< Return to Video

「エブリデイ・セクシズム」—私たちの日常を取り巻く性差別 | ローラ・ベイツ | TEDxCoventGardenWomen

  • 0:23 - 0:28
    1年半ほど前 同じ週に
    立て続けに嫌なことが起きました
  • 0:28 - 0:31
    仕事帰りのある晩のこと
  • 0:31 - 0:35
    外は暑く 道は車が渋滞して
    動かない状態でした
  • 0:35 - 0:38
    歩いていると
    車が すっと横につけてきました
  • 0:38 - 0:41
    中の男たちが窓から
    うるさく声をかけてきて
  • 0:41 - 0:44
    私の脚がどうとか あんなコトや
    こんなコトしたいなどと言われました
  • 0:44 - 0:48
    私は無視して そのまま帰り
    気にしませんでした それが普通ですよね
  • 0:48 - 0:49
    その数日後の晩
  • 0:49 - 0:52
    かなり夜遅くに
    バスに乗って帰宅中で
  • 0:52 - 0:55
    母と電話で話していました
  • 0:55 - 0:57
    初めは脚に偶然 隣の男の手が
    触れたような気がしたのですが
  • 0:57 - 0:59
    初めは脚に偶然 隣の男の手が
    触れたような気がしたのですが
  • 1:00 - 1:02
    私は電話を続けました
  • 1:02 - 1:06
    気付くと 男は実際
    私の脚をわし掴みに触っていて
  • 1:06 - 1:09
    手が私の股間に向かっていました
  • 1:09 - 1:12
    私は立ち上がり 男から離れましたが
    電話中だったので
  • 1:12 - 1:15
    ごく自然に 言葉が
    口をついて出てきました
  • 1:15 - 1:18
    「たった今 バスの中で痴漢された」
  • 1:19 - 1:21
    それを聞いた乗客は 全員
    窓の外に顔を向けるか
  • 1:22 - 1:24
    うつむくか
    携帯に目を落とすかで
  • 1:24 - 1:26
    当然 誰も助けてくれないだけでなく
  • 1:26 - 1:29
    「何だよこの女 騒ぎ立てて
    自分の問題は自分でどうにかしろ
  • 1:29 - 1:33
    他人を巻き込もうとするなよ」
    という空気があからさまに漂い
  • 1:33 - 1:35
    即座に恥ずかしくなりました
  • 1:35 - 1:37
    自分が何か悪いことをしたような気分になり
  • 1:37 - 1:39
    夜遅く独りでいたから悪いんだとか
  • 1:39 - 1:41
    こんな服 着てこなければよかったなど
  • 1:41 - 1:44
    恥ずかしさが引き金となり
    色々な考えで頭がいっぱいになりました
  • 1:44 - 1:46
    今回も 私はそのまま
  • 1:46 - 1:50
    帰宅し 誰にも何も言わずに
    平常心に戻りました それが普通ですから
  • 1:50 - 1:53
    数日後 真っ昼間に
    通りを歩いていたときのことです
  • 1:53 - 1:57
    荷下し中の大型トラックがあって
    後方から足場が出てきて
  • 1:57 - 1:59
    男2人が一緒に作業しているところでした
  • 1:59 - 2:02
    私が通りかかると
    1人が もう1人に向かって言いました
  • 2:02 - 2:04
    「見てみろよ あのオッパイ」
  • 2:05 - 2:07
    人ではなく モノ扱いです
  • 2:07 - 2:10
    さらに 私についての話を まるでそこに
    いない人かのように始めました
  • 2:11 - 2:12
    目の前を歩く私には丸聞こえでした
  • 2:13 - 2:16
    この一連の出来事に関して
    本当に衝撃的だったのは
  • 2:16 - 2:18
    もし同じ週に起こっていなかったら
  • 2:18 - 2:21
    私自身どれ1つ 思い出しも
    しなかっただろうということです
  • 2:21 - 2:23
    なぜそうなのか
    疑問が湧いてきました
  • 2:23 - 2:25
    なぜ こんなに普通で
    こんなに慣れっこなのか
  • 2:25 - 2:28
    すると 何百件もの出来事が
    記憶に蘇ってきました
  • 2:28 - 2:31
    過去何週間 何ヶ月
    何年という間に経験し
  • 2:31 - 2:33
    普通のことだからと 一切
    誰にも言ったことのなかった出来事です
  • 2:33 - 2:35
    普通のことだからと 一切
    誰にも言ったことのなかった出来事です
  • 2:35 - 2:37
    そこで私は他の女性にも
    話を聞くことにしました
  • 2:37 - 2:40
    知っている女性 年上も年下も
    会ったばかりの女性にも
  • 2:40 - 2:42
    「こんな目に遭ったことありますか?」
    と質問を始めました
  • 2:42 - 2:47
    正直 経験談が出てくるのは
    1人か2人だと思っていたし
  • 2:47 - 2:49
    「数年前にこんなことが」とか
  • 2:49 - 2:51
    「ある職場でこんなことが」程度かなと
  • 2:51 - 2:52
    ところが 実際は
  • 2:52 - 2:54
    話した女性 一人残らず
  • 2:54 - 2:57
    しかも 数年前の1件どころではなく
  • 2:57 - 2:58
    何百件とありました
  • 2:58 - 3:00
    「ここに来る途中に
    こんなことがあって
  • 3:00 - 3:03
    昨日はこんなことが
    ほぼ毎日こんなことがある」
  • 3:03 - 3:07
    でも私と同様に 訊かれるまでは
    誰にも一度も話したことがなかったのです
  • 3:07 - 3:10
    慣れっこだったし
    ごく普通のことだったからです
  • 3:10 - 3:12
    これが非常に大きな問題であると
  • 3:12 - 3:14
    悟り始めた私は
    なるべく話題にしようと努め
  • 3:14 - 3:16
    意識的に話すようにしました
  • 3:16 - 3:18
    すると 繰り返し何度も
    同じことを言われました
  • 3:18 - 3:21
    「騒ぎ立てるのはやめなさい
  • 3:21 - 3:24
    女性は今や そこそこ
    対等な地位を得ているんだから」
  • 3:24 - 3:26
    つまり 女性が対等である今
  • 3:26 - 3:29
    女性に対する性差別について
    話題にすることも物申すことも
  • 3:29 - 3:30
    過剰反応だ というわけです
  • 3:30 - 3:33
    ユーモアのセンスが
    足りないんじゃないかとか
  • 3:33 - 3:35
    褒め言葉だと思えばいいじゃないとか
  • 3:35 - 3:39
    愛想がないとか 真面目すぎるとか
    冗談の通じない女 などの言われようでした
  • 3:39 - 3:42
    私は 確かにそうかもしれない
    現代の女性はそこそこ対等だし
  • 3:42 - 3:43
    自分の過剰反応かもしれない
  • 3:43 - 3:46
    本当かどうか
    検証してみることにしました
  • 3:46 - 3:49
    すると こんなことが分かりました
  • 3:49 - 3:51
    現代の女性はそこそこ対等とのことですが
  • 3:51 - 3:53
    英国議会は例外です
  • 3:53 - 3:56
    全国民に影響のある政策が
    議論され制定される場なのに
  • 3:56 - 3:59
    女性の国会議員は
    4人に1人もいません
  • 3:59 - 4:02
    上院になると女性の割合は
    5人に1人です
  • 4:02 - 4:07
    国会における男女平等ランキングで
    イギリスは世界57位です
  • 4:08 - 4:09
    法曹界の女性を見ると
  • 4:09 - 4:14
    控訴院裁判官は
    35名中たったの4名
  • 4:14 - 4:18
    高等法院裁判官は
    108名中たったの18名
  • 4:18 - 4:20
    次に芸術の世界も見てみました
  • 4:20 - 4:26
    2010年の報告書によると
    芸術機関として 最高レベルの権威である―
  • 4:26 - 4:29
    ナショナルギャラリーに収蔵されている
    絵画2,300点のうち
  • 4:29 - 4:32
    女性の作品は10点のみでした
  • 4:32 - 4:34
    さらに ロイヤル・オペラ・ハウスでは
  • 4:34 - 4:37
    過去13年間一度も
    女性の振付家に
  • 4:37 - 4:40
    メインステージ用の作品を
    依頼していないそうです
  • 4:40 - 4:44
    そしてイギリス中
    端から端まで数えて573点ある—
  • 4:44 - 4:48
    著名な人物をかたどった彫像の中で
    女性はたったの15%です
  • 4:50 - 4:52
    国内の技術者のうち
    女性は10人に1人もいません
  • 4:52 - 4:55
    フランスやスペインで
    女性が占める割合の半分以下です
  • 4:55 - 4:56
    ロンドン王立協会は
  • 4:56 - 4:59
    科学機関の中でも
    最高権威の1つですが
  • 4:59 - 5:00
    歴代会長に女性は1人もおらず
  • 5:00 - 5:03
    現会員の中で女性は
    たったの5%です
  • 5:03 - 5:07
    化学専攻の学部学生のうち
    50%が女性ですが
  • 5:07 - 5:10
    女性教授はたったの6%です
  • 5:10 - 5:14
    新聞の一面記事を書いている記者のうち
    女性は5人に1人しかおらず
  • 5:14 - 5:19
    さらに一面記事に登場する人物や専門家は
    84%が男性です
  • 5:19 - 5:25
    2011年公開の人気映画250本の中で
    女性監督によるものは わずか5%
  • 5:25 - 5:27
    イギリス国内の建築士の中で
    女性は5人に1人
  • 5:27 - 5:29
    しかも その中で63%が
  • 5:29 - 5:32
    現役中に職場でのセクハラを
    経験したと申告しています
  • 5:32 - 5:34
    現役中に職場でのセクハラを
    経験したと申告しています
  • 5:35 - 5:38
    次に犯罪統計に目を向けると
  • 5:38 - 5:41
    現代の女性はそこそこ対等とのことですが
  • 5:41 - 5:43
    そのくせ イギリス国内では
    毎週2人以上の女性が
  • 5:43 - 5:45
    現在または過去のパートナーに
    殺害されます
  • 5:45 - 5:49
    警察には毎分1件
    家庭内暴力についての電話が来ます
  • 5:49 - 5:51
    6分から7分に1回のペースで
    女性が強姦され
  • 5:51 - 5:56
    強姦事件は毎年8万5千件を超え
    性的暴行は40万件を超えます
  • 5:56 - 5:59
    イギリスの女性は
    4人に1人の確率で
  • 5:59 - 6:01
    家庭内暴力の被害に遭い
  • 6:01 - 6:05
    5人に1人の確率で
    性犯罪の被害に遭います
  • 6:05 - 6:08
    世界規模では 女性の3人に1人が
    一生のうちに強姦または暴力に遭います
  • 6:08 - 6:10
    世界規模では 女性の3人に1人が
    一生のうちに強姦または暴力に遭います
  • 6:11 - 6:15
    以上の調査結果から
    現代女性は対等であるとか
  • 6:15 - 6:18
    波風を立てるべきではないという主張は
    根拠がないという結論に至りました
  • 6:18 - 6:21
    むしろ 今こそ
    波風を立てる時だと思いました
  • 6:21 - 6:23
    そこで ウェブサイトを作りました
  • 6:23 - 6:28
    人々が性差別の存在さえ否定していたのでは
    問題解決は不可能だと思ったのと
  • 6:28 - 6:32
    私がやりたかったのは
    自分が見聞きしたような話の数々を
  • 6:32 - 6:34
    目の前に地図のように広げて
    一覧で観れるようにして
  • 6:34 - 6:37
    性差別の蔓延や現状の深刻さに
    気付けるようにすることです
  • 6:37 - 6:42
    「エブリデイ・セクシズム・プロジェクト」
    というごく簡素なウェブサイトを立ち上げ
  • 6:42 - 6:43
    女性に そして男性にも
  • 6:43 - 6:47
    日々経験するジェンダー不均衡について
    投稿するよう呼びかけました
  • 6:47 - 6:50
    ごく些細で 普通のことだと
    思われている物事から
  • 6:50 - 6:51
    深刻な内容まで様々です
  • 6:51 - 6:54
    資金も告知宣伝する術も
    一切なかったので
  • 6:54 - 6:57
    20人から30人くらいなら
    投稿してくれるだろう
  • 6:57 - 6:59
    そこから連帯感が生まれて
  • 6:59 - 7:01
    意識向上につながればいいと
    考えました
  • 7:01 - 7:04
    ところがこれに
    期待していた以上に火がついたのです
  • 7:04 - 7:07
    [7万5千人の女性が
    性差別を訴える]
  • 7:08 - 7:14
    1年半で世界中5万人の女性から
    経験談が投稿されました
  • 7:14 - 7:17
    女性も男性も
    あちこち たくさんの国から
  • 7:17 - 7:23
    あらゆる年齢 人種 民族 性指向
    ジェンダー・アイデンティティの人々
  • 7:23 - 7:26
    宗教に熱心な人から無宗教の人
    障害者から非障害者まで
  • 7:26 - 7:28
    働いている人も そうでない人も
    含まれました
  • 7:28 - 7:31
    例えば 障害を持つ
    車椅子の7歳の女の子から
  • 7:31 - 7:34
    障害者用スクーターに乗る
    74歳の女性までが
  • 7:34 - 7:36
    ほぼ全く同じ経験をしていました
  • 7:36 - 7:39
    「だから女の運転手はダメなんだ」と
    大声で中傷されたそうです
  • 7:39 - 7:41
    イギリス国教会の
    ある女性牧師は
  • 7:41 - 7:44
    結婚式や葬式に立ち会うのは
    男性牧師がいいと言われたそうです
  • 7:44 - 7:46
    「あなたが嫌なのではないけど」と
  • 7:46 - 7:49
    ある男性は自分の子供たちの面倒を見たら
    褒めそやされたそうです
  • 7:49 - 7:51
    都会で働く ある女性は
  • 7:51 - 7:55
    クリスマスのボーナスが欲しければ
    膝の上に座ってと上司に言われたそうです
  • 7:55 - 7:57
    ビデオ屋で働く ある女性は
  • 7:57 - 8:00
    倉庫から新しい在庫を取ってくるために
    脚立を登ると
  • 8:00 - 8:01
    毎回 店長がお尻を叩いてきて
  • 8:01 - 8:04
    降りてくると 今度は
    彼女の上半身に目を落とし
  • 8:04 - 8:06
    「だから君を雇ったのさ」
    と言うそうです
  • 8:06 - 8:08
    あるウェイトレスの女性は
  • 8:08 - 8:11
    妊娠したとき 堕ろすか辞めるかの
    二者択一を迫られたそうです
  • 8:11 - 8:14
    15歳の女の子は
    自分は頭が良くて面白い人間で
  • 8:14 - 8:16
    どんな仕事にでも就けると思うけれど
  • 8:16 - 8:19
    医者になっても弁護士になっても
    現実は同じことだと書きました
  • 8:19 - 8:22
    なぜなら 周囲の人々やメディアが
  • 8:22 - 8:25
    女性は結局のところ
    性的魅力があるかどうか
  • 8:25 - 8:28
    胸が大きくて腰がくびれた
    体型に育つかどうか
  • 8:28 - 8:30
    男にモテるかどうかが
    大事であると言うからです
  • 8:30 - 8:32
    13歳の女の子は
  • 8:32 - 8:35
    学校で男子に
    ポルノ動画のセックスシーンを
  • 8:35 - 8:36
    携帯で見せられて
  • 8:36 - 8:39
    今ではセックスが怖くて
    毎晩泣いているそうです
  • 8:39 - 8:42
    それまで気付かなかったけど
    セックスというものは
  • 8:42 - 8:44
    女性が痛い思いをして
    泣き叫ぶことだと知ったからです
  • 8:44 - 8:48
    パキスタンのある女性は 虐待の事実を
    家族の名誉を守るために隠していると書き
  • 8:48 - 8:51
    ブラジルでは 通りすがりに
    気安く言葉をかけてきた男3人を
  • 8:51 - 8:54
    無視したら車でさらわれそうになった
    という女性までいました
  • 8:54 - 8:57
    あるメキシコの女性は
    大学の教授にこう言われたそうです
  • 8:57 - 9:00
    "Calladita te ves más bonita"
  • 9:00 - 9:02
    「黙っていれば可愛いんだよ」
  • 9:04 - 9:07
    これは私が政治を題材に
    スピーチをしたときのコメントです
  • 9:07 - 9:10
    [ローラは とにかくオッパイ出せよ
    品定めしてやるから]
  • 9:10 - 9:13
    [別に女だから差別してるわけじゃないが
    いいモノ持ってそうだし…]
  • 9:13 - 9:16
    そして レイプを予告するツイートが
    毎日のようにありました
  • 9:16 - 9:20
    1日1件どころじゃなく
    200件にのぼることもありました
  • 9:20 - 9:22
    公に主張をしているがためにです
  • 9:22 - 9:24
    皮肉にも こうして
    この企画の邪魔をしようと
  • 9:24 - 9:25
    暴言を吐いてくる人々そのものが
  • 9:25 - 9:28
    これがいかに重要で必要な企画であるか
    という証なのです
  • 9:28 - 9:29
    [死ね クソ女]
  • 9:29 - 9:32
    一部の人には私の存在が
    あまりにも脅威だったようです
  • 9:32 - 9:35
    単に男女平等について
    語りたいという理由で
  • 9:35 - 9:38
    女性の声に力を与えるため
    プラットフォームを作っただけで
  • 9:38 - 9:42
    凶器の種類と手順を具体的に示し
  • 9:42 - 9:45
    私の内臓を
    どう引っ張り出してやろうとか
  • 9:45 - 9:48
    ただレイプするだけではなく
    具体的にどんな風に
  • 9:48 - 9:51
    いつ どこで どこの口に突っ込むなど
    言ってくる人がいたのですから
  • 9:52 - 9:54
    そんな中 また別の現象が起こり始めました
  • 9:55 - 9:57
    投稿された経験談が
    1万件を超えたところで
  • 9:57 - 10:00
    それまでとは かなり空気の違う話が
    投稿され始めました
  • 10:00 - 10:03
    成功談を聞くようになったのです
  • 10:03 - 10:04
    様々な女性の成功談です
  • 10:04 - 10:07
    例えば ランニングが趣味の
    ある女性は
  • 10:07 - 10:09
    よく道でセクハラに遭っていたけれど
  • 10:09 - 10:11
    そういうものだと思っていたそうです
  • 10:11 - 10:13
    サイトの経験談を読んだ彼女は
  • 10:13 - 10:15
    他の女性がセクハラに
    立ち向かっていることや
  • 10:15 - 10:17
    これが普通なのはおかしい
  • 10:17 - 10:19
    間違っているという意見の人も
    いることを知りました
  • 10:19 - 10:21
    その後 ランニングに出たとき
  • 10:21 - 10:24
    車に乗っている男に呼び止められ
    道を聞かれました
  • 10:24 - 10:26
    道を教えようと近づくと
  • 10:26 - 10:30
    車の窓から男が手を出し
    彼女の胸を力一杯 わし掴みにしてきて
  • 10:30 - 10:31
    すごく痛かったそうです
  • 10:31 - 10:33
    今までの経験が蘇り
  • 10:33 - 10:36
    この状況で通常生まれるような感情が
    どっと流れ込んできました—
  • 10:36 - 10:39
    恐怖 狼狽 恥辱
    走って逃げたくなる衝動—
  • 10:39 - 10:42
    しかし同時に 以前には
    感じたことのなかった—
  • 10:42 - 10:45
    他の女性たちが
    後ろで支えてくれているような心強さが
  • 10:45 - 10:47
    ほんの一瞬でしたが
    強さを与えてくれ
  • 10:47 - 10:50
    一呼吸おいて
    男の車のナンバーを書き留めました
  • 10:50 - 10:52
    男は現在 暴行罪で起訴されています
  • 10:52 - 10:54
    また 寄せられた中でも2千件
  • 10:54 - 10:57
    公共交通機関で女性が受けた
    わいせつ行為や
  • 10:57 - 10:59
    暴力についての
    経験談だけを集めて
  • 10:59 - 11:01
    イギリス鉄道警察に持ち込み
  • 11:01 - 11:04
    性犯罪の監視手段の見直しを
    促すことができました
  • 11:04 - 11:06
    経験談を分析し
  • 11:06 - 11:09
    被害を届ける勇気が出ないのはなぜかという
    女性たちの生の声を届け
  • 11:09 - 11:11
    続いて 鉄道警察と協力し
  • 11:11 - 11:13
    全国のあらゆる人々に呼びかけて
  • 11:13 - 11:16
    警察も深刻に受け止めているので
    被害を届けても大丈夫だと伝えました
  • 11:16 - 11:19
    この「Project Guardian」のおかげで
  • 11:19 - 11:22
    地下鉄内での性的嫌がらせや
    暴力行為の被害を届け出数が
  • 11:22 - 11:23
    約20%増加しました
  • 11:24 - 11:26
    そして女子大学生との対話も始めました
  • 11:26 - 11:29
    テーマは とてもシンプルなこと
    性暴力の定義についてです
  • 11:29 - 11:32
    英国法の下では 他人に身体の
    どこを触られたとしても
  • 11:32 - 11:34
    その行為が性的であり
    本人の同意がなく
  • 11:34 - 11:37
    本人が同意していると考える
    確かな理由がない場合
  • 11:37 - 11:38
    それは性暴力の一種です
  • 11:38 - 11:40
    女子学生たちが言うには
  • 11:40 - 11:42
    「それが性暴力なわけない
    普通のことだし」
  • 11:42 - 11:44
    「それが性暴力なわけない
    友達と出かけるといつも起こることだし」
  • 11:44 - 11:46
    「それが性暴力なわけない
    友達と出かけるといつも起こることだし」
  • 11:46 - 11:47
    「それが性暴力なわけない
  • 11:47 - 11:49
    そう呼ぶことはできないから
  • 11:49 - 11:52
    誰も真面目に取り合ってくれないし
    警察にも行けなかったし」
  • 11:52 - 11:54
    このような意識に
    改善が見られ始めました
  • 11:54 - 11:57
    以前は抗議する権利があるなど
    思ってもいなかった人々が
  • 11:57 - 12:00
    被害を届けた話なども
    入ってくるようになりました
  • 12:00 - 12:04
    また 性差別に立ち向かったという
    経験談を聞くようにもなりました
  • 12:04 - 12:06
    これは興味深く
    重要なことでもありました
  • 12:06 - 12:09
    プラカードを振りかざして
    抗議デモをしたという話ではなく
  • 12:09 - 12:11
    もちろん それも重要ですが
  • 12:11 - 12:13
    世界中の女性や男性から寄せられた—
  • 12:13 - 12:16
    一人一人が
    その人独自の対抗策を見い出し
  • 12:16 - 12:19
    それが功を奏して
    人生が変わったという話だからです
  • 12:19 - 12:22
    職場でセクハラに遭っていた女性の話では
  • 12:22 - 12:25
    セクハラ関連の就業規則を印刷して
  • 12:25 - 12:29
    従業員全員の机に置いたら
    その後は一切なくなったそうです
  • 12:29 - 12:32
    営業電話にウンザリしていた
    女性の話もありました
  • 12:32 - 12:35
    シングルマザーの彼女が
    嫌だったのは
  • 12:35 - 12:37
    毎回「ご主人は」と
    訊かれることでした
  • 12:37 - 12:39
    今では 6歳の息子に
    電話を代わって
  • 12:39 - 12:40
    (笑)
  • 12:40 - 12:43
    出た息子は「やっぱ俺ってセクシー」
    と歌うそうです
  • 12:43 - 12:43
    (笑)
  • 12:43 - 12:46
    ある男性は
    建築現場を通りかかったとき
  • 12:46 - 12:48
    作業員たちが
    通りの向こうの女性に対して
  • 12:48 - 12:50
    「オッパイ見せろ!」と叫んだので
  • 12:50 - 12:52
    自分のTシャツを
    まくってみせたそうです
  • 12:52 - 12:53
    また ある女性は
  • 12:53 - 12:57
    道で誰かに「いいオッパイだな!」と
    大声で言われるたびに
  • 12:57 - 13:00
    胸に目を落とし 未知の物を見たかのように
    悲鳴を上げるそうです
  • 13:00 - 13:03
    (笑)
  • 13:03 - 13:05
    (拍手)
  • 13:05 - 13:07
    また 別の男性は
  • 13:07 - 13:09
    性的嫌がらせについて
    考えたこともなかったけれど
  • 13:09 - 13:11
    経験談を読んだあとに
  • 13:11 - 13:15
    女性がどんな思いをしているか
    理解が深まったそうです
  • 13:15 - 13:18
    その後 道ばたで2人の女性に
    絡んでいる男を見かけたとき
  • 13:18 - 13:20
    男に追いついて肩を叩き
    こう言ったのでした
  • 13:20 - 13:23
    「すみませんが どうして
    あんなこと したんですか?」
  • 13:24 - 13:25
    男は答えられなかったそうです
  • 13:25 - 13:27
    それまでに一度も
    理由を問われたことがなく
  • 13:27 - 13:29
    男本人にとっても普通だったからです
  • 13:29 - 13:33
    それが普通であるという世界で
    そういう振る舞いを見て育ったからです
  • 13:33 - 13:35
    これが 本当に大事な部分です
  • 13:35 - 13:37
    残念かつ歯がゆいことに
  • 13:37 - 13:40
    今では1つの政策変更や法制定を
    槍玉に挙げて
  • 13:40 - 13:43
    これが悪いのだと言うことは
    できません
  • 13:43 - 13:46
    特に イギリスでは今
    非常に優れた法律があります
  • 13:46 - 13:48
    代表的な例は
    職場でのセクハラに関する法制で
  • 13:48 - 13:50
    非常によくできています
  • 13:50 - 13:53
    私のサイトに投稿される数が
    一番多いカテゴリーは
  • 13:53 - 13:56
    女性が職場で
    セクハラを受けたという話や
  • 13:56 - 13:57
    暴行されたという話や
  • 13:57 - 14:00
    差別されたという話です
  • 14:00 - 14:02
    文化として 社会として
    女性やに対する意識や
  • 14:02 - 14:06
    女性への暴力に対する意識の
    改革が必要なのです
  • 14:06 - 14:09
    真の問題は 周りの人間です
    セクハラ発言を「軽口」と笑い流し
  • 14:09 - 14:12
    胸を触られた女性がいても
    冗談で済ませるせいで
  • 14:12 - 14:14
    被害者は 届けるのを
    尻込みしてしまうからです
  • 14:14 - 14:17
    でも これはある意味 期待大です
  • 14:17 - 14:19
    私たち誰もが解決に貢献できる
    という意味ですから
  • 14:19 - 14:22
    エブリデイ・セクシズム・プロジェクトは
    少なくとも
  • 14:22 - 14:24
    性差別は それぞれ
    単独の出来事ではなく
  • 14:24 - 14:26
    全て関連しているという証にはなりました
  • 14:26 - 14:28
    女性に対する差別的な
    考えや態度があるから
  • 14:28 - 14:32
    「些細なこと」扱いになる
    性差別や嫌がらせが起こり
  • 14:32 - 14:35
    それを 軽く流せ 騒ぎ立てるな
    などと言う人が多いのであり
  • 14:35 - 14:37
    女性に対する差別的な
    考えや態度があるから
  • 14:37 - 14:41
    もっと深刻な 暴行や強姦が
    発生するのです
  • 14:41 - 14:44
    これはつまり
    社会が持つ 女性に対する
  • 14:44 - 14:46
    意識の改革に
    どこでもいいから1つ
  • 14:46 - 14:48
    メディアの世界であろうが
    仕事の世界であろうが
  • 14:48 - 14:50
    対人関係でも経済であっても
    貢献することで
  • 14:51 - 14:55
    他の領域でも 女性に対する意識や扱いを
    変える流れに加われるということです
  • 14:55 - 14:58
    つまり 私たち誰もが
    変革の一端を担うことができるのです
  • 14:58 - 15:01
    狙いは 必ずしも加害者を
    吊るし上げることではなく
  • 15:01 - 15:03
    また 決して被害者に
  • 15:03 - 15:05
    特定の振る舞い方や
    反応の仕方を
  • 15:05 - 15:07
    指図することでもありません
  • 15:07 - 15:08
    セクハラを受けた女性に
  • 15:08 - 15:11
    誰にも言えないような思いをさせた
    職場の同僚たちや
  • 15:11 - 15:15
    あの日 バスの中で目をそらした人たちを
    変えていくのが目的なのです
  • 15:16 - 15:17
    みんなで変革に加わりましょう
  • 15:17 - 15:22
    姪に化学実験セットを
    甥におもちゃの台所をプレゼントする—
  • 15:22 - 15:24
    かっこいい叔父・叔母になりましょう
  • 15:24 - 15:25
    女性を蔑む呼び方はやめようと
  • 15:25 - 15:29
    はっきりと男友達を諌められる
    若者になりましょう
  • 15:29 - 15:33
    痴漢行為に遭った人に対して
    真剣に対応してもらえるんだ—
  • 15:33 - 15:36
    被害を届ける権利があるんだと
    気付かせてあげられる人になりましょう
  • 15:36 - 15:38
    タブロイド紙の編集者なら
  • 15:39 - 15:43
    女性の胸の写真が
    ついていない記事を依頼しましょう
  • 15:43 - 15:45
    バス停で女性が嫌がらせを受けていたら
  • 15:45 - 15:48
    助けに入れる人になりましょう
  • 15:48 - 15:52
    バスの中で痴漢がいたら
    やめるようにと言える人になりましょう
  • 15:52 - 15:55
    みんなで声を上げれば上げるほど
    より響くのですから
  • 15:55 - 15:59
    (拍手)
Title:
「エブリデイ・セクシズム」—私たちの日常を取り巻く性差別 | ローラ・ベイツ | TEDxCoventGardenWomen
Description:

人々の心を動かし、数々の表彰を受けた「エブリデイ・セクシズム・プロジェクト」には、年代、人種、性指向にかかわらず、障害者も非障害者も、働いている人も働いていない人も、信仰のある人も無宗教の人も、あらゆる女性からジェンダー不平等の経験談が寄せられています。今までに投稿者数は5万人を超え、現在も増え続ける、エブリデイ・セクシズム・プロジェクトを立ち上げたローラ・ベイツによる、惹き込まれるようなトークです。

このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
16:06

Japanese subtitles

Revisions