なぜピサの斜塔は倒れないのか ― アレックス・ジェンドラー
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0:08 - 0:131990年にイタリア政府は
ピサの斜塔の安定を図るため -
0:13 - 0:17トップクラスの技術者らに
協力を求めました -
0:17 - 0:21800年もの歴史の中でその塔を
真直ぐにするよう何度も試みましたが -
0:21 - 0:26このチームのコンピューター上の数値モデルは
事態の緊急性を明らかにしました -
0:26 - 0:32彼らは塔が5.44度傾けば
倒れるだろうと予想しましたが -
0:32 - 0:35今や塔は5.5度 傾いていました
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0:35 - 0:40塔がいかにしてまだ建っていたのかは
誰も分かりませんでしたが 危機は明白でした -
0:40 - 0:44そのために 彼らは何百年にもわたり
技術者らを困らせていた課題を -
0:44 - 0:46至急 解決する必要がありました
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0:46 - 0:48この状況を理解するために
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0:48 - 0:52そもそも塔が傾いた理由を
知ることが役に立ちます -
0:52 - 0:5612世紀に沿海にある裕福なピサ共和国で
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0:56 - 1:01大聖堂の広場を豪華なランドマークに
するように着手しました -
1:01 - 1:04労働者たちは既にあった教会を
装飾 拡張し -
1:04 - 1:08さらに 広場に大きなドーム天井をもった
洗礼堂を建てました -
1:08 - 1:151173年には支柱なしで立つ
鐘楼(別名 鐘塔)の建設を始めました -
1:15 - 1:19当時集まった技術者や建築家たちは
自らの技術の熟練者でした -
1:19 - 1:21しかし彼らが持ち合わせる
工学の知識の割には -
1:21 - 1:25建物が立つ土地に関する知識は
極めて乏しかったのです -
1:25 - 1:29ピサという名称は
ギリシャ語で「湿地」に由来し -
1:29 - 1:35街の地面下にある粘土 泥と湿潤砂を
表現するにはぴったりでした -
1:35 - 1:40古代ローマ人は
同じような条件においては -
1:40 - 1:44地球の安定した岩盤の上にパイル(杭)という
巨大な石柱を立てて対処しました -
1:44 - 1:49しかし塔の建築家は比較的短い構造には
3メートルの基礎杭で十分だと -
1:49 - 1:52考えていました
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1:52 - 1:55あいにく5年も経たないうちに
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1:55 - 1:59塔の南側はすでに地下に沈んでいました
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1:59 - 2:04このように動いてしまう基礎は
通常なら致命的な欠陥のはずでした -
2:04 - 2:05もし職工らが さらに重量を加えていれば
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2:05 - 2:09上層階からの圧力で構造物は沈み
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2:09 - 2:11致命的な傾斜がついていたでしょう
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2:11 - 2:15しかしピサでは交戦状態が長引き
4階に達したところで工事が中断し -
2:15 - 2:19100年近くが過ぎました
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2:19 - 2:22この長い中断で土が固まり
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2:22 - 2:261272年に建築が再開したときには
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2:26 - 2:29基礎は以前より少し安定した
土台の上に立っていました -
2:29 - 2:33建築家 ジョバンニ・デ・シモーネの
指揮のもと -
2:33 - 2:36職工らは塔のわずかな傾斜を
埋め合わせるために -
2:36 - 2:40それに続く数階分について
南側だけを高くしました -
2:40 - 2:45しかし 片側の余分な石工事により
そちら側はさらに深く沈みました -
2:45 - 2:487階と釣鐘室を作り終えたときには
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2:48 - 2:52傾斜は1.6度となっていました
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2:52 - 2:57何百年もわたり 技術者らは
傾くことへの対応策を試しました -
2:57 - 3:021838年 沈下した基礎部分を調査するため
底面のまわりを掘って 通路を作りました -
3:02 - 3:06しかし支えていた砂を除去したために
傾斜がよりひどくなりました -
3:06 - 3:131935年に あるイタリアの技術者団体は
基礎を強化するためにモルタルを注入しました -
3:13 - 3:16しかし 基礎部分に
モルタルが均等に入らず -
3:16 - 3:20またもや急激に沈下してしまいます
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3:20 - 3:24基礎部分の継続的な沈下に
これらの失敗したあらゆる試みが重なって -
3:24 - 3:27塔は倒壊寸前に
なってしまいました -
3:27 - 3:30そして土壌組成に関する
正確な知識がないままに -
3:30 - 3:33技術者らは まさに塔の倒壊に至る
角度を正確に知ることも -
3:33 - 3:37傾斜をとめる方法も
考案できていませんでした -
3:37 - 3:39第二次世界大戦後の数年の間に
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3:39 - 3:43研究者らはその不明な値を
特定する検査方法を開発しました -
3:43 - 3:49さらに 1970年代に技術者らは
斜塔の重心を算出しました -
3:49 - 3:52このデータと新たな計算技術で
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3:52 - 3:56技術者らは土の固さや
塔の傾斜 -
3:56 - 4:02塔がとどまるに必要な掘削量を
モデル化することができました -
4:02 - 4:051992年にチームは斜めに穴を掘り
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4:05 - 4:11塔の北側の地下から
38立方メートル分の土を取り除きました -
4:11 - 4:17そして600トン分の鉛の鋳塊で
建築物を一時的に平衡にした後に -
4:17 - 4:20基礎部分を鋼製のケーブルで
固定しました -
4:20 - 4:23建築から6世紀以上の時間が経ち
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4:23 - 4:28塔はやっと真直ぐになりましたが…
4度程度の傾きはあります -
4:28 - 4:30誰も塔に倒れてほしくはありませんが
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4:30 - 4:34歴史的建造物の一番有名な特徴を
失いたくもなかったのです -
4:34 - 4:39現在 塔は55~56メートル程度の
高さで建ち -
4:39 - 4:42少なくとも300年は安定し
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4:42 - 4:46不完全な美しさをたたえる記念碑として
存在し続けるでしょう
- Title:
- なぜピサの斜塔は倒れないのか ― アレックス・ジェンドラー
- Speaker:
- アレックス・ジェンドラー
- Description:
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1990年にイタリア政府はピサの斜塔の安定を図るため、トップクラスの技術者らに協力を求めました。800年もの歴史の中でその塔を真直ぐにするよう何度も試みましたが、コンピューター上の数値モデルは事態の緊急性を明らかにしました。塔が5.44度傾けば倒れるだろうと予想しましたが、今や5.5度傾いていました。なぜこの塔に悪名高き傾斜がついているのでしょう?アレックス・ジェンドラーがこの建造物の歴史を説明します。
講師:アレックス・ジェンドラー
アニメーション:Aim Creative Studios.*このビデオの教材:https://ed.ted.com/lessons/why-doesn-t-the-leaning-tower-of-pisa-fall-over-alex-gendler
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:49
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