Return to Video

自分自身のアンチヒーロー ― ティム・アダムス

  • 0:15 - 0:17
    文学評論家ノースロップ・フライは
    かつて次のように述べました
  • 0:17 - 0:22
    文学作品に登場するヒーローは
    かつては神々に近く
  • 0:22 - 0:27
    文明が発達するに従い
    彼らは神々の山から下り
  • 0:27 - 0:33
    より人間らしく 欠点を持ち
    英雄的でなくなりました
  • 0:33 - 0:35
    ヘラクレスのように神に近いヒーローから
  • 0:35 - 0:40
    少し山を下りると ベオウルフのように
    奇跡的であるが死を免れないヒーロー
  • 0:40 - 0:42
    アーサー王のような偉大なリーダー
  • 0:42 - 0:47
    マクベスやオセロのように偉大だが
    欠点のあるヒーローがいます
  • 0:47 - 0:52
    さらに下にはハリー・ポッター
    ルーク・スカイウォーカーやヒックのように
  • 0:52 - 0:55
    思いがけずになってしまったヒーロー
  • 0:55 - 0:59
    そして底まで辿り着くと
    アンチヒーローに出会えます
  • 0:59 - 1:04
    言葉とは裏腹に アンチヒーローは
    悪者でも敵対者でもありません
  • 1:04 - 1:08
    実際 アンチヒーローは
    いくつかの現代文学では主人公です
  • 1:08 - 1:13
    『華氏451度』のガイ・モンタグ
    『1984』のウィンストン・スミス
  • 1:13 - 1:17
    彼らは知らず知らず
    最後には権力者たち―
  • 1:17 - 1:25
    つまり権力を乱用し 社会の悪は排除されたと
    民衆を洗脳する者に立ち向かいます
  • 1:25 - 1:31
    理想的には 体制に刃向かう彼らは
    賢く 自信に満ち 勇敢で
  • 1:31 - 1:35
    力が強く 追従者を鼓舞するような
    カリスマ性を持っているべきです
  • 1:35 - 1:40
    しかし アンチヒーローは
    良くても 持っている特性は完璧でなく
  • 1:40 - 1:43
    最悪の場合 完全に不器用です
  • 1:43 - 1:49
    アンチヒーローの物語は
    普通次のように展開します
  • 1:49 - 1:53
    最初は従順で 無知ゆえに
    既成の概念を受け入れ
  • 1:53 - 1:58
    疑うことを知らない 洗脳された
    典型的な共同体の一員です
  • 1:58 - 2:02
    アンチヒーローは従うことにもがき
    異議を唱え始め
  • 2:02 - 2:06
    ときに共に疑問を発する部外者を見つけ
  • 2:06 - 2:13
    無邪気かつ愚かなことに
    疑問を権力者と共有します
  • 2:13 - 2:15
    アンチヒーローは社会に公然と挑戦し
  • 2:15 - 2:19
    民衆を服従させるために使われている
    嘘と策略に戦いを挑みます
  • 2:19 - 2:26
    この段階が勇敢で賢く英雄的な抵抗と
    なることは滅多にありません
  • 2:26 - 2:31
    アンチヒーローが戦い
    抑圧的な政府を壊滅するにしても
  • 2:31 - 2:33
    あり得ない幸運に恵まれたおかげです
  • 2:33 - 2:38
    また別の日に戦うべく
    逃げるかも知れません
  • 2:38 - 2:43
    しばしば アンチヒーローは殺されるか
    洗脳されて
  • 2:43 - 2:46
    集団へ再度服従させられます
  • 2:46 - 2:52
    英雄的な勝利や現代社会の
    非人間的な制度に対する勇敢な抵抗もなければ
  • 2:52 - 3:02
    戦うよう他者を奮起させたり 悪の帝国を
    賢く出し抜いて負かすこともありません
  • 3:02 - 3:06
    私たちの祖先の物語では
    無力さに対する恐れを静めるため
  • 3:06 - 3:11
    焚火の向こうの闇に潜んでいるであろう
    悪魔や怪物を倒すのに十分な力を持つ
  • 3:11 - 3:15
    ヘラクレスや他のヒーローを登場させました
  • 3:15 - 3:19
    しかし最終的に
    怪物は外にいるのではなく
  • 3:19 - 3:23
    自らの中にあることを私たちは悟りました
  • 3:23 - 3:26
    ベオウルフの最大の敵は死でした
  • 3:26 - 3:28
    オセロの敵は嫉妬
  • 3:28 - 3:31
    ヒックの敵は自信喪失でした
  • 3:31 - 3:36
    そして無力なアンチヒーローの物語である
    ガイ・モンタグとウィンストン・スミスの話には
  • 3:36 - 3:42
    原始的な恐怖に訴えかける
    現代作家による警告が潜んでいます
  • 3:42 - 3:46
    つまり私たちは
    怪物を倒すほど強くないのです
  • 3:46 - 3:50
    今回に限っては
    焚火が怪物を追い払ったのではなく
  • 3:50 - 3:55
    そもそも当の怪物が火を焚いたのでした
Title:
自分自身のアンチヒーロー ― ティム・アダムス
Speaker:
Tim Adams
Description:

アンチヒーローは、どのようにして物語の主人公を形成する英雄的な特徴を―そして時には英雄的でない特徴も―私たちに教えてくれるのでしょうか? 嫉妬から自信喪失に至るまで、ティム・アダムスは、アンチヒーローがどのように私たちの内に潜む非常に致命的な弱点を映し出しているかについて考えるように促しています。

講師:ティム・アダムス、アニメーション:ウッド・ゴブリン スタジオ
*このビデオの教材:http://ed.ted.com/lessons/an-anti-hero-of-one-s-own-tim-adams

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:11
Moe Shoji approved Japanese subtitles for An antihero of one's own
Moe Shoji edited Japanese subtitles for An antihero of one's own
Moe Shoji edited Japanese subtitles for An antihero of one's own
Moe Shoji edited Japanese subtitles for An antihero of one's own
Masaki Yanagishita accepted Japanese subtitles for An antihero of one's own
Masaki Yanagishita edited Japanese subtitles for An antihero of one's own
Masaki Yanagishita edited Japanese subtitles for An antihero of one's own
Masaki Yanagishita edited Japanese subtitles for An antihero of one's own
Show all

Japanese subtitles

Revisions