうか?」
(ソネット 第18番) -
2:43 - 2:47「美しき太陽よ 出でて 妬み深い月を殺してくれ」
(ロミオとジュリエット 第2幕 第2場) -
2:47 - 2:51弱強格が区切りや語の境界を
跨いでいることに注意してください -
2:51 - 2:56韻律は綴りではなく
あくまで音に関するものなのです -
2:56 - 2:58弱強5歩格と言うと
専門的に聞こえるかもしれませんが -
2:58 - 3:01その意味を覚える
良いやり方があります -
3:01 - 3:06ちなみに “iamb” (弱強格)の発音は
“I am”と同じです -
3:06 - 3:08これを次の —
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3:08 - 3:11たまたま弱強5歩格になっている
文で見てみましょう -
3:11 - 3:15「俺は木の義足を付けた海賊だ」
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3:15 - 3:18この海賊の歩き方は
弱強格に従っていて -
3:18 - 3:21シェイクスピアの好きな韻律を
体現しています -
3:21 - 3:24彼が10歩歩くと
弱強5歩格になります -
3:24 - 3:28我らが海賊君は
無人島の砂浜に残すその足跡によって -
3:28 - 3:32どう印を付ければ良いか
思い出させてくれます -
3:32 - 3:38カーブが無強勢
靴跡が強勢です -
3:38 - 3:42「音楽が愛の糧になるなら 弾いてくれ」
(十二夜 第1幕 第1場) -
3:42 - 3:45もちろんシェイクスピアの戯曲の
台詞の大半は -
3:45 - 3:47普通の散文で書かれています
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3:47 - 3:48しかし注意して読んでいると
-
3:48 - 3:51シェイクスピアの
登場人物たちが -
3:51 - 3:54私たちが人生で
詩を求めるのと同じような局面で -
3:54 - 3:58詩によって — 多くは弱強5歩格で
語るのに気付くでしょう -
3:58 - 4:03情熱的になる時に 内省する時に
容易ならざる時に -
4:03 - 4:07自己の存在について思い惑う
ハムレットにせよ -
4:07 - 4:09愛を語るロミオにせよ
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4:09 - 4:13自分の想いや この世における自分の意味について
語るような時に -
4:13 - 4:15弱強5歩格に
切り替えるのです -
4:15 - 4:18ここで疑問となるのは
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4:18 - 4:22なぜ そういった瞬間に
シェイクスピアは弱強5歩格を使い -
4:22 - 4:27他の「強弱6歩格」や「強弱弱4歩格」を
使わなかったのかということです -
4:27 - 4:30弱強5歩格は
英語に自然に馴染むため -
4:30 - 4:32俳優達にとって覚えやすく
-
4:32 - 4:36観衆にも理解しやすいからだと
言われています -
4:36 - 4:38でも別な理由が
あるかもしれません -
4:38 - 4:41もしシェイクスピアの登場人物が
急に詩で語り出すような -
4:41 - 4:44感情が高ぶる
状況になることがあれば -
4:44 - 4:48手を左胸に
当ててみてください -
4:48 - 4:49何を感じますか?
-
4:49 - 4:52心臓が弱強格で
打っているでしょう -
4:52 - 4:58ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン
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4:58 - 5:02シェイクスピアの詩的な文章は
ハートに関わることを語るだけでなく -
5:02 - 5:04ハートのリズムにも
従っているのです
- Title:
- シェイクスピアの台詞が持つ韻律の秘密 / デヴィッド・フリーマン&グレゴリー・テイラー
- Description:
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シェイクスピアは込み入ったプロットや古めかしい言葉使いのため授業で習わされる高校生には評判が良くありません。しかしその言葉のリズムに目を向けるなら、当時の人々が話した、そして今でも話される話し方に深く根ざした詩人の姿が浮かび上がります。なぜシェイクスピアの言葉はかくも長く力を持ち続けているのでしょう? デヴィッド・フリーマンとグレゴリー・テイラーが、弱強5歩格の力の秘密を解き明かします。
先生 デヴィッド・フリーマン&グレゴリー・テイラー
アニメーション ブラッド・パーネル※この教材のページ http://ed.ted.com/lessons/why-shakespeare-loved-iambic-pentameter-david-t-freeman-and-gregory-taylor
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:22
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Why Shakespeare loved iambic pentameter - David T. Freeman and Gregory Taylor | ||
Yasushi Aoki approved Japanese subtitles for Why Shakespeare loved iambic pentameter - David T. Freeman and Gregory Taylor | ||
Misaki Sato accepted Japanese subtitles for Why Shakespeare loved iambic pentameter - David T. Freeman and Gregory Taylor | ||
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