Botticelli, La Primavera (Spring), 1481-1482
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0:00 - 0:02(音楽)
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0:04 - 0:06これはウフィッツィ美術館にある
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0:06 - 0:09サンドロ・ボッティチェリの
謎に満ちた傑作の一つ -
0:09 - 0:11「プリマヴェーラ」です
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0:11 - 0:12「春」という意味です
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0:12 - 0:15聖なる茂みの真ん中に立つ
女神ヴィーナスは -
0:15 - 0:18まっすぐこちらを見つめています
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0:17 - 0:19手前の人物は
左右に分かれているので -
0:19 - 0:22中央のヴィーナスと我々鑑賞者は
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0:22 - 0:25邪魔されずに互いに見つめ合い
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0:25 - 0:27同じ絵画空間を共有することが
できるのです -
0:27 - 0:30女神の周りの木を透かして
見える空は -
0:30 - 0:33まるで後光のようです
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0:33 - 0:34確かに半円ですね
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0:34 - 0:37私は建築物を連想します
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0:37 - 0:39後陣です
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0:39 - 0:42こうした空間に置かれるのは
ルネサンス時代なら普通 -
0:42 - 0:46教会の中の聖母マリアですが
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0:46 - 0:49ここは自然または神話の世界で
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0:49 - 0:50女神ヴィーナスがいるのです
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0:50 - 0:54そうです
そもそもルネサンス時代とは -
0:54 - 0:58古代ギリシア・ローマ文明が
見直された時代で -
0:58 - 1:01この絵で画家はテーマとして
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1:01 - 1:05異教の女神ヴィーナスを
取り上げているのです -
1:05 - 1:07古代ギリシア・ローマ神話の
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1:07 - 1:09他の要素も取り入れていますね
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1:09 - 1:10神話上の多くの人物がいます
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1:10 - 1:12左側にいるのは三美神です
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1:12 - 1:15まず彼女たちの話をしましょう
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1:15 - 1:18三美神はローマ時代に非常に人気ある
彫刻のテーマでした -
1:18 - 1:21彫刻家は人体を同時に
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1:21 - 1:25三つの方向から
表現できたからです -
1:25 - 1:27少しずつ姿勢を変えた人物像を
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1:27 - 1:29三体制作すれば
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1:29 - 1:32丸彫りのように
全身を表現できたのです -
1:32 - 1:35左端にいるのは戦いの神
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1:35 - 1:37マルスです
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1:37 - 1:38武器は持っていません
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1:38 - 1:40この庭園では平和を
楽しんでいるようです -
1:40 - 1:43女神の楽園では
誰でもそうでしょう -
1:43 - 1:45彼が何をしているのか
よく分かりませんね -
1:45 - 1:47手に持つ棒で
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1:47 - 1:49左から近づく雲を
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1:49 - 1:51押しやっているのかもしれません
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1:51 - 1:53雲ひとつない晴れた楽園の一日
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1:53 - 1:54その通りです
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1:55 - 1:58右側にも三人います
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1:58 - 2:01まず風神ゼフュロス
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2:01 - 2:02青い神ですね
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2:02 - 2:03そう 青い姿の彼は
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2:03 - 2:05クロリスを
連れ去ろうとしています -
2:05 - 2:08クロリスの口からこぼれ落ちる
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2:08 - 2:11葉の茂った枝は
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2:11 - 2:13隣に立つフローラに
向かっています -
2:13 - 2:15つまり二人は
同一人物かもしれません -
2:15 - 2:18誘拐されたクロリスは
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2:18 - 2:21フローラに変身したのです
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2:21 - 2:23そしてフローラは花の入った袋から
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2:23 - 2:26まるで絨毯のような地面に
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2:26 - 2:29花をばら撒いています
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2:29 - 2:31プリマヴェーラ
つまり春の絵ですから -
2:32 - 2:34実り豊かな自然を
表しているのです -
2:35 - 2:37次にヴィーナスのすぐ上には
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2:37 - 2:39目隠しをした少年が見えます
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2:39 - 2:41これはもちろん息子の
キューピッドで -
2:41 - 2:44三美神の一人に向けて
矢を射ようとしています -
2:44 - 2:46誰に矢が当たるか
自分でも分かっていませんが -
2:46 - 2:47推測することはできます
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2:47 - 2:50この画家に特徴的なことですが
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2:50 - 2:53人物像は細長く軽やかで
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2:53 - 2:55あり得ないような姿勢をとっています
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2:56 - 2:57ルネサンス絵画には
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2:57 - 2:58珍しいことです
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2:59 - 3:01つまり15世紀の伝統から
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3:01 - 3:05はずれた部分が多いのです
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3:05 - 3:07採用されているのは
透視図法ではありません -
3:07 - 3:09わずかに木立の間の景観には
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3:09 - 3:12空間遠近法が
取り入れられていますが -
3:12 - 3:15それ以外では非常に
正面性の強い絵です -
3:15 - 3:18まるでフリーズ彫刻のようで
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3:18 - 3:22何らかの思想を
表現しているのかもしれません -
3:22 - 3:25美術史家たちは
絵に込められた意味を求めて -
3:25 - 3:28様々な文献を調査してきました
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3:28 - 3:31でもこの作品を見にきた
多くの人々にとって -
3:31 - 3:33思想など
どうでも良いのかもしれません -
3:33 - 3:36この絵は非常に美しいからです
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3:36 - 3:41逆に特別な意味などない方が
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3:41 - 3:4421世紀の私たちは
無心に絵を楽しめるのかもしれません -
3:45 - 3:47絵の細部には
非常に巧みに描かれた -
3:47 - 3:49部分がたくさんあります
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3:49 - 3:51例えば三美神の服のひだや
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3:51 - 3:53飾り房です
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3:53 - 3:55見事としか言いようがありません
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3:55 - 3:57特に三美神の手が触れ合う部分では
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3:57 - 4:00画家は複雑な指の絡まり合いを
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4:00 - 4:02美しく表現しており
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4:02 - 4:07遊び心を込めた視覚的な効果を狙って
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4:07 - 4:11見事に成功しています
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4:12 - 4:14この絵に関しては
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4:14 - 4:19新プラトン主義思想を
表現しているとか -
4:19 - 4:22様々な種類の美を表現したとも
考えられています -
4:22 - 4:25ヴィーナス自身も
息を飲むような美しさです -
4:25 - 4:29頭を傾けて衣装を押さえ
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4:29 - 4:32そして手振りをして
まっすぐこちらを向いています -
4:33 - 4:36誰でも彼女の楽園に行きたいと
願わずにいられないでしょう -
4:37 - 4:38(音楽)
Takako Kimura-Ude edited Japanese subtitles for Botticelli, La Primavera (Spring), 1481-1482 | ||
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Takako Kimura-Ude edited Japanese subtitles for Botticelli, La Primavera (Spring), 1481-1482 |